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2007.07.20

犯人は誰だ?!★「殺人の追憶」

(2)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

'70年代、パク・チョンヒ大統領統治下の激動の韓国を舞台にした本格的刑事ドラマで、
公開されるやたちまち話題を呼び、国内外の映画賞を数多く獲得した秀作‥‥
それが、ポン・ジュノ監督・脚本の「殺人の追憶」（'03年）です。

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ソウル近郊の農村で、若い女がレイプの果てに相次いで殺される事件が発生。
捜査に奔走する地元警察のパク（ソン・ガンホ）刑事、チョ刑事、ソウル市警から派遣されたソ刑事。
容疑者らしい人物が数人浮かぶが、いずれもシロ。
そしてあせる捜査陣をあざ笑うかのように、また女の惨殺死体が‥‥

70年代の韓国では半ば黙認されていた警察の拷問のシーンを除けば、
松本清張原作のサスペンス映画のようなテイストがあり、
見ごたえ満点でした。
田舎者がいたり、都会派がいたりで、それぞれ性格の異なる刑事たちが、
捜査の過程で激しくぶつかりあうところや、
現場に陰毛が落ちていないことから、犯人を無毛症の男と思い込み、
銭湯でそれらしい人物を探すところなどは、
「韓流以前」の韓国特有の泥くささを感じて、どこかほのぼのとしました。
最終的に容疑者と目されるパク・ヘイルが、
女性的な容貌に似合わずふてぶてしいのが、印象的でした。

ソウル近郊の田舎の風景、古い韓国式家屋などが、
漢江の奇跡と呼ばれた驚異的な経済成長の真っ只中とはいえ、
まだ貧しかった韓国を、象徴的に描写していたのもGOODです。
岩代太郎の音楽が、ハラハラ、ドキドキを盛り上げていましたね。

モイラはこの作品を、最初字幕なしのビデオで観たのですが、
セリフが半分ほどしか聞き取れず、ストーリーの詳細が掴めませんでした。
半年後、ロードショー公開され、やっと細かいところが理解できてうれしい一方、
自分の語学力のなさに、思わず泣けてきました‥‥

★演技派俳優ソン・ガンホ！★