★モイラの名画座★

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2007.08.06

映画へのあくなき情熱★「エド・ウッド」

(4)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

ある職業に多大な憧れを抱いていても、その才能にまったく恵まれない者が、
無謀にもその職に就いたらどうなるか‥‥？
きょうの映画は、「エド・ウッド」 ('94年　米）。
「史上最低の映画監督」

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２６歳で名作「市民ケーン」を撮ったオーソン・ウエルズをこよなくあがめ、
自らも若くして傑作映画を世に残そうと固く決心するエド・ウッド（ジョニー・デップ）。
女装趣味があり、アンゴラフェチのエドは、性転換した男の映画化を、
ハリウッドのプロデューサーにもちかけるが、けんもほろろで追い返される。
ほどなくエドは、かつてドラキュラ役で人気を得たベラ・ルゴシ（マーティン・ランドー）や、
オカマのバニーなどと知り合い、性転換をテーマにした映画を作って、
あちこちに売り込むが、うまく行くはずもなく‥‥

このエドという男、映画作家としてはあきれるほどの能無しですね。
そのくせ変に弁が立ち、要領の良いところがあって、
口と要領の良さだけで、生き馬の目を抜くハリウッドを泳ぎ渡ったところがすごい！
もっとすごいのは、彼の映画への情熱と愛情の大きさ！
映画人だったモイラの父も、生前言っていたのですが、
映画の黄金時代には、映画会社の社員でもないのに、持ち前の要領の良さと口達者から、
いつのまにかちゃっかり撮影所などに出入りし、雑用などを喜んで引き受ける映画青年のような人たちが、結構いたそうです。
彼らは数多くの映画を観ているのは無論のこと、自分がいかに映画を愛しているかを
監督やプロデューサーなどに、それはそれは熱心にアピールするわけですが、
よしそれなら‥‥ということで、シナリオを書かせてみたら、まるでだめ。
監督助手としても、てんで使えない‥‥そんな人たちが大半だったそうです。
今、思い起こすと、まるでエド・ウッドですね。
それでも映画をこよなく愛し続けたエド‥‥ここまでくると、ある種の神々しささえ感じられます。

エドとベラ・ルゴシの友情には、ちょっと泣かされましたね。
史上最低の監督と、忘れられ、落ちぶれ、麻薬に溺れる過去のスター。
ありきたりの設定といえばそうなのですが、やっぱり泣かされます。
エドという人のあたたかさが、しみじみ伝わってきました。

しかしまあ、エドは「史上最低の監督」としてでも、映画史に名を残したのだから、
ある意味名誉な（？）ことですよ。
映画史に名を残せなかった凡庸な映画監督なんて、世界にゴマンといるんですから。

監督はいまや巨匠のティム・バートン！
ジョニー・デップ、すばらしかったですね。のちに「パイレーツ・オブ・カリビアン」で大スターになることが予測されるような熱演です。

★これが史上最低の映画だ！★

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昨日のクイズの答えです！

Ｑ１　ジーン・セバーグ
Ｑ２　淀川長治
Ｑ３　水の中のナイフ
Ｑ４　ズビグニエフ・チブルスキ
Ｑ５　情鬼（じょうき）
Ｑ６　ゴーカート
Ｑ７　統合失調症
Ｑ８　僕の戦争
Ｑ９　比叡山
Ｑ10　墨汁