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2011.11.19

加害者の家族が味わう地獄★「手紙」

(8)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

もしも、自分の肉親が犯罪、それも社会的に重い罪を犯してしまったら‥‥？
そして、そのために世間から、「犯罪者の家族」という烙印を押されたら‥‥？
深く考えさせられる作品「手紙」（'06）です。

【中古】手紙（Blu−ray　Disc）／山田孝之,玉山鉄二,沢尻エリカ,生野慈朗（監督）,東野圭吾（原作）【中古】afb

工場で働く直貴（山田孝之）には、剛志（玉山鉄二）という兄がいたが、
その兄の存在を、職場でも世間でも隠していた。
と言うのも、兄は直貴の大学進学の金を作るために、
強盗致死という重い罪を犯し、刑務所に服役中の身だからだ。
「犯罪者の家族」という重い十字架を背負い、
人と距離を置いて、息のつまるような日々を送る直貴。
そんな彼にも、幸福が訪れたかのように見えたが‥‥

唯一の肉親である兄が、犯罪者になってしまったばかりに、
暗闇の果てに、やっと幸福を?みかけたと思っても、
兄の存在が世間に知れ、また暗闇のどん底に落とされる主人公‥‥
犯罪加害者の家族が味わう地獄
モイラは知りません。
犯罪が起こると、被害者の家族は地獄に落とされますが、
加害者の家族もまた、地獄に落ちるんですよね。
しかも今は昔と違って、インターネットの巨大匿名掲示板というものが存在し、
そこで読むに堪えぬほどのひどいバッシングを受けるのですから、たまったものじゃありません。

重い十字架を背負って苦しみもがく直貴を、
「電車男」の山田孝之が、実にリアルに演じていました。
常に直貴のことを案じ、やがて彼を愛するようになる由美子役の沢尻エリカも、
なかなか良い味を出していました。
しかし、モイラの脳裏に一番強く焼きついたのは、
直貴の兄・剛志役の玉山鉄二です。
坊主頭に囚人服で、俯き加減に他の受刑者達と刑務作業に出る姿は、
深い苦悩と悔恨が滲み出ていて、台詞がないだけにリアルそのものでした。

家族を大切に思うなら、家族を幸せにしたいなら、
絶対に犯罪に手を染めてはならない‥‥
そう考えさせられる作品でもありました。

と・こ・ろ・で‥‥
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benny