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2020.04.03

残酷な少年たち★「コンクリート」（2004年　ペンテンエンタテインメント）

カテゴリ：愛すべき（？）トンデモ映画

こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵は、2004年初夏に、上映するか否かで問題になった映画「コンクリート」をお届けします。

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1989年冬に発生した、女子高生コンクリート詰め殺人事件をモチーフにした作品で、
撮影期間がなんとわずか５日間！

主演の不良少年グループのリーダー役が、高岡蒼佑（現・高岡奏輔）
被害者の女子高生役が、AV女優として人気があった小森未来
主犯の少年の恋人役が、世界のトシロー・ミフネの娘・三船美佳
本業は何なのかよくわからない中谷彰宏も、刑事役でちょこっと出てましたね。

この映画、モチーフとなった実際の事件があまりに凄惨なので、
２ちゃんねるなどで、「上映する必要があるのか？！」などと叩かれ、
公開がふた月ほど伸びたんですよね。
でも、そんなに目を覆いたくなるような残虐な描写は、少なかったですよ。
むしろ主犯の少年が、なぜ不良仲間と盗みやレイプを繰り返すようになり、
挙句に一人の少女の尊い命を奪うようなことをしてしまったのかが、
ドキュメンタリー・タッチで淡々と描かれていました。

少年が転落するきっかけは、通っていた高校の柔道部での陰湿なリンチで、
彼は高校中退を余儀なくされ、
その後はタイル工として、親方に怒鳴られながらも、まあまあ真面目に働いていたのに、
職場に現れたヤクザどもから、しつこく組に入らないかと勧誘され、
断り切れずに、ヤクザの手下となり、不良少年グループを作らされ、
組に納めなければならない上納金ほしさに、ひったくりを繰り返すようになるのです。
少年はそんな毎日に嫌気がさし、組をやめさせてほしいとヤクザどもに土下座するのですが、
まるで聞き入れてもらえず、絶望し、今度はレイプに走るわけです。
そんな折に起こしたのが、この女子高生コンクリート詰め殺人事件。
言葉巧みに自転車で帰宅途中だった女子高生を騙し、
まずラブホテルに連れ込んでレイプし、
その後は不良仲間の家の二階に被害者を監禁、
集団でレイプや殴る蹴るを繰り返し、
挙句に被害者を衰弱死させてしまうのですから、もうひどいのなんのって……
被害者の女子高生は、どれほどつらく、悔しかったことでしょう。
でも、主犯の少年も、不適切な言い方かもしれないけど、可哀そうなものです。
だって人の命の尊さを、誰からも教わってきていないんですから。

モイラは思いますね。
学校や家庭はもっと、動物を含めた生きものの命の尊さを、
子どもが小さい時から、徹底的に教え込むべきだと。
「汝、殺すなかれ」「汝、盗むなかれ」「隣人を愛せよ」を、繰り返すべきだと。
（もちろん小さな子どもでも分かる平易な言葉でね）
学科の勉強なんて、そのあとでいい。
いかに命というものが尊いものか、いかに他人の財物をかすめとる行為が醜いものかを、
親や教師は声を大にして子どもたちに教え込むべきですね。

事件の主犯格の少年は、懲役刑を終え、今は自由の身となったものの
日本中どこへ行っても、女子高生を監禁し殺した過去が明るみになり、
どこにも居場所がないそうですね。
当然の報いといえば報いです。

★実在の事件をモチーフにした映像作品★