★モイラの名画座★

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2023.05.03

歌う映画スター第１号！★高田浩吉

カテゴリ：永遠に輝け！モイラ的銀幕のスターたち

こんばんは、映画狂のモイラでございます。

モイラは美しい人が、ことに美しい男性が大好きです……

これはモイラが勝手に思っていることですが、日本映画史にその名を刻む美しい男優は、
まずはこちらのトニーこと赤木圭一郎さん！

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そして三番目はこちら…… 高田浩吉さんです！

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今宵はその高田浩吉さんについて、ちょいと駄文をつらねますね。

モイラが初めて高田浩吉さんの名前を知ったのは、小６の時で、
確か家でNHKの歌番組を、今は亡き映画人の父と観ていた時のことですが、
テレビ画面の中、突然花道に現れた町人髷に粋な着流し、手には扇子の、
水もしたたるような美しい男性に、思わず「おおッ⁈」と身を乗り出したところ、
すかさず亡父がこう教えてくれました。
「この人は高田浩吉といって、日本で初めて映画の中で歌った映画俳優なんだよ」
また、その美しい男性がかなり高く、美しい声で歌っているのを指さして、言いました。
「この歌は『大江戸出世小唄』といってね、日本初のミュージカル映画『大江戸出世小唄』の主題歌なんだよ。高田浩吉はその映画の主演を務めたんだ」
やはり今は亡き大映画ファンの母も言いましたね。
「『大江戸出世小唄』は昭和10年の映画よ。それにしても高田浩吉は顔もいいけど、声もいいわねえ……」
モイラはその時は、「ふうん、そうなんだ……」と思っただけでしたが、
のちに日大藝術学部映画学科に進学し、半年が過ぎた頃、
昭和歌謡フリークの同級生宅に招かれ、そのお宅にあった蓄音機（！）で
「大江戸出世小唄」を聴かせてもらった時、
「あっ、この歌は小6の時にテレビで観た超美男子の歌だ！！」とわかり、
モイラ、浩吉さんのファンになっちゃいました。

この「大江戸出世小唄」の歌詞が、また小粋でしびれるんですよね。

土手の柳は風まかせ
好きなあの子は口まかせ
ええ　しょんがいな
ああ　しょんがいな

器量良いとて自惚れな
どうせ一度は散る花よ
ええ　風が吹く
ああ　風が吹く

どうせ散るならこのわしに
なびく気持はないかいな
ええ　ままならぬ
ああ　ままならぬ

無理になびけばそりゃ野暮よ
なびく時節が来るまでは
ああ　かまやせぬ
ああ　かまやせぬ

雨が降ったらその時は
わしの涙と思やんせ
ええ　しょんがいな
ああ　しょんがいな

この歌詞のどこが出世小唄なのかわかりませんが、
そんなことはどうでもよく思っちゃうくらいの名曲です！

…で、高田浩吉さんが映画デビューしたのは、なんと大正15年！
もちろん当時の映画はサイレントで、松竹京都撮影所に入社した浩吉さんは、
林長二郎（のちの長谷川一夫）、坂東好太郎とともに、
「松竹下加茂三羽烏」と呼ばれます。
その後、映画がトーキーになると、小唄で鍛えた美声が大曾根辰夫監督の目にとまり、
昭和10年に「大江戸出世小唄」で歌手デビュー。
大曾根監督の同名の映画の中でこの歌を歌うや、映画もレコードも大ヒットしたそうです。

浩吉さんはまた戦時中、映画製作激減のため、自ら「高田浩吉劇団」を旗揚げし、
地方巡業を行ったのですが、その劇団員の中に、のちに戦後の歌う映画俳優となる
鶴田浩二がいたのです！

浩吉さんのさらにすごいところは、
自らの美貌を保つため、当時の映画スターが当然の如くやっていた酒やタバコを一切やらず、
また、目が充血しないように、午後8時以降は一切役者の仕事をせず、早寝を心掛けたことです！
夜更かし気味のモイラは、浩吉さんを少しは見習わなきゃいけないと、つくづく思います。

かつての大映のアイドル女優（今はかなりおばあさん？）高田美和さんは、
浩吉さんの次女です。

そして高田浩吉さんは、平成10年5月19日、肺炎のため亡くなりました。享年87。

★もっと高田浩吉！★