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2024.03.10

美しい女壺振り師！★「らしゃめんお万　雨のオランダ坂」（1972年　日活）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんばんは、映画狂のモイラでございます。

今宵お届けする名画は、日活ロマンポルノ初期の名作……

「らしゃめんお万　雨のオランダ坂」

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昭和10年、上海で、白人と日本人のハーフの娘・お万（サリー・メイ）は
大道芸人をしていたが、
風の便りで母親が日本にいると知り、
恋人の竜二（武藤周作）とともに日本に渡り、横浜の長屋に住み始めた。
ところが、竜二は博打で大負けし、お万を遊郭に売ってしまうのだった……

主演のサリー・メイは本業はジャズ歌手ですが、
知名度を上げたのは、日活ポルノ女優としてでした。
他にもテレビ版「子連れ狼」の「堺筒」の回に
欧州からの輸入品を売る店の女主人役で出ています。
日本髪の鬘はまるで似合わなかったけど、「らしゃめんお万」では、
片肌脱いだ艶やかな壺振り師の役を、それは美しく演じています。
プロポーションも実に良いんですよね～

この映画、女優陣のヌードもさることながら
風景が実に美しいんですよね。
いろんな人種が行き交う上海の雑踏、
エキゾチックな港横浜、
そして、これまたエキゾチックな長崎……
特にそぼ降る雨のオランダ坂のラストシーンは、
「素晴らしい！」のひとことに尽きます。

監督は名匠・曾根中生。
２0数年前、開校した芸能学校の経営の失敗で大借金を抱え、行方をくらまし、
「沖縄で殺された」とか、「博多湾に沈められらた」などという噂が飛び交いましたが、
2011年に湯布院映画祭の席に現れ、健在ぶりを見せてくれました。
しかし、その３年後には、奥さんではない他の女性に見守られながら
肺炎で亡くなりました。享年76。まだ映画が撮れた歳なのになあ……
でもなんか、下手な映画よりもセンセーショナルな生きざまでしたね。
モイラの映画人だった父も、家を担保に入れて映画を作ったりしましたが、
幸い回収することができ、家は人手に渡らずに済みました。
だけど、ひとつ間違えたら、曾根監督のような目にあっていたかも……

ではまた、ごきげんよう！おやすみなさい！

★曾根中生監督の世界！★