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Oct 19, 2024

日本アカデミー賞10部門受賞の大傑作！★「八日目の蟬」（2011年　日活、松竹他）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんばんは、映画狂のモイラでございます。

今宵は、第35回日本アカデミー賞10部門受賞（作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞）の大傑作
「八日目の蟬」をご紹介します！

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赤子の時に、父親の不倫相手だった女・野々宮希和子（永作博美）に誘拐された恵理菜は、
薫という名で希和子に大切に育てられ、彼女を実母だと思って、仲睦まじく大阪や小豆島で暮らしていた。
しかし、恵理菜が4歳の時、希和子は誘拐罪で逮捕され、
実の両親（田中哲司　森口瑤子）のもとに戻った恵理菜であったが、
自分が父の不倫相手に誘拐され、実母は希和子ではなかったという事実をなかなか認められないまま大人になり、
恵理菜（井上真央）は気がつけば、妻子ある男・岸田（劇団ひとり）と不倫し、彼の子をみごもっていた……

1993年冬に起こった日野OL不倫放火殺人事件をヒントにした角田光代の小説が原作で、
それを見事に映像化しています。
恵理菜の過去と現在が交錯するシナリオが、読み物としても面白く、
成島出監督のきめ細かな演出も冴えわたっています。
モイラが一番印象に残っているのは、赤子の恵理菜をさらって大阪のビジネスホテル（？）にこもった希和子が、
泣きわめく恵理菜に、哺乳瓶でミルクを与えようとしてもうまくいかず、
思い余って自分の胸を開き、母乳の出ない乳房を出すシーンです。
それと、小豆島で行われる火祭り（？）のシーン……
夕刻の段々畑の畦道に、ポツポツと火の灯りが灯って、下へ下へと行くさまは、それは美しいものでした。
モイラ、このシーン観て、思わず小豆島に行きたくなっちゃいましたね……

余貴美子、平田満、風吹ジュンといったヴェテラン勢の演技のうまさは言うまでもありませんが、
小豆島の小さな写真館の、不愛想な老主人を演じていた田中泯も、かなり印象的でした。
大人になった恵理菜を、誘拐事件のことで取材しようとするフリーのルポライター役の小池栄子も、
なかなかの熱演でしたね。

ほんとに、もうあと何回も観たくなるような大傑作です！

ではまた……おやすみなさいませ。

★成島出監督作品あれこれ★