音楽三昧+α

音楽三昧+α

2017.08.09
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テーマ: バッハ(10)
カテゴリ: ジャズ


https://www.amazon.co.jp/dp/B00005F7CO
 極上の音楽を素材とし、腕利きの演奏家が奏でる特選メニュー。
 バッハで戯れる、などといおうものなら、「音楽の父」バッハを愚弄するのかといわれて、真面目派の音楽ファンに叱られそうである。しかし、ジャック・ルーシェは、彼独自の音楽的な感性でバッハで真剣に戯れた。そのときのジャック・ルーシェが限りなく本気に音楽とむきあい、しかも彼が感覚的に優れていたからこそ、戯れは単なる戯れにとどまらず、バッハの音楽の、それまであまり気づかずにきた楽しさを浮かびあがらせることに成功した。「プレイ・バッハ」といいならわされているジャック・ルーシェによるバッハは、これまで、ずっと、硬派軟派すべての音楽好きたちを楽しませてきた。それは、とりもなおさず、ジャック・ルーシェによるバッハの音楽の戯れ方がすぐれて音楽的だったからである。これまでにも、ジャック・ルーシェにかぎらず、さまざまな音楽家たちが、それぞれの流儀でバッハでの戯れを試みてきた。しかし、ジャック・ルーシェほどの成果をおさめた音楽家は少なかった。ジャック・ルーシェによる「プレイ・バッハ」は、バッハを徒に厳めしく、仰々しく、物々しく考えるのはやめようよ、という宣言でもあったように思われる。ジャズのビートにのせたって、ほら、バッハの音楽は、こんなに素敵なんだ、とジャック・ルーシェのバッハはいつている。抜群のセンスをもつジャック・ルーシェのおこなったのは、「プレイ・モーツァルト」でもなければ「プレイ・ベートーヴェン」でもなく、「プレイ・バッハ」だったことは大いに注目すべきであろう。もし、ジャック・ルーシェの選んだのがモーツァルトだったり、ベートーヴェンだったりしたら、「プレイ・バッハ」のようにはききての支持をえられなかった。このことには、バッハの音楽における音がモーツァルトやベートーヴェンの音楽における音以上に抽象的なものになりきれていることが関係している。音が徹底して抽象的なものになりえているからこそ、ジャック・ルーシェはバッハで戯れられた、と考えるべきである。バッハの音楽という極上の音楽を材料に使い、しかも料理人の腕がたしかであれば、だされる料理が美味しくないはずはない。しかも、この料理は、どこにでもあるという、ありふれたものではなく、この店の特選メニューである。(黒田恭―)
 G線上のアリア ~管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV.1068 第2曲
 2声のインヴェンション 第8番 ヘ長調 BWV.779
 シチリアーノ ト短調~フルート・ソナタ 第2番 変ホ長調 B
 トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
 前奏曲 第1番 ハ長調 BWV.846

 主よ、人の望みの喜びよ ~カンタータ 第147番
 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 第1楽章 アレグロ
 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 第2楽章 アンダンテ
 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971 第3楽章 プレスト
 コラール前奏曲 第1番「目ざめよと呼ぶ声あり」 BWV.645
 幻想曲 ハ短調 BWV.906
 チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV.1052 第1楽章 アレグロ
 チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV.1052 第2楽章 アダージョ
 チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV.1052 第3楽章 アレグロ
  ジャック・ルーシェ(ピアノ)、
  ヴァンサンシャルボニエ(ベース)、アンドレ・アルビノ(ドラムス)

 解説:悠雅彦
 START(キング・レコード) FKCP-30361
 購入年月日:1995年7月14日(CDクラブ)


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Last updated  2017.08.09 05:51:28
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