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2023.06.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
手書きハート
「今、二十歳。大学2年の女性だ。…ただ…、これは…、個人情報に、なるんだが…。」

「…って、パパ。…個人情報になるって…。でも…、パパの患者じゃ…、ないんでしょ。」
「そういう…、事に、なるか。」

有美香、そんな夫に、コクリと、
「うん。」

「その子には…、双子の妹さんがいて…。…実は、その妹さん、2歳の時に事故に遭って亡くなってる。…で…。何故、こういう事になったのかは、全く不明だが、突然、その子に、その…妹さんが…、乗り移った。感情も意識も、全く異なる。しかも…、2歳の時の記憶しかない。」
「う~~っそっ!!!」

「そして、今も、その症状が、何も改善されないままに、続いてる。」


瞬間、海路、
「いや。…なんだ…けど~~。彼女が、それを…、望んじゃあ~いない。自分から病院に行くと言う、意思がないんだ。」

その声に有美香、
「どういう事…???…それじゃあ、治るものも、治らない。」

「…と、思うだろ。…けど…。その子は…。…確かに。病院に行けば、何かしらの治療…。」
「うんうんうん。」

「けど…。仮に、その子が、病院に行ったとする。何かしらの治療が施された…、と、する。」

有美香、またコクリと、
「うん。」

「けど…。そこに、また、今度は妹さんの意識に変化して…。そして、同じように病院に行くように説得をする。…なんだ…けど…、果て、その子は…、それを、承諾…するだろうか…。自分は、既に、2歳の時に亡くなっていると言う事を、認識しているんだ。正に、別人格。しかも、自分はこの世界にいる事自体、存在しえない。そこまで認識している。但し、自分が今、死んだはずの人間が現実世界に存在している事を不思議に思っている。そんな子を無理矢理。」
そこで海路の声が止まる。そして、


「あ、あ~~。」
「だから、僕はその子に、何か、相談事がある。そんな時には、連絡して。とは、言っている。…無理強ぃには、出来ないよ。」

有美香、夫を見て、
「……。」

「それに、その子には、両親はいない。その…、2歳の時の事故で、妹と一緒に、自動車事故で亡くなってる。」


「おばあちゃんと暮らしてる。そして…、そのおばあちゃんも…、その子を…。解離性同一性障害の…。…でも、そのために病院に行かせるつもりは、ない。」
「そんな…。」

「孫のやりたいように…。」
「えぇ~~~え…???」

「その子、物凄い、好奇心旺盛でね。とにかく星に興味があって…。」
そこで海路、思わず笑顔で、
「はは。将来は、天文学の仕事に…。…ってね。」

「凄っ。」
「しかも…、妹も、最初は記憶がどうのこうの、言ってたみたいだけど…。今じゃ、その記憶力、半端なく、物事、すぐに覚えて、大学にも通っているそうだ。2歳の時の記憶しかなかったのに。僅か、1か月かそこらで…。もぅ…、現代人並み。」

「うそ。凄っ。」
「何か、切っ掛けも、あるみたいなんだが…。確証がない。…とにかく、見守るしか…。」

「ん~~~。大~~ぃ変。ウチにも、亜葵乃がいるけど…。」

海路、
「あぁ。」

「もし、あの子が…、そんな…。」

その声に海路、
「かかかか。滅相もない、物騒な事、言わないでくれるか。その子には…申し訳ないが…。縁起でもない。」

有美香、思わず、口をぐんにゃりとさせて、
「確かに。そぅね。」
有美香、空になったお皿を数枚、重ねてキッチンに。

藪岡、スマホの画面を見て、
「ん~~~。どうした…ものか…。」







大学で心都、柚香に、
「ねぇ、柚香~~。どうした~~???…朝から、元気ないけど…。」

絢美も、
「うんうんうん。」

そんなふたりに陽織、
「へっ…???…あ、いや…。はは、なんでもないよ~~。うんうん。元気、元気~~。」




そして陽織、昼にはいつも通り、学食でふたりとお昼。
そんな陽織を遠くから見ている阿須賀、そして亮輔。

阿須賀、亮輔に、
「陽織ちゃん。」

亮輔も、頷いて、
「うん。」

阿須賀、朝、陽織から来たラインの画像を亮輔に…。

亮輔、その画像を見て、
「あぁ。俺にもだ。」

陽織のラインのメッセージ、「また…、戻っちゃった。」
そして…、「泣きのスタンプ。お姉ちゃん、ごめん。」

阿須賀、亮輔に、
「陽織ちゃん、可哀想だよ。」

亮輔も、
「確かに。」
けれども…。
「…けど…。俺たちには…、どうする事も…。」





そして、こちらも…。
「はぁ~~~。」
机の上で溜息を…、真輝。頬杖をつきながら。そして、右手で髪を搔き乱して、
「あ~~ん。どうしてこぅなるんだよ~~~。」
茫然としながらも…。
「ふ~~~ん。」
遠くの…、黒板を見てボゥ~~~っと。そして、今度は左手で頬杖。
そして、瞬き。そして口を窄ませて。そして周りの学生たちを見て…、ふと。
「うん…???」








LIBRA~リブラ~   vol,168.   海路、妻に、「今、二十歳。大学2年の女性だ。」

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最終更新日  2023.06.17 06:44:30
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