幸せな50代を作りましょ♪

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セントラル・ステーション



第48回ベルリン映画祭で、グランプリ、主演女優賞などに輝いたブラジル映画。

失業者に溢れるリオのセントラル・ステーションで代書屋として働く初老の女性、ドーラと、そのドーラに遠く離れて住む父親への手紙の代書を頼んだ少年、ジョズエの物語。

元教師だったドーラは、字が書けない人を相手に手紙の代筆と投函業をやっているが、意地悪というかひねくれものの彼女は、書いた手紙を家に持ち帰っては、読んでせせら笑って引き出しにしまいこむという生活を送っていた。
ある日、ジョズエの母親が、遠くに住む「アル中」の夫への手紙の代筆を頼みに来る。その直後、母親は駅のすぐそばで不慮の事故死を遂げ、9歳のジョズエは一人取り残されてしまう。人に情けなどかけそうもないドーラだが、なぜかジョズエを放っておけず、自宅へ連れ帰る。
ところが、親切心もそこまでか、そのジョズエを「海外の里親を探す」という仲介人に売り渡し、なんとそのお金で新しいテレビを買ってきた。
友人のイレーニに、ジョズエは殺されて臓器売買の道具にされる!と驚かされ、ドーラはジョズエを連れ戻しに行き、そのまま、ジョズエの父親を探す旅に出る。
そもそも子供など好きそうもないドーラと、誰も信用しない警戒心の強いジョズエの旅は、嘘をついたり裏切られたりの連続で、ハラハラさせられ通し。
それが徐々に心を通わせて行き、なかなか父親に出会えないジョズエに、ドーラは一緒に暮らそう、と言う。
が、結局、人の好さそうな異母兄弟にジョズエを託して、ドーラは一人、リオに戻る。「父親はきっと帰ってくる」と言うジョズエの言葉を信じて・・。

ブラジルの荒野をオンボロ・バスが走っていく様は、なんとも不思議な光景というか、うまい表現方法が見当たらない。考えてみると、あまりに「ブラジル」は異郷の地で、何も知らないことを思い知らされる。
この少年の役には1500人がオーディションに殺到し、選ばれたのは、リオの空港で靴磨きをしていたという10歳の男の子。彼の演技力がいちばん説得力があったそうで、生まれながらの俳優だと、将来が有望視されてるそうだ。
べルリン映画祭で主演女優賞をとったドーラ役のフェルナンダ・モンテグネロは、ブラジルの最も優れた女優の一人と言われており、批評に厳しいニューヨーク・タイムズ誌が、リアリティのある自然な演技だと絶賛している。

ストーリー的に大きな山場があったり、見せ場があるというのではないが、ドーラやジョズエのふとした表情にハッとさせられる。
また、9歳ながらも、男の心意気のようなものを持つジョズエにも惹かれる。
いわゆる「第3世界」と呼ばれるところの映画をもっと見てみたい、と思わせる作品だった。


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