Love water

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2005年05月27日
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2-4

カテゴリ: カテゴリ未分類
暗い道を走る。赤い赤い着物を着た人。
暗い気と赤い気が交じり合った人が近づいてきている。
天花は目を開く。
「何だろう・・・あの気配」
天花は石段を降りていく。
街路樹が続いていく中に、赤い赤い液体がポツポツと落ちていっている。
「・・・」
血と分かるまではしばらくかかって天花は血を目で追う。
最終点の森林公園では赤い物が蹲っている。

天花は下駄の音を響かせて近づいていく。
「・・・」
蹲っていた赤い着物を着た男は、振り返って天花にいきなり残った腕の爪で天花を切り裂こうとする。
天花はまっすぐ男を見る。
「君、鬼??」
天花は呟く。
彼は自分の物じゃなくなりつつあった腕を気力で止める。
天花の頭に爪が付くか付かないかぐらいで止まっている中、天花は身動きひとつせずに男を見る。
「そちらの負傷しているほうを見せてください」
天花は手を出した。
彼は切り取られたほうの腕を天花に見せる。

見る見る内に赤く流れていた血は止まり、傷も目立たなくなっていった。
「あ・・・ありがとう」
青年が呟くように言う。
「どういたしまして、では、私は帰りますね・・・抜け出してきたので」
天花は笑って言う。

「・・・おい」
怒りを押し殺した声が頭上から降ってくる。
ゆっくりと振り返って天花は汗を流す。
そこにいたのは白い着物を着た、白い髪の男、月でした。
「・・・つ・・・・月・・・・?」
天花は、半歩後ろに下がる。
「かえって見れば何処にもいずに・・・気配を追ってきてみれば」
天花を見て月は呟く。
「いったい何していた。」
月は天花を睨んだ。
「えっ・・・と、持病の夢遊病がで・・・」
天花が言ってると月は息を吐く。
「あなたはそんな病気持ってないだろう・・・そもそも、鬼である。あなたがそんな病気を持っているのか」
月は突っ込む。
「むむむ~~」
天花は月を見る。
「・・・さ、帰るぞ」
天花を月は捕まえて連れて行く。
「どっちが主だか・・・しっかりと主の自覚を持って行動しろ」
月は言う。
「はぁ~い」
天花はうなずいて月の歩調に天花は合わせて歩いていく。







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Last updated  2005年06月06日 20時52分22秒
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依津夜

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どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
依津夜 @ こん そしてまだ片付いてないですたい あと…
五條 沙雪 @ Re:疲れた・・・(02/23) 私もそのパターンで親に聞かれることがあ…
沙雪です@ Re:御報告。(02/12) 良かったです♪ 依津夜さんの逆転勝ちかな…
ナベっ智 @ Re:御報告。(02/12) 沙雪さんて彼氏でけたのかい??

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