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| * | 『恋 水』 ~まだ食べますか?~ 黎は仕事を終えて、拓から渡されたメモ紙に書いてある地図を頼りに合コンが行われる店に向かった。時間は、既に21時を回っていた。 黎からすれば、21時は早いほうである。通常は、23時まで会社で残業をしていることが多い。他の社員たちは、遅くとも22時には帰宅しており、もし残っているとしたら、夜勤の人たちぐらいである。 大きなビルが建ち並ぶビジネス街から物静かでエレガントな雰囲気のファッション街に入ったことに黎は気付いた。お洒落を忘れていた黎にとっては、かなり新鮮であり、自分が此処を歩いてはいけないような感じに思える。 そして、合コンが行われる店の前に辿り着いた。 レンガ造りの家の前にある看板にイタリア料理『リッチ』と書いてある。 女性や恋人同士が行くような雰囲気で、黎には無縁だと思うお店だった。 中に入ると、既に二人の男性が居た。一人は友人の拓で、もう一人は拓の知り合いの井村学(イムラ マナブ)である。学は、同じ会社の人事課に所属しているため、黎とは殆ど面識が無い。 「結構、早く終わったんだな」 拓が黎に向かって手を挙げ、居場所を伝える。 学の隣に拓が座り、その横の空いてる椅子に黎は座った。 「お疲れ様です。関条さんは、拓さんと違って真面目ですよね」 「拓の場合は、仕事ではなく女性に真面目だがな」 女性より仕事を優先にする黎と違って、拓は女性を優先にする。本人の自由だが、時折止めることもあった。仕事を失うことを恐れない拓には無意味な行動であることに最近になって黎は気付いた。 「黎も学も、時には女性を優先にしてあげなさい」 「無理!」 呆れ顔の黎と笑顔の学が同時に否定する。 「何が無理なの?」 二人の声に返答したのは、拓ではなく綺麗な女性だった。 少し遅れて、お店に女性が三人入ってきた。 返答をした女性は、拓の知り合いであり、今回の合コンで女性メンバーを集めてくれた海中蒼依(ウミナカ アオイ)である。 しかし、今、彼女は拓に連れられてお店の外に出て行ってしまった。 恐らく、その原因は黎の前に座っている二人の女性だろう。 眼鏡を掛けていて、何処にでも居るような普通の女性の神杜響(カミト ヒビキ)は、目の前に置いてあるサラダをじっと見つめていた。食べたいけれど、じっと我慢して待っている。 もう一人は、可愛らしいお嬢様の雰囲気を持つ空幸花乃(ソラユキ ハナノ)の表情は気まずい空気に対して顔を上げられない。 実は、彼女は・・・・。 ☆ *:..。o○☆ 続く ☆ *:..。o○☆ 途中で切ってみたヾ(・・;)ォィォィ 依津夜ぉ~~ 後は宜しくネ。 +HOME+ |
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