ぱんだの喘息日記

ぱんだの喘息日記

何がしたい


私が落ち着かないのは、わかっていたのだろう。
担当の看護師さんもついてくれると言ったけれど、主治医が断った。
私に何を話せというのだろう。
また、怒られる?また転院?
何かある度「転院」と言われ落ち着くはずがない。
私は、一箇所で落ち着いて治療がしたかっただけ。
そんな私に「何がしたい?」と聞いて来た。
「一日だけ時間をやるから」と。私にリセットしろと言うのだ。
私は、すぐに返事は出来ない。
即答して「お前はあの時、こう言ったじゃないか」と言われるのがイヤだから、必ず、考えてから答えを出したいのだ。
少し時間がほしいと頼んだ。
病室に戻ると、突然連れて行かれた事に、皆が心配して待っていた。
他の部屋の人達も。
つけなかった受け持ちの看護師さんも・・・
皆「なんだって?」と聞いてくる。
「一日だけ、時間くれるから好きな事して来ていいって」と話すと
「あんたばっかり外出出来ていいね」と食いついて来た。
みんな外出許可がない人達ではない。
ただ、自分が不安で、外出をしたがらないだけ。
それを病気のせいや先生のせいにしている。
「何してくるの?」「どこ行くの?」「どっか行きたいな」
色々な事、聞いていたら、可哀想になっちゃって。
「皆で、本館の17Fのレストランに行きたい。」そう言ってた。
本当は外に出たかった。
家に帰って、一人の静かな時間がほしかった。
だけど、皆にも頑張ってほしくて、病気でも明るく笑っていてほしくて、結局、皆が行きたがっていたの知ってたから、レストランに行きたいなんて言っちゃった。
許可はすぐに下りて、搬送車を貸しきってくれた。
他のチ-ムの先生にもお願いしてくれて、みんな行けるようになった。
その時は、その決断が、自分を苦しめる事になるなんて知らなくて・・・


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