みみ の だいありぃ

みみ の だいありぃ

血?



いつでもどこでも聞こえてくる。

あの歌声。

とっても懐かしい、あの歌声。



うちの母はよく歌う。



学生の頃も混声合唱団にいた。

今だって、コーラスママなのだ。

だから、歌うときも、オペラ歌手のように歌う。



「ほら、朝よ。起きて!!」っていうのはいつもいつも優しい声だった。

どんなに怒っていても、朝は優しい。

一日のスタートくらいはよく切らせたいという、母の愛情だろう。



でもさ、少しエンジンかかってくると、こうなる。



「手を洗って、お皿運んで~♪」

「お箸もよ~♪」

「シェイシェイにご飯あげて~♪」



などなど、歌うんだな、これが。



いや、毎日、いつでもっていうんだったら参っちゃうけど、そこまでじゃないんだけど。



ま、昼辺りになってくると、素敵な歌声が響き渡る。



だいたい、あたしが家にいて、母が外出から帰ってきたら、すぐに分かる。

車が止まった瞬間、なんやら、歌声が聞こえるからさ。

すると、笛ふきの話じゃないけど、歌声を聞くと、シェイクが浮かれ出す。



母のために玄関を開けに行くと、さらに歌声のボリュームはアップする。

そこに、喜びのあまりにへにょへにょと体をくねらせた、へんてこ踊りがシェイクによって披露される。



・・・ぷぷっ。



母と一緒に車にのって、そこらへんにあったカセットテープを入れてみた時。



ん??

このアベマリアって。



良く聞くと・・・。



BY お母さん?



「ちょっとさ、ひょっとして、これって、お母さん??」



なんて聞くと、爆笑をこらえきれない顔をして、母が、



「そうよ!!練習なのよ。聞かないでよ~!!」などと、照れてみる。



照れるなら、オリジナルテープ、車に置いておかないでよね(汗)。



でも、娘も娘で「ここ、いいじゃん!!おお、上手い!」などと言ってみる。



すると、さらに調子に乗る母。

そのまま、車の中で、鼓膜が破けんばかりに歌いだす。



窓あいてまっせ、お母さん!!



コンサートも結構ちょろちょろあってね。

たまにソロをする。



あたしと父とで「お母さんのソロがあるから、行かないと!!ソ~ロだからね!!」とかいって、コンサートに行く。

そのコンサートは、父、祖母、そしてあたしの3名はほぼ毎回参加。(だった。今はいけないんだな、海外に住んでいるから。)



すると、父は、半強制的に、ビデオカメラ係りに指定される。

父は、ありがたく、その使命を受ける(爆)。



いいや、お母さん、歌っている姿、輝いていて素敵よ!!



ところがね、あたし、母に似てきているんだって気がついた。



「エース、ご飯よ、食べなさ~い♪」

「御洗濯、しちゃおうっかな~♪」

「ああ、お腹すいちゃったよ~♪」



など、オペラ風に歌っているのよね。

ふと、無意識に。



旦那は、ずっと前から、そんなあたしを見て、ふっと笑っていた。



で、母がアメリカに訪ねてくる度に「君のそのアクションは、お母さん譲りだね」としみじみと言っている。



親子って似るもんだもんね。



母の母、祖母も、へんてこ歌を良く歌うし。



大昔、祖母が旦那に日本語を教えていたとき。

「こんな歌知ってる?」と英語の歌を旦那の前で歌い出したそうだ。

旦那も、知っている、有名な歌だったらしい。



ところがね、サビだけで終わらないで、一番だけで終わらないで、3番まで全部歌ったんだって!!



旦那、大爆笑で、あたしに話してくれたよ。



もう終わると思ったら、最後まで行ったよ~!!って。



ははは。



ってことはさ、あたしの子供も、こういう風になるのかしらね??

血って、すごいからね。


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