ねぼすけの読書感想日記

ねぼすけの読書感想日記

2009.01.20
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カテゴリ: 書評



今年2009年は、進化論のチャールズ・ダーウィン生誕200年の年であるとともに、著書「種の起源」発刊150年の年に当たる。その因果もあり、書名は知っていたが改めて読んだものである。この増補新装版は第3版に相当し、第1版が1976年に刊行され、第2版が1989年に追記された後、初版30周年記念記念版として刊行された本である。したがって、大部分は30年以上前に執筆されたものであるが、その内容は現在でも燦然と輝いている。

主張の核心は、まとめると「生物は自然淘汰によって進化してきた。進化してきたものは、絶滅せずに生き残ってきたのだから、なんであれ利己的なはずだ。淘汰の、したがって自己利益の基本単位は、種でも、集団でも、個体でもなく、遺伝子である。すなわち、遺伝子の目的が生きのびることという意味において、遺伝子は利己的と言える。」である。うまく表現できないが、これは衝撃的である。例えば、「生物自体は、我々人間も含め、遺伝子が住むための生存機械である」と言える。こんな短い言葉で説明すると、なんだか反発を受けそうだが、この本を読めば、全く専門的知識がなくとも筆者の意図が、十分に楽しめて納得することがわかるであろう。

たとえば、自然淘汰は遺伝子単位であることを念頭におけば、”なぜ老いて死ぬのか”や”男女(雄雌)の性別はなぜあるのか”、”なぜ、親は子の世話をするのか”、”哺乳類や鳥類はなぜ子育てをするのか”、”どの種をとっても、なぜ出生数が調整されているのか”、”働きアリや働きバチはなぜひたすら女王の子孫のために働くのか”などの疑問でもさえ説明がつく。答えは全て、次世代に遺伝子をより多く残すことから説明されるのだが、詳細は本書を読んでもらうことを期待する。

遺伝子淘汰に加えて、「進化的に安定な戦略」(ゲーム理論でいうナッシュ均衡と同じ)を生物がとることを念頭におけば、”自然界では、同種殺しや共食いはみられないのはなぜか”・”男女比はなぜ50:50なのか”・”動物界の繁殖システム、一夫一婦制・乱婚・ハーレム制はなぜあるのか”も興味のある説明である。これらの答えも本書を読んでね。

いずれにせよ、ページをめくるたびに、一つ一つの事柄の説明のたびに、惹き込まれる。少なくとも、この2-3年間で読んだ本の中では、最高傑作の面白さである。ほとんどの人に読まれるべき本であるし、また読むことができると思う。(評価:★★★★★)


〈参考文献〉
・グールド「パンダの親指」
・ドーキンス「延長された表現型」「盲目の時計職人」



利己的な遺伝子 増補新装版




・ナッシュは何を見たか
・見えざる敵ウィルス
・生物と無生物の間






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Last updated  2009.01.21 00:57:58
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