みりの巣

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『筒井筒』/伊勢物語(第二十三段)

『筒井筒』/伊勢物語(第二十三段)

幼馴染と恋に落ちて、結婚反対されて、なんとか結婚できて、奥さんの親が亡くなって後身がなくなって、夫が浮気したけど、すぐ戻ってきたっていうお話です。ざっとながすと。(笑)
ぜひ読んでみてください(^^)/




●「伊勢物語」

● ジャンル:歌物語(和歌を中心に、その内容を短い話として完結させ、その小説を集めたもの)

● 成立年代:平安時代

● 作者:未詳

● 主人公:在原業平(ありわらのなりひら:平安時代前期の代表的歌人:六歌仙=和歌の名人、のうちの一人)を主人公とした歌物語(和歌の前書き=詞書、を広げて物語風に作ったもの)。

● 恋愛を中心とした内容

● 平城天皇―阿保親王―業平

● 別名:在五が物語、在五中将物語 (※ 在原五位中将)

● 伊勢物語の各段の冒頭の表現:昔、男ありけり。







『筒井筒』/伊勢物語(第二十三段)


昔、田舎わたらひしける人の子ども、井のもとに出でて遊びけるを、大人になりにければ、男も女も恥ぢ交はしてありけれど、この女をこそ得めと思ふ。女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども、聞かでなむありける。

{ 昔、地方官をした人の子供が、井戸のそばに出て遊んでいたのに大人になってしまったので、男も女もたがいに相手を意識して恥ずかしがっていたけれど、男は「この女と結婚したい」女は「この男と結婚したい」と思い続け、親は(他の人と)結婚させようとするけれども聞かないでいた。 }


さて、この隣の男のもとよりかくなむ
「筒井筒 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹 (いも)  見ざる間に」

{ さて、この隣の男のところからこのように・・・(言ってよこした)「井戸の井筒で、測り比べた私の背丈は過ぎてしまったらしいなぁ、あなたが見ない間に。」 }


女、返し、
「くらべこし 振り分け髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれか上 (あ) ぐべき」

{ 女が返した。
「比べてきた、私の振り分け髪の長さももう私の肩を過ぎてしまった。あなたでなくて、いったい誰のために私は髪を上げるのでしょうか。あなた以外の人のためには髪を上げません。」 }



など言ひ言ひて、つひに本意 (ほい) のごとくあひにけり。


{ などと言い言って、とうとう長年ののぞみ通り結婚してしまった。 }



さて、年ごろ経 (ふ) るほどに、女、親なく、頼りなくなるままに、もろともに言ふかひなくてあらむやはとて、河内の国高安の郡(かふちのくにたかやすのこほり /こうちのくにたかやすのこおり )に行き通ふ所いできにけり。

{ さて、長年たつうちに女は親に死なれ、よりどころがなくなるにつれて「夫婦一緒に、みっともない暮らしをしていられようか、いやいられない。」と言って、河内国高安の郡に通って行く所が出来てしまった。 }


さりけれど、このもとの女、あしと思へる気色(けしき)もなくて、出だしやりければ、男、異心(ことごころ)ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽(せんざい)の中に隠れゐて、河内へ往ぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧(けさう /けしょう )じて、うちながめて、

{ そうであるけれど、このもとの女がいやだと思う様子もなく、男を送り出したので、男は「女に浮気心があって、このようにするのか。」と疑って、植え込みの中に隠れてすわって、河内へ行ったふりをして、見ると、この女はたいそうきれいに化粧をして、もの思いにふけって、 }


「風吹けば 沖つ白波 たつた山 夜半(よは /よわ )にや 君が一人越ゆらむ」
と詠みけるを聞きて、限りなくかなしと思ひて、河内のもとへも行かずなりにけり。

{ [歌意]
風が吹くと沖の白波が立つという、その通り名を持つ竜田山を、今ごろは、夜中に君がひとりで越えるのだろうか。」
(女の思い:旅をする夫の身を心配して、夫を慕う気持ち。)
と詠んだのを聞いて、この上なく愛しいと思って、河内へも行かなくなってしまった。 


※ 和歌の修辞:「掛詞」:たつた=立つた(白波が立った)、竜田山。

※序詞:内容とは無関係で、自由に作れる、七音節以上の、ある言葉(ここではたつを導き出してくるために用いられる)。=「風吹けば沖つ白波」

 }







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