みりの巣

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『芥河』/伊勢物語


『芥河』/伊勢物語

気に入った女の人を勝手に連れ出しといて、取り返されたのを鬼が取っていったように言ってるお話です。ヽ(^。^)ノ(笑)
 女の人は天皇の后にしようと思ってる人やから、かなりの箱入り娘です。(^^♪



●「伊勢物語」
 ・ ジャンル:歌物語(和歌を中心に、その内容を短い話として完結させ、その小説を集めたもの)

 ・成立年代:平安時代

 ・作者:未詳

 ・主人公:在原業平(ありわらのなりひら:平安時代前期の代表的歌人:六歌仙=和歌の名人、のうちの一人)を主人公とした歌物語(和歌の前書き=詞書、を広げて物語風に作ったもの)。

 ・恋愛を中心とした内容

 ・平城天皇―阿保親王―業平

 ・別名:在五が物語、在五中将物語 (※ 在原五位中将)

 ・伊勢物語の各段の冒頭の表現:昔、男ありけり。





『芥河』/伊勢物語



むかし、男ありけり。女のえ得まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でて、いと暗きに来けり。

{ 昔、男(主人公、在原業平のこと)がいた。結婚することができそうになかった女に、長年求婚し続けていたが、やっとのことで盗み出して、たいそう暗い夜に逃げてきた。 }


芥河といふ河を率て行きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ。」となむ男に問ひける。

{ 芥河という河のそばを連れて行ったところ、草の上に置いていた露を「あれは何?」と男に尋ねた。 }



行く先多く、夜も更けにければ、鬼ある所とも知らで、神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて、男、弓・やなぐひ (漢字が使えないため平仮名になりました) を負ひて戸口にをり、はや夜も明けなむと思ひつつゐたりけるに、鬼はや一口に食ひてけり。

「あなや。」と言ひけれど、神鳴る騒ぎに、え聞かざりけり。

やうやう夜も明けゆくに、見れば率て来し女もなし。
足ずりをして泣けどもかひなし。

{ 行く先は遠く夜も更けてしまったので、鬼がいる所とも知らないで、雷までもひどく鳴り、雨も激しく降ってきたので、荒れ果てた蔵に女を奥の方に押し入れて、男は弓を手に持ち、やなぐい(矢を入れて携帯する容器)を背負って戸口にいて、はやく夜が明けて欲しいと思いながら座っていたところ、鬼はすでにひと口で女を食べてしまった。

「あれ~。」と言ったけれど、雷が鳴るうるささで、男はその声を聞くことができなかった。

だんだん夜も明けてきたので奥を見ると、連れてきた女の姿がない。
地団駄 (じだんだ) を踏んで泣くけれどもどうしようもない。 }



白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを

{ [歌意]
「真珠ですか、何ですか。」とあの人が尋ねた時に「露です。」と答えて消えてしまえば(露と同じように消えてしまったら)よかったのに(別れの悲しみを経験しなくて済んだのに)。 }





これは二条の后の、いとこの女御の御もとに、仕うまつるやうにてゐたまへりけるを、かたちのいとめでたくおはしければ、盗みて負ひて出でたりけるを、御兄、堀河の大臣、太郎国経の大納言、まだ下臈にて、内裏へ参りたまふに、いみじく泣く人あるを聞きつけて、とどめて取り返したまうてけり。

それをかく鬼とはいふなりけり。

まだいと若うて、后のただにおはしけるときとや。

{ この話は二条の后が、いとこの女御のおそばにお仕え申し上げるようにして(ような形で)おいでになっていたのが、顔立ちがたいそう素晴らしくていらっしゃったので、男が盗み出して背負って出て行ったところ、兄 (しょうと :母親の同じ男性の兄弟)たちの堀川の大臣(基経:もとつね)、長男の国経 (くにつね) 大納言がまだ官位が低くて、宮中に参上し申し上げなさる時に、たいそう泣く人がいるのを聞きつけて、(男が連れて行くのを引き止めて)取り返しなさってしまった。

それをこのように鬼というのであったのだ~。 

(后が)まだとても若くて入内などなさらないでいらっしゃった時のことだとか。 }








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