みりの巣

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『勇気と詩集』/やなせたかし 



一部抜粋。
好きなものをあげてみました。絵もすてきです。(^^*)






『勇気と詩集』 詩と絵 やなせ・たかし サンリオ出版 (1976.1.26初版発行)

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燃え上がれ勇気よ
熱い火のように

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勇気よ
きみに
たずねたい
ぼくが
きみをほしいとき
どうすれば
きみにあえるのか
ぜひともきみに
あいたいが
ぼくの勇気よどこにいる

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勇気のカンヅメを
買ってきた
長いあいだおいてあったが
意気消沈したぼくは
ついにそれをあけてみた
あけたけれど
なにもなかった
カンの底になにかかいてある
ボクニタヨルナ!ヨワムシ!

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しぼんでいた
風船の中へ
勇気をいれて
ふくらました
風船は
うれしそうに空へのぼり
自分勝手な旅に出た
私の愛した風船よ
私のことは気にもかけず
薄情な風に吹かれていった

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一羽の鳥があった
海をこえて遠い旅をしていた
ひどく翼がつかれた
くわえてきた一本の木の枝を
海におとし
それにつかまって
しばらくやすんだ
波にただよいながら
鳥はいった
「つまりこの木がぼくの勇気だ」

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きみはなにをおそれるのか
漠然とした未来か
忘れたい過去か
それともやりきれない現在か
いずれにしても
もう帰れない
ためらうよりも進むのだ

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私はあなたがこわくない
強いみかけの
その底の
熱い涙を愛します
誰もがみんな
恐れても
私にだけは
わかります

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勇気はみえない
でもたしかにある
君にもぼくにも
あなたにも
みんなある
自分には勇気がないと
おもうのはまちがいだ
いざというときには
勇気が出てくる
あんまりみせびらかすと
なくなってしまう

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勇気にはかなしみの部分もある
なにかをふりすてなければ
ならない
なにかとわかれなければ
ならない
そのときすこし痛みがはしる
ふりきって
ひとおもいに飛ぶのだ

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