ディープインパクト号と世界の競走馬

ミスプロの競馬三昧


 ディープインパクト号と2005年の世界の競走馬


 競馬の一般的な傾向は、2005年もアメリカからアジアへ、そしてアジアほどではないがヨーロッパへと流れが続いた。 日本と香港の競馬の勢いは明らかに強まった。 というのは、競馬のシーズン末に行われる賞金数百万ドル以上の6競走のうち4競走までが東京競馬場とシャティン(ShaTin)競馬場において施行されたからである。 そして香港を主戦場とするスプリンターのサイレントウィットネス(Silent Witness)号とケープオブグッドホープ(Cape of Good Hope)号は日本、オーストラリア、イギリスにおけるGI競走で優勝した。
しかし、アジアで2005年最大の話題はディープインパクト(Deep Impact)号である。 サンデーサイレンス(Sunday Silence)号の死亡した年の1年前の産駒である同馬は、日本の無敗の三冠馬となり同国競馬史上最高の競走馬として日本中でもてはやされている。 池江泰郎調教師は、まだいつフランスに入国させるかは決めていないが、ディープインパクト号を10月の凱旋門賞(Prix de l’Arc de Triomphe、仏‐GI)へ遠征させる計画をしている。

池江調教師には、競走前日にパリへ同馬を直送するか、2~3週間前に入国してトライアル競走に出走させて本番に備えるか、あるいは1999年に日本から遠征したエルコンドルパサー(El Condor Pasa)号がそうしたように、フランスで夏を過ごさせるかという選択肢がある。 フランスで夏を過ごしたエルコンドルパサー号は、その間にサンクルー大賞典(Grand Prix de Saint-Cloud、仏‐GI)とフォア賞(Prix Foy、仏‐GII)に勝利し、凱旋門賞ではモンジュー(Montjeu)号の次にゴールし、見事な2着を飾った。

モンジュー号といえば同馬自身も、2005年の生産界で最大の話題となった。 サドラーズウェルズ(Sadler’s Wells)号の産駒である同馬の種牡馬第1年目の産駒からは、エプソム・ダービー(Epsom Derby、英‐GI)優勝のモティヴェーター(Motivator)号、セントレジャーS(St. Leger Stakes、英‐GI)優勝のスコーピオン(Scorpion)号、アイルランド・ダービー(Irish Derby、愛‐GI)と凱旋門賞優勝のハリケーンラン(Hurricane Run)号が輩出された。 12月末、世界サラブレッド競走馬格付(World Thoroughbred Racehorse Ratings)が発表されればハリケーンラン号がヨーロッパ・チャンピオンになるのはほぼ確実だろう。(訳注:ハリケーンラン号は、2005年世界サラブレッド競走馬格付のトップレーティング130を与えられた。)

2006年10月1日までは未だたくさん時間があるが、凱旋門賞でアンドレ・ファーブル(Andre Fabre)調教師が管理するハリケーンラン号とディープインパクト号が対決することになれば大変興味深いことになるだろう。

 2005年は不幸にも競走馬の負傷が大変目立った。 ゴドルフィン(Godolphin)のベストホースであるシャマーダル(Shamardal)号とドバウィ(Dubawi)号は天敵(である怪我)の餌食となった。 フランス2000ギニー(French 2000 Guineas、仏‐GI)とフランス・ダービー(French Derby、仏‐GI)の覇者、シャマーダル号はヨーク(York)競馬場で行われたロイヤル・アスコットのセント・ジェームス・パレスS(St. James’s Palace Stakes、英‐GI)に勝利しただけで、現役を引退した。 一方、卓越した名馬ドバイミレニアム(Dubai Millennium)号の数少ない産駒の中でも最高傑作であるドバウィ号はアイルランド2000ギニー(Irish 2000 Guineas、愛‐GI)とジャック・ル・マロワ(Prix Jacques le Marois、仏‐GI)賞を勝った後引退した。

ディヴァインプロポーションズ(Divine Proportions)号が唯一の敗北を喫したばかりでなく、競走馬生命をも失う痛手を被ったのはジャック・ル・マロワ賞においてであった。 このキングマンボ(Kingmambo)号の牝馬はフランス1000ギニー(French 1000 Guineas、仏‐GI)とフランス・オークス(French Oaks、仏‐GI)で鮮やかな勝利を収め、G1競走のアスタルト賞(Prix d’Astarte、仏‐GI)も制覇し、自らの連勝記録を9戦9勝に伸ばしたが、8月14日ドーヴィル(Deauville)競馬場のジャック・ル・マロワ賞のレースで右前の腱を負傷した。

2歳馬部門では、デーンヒル(Danehill)号の牡馬2頭、ジョージワシントン(George Washington)号とオラチオネルソン(Horatio Nelson)号が競馬史にその名が残るかもしれない戦績を次々に勝ちとって、バラ色の将来を我々に期待させた。 ジョージワシントン号は1,200mのフェニックス・ステークス(Phoenix Stakes、愛‐GI)と1,400mのナショナル・ステークス(National Stakes、愛‐GI)の両G1に勝ち、2,000ギニーでは出走馬の確定前の本命馬に推された。 一方、オラチオネルソン号の方は1,400mのフューチュリティ・ステークス(Futurity Stakes、愛‐G2)とジャン・リュック・ラガルデール賞(Prix Jean-Luc Lagardere、仏‐G1)での優勝後、エプソム・ダービーの本命馬となった。 同馬が昨年最後に出走したG1のデューハースト・ステークス(Dewhurst Stakes、英‐GI)では、不運にもサーパーシイ(Sir Percy)号に次いで2着となった。 イギリスオークス(English Oaks、英‐GI)の勝馬イマジン(Imagine)号の産駒であり、今後もっと良い成績を挙げるだろう。

 11月にイギリス競馬が閉幕した後は、ゴドルフィン(Godolphin)が多くの話題を提供した。 同殿下は大西洋の両岸(アメリカとヨーロッパ)、特にヨーロッパで何頭も最高の競走馬を買っている。

モハメド殿下が購買した馬にはG1勝馬が6頭もいる。 それらの馬の中に、アガカーン(Agakhan)殿下の元所有馬が2頭おり、1頭はアイルランド・オークス(Irish Oaks、愛‐GI)とヴェルメイユ賞(Prix Vermeille、仏‐GI)勝馬のシャワンダ(Shawanda)号であり、もう1頭はクイーン・アン・ステークス(Queen Anne Stakes、英‐GI)勝馬ヴァリキシール(Valixir)号である。 さらにアールマック(Earle Mack)氏から強引に購買したジャッドモント・インターナショナル(Juddmonte International、英‐GI)の勝馬エレクトロキューショニスト(Electrocutionist)号と、ドイツ産牝馬でドイツ賞(Deutschland-Preis、独‐GI)とヨーロッパ賞(Preis von Europa、独‐GI)において年上の牡馬達を打ち破って優勝したゴンバルダ(Gonbarda)号も含まれている。 そして2歳馬の2頭、レーシングポスト・トロフィー(Racing Post Trophy、英‐GI)の勝馬パレスエピソード(Palace Episode)号とモルニイ賞(Prix Morny、仏‐GI)の勝馬シルカズシスター(Silcas Sister)号が加わって、ゴドルフィンのG1チームを完成させている。

ゴドルフィンはまた、レーシングポスト・トロフィー2着馬のウインジドキューピット(Winged Cupit)号、ジャン・リュック・ラガルデール賞2着馬オペラケープ(Opera Cape)号、G2勝馬のオワゾーラール(Oiseau Rare)号とパンソン(Pinson)号も購買した。

そして12月27日(火)にゴドルフィンは、ジョージ・ストローブリッジ(George Strawbridge)氏の所有馬でセルカーク(Selkirk)号の牡馬ウイズインタレスト(With Interest)号を購買したと発表した。 同馬は初戦となった10月7日にニューベリー(Newbury)競馬場の初戦となった19頭立ての未勝利戦で1着となっている。

これらの各馬に加えて、8月27日にサラトガ競馬場で未勝利戦を3馬身半差で勝ち、106ベイヤーフィギア(Beyer Figure、訳注:「ベイヤーフィギア」は、日本では「スピード指数」)を勝ち取ったディスクリートキャット(Discreet Cat)号を有しており、ゴドルフィンは2006年の競馬シーズンの開幕のために十分な持駒を揃えたようにみえる。

 (今年の活躍が期待される)ディープインパクト号、ハリケーンラン号、ジョージワシントン号、ホレイショネルソン号に加えて、ヨーロッパでは完成したばかりのアスコット競馬場観覧席の使用開始が楽しみである。 総工費3億5,000万ドル(約385億円)をかけ最先端の技術をとりこんだ施設は、5月3日のサガロステークス(Sagaro Stakes、英‐GIII)開催でオープンする予定である。 この開催は6月20日から24日まで開催されるアスコットの最重要行事であるロイヤル・アスコット競馬のためのリハーサルとして役立つことになるだろう。

(1ドル = 約110円)


drf.com 12月30日 「Deep Impact tops great year for Asia」


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