☆たー☆のヒトリゴト

March 17, 2011
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カテゴリ: その他ね☆


ただ、記憶が曖昧なので話が前後するかもしれない。と、言う事を念頭に入れておいて下さい。




3.11


前日は13日に開催するコンサートの仕込みをしていた。
順調に準備は進み明り作りを少し残して終了した。


AM 9:00
この日は調律から始まる。
俺らは簡単なチェックを済ます。


ピアニスト会場入り
談笑をしながら段取りの打合せを行なう。

ピアノの調整を行ない
指を温めてからリハーサルをする事にした。

PM14:00
1st.Stageのリハーサルから開始
このステージは音楽に合わせて映し出される映像を楽しんでもらう演出
だから照明はPF Top,Back Top,Washのみ
順調に進んで40分ちょいで終了。

PM14:46
リハーサルの演奏を録音していてその音をプレイバックしてた時だった。


大きく揺れだした。


大きい


避難するための扉を確保するためにホワイエへ向かうも真っすぐ進む事が出来ない
轟音の中何とかドアに辿り着き開き体重をかけたが体ごとはじけ飛ばされた。

揺れが収まったかと思いホールの入口へ向かい


再度ドアを確保しに行きドアを開け廊下へ出た瞬間
体ごと投げ出されて視覚障害者用に設置してある点描めがけて胸から落ちた。

随分と長かった。
2分以上激震の中にいたが収まりかけたのを確認して
もう一度ホール内へ戻り避難する様に指示をした。

外へ向かう途中にスタッフ2人がいない事に気付く
慌てて戻り無事を確認。

外に出ると職員、利用者が外へ出ていた。
今日は殆ど催事が無かったから簡単に避難誘導が出来たという事がせめてものの幸い

揺れが収まっているのか?
今だに揺れているのか?

地面が揺れる感覚
気持ち悪い感覚

最大震度7と発表されて一同驚く
スグに避難に必要と思われる物品を用意

地震から1時間後くらいだろうか?
駐車場の方から人が集まって来る。

聞けば津波が来ていると...
電池で動くラジオから最大10mの津波が来ると警報が出ている事に気が付く

何度も襲ってくる余震

社員全員帰宅が出来ないと判断
今夜は車内で過ごす事に決め準備

PM18:00過ぎだったと思うがホールを避難所として開所が決定

全ての電力がダウン
ホールは自家発電出来るというで非常用の照明が点灯している
遠くから見ればここがランドマークになってるのだろう

車内で待機していたが手伝って欲しいと呼ばれる
中に入り様々な準備を手伝った。
その最中にこの街にも10mクラスの津波が襲来した事を知った。

とりあえずで落ち着いたのは0:00を回ろうとしていた様な気がする
仮眠をするため車に向かった。

真っ暗な世界


月と星がこなにも綺麗な空が見えるとは...なんたる皮肉




長い長い悪夢の始まり。




3.12

寒い朝だった。
腹痛で車の中で目が覚めた。

携帯電話は全てのキャリアがダウン
連絡したいにしても誰にも届かない

身支度をしてホール内へ
既に混乱の中で

続々と無線で指示が飛んでくる
続々と無線で物資の注文をする

津波が押し寄せた地域から続々と避難者がやってきた
着の身着のままで足元は泥だらけ
靴を履いていない人もいた。

今日の食事はおにぎりと水だった気がする
そうだ、昨夜は市が備蓄してた乾パンを提供したんだった。

余震はひっきりなしにやってくる

仮設トイレが2基来た。
その場で使い方の説明を受けたのが降ろし方を手伝った俺たちだった。
結局、これ以降仮設トイレの番人はうちのスタッフとなった。

それから照明器具が付いたジェネレーターも来た
ただのジェネレーターも置いて行くと言われたが置き場が無いので断ったが失敗だと気付いたんだ

ジェネさえあれば...
ホールのスポットライトで明りが取れたんだ
混乱の中でそこまで頭が回らなかった事が残念だった。

とりあえず避難所としての形が出来た2日目だった。

再会を喜び合い涙する人もいれば
安否がわからず不安で涙する人がいる

しかも背中合わせでね
リアルな背中合わせでね

人が倒れた!

このワードを今日は何度聞いた事か
その度にボクらは救急車を手配して、誘導して、搬送先が決まるまで側にいて

寝不足のせいか....はたまた自分の中でパニックを起こしているのか
一体いつまで続く悪夢なのだろうか?

眠れない...いや、眠らせてもらえない夜が続き
失った記憶の後に3日目の朝がやってくる




3.13

被害状況が段々見えてきた朝
昨夜はデスクの下に毛布を敷いて眠った。

相変わらず腹痛が止まらない。
携帯の電波は未だ全てがダウンしている
繋がらないならと電源を落としたままだ。

避難者の朝食を準備して渡し終わってから俺らが食べる
ここはまだマシな物が食べれるから助かる。

一度部屋に戻り急ぎ着替えや買いだめしていた乾物をバックに詰めた。

ここにきて放射能の問題が出てきた
原発から大体8,90kmはあるからまだ大丈夫だろうと思うが...日が経つにつれどうなるかはわからない

ホール内は今だに混乱をしていると言うしかない状況

何があったか思い出せない
何を思ったか思い出せない

胸に思う事は1つ

この現実から逃れたい



しかし、これがリアルなのだ




3.14

夜になってからホールから少し離れた所で携帯の電波を拾えた
通話は出来ないがiモードは繋がってメールを確認する事ができた。

暖かい
暖かい

言葉1つ1つが嬉しかったよ。
緊張の糸が切れかかり少し涙こぼしたよ。

怖かったんだ
死ぬって思ったんだ

夜...眠れなくて
瞳を閉じれば、あの瞬間が戻ってくるばかり

本当は弱虫で逃げ出す事考えたけど
暖かい暖かい言葉だけで頑張れそうだって感じたよ。



ありがとう。って言葉が心の底から出るって事、心の底から受け取れる事の重みが身に染みる





3.15

もう時間の感覚も曜日の感覚もない。

持病の薬はあと7日分
とりあえず大丈夫だろうと希望的観測。

ただ、腹痛が止まらない。

5日目にして暖かい食事を頂いた。
今日、最初で最後の食事。
大阪の業者さんが車で運んできてくれた。
何でもないうどんがこれほど有り難い物だとは思わなかった。
未だに物資が届いてない地域の被災者の皆さんには申し訳がない。

明日が見えない毎日
瞳を閉じれば蘇るあの瞬間。
何度も泣き出したくなる
その度に堪えて

それでも明日は何かが見えると信じるしかない。







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Last updated  March 18, 2011 12:43:52 AM
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