ほよよんルーム

ほよよんルーム

コルチャック

コルチャック

著者名:モニカ・ベルツ

 訳 :酒寄進一 

出版社:ほるぷ出版



感想: 
コルチャックとはポーランドに住むユダヤ系医師です。同時に作家であり児童
文学や「子供の権利条約」の原案者であり、実際に孤児院を運営していた人で
す。
ナチス占領下のポーランドにおいて、まず運営していた孤児院をゲットーに移
転させられ子供たちは飢えと感染病に苦しめられます それでもコルチャック
は子供たちを守るため奔走します。そして最後は虐殺するための絶滅収容所行
き(スゴイ名前…)の列車に子供たちを乗せなくてはならなくなります。
著名なコルチャックを救い出そうとして暗躍する人もいましたがコルチャック
は子供を置いて自分一人だけ…「私だけ助かるわけにはいかない!」といって
死の列車に子供たちと乗り込みナチスに殺されてしまいます。
そして、。知っての通り、ナチスはユダヤ人を迫害 大量虐殺するのだが、何
故虐殺するのか?「それは ナチスのアーリア人が優秀であるから、劣等民族
であるユダヤ人を…」といわれても 私は「はぁ?」とあまりガテンがいって
おりませんでした。
が、ナチスが虐殺した理由はまず、占領した地域の人間の約80%を殺すなり
追放するなりして占領地から出す。残りの人間を労働力をしてこき使う予定だ
ったらしい。しかも、教育を著しく制限して「数を500までしか教えない」
「自分の名前しか書けない」「文字が読めない」ような教育しか与えず、劣等
民族=奴隷労働者を作る計画だったらしい。
劣等民族だから迫害するのではなく、劣等民族を作るために迫害してたよう
だ…
 以下、本文を載せます


…ナチスは、ポーランド人の80から85%を移住させ、残りを労働力として
活用し、ポーランドの知識人を完全に抹殺する計画を立てていた。
この計画にそって、医者、学者、教師は真っ先に収容所に送られる運命にあっ
た。また知識人のつぎの世代が出てこないように、ポーランド人学校での授業
は将来制限されることになっていた。たとえば、計画の責任者、ナチス親衛隊
長ハインリヒ・ヒムラーは、数えられるのは五百まで、書けるのは自分の名前
だけ、読む力など必要ないとみなしていた。そしてこうした措置を十年間継続
することによって、ポーランド人が、「ドイツ民族の永遠の文化事業と建設」
に協力する使命を帯びた劣等民族、言葉を換えれば奴隷労働者になると見込ん
でいた。
そして、ポーランドをはじめとするナチ占領下の国々のユダヤ系住民は、見せ
しめとして絶縁されることとなった。
「東への移住」という名目で、ゲットーの住民は作られたばかりの絶滅収容所
に移送された…


点数: 勉強   ☆☆☆
泣ける  ☆☆☆


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