”名も知れぬ人たちへ”・【転1】

・・・奇跡?起きたらなー・・・

ムーブに”妻の入院セット”を入れるため積んであったものすべて下ろし,付属病院へ走った。
”午前10時ころに着くように”と妻からあったのでそのとおりに。
天気は晴天だった。暑かったけど天気が良くて良かった。

定時に病院へ到着。
私は,退院祝いの品を持ち入口にある手押しのカートを押しながら,
娘は車イスを押しながら妻の病室に急いだ。

”こんにちわー”と一礼して娘が病室に入る。
妻と娘は両手でパチンとお互いにあわせる。
私も”お世話になっています”と言って入る。
妻はもう服を着ていた。いつもパジャマだったけど,今日は服,久しぶりだった。

体調は,まあまあであったのか,「そばが食べたい,病室のみんなが美味いよーっていうところで」。
「おおー,了解。そこで食べよう。」
三人で食事したのは本当に久しぶり。
席に着く,娘と妻が一緒に座る,私は向かいに座る。
”キャッキャッ”と話しをしている。まるで姉妹みたいだ。
こんな光景がいつまでも続いたらなーと私は思う。
「おと吉,どうしたの?」って妻が聞く。
「いや,本当に姉妹みたいだなーって」思ったことを口にした。
妻と娘はお互いを見て笑った。

・・・これがホントの家族・・・
次ページへ 前ページへ


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: