まいじー日記

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2019.10.09
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テーマ: 計画停電(77)
カテゴリ: アメリカ日常生活
この時期のカリフォルニアで、一番恐れられてるものといえば山火事。

去年のカリフォルニア史上最悪の「Camp Fire」(死者85名)や一昨年の「Tubbs Fire」「Nunn Fire」を含む一連のワインカントリーの山火事、2つの火事が同時期に起こって広範囲に燃えた「Mendocino Complex Fire」、ヨセミテ公園にも延焼した「Ferguson Fire」、その他にも数え挙げきれないくらいの山火事が毎年のように発生している。

高温無湿の乾季の夏から、冬の雨季の最初のまとまった雨が降るまでの間、カラッカラに乾ききったカリフォルニアの大地は薪の山みたいもので、毎日が山火事の警戒レベル最大。しかもそこに秋口〜秋に吹きすさぶ熱く乾燥した強風「ディアブロ風」が吹くと、薪の山にガソリンかけたみたいに、ほんの小さな火種でもあっという間に燃え広がって大火事になってしまう。

火種としては、雷とか静電気とか焚き火の火の不始末とか車がらみ(事故とか故障とか)とかいろいろあるんだけど、切れた電線からスパークが飛んでとかの配電設備関係も多い。というか、被害が大きかった筆頭のCamp FireもTubbs Fireも、火元は電気設備だって言われてて、電力会社PG&Eは多額の損害賠償を抱えきれなくて破産法適用申請して組織再編した。

カリフォルニアって全般的にインフラが脆弱なんだけど、送電&配電設備はその最たるものというか、特に山の方とかではすごい古いのがそのまま使われてたりするんだよね。なので強風で切れた電線とか劣化した配電盤から火花が飛んだりして引火してしまうという。

電力インフラが劣化してるのは1996年の電力自由化の影響が大きくて、自由化の結果コスト削減重視になった電力会社が送電&配電設備の更新に消極的になったから。2000年のカリフォルニア電力危機も自由化の影響だし、なんでもやみくもに自由化すりゃいいってわけじゃない、の最悪な見本がここに。

それはさておき、今年もこの時期が来て、なんとPG&Eがものすごい力技を繰り出してきた。「山火事発生リスクが高い時期&高い場所では計画停電」という、安定した電力供給っていう電力会社としてのミッションをねじ伏せる荒技。天気予報と連動した「停電予報」まで提供するそうで、、「来週の水曜日は気温が高くて強風が予想されるのであなたのお住いの地域の停電確率は70%です」みたいな?

停電予報

で、とうとう今週、夏が戻ってきたような気温と強風の予報で、噂の計画停電が初めてサンフランシスコ・ベイエリアを含む州内の広いエリアで実行されることになった。対象世帯数なんと80万世帯!水曜からエリア毎に順次停電して、設備チェック後に復活させるけど、最短でも36時間、最長だと5日間も電力回復しない地域もあるかもだって。

計画停電対象エリアマップ






幸い我が家は家も職場も学校も今回の停電エリアに入ってないので、影響としてはせいぜいピコちんの学校のクラブの遠足がキャンセルされたくらいで済みそう。訪問予定だった太陽光発電設備の工場が停電エリアに入ってるのでお休みになっちゃうそうで。まあ次の計画停電では対象地域に入るかもしれないし、引き続き要注意です。

停電が短期間で済むこと、大きな山火事が起きないこと(小さいのは既にそこここで発生してるので)、そして今年は早い時期にまとまった雨が降って山火事リスクが下がることを願ってます。。





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最終更新日  2019.10.10 09:40:10
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