ももか日記             

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思い出話<その1>



桃香は小さい頃から家の庭が大好きでした。
普段は玄関内に居たのですが昼間は庭に出していることが多く、
桃香も遊びたくなると「お庭に出して!!」と催促しました。

庭では放し飼いでしたので走ったり植木の間を探索したり、縁側で
ひなたぼっこしたり、流し台にすっぽり入り、隣の梨畑を監視するように
じーっと見つめていたり思いのままに遊んでいました。

ところがある事件がきっかけで桃香にとって庭が鬼門になってしまったのです。

12,3歳くらいだった・・・と思います。
まだまだ元気に走り回る年齢の頃ですが、いつものように庭で桃香は遊んでいました。

私は自分の部屋にいました。
突然ガターーン!という音と共に「ギャーーー!」「ワワワワン!!!」
「フギャー!」ととんでもない声が耳に飛び込んできたのです。

私は2階のベランダに飛び出て庭をのぞきこみました。
そこには信じられない光景がありました。

2匹のネコと桃香がもみあっていました。
と言うより完全に桃香は2匹に襲撃されていたのです。
白い大きなネコにしっぽをかじられ、黒っぽいネコに顔をひっかかれていました。
挟みうちです。前後から襲撃されていたのです。
桃香は横に倒されていたのですが必死に逃げようとしていて
私が上から「イヤーーー!!!」と大声で叫んだらネコは一瞬たじろぎ、
そのすきに桃香は飛ぶように逃げ帰ってきました。

私が1階に駆け下りて玄関を開けたら桃香は戻ってきていて、中に飛び込んできました。
怪我してないかをチェックすると目の端がひっかかれて切れていたのと
背中に数カ所ひっかき傷、かるく足をひきずるくらいで特に大怪我は
していないように見えました。
ただ、もみくちゃにされた為、いたる所の毛が逆立っていました。

桃香自身もショックだったのかしばらくボーっとしていました。

私は相手がノラ猫だった為、傷から病気に感染したら。。。と思い、
病院に電話してネコに襲われた事を説明しました。

確か時間外だったと思うのですが「どうぞ連れてきて下さい。」と
おっしゃって頂き、看てもらう事が出来ました。
幸い傷も浅く消毒して頂いて帰ってこれました。

桃香は特に怯えた様子もなく、ケロっとしていておやつのガムをあげると
いつものようにガリガリ食べたので私もホッとしました。

ところが!!
その一件で桃香はかなりのトラウマを抱えてしまったのです。

その日以来桃香は庭に行かなくなってしまったのです。
玄関でリードを放せばダッシュで庭に走っていっていたのに
玄関前でウロウロ。。。
庭に連れて行こうとしても必死に抵抗するのです。
抱き上げて庭に出してもダッシュで玄関前に戻ってきてしまいます。

しばらくしたら忘れるだろう・・・と思っていたのですが、結局それ以来
桃香が庭で遊ぶ事はなくなってしまいました。
あんなに大好きだった庭なのに。。。

そのうちに桃香が行かなくなった庭はネコが我がもの顔で占拠し、いつも
桃香がひなたぼっこしていた縁側の下で子猫まで産んでしまいました。。。

数年たって老犬になって絶対にネコに襲われた事は忘れたはずなのに、
庭に連れて行くと逃げるように帰ってきていました。
襲われた事は覚えていなくてもきっと「庭が嫌い」という記憶だけは
残ってしまったのかなと思います。

今はリフォームして当時の庭では無くなってしまいましたが今でも時々、
桃香がネコに襲われていた光景を思い出す事があります。

でも。。。
絶対に最初にケンカを売ったのは桃香の方だと思います。
元々、ネコと桃香は天敵でした。
いつもネコを見ると威嚇し吠えまくっていました。

あの時も庭に入ってきたネコにケンカを売って、それで逆襲されたんだ
と思います。2匹相手に勝てるわけないのに・・・
しかも2匹とも桃香と同じくらいの大きさでしたからケンカを売った桃香が
おバカさんだったのです。

ネコ VS 桃香の闘いは、ネコ圧勝で終わったのでした・・・・・・・

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