★Latchkey Child★

★Latchkey Child★

ココロの鍵。


貴方をスキになって。

でも、スキになってはいけない貴方だった。

貴方には、愛する人と守るべき場所があって。

それは、ワタシには壊せない。

ごめんなさいとつぶやいた。

1人お風呂の中で。

泣きそうになりながら、お風呂で泣いた。

貴方の恋人の話を聞きながら。

耳をふさいで、どこかへ消えてしまいたかった。

消えてなくなりたかった。

堕ちてしまいたかった。

でも・・・・できなかった。

お風呂の中で、考えていた。

ココロに鍵をかけよう。

この想いを、誰にも気付かれないために。

この世界で、ワタシだけが知っている秘密をつくろう。

ぎゅっとぎゅっと。

自分を、痛いくらいに抱きしめた。

ごめんね、やっと生まれてきた想いなのに。

でもね、この想いが華を咲かせることはないんだよね。

ごめんね、ごめんね。

ココロの中に閉じ込める。

「なんで?」という顔をワタシに見せたこの想い。

ごめんね、ごめんね。

この想いを、ここから解き放つ日はきっとないから。

ごめんね、ごめんね。

大丈夫、ワタシだけはこの想いを知っているから。

・・・・小さく小さく小さくちいさくちいさくちいさく。

そして、小さな宝石箱みたいな場所にこの想いを閉じ込めた。

閉じ込める前に

「ごめんね」と言ってこの想いを抱きしめた。

そして、小さな宝石箱には似合わない大きな大きな鍵をかけた。

さよなら。


さよなら・・・・さよなら・・・・さよなら。


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