
お店は、六甲山の東端となる仁川甲山の麓に位置しています。仁川と言うと、阪神競馬場が宝塚と西宮を結ぶ中津浜線を挟んで武庫川沿いにあります。山側はと言うと甲山の麓となり山側に沿った斜面には、住宅が並び芦屋に次ぐベッドタウンを形成しています。
私たちの朝練は、このベッドタウンの高丸ヒルクライムから続くピクニックロードで始まります。
住宅街の短くもかなりの勾配の坂道を、足を確かめるようにじっくりと登るのが、ウォームアップとなるのです。約1.4kmほどです。
ひと汗かくと、盤滝の交差点へ出ます。この交差点は六甲ヒルクライムの序盤の途中地点で緩やかな登りが終わり、そこから六甲頂上へのきつい登りとなる場所です。盤滝の交差点まではMTBでは30分ぐらいでしょうか。朝練とは言っても私の場合タイムとかは計測しないのがスタンスです。時間に縛られることで走りが楽しく無くなってしまったのでは本末転倒なので、体内時計を使用することが多いです(笑)
参考に言っておくと、私の六甲山の過去記録で最も良かったのが54分ぐらいだったと思います。そのタイムは、今から10年ぐらい前なので、今ではもっとずっと遅いと思うのですが、記録を知ってしまうとモチベーションが落ちそうなので、自分には「今でもそれぐらいでは走れるぞ。」と言ってごまかしている所存です。
最近では六甲山ヒルクライムは、関西のヒルクライムの中でも定番中の定番化してしまい、土日には列をなして走るライダーの姿が目に入ります。血眼になって走っているライダーを見るとなんかこちらまで疲れてしまうので、それで十分になった気分です。ゴールの一軒茶屋には、完走したライダーたちがたむろしている光景が定常化しています。近年のロードバイクブームが生んだ遺産です。
昨日の朝練の話へ戻りますが、MTBの朝練は盤滝の有馬温泉へ向かう旧道を走って尾根道である六甲縦走路の「大谷乗り越え」(写真)と言う峠へ向かって走ります。この道、舗装路ではあるもののかなりの勾配で、MTBとは言えかなりの忍耐が試される時間帯となります。「大谷乗り越え」まではお店より1時間ほどの辛抱です。
MTBで山を楽しむには、まずこのオンロードのヒルクライムをこなさなければいけないのです。「大谷乗り越え」到着時点で、すでに息切れ切れ体力一杯一杯の状態であることしばしです。
MTBでは、山道の下り基調になるので体力消耗が少なく済むんじゃない、と思われがちですが真逆です。MTBでは、シングルトラックでのバイクコントロールに終始神経を尖らせる必要があります。一瞬たりとて油断することは出来ません。油断しようものなら、即、転倒骨折となりかねないからです。
ロードとMTB、おなじ自転車と思いきやまったく違った乗り物だと認識すべきです。
私は、この限りなくテクニカルライドに惚れ込んでいるので、ロードよりもMTBの方が面白いと感じます。MTBを練習することで、山を走ることで、テクニカルライディングを学ぶことが出来、その技術をロードに応用していると言っても過言ではありません。
近年、冬場に行われるシクロクロスの世界がMTBと通じるものがあります。ロード界でもおなじみのマチューファンデルプール、ファンアールト、ピドコックなどのシクロ出身の選手がロード界でも活躍しているシーンを多く目にすることが出来ます。やはり、技術ありきで自転車を乗りこなすのが本来の姿であり技術無しはダメです。まずは、基本を理解しましょう。
昨日は、春の陽気とあって山の中はパラダイスでした。思ったほどハイカーが少なく、快適に走ることが出来ました。ただ、同行したライダーのチェーンが切れてしまいその時点で「ジィエンド」。走り切ることが出来ず、20分ほどでトレイルライドは終了したのです。
しかしながら、トレーニングとしては十分なモノがあったと感じていますし、「やはり、定期的に走らなあかん」と感じた次第です。これを機会に、積極的にMTBライドも行ってゆきたいと反省しました。
ロードとMTB。
私たちは、この違った乗り物両方を乗りこなすことで、楽しく安全に走ることの出来るスキルを手に入れています。これからもますます技術を磨き走りにも輝きを増して行きたいものです。
「走る者にしか理解できない世界がそこにはある」と信じる店長でした。