備忘録その3 . Weingut Odinstal
オーディンスタール醸造所、ファルツ。 ヴィースバーデンから車で1時間半ほど。遠くから山の上にぽつんとある醸造所が見えるが、そこまで辿り着く道は少々わかりにくい。 Google
マップもお手上げ。目的地です、と言われてもそこには何も無く、彼方に見えた醸造所の方向へ山道をひたすら登る。すると、突然視界がひらけて葡萄畑と館が見える。
2004
年に新卒で醸造主任に抜擢されたアンドレアス・シューマンは、 2006
年からビオディナミを初めて 2013
年に認証され、 2008
年から無剪定栽培に一部の区画で取り組んでいる。最初はリースリング、次はジルヴァーナーと増やし、 2013
年からはアンフォラ醸造も。それ以外に亜硫酸無添加も試している。あと、醸造所全体の葡萄畑でも葡萄の樹に負担の少ない剪定手法に取り組んでいるそうだ。
何はともあれ無剪定栽培の畑を再び ――
去年一度訪れている ――
見に行った。足の裏の怪我が痛くてまともに歩けるか不安だったのだが、畑やハーブ園を歩き回っているうちになぜか普通に歩けるようになった。ビオディナミの土のおかげか?奇跡だ。
標高 350m にある冷涼な気候に育つ葡萄による、繊細で精妙なワイン。ひそやかに囁くような澄んだ果実味が口の中で素直に広がる。数値ではなくフィーリング、腹で感じることを実行してワインを造るという。全房圧搾の割合、マセレーションの長さ、果汁に混ぜる果粒の割合、発酵容器の使い分けなどだが、樽・タンク・アンフォラに入れたらあとは野生酵母に任せて見守る。 5ha の畑でリースリング、ジルヴァーナー、オクセロワ、ゲヴュルツトラミーナー、ヴァイスブルグンダーを栽培している。
その日の朝、我々が来るまでオクセロワの畑に鳥除けの網を張っていたそうだ。森に囲まれていて、森の近くはとくに食害がひどいという。また所々に鷹だったか鳶だったか、猛禽類の止まり木が立ててあり、葡萄を食い荒らすねずみを見付けやすいようにしてあった。 今年の猛暑の被害はほとんどない。ギリギリもった。ただ、エスカなど病気にやられている樹はもたなかった。カビの繁殖と満月、その対策などのことも話したが、詳細は録音を聞き直さなければならない。
(つづく)
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