知らないうちに貯まってくるのが冷凍食品。特に頂き物をいつか食べようとしまい込んだのは気がつくと一ヶ月以上前のものなんてこともよくある。最近、我が家の冷凍庫を不法占拠しているのはミナミマグロの中トロで少々冷凍焼けした元高級品だ。
このミナミマグロのブロック、2個セットで我が家にやってきた。1個目は喜んで刺身にしたがどんな刺身も毎日食べるとさすがに飽きる。2個目はいつか食べようと冷凍庫に放り込んだまま忘れられていたのである。さすがに邪魔になり中華風炒め物にしようか角煮にしようか悩んだあげくミリン干しに決定した。
マグロの干物なんて贅沢品は焼津魚センターでもそう見かけないが、地元の干物屋ではミリン干しが高級品として売られている。今回はそれに挑戦したのである。レシピは地元の名店、用宗のかねいち干物店のおやじさんからご教示いただいたポイントをネット検索のレシピと付き合わせた自己流である。

ご存じの通り、魚は干物にするとかなり縮む。それを見越してマグロは大きめの油揚げサイズに切り、塩を振り一晩軽く干す。よけいな水分を飛ばしてタレが薄まらないための下ごしらえである。
この暑い夏の夜に魚を干すなんてことは昔なら考えられなかっただろうが、我が家のベランダでは一晩中エアコンの室外機から熱風が吹き出しており干物作りには絶好の環境。翌朝、程よく乾燥したマグロの切り身を醤油、ミリン、山椒、ショウガを混ぜた漬け汁に浸し、今度は冷蔵庫で24時間おく。

タレがしみこんだマグロに白ごまを振り天日で一気に乾燥させればミナミマグロ中トロみりん干しの完成である。

晩の食卓に並んだみりん干しの味はというとまるで柔らかめのビーフジャーキー。歯ごたえがあって旨味があってなかなかイケる味になった。驚いたことに一番美味しかったのは真っ黒けの血合いの部分。刺身なら捨てられる場所が干物では一番美味しくなった。それも晩のおかずというよりは酒の肴にぴったりの珍味である。
今度、安い鰹を見つけたらそれでも挑戦してみよう。
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