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2007.04.04
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カテゴリ: 毎日更新日記
ハンサムは颯爽と会社を出る。
上司がまだ何か文句を言いたがっているのを無視しての外出。
それは、誰もハンサムを止められないという意味だった。

スマートに営業車に乗る。
この乗り方は後に「上手な車の乗り方」として世に出ることになるだろう。
安全確認に余念がないハンサムはシートベルトをする。
シートベルトは命のベルト。
これをしてないと大変なことになる。
要するに警察に捕まるのだ。


悲鳴にも似た心の叫び。
ハンサムはキーをまわす。
ドゥゥゥルルルルンッ!
愛車であるハンサムポルシェのエンジンが鳴る。

「今日も頼むぜ、相棒」
ハンドルをいやらしく触りながらハンサムはハンドブレーキを下ろした。
ギュルギュルギュル!!
タイヤの磨り減った音が気持ちいいBGMとなる。
この日のために録音していたMDを入れる。
ぴ~ひゃら、ぴーひゃら、ぱっぱぱらぱー。
踊るぽんぽこりんの歌を聴きながらハンサムはアクセルを踏んだ。


ハンサムは1人で寂しく叫ぶ。
「この俺様を止められるものなら…止めてみやがれ!!!」
早速最初の信号機に引っかかってしまったハンサム。
えへへ、と1人頭を撫でる。

刹那。

あの恐怖に。
あの脅威に。
あの悪に。
「くっ、しまった!」
ハンサムは車を発進させる。
だがその恐怖は取り除かれない。
なぜだ?
いや、当然か。
だが、なんとかしなくては。
ハンサムの天才的頭脳は瞬時に何億通りのパターンが思いつく。
そして、たった1つの結論に辿り着く。

「…これしかないな」
左へ曲がるはずの車は急遽右へ方向転換する。
そのドライビングテクニックは、神業に近い。
車はある場所へ向かっていた。
そこが最終目的地だということは勿論ハンサムにもわかっている。
躊躇った。
しかし、行くしかないのだ。
あの恐怖に打ち勝つために。

ハンサムの車は数分後。
目的地に着く。

そこは。

その場所は。

【ハンサムの家】

ハンサムは自宅に用があったのだ。

ハンサムは勢い良く家に飛び込む。
カギをしっかりとかける。
上着のスーツを脱ぐ。
ネクタイをはずす。

「ふう~…間に合った…」

ハンサムは全てをやり切った表情でトイレから出た。










…という、本当の話でした。





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最終更新日  2007.04.04 20:01:13
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