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2021年07月04日
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カテゴリ: 病院
おはようございます。


昨日はMSWの仕事の目的と病院の中にいる意義について説明しました


今日はMSWの具体的な業務内容に関して説明していきます


私は急性期病院で働いているので、急性期のMSWの話です




______________

​1.私の病院​

MSWの業務内容は所属する施設の特性によっても左右される話は前々回にしたとおりです


今日はMSWの業務内容を説明するので、まずは私の所属する急性期病院の特徴を簡単に紹介します


私が働いている病院は北海道にある中核病院です


私が住んでいる地域は近隣市町村にもそれほど大きな病院がないので、地域一帯から患者さんが当院へ運ばれてきます






当院へ救急車で搬送される範囲ですが約15の市町村をカバーしており、隣の市だと 約30キロ 、2つ先の市だと 約60キロ 、当院でカバーする範囲の中で一番遠い地域だと 100キロ ほど距離が離れています



さらに脳外科がこの地域だと私の住んでいる市ともう一つの市にしか手術対応できる病院がないため、


最も遠い市からの搬送だと 2時間半ほどかけて救急搬送 されます


脳外科においての2時間半ですから、急性期治療の選択肢が一つ無くなりかねないほどその後の人生に大きな影響を与えかねない時間です



まさに医療の格差が現在進行形で起こっているのが私の住む地域の現状です


もう一つ地域の特性として、北海道は観光地や世界遺産等も多いことから、北海道外からの旅行客が発症して当院へ救急搬送されてくることもあります(コロナ下でめっきり減りましたが)


そして家を持たずにキャンピングカーや車中泊で日本中を移動する人たちが日本にはある一定数いるのですが、その方々が夏場は避暑目的に北海道へ来られます






また当院は救命救急センター、がん相談支援センター、周産期母子医療センター、認知症疾患医療センター、地域医療支援病院等

この地域のセンター病院としての役割を担っています​​​​​


ちなあみに当院には5名のMSWと3人の退院支援看護師、PSWが4人いてそれぞれ担当科制で業務を割り振っています


2.急性期MSWの業務


​①退院支援
一般的にMSWと聞いて最もイメージしやすい業務だと思いますが、

実際この退院支援にかける業務が私は一番多いです





業務の内容としては

・リハビリ転院先や療養転院先の相談~調整まで

・介護保険説明~必要な方には申請代行

・ケアマネや施設との連絡調整

・遠方の市町村、都道府県跨ぎの転院調整、移送手段相談


個人的には遠方の市町村への転院調整が希少ケースなので楽しいです


★過去最高の移動距離だったのは、北海道から九州の宮崎県までの搬送です

移送に専用の搬送ヘリを頼んだり、空港までの介護タクシー調整、宮崎の空港に着いてから病院までの搬送の調整等

普段転院する時は午前中か遅くても昼の3時ごろまでには先方の病院へ着くものですが、なにせ遠方の搬送のため到着が18時ごろになってしまったのですが、そのあたりも調整が必要でした

ヘリを飛ばせる時間も決められているので半日かけて搬送してもらいました

★北海道が広すぎるので、同じ北海道内でも相当な移動距離になるケースもあります
私が関わったケースで最も離れた道内の転院は、私が住んでいる市から函館市までの転院で距離にして600キロオーバー、移動時間10時間越え(ドライバーの休憩時間含む)でした

しかも大抵北海道内の移送は陸路で介護タクシーを使って移動するので、早朝4時ごろに出発して昼の2時ごろに到着するような日程になってしまします


費用も20万近くかかりました…

病棟の看護師長とも相談して早朝人が少ないのに対応してもらったり、皆の協力を頂いて遠方搬送は成立します

また北海道は雪もすごいので、冬に函館まで搬送をお願いした時は吹雪で途中高速道路が使用不可になり、先方へ着いたのが16時過ぎたこともありました



​②経済的な相談

次に多く時間を割いている業務が経済的な相談です


単純に医療費の支払いが難しいという相談もあれば、仕事を休むことで収入が無くなってしまうことや、働けなくなったことで今後の生活費のねん出が不安、親と離れて暮らしていたが、入院を機に久々に実家を訪れたら未納の請求書や督促状の山になっていた、家計のやりくりをしていた人が意識障害を起こしてどこに通帳があるかもわからないし、暗証番号がわからなくてお金をおろせない等

様々な形で相談があります

MSWとして必要な能力として幅広く精度に精通していることがあげられますが、患者や家族が置かれている状況に応じて利用できる制度が無いかを考えていく必要があります


生活保護 ​​ ​ 

​​​​
挙げれば本当にきりが無いですが、様々な経済相談に必要な制度があります


このどれもに共通しているのは、基本的には 「自分から申請しないと使えない」 ということです​



しかし、これだけたくさんある制度の中から患者さん本人が自分に利用できる制度を見つけ出すのはほぼ不可能なので、MSWに一緒に探してもらうといいでしょう



また最近は本当に親と離れて暮らしている家族が多いので、知らないうちに親が借金していたり


金銭管理を全て患者さん一人がやっていたので一緒に住んでいた家族でもお金の引き出し方がわかんらないなんて事例も多くあります



そんな時にまずはどこへ相談したらよいかや、相談してもお金を引き出せない時にどうしたらよいかなどもアドバイスします


必要があればMSWから各金融機関と連絡を取り合って調整をしたり、どうしても金融機関で本人でないとお金を引き出せないとなれば成年後見制度の相談をしたりもします



経済相談乗る上で非常に重要な事は、制度の内容まで細かく覚えておくと言うよりも、


制度の概要を理解して対象者がわかることと、制度の相談窓口がわかること ​です



なにせ制度の数が数えきれないほどあるのでそれらすべてを把握することは難しいです


そのため相談窓口さえわかっていれば、詳細は聞けばわかりますしどこへ行ってもらえばよいかの案内は出来ます


そもそも制度の知識が少ないと相談が来ても知識が引っかからないので、制度のことは広く浅く学ぶ必要があります


頭の中に制度の引き出しをたくさん用意して、引き出しの中身は全部覚えなくてもいいから、いつでも頭から引き出せるようにはしておく必要があります


③制度説明

障害者手帳や特定疾患、障害年金等の該当になりませんか?と相談を受けることもあります


ネットで何でも調べれば制度のことは出てきますが、実際にそれが自分にとっても当てはまるかまではネットでは教えてくれません


そのため今の自分の状態が制度の適応になるのかまでを知りたければMSWへ相談しないとわかりません


ネットで質問しても一般的な回答しか返ってきませんし、状態も分からずに該当するしないを言ってくる人がいたら、その人は信用できません



MSWとして制度説明をする時に気を付けることは、ただの制度説明で終わらないことです


「この人はなぜこの制度のことを知りたがっているのか?」 を考えながら話を聞かないと、その人が抱える本当の課題にはたどり着けないからです


例えば、「仕事が出来なくなって収入が入らなくて困った」と言う人が「障害者手帳の該当になりますか?」と質問へ来ることがあります


この人の本当の課題は「仕事が出来なくて収入が入らない」なので、障害者手帳の該当になるかだけを説明しても、課題の解決にはつながりません


収入が入らないなら傷病手当金は使えるか?

障害者手帳を取得して、障害者雇用枠を使って新しい就職先を探せないか?

預貯金も家族の協力もなく直近の生活さえできなければ生活保護の申請の必要はあるか?


など、一つの相談から複数の選択肢を考えて、課題を捉えることを意識しながら話を聞けないとMSWがいる意味はありません ​​


本当に制度の説明だけでいいなら事務職でも市役所でもできますからね



​④心理的な相談​

病気になったばかりの人や、病気を疑われて検査をする人は心理的にストレスがかかります


これからの生活に不安を抱える人もいれば、家族の顔が真っ先に浮かぶ人、仕事を辞めさせられるかもしれないと思う人もいるでしょう


また医師や看護師等の医療職とうまくコミュニケーションが取れなかったり人間関係にストレスを感じる人もいるでしょう


これら病気が原因となって感じる不安やストレスってなかなか家族にも話せなかったりする人が多いです


身近な人には心配や迷惑をかけたくないと思う人も多いからです


こうした時に第三者に対しての方が話しやすかったりもするんです


そんな話を聞いてほしいと言うときに「否定をしたり話を遮ったりせずに聞いてくれる」そんな役割をMSWが担うときもあります


今は看護師さんの中にも話を上手に聴ける人もいるので、必ずしもMSWが全てこの心理的な支援を担うわけではありません


ただ、MSWは「聞くプロフェッショナル」だと思うので、相談へ来られた人が不安を表出しやすいように相づちを打ったり質問を入れたり

「この人の話す言葉の裏に隠された感情はなんだろう?」

と考えながら聞くことが重要です
​​

例えば

「家族に病気のことを言い出せない」


と質問があった時に、


「こんな風に切り出すといいですよ」 とか 「家族もきっと話してほしいと思っていますよ」


と返すのではなく


(家族へ病気のことを伝えて家族に心配をかけたくないと思っているのかな?)(家族との関係性があまり良くないのかな?)(働けなくなることで家族を養うという家庭内での役割を遂行できないことが不安なのかな?)(そもそも病気に対する自分自身の受け止めがまだ出来ていないのかな?)


等、その言葉の裏側にある感情(なぜ言い出せないのか?)に焦点を当てて聞きます


その上で

「家族に病気のことを言い出せずにいるのすね。家族へ伝えることにどのような心配がありますか?」


と相手の感情を吐き出せられるような質問を返すとより自分の感情を吐き出しやすくなります


相談へ来た人のバックボーンも家族背景もわからないのに、こちらから「こうした方が良いですよ」と伝えるのはあまりにも軽薄です


相談者の中に答えがあることがほとんどなので、 「相談者自身が問題を認識して、自分の中にある答えにたどり着けるように話を聞く」 ことが重要です​



⑤権利擁護

認知症の方や障害のある方や子供、意識障害のある方等一般的に立場が弱いとされている方の意見はおざなりにされがちです


またこれらの人達は悪い人たちから良いように扱われがちです


対した説明もしないまま不当に不利な契約を結ばされたり現金を奪われたりなんてこともあります


病気が原因で判断能力や理解力が落ちたりする場合もあります


こうした場面で正しく契約を結べるように成年後見制度に繋げたり、日常の金銭管理を等を日常生活自立支援制度を利用して、正当に管理していただいたり


少しでも判断力がある方であれば、その方に変わってMSWが意思の表示をしたりする必要があります



社会福祉の対象になる方は往々にしてこれらの権利が犠牲になりがちなので、病院内でもこの権利が侵害されることの無いようにMSWは権利擁護の視点を持っていなくてはいけません


また最近多いのが 身寄りがない方 、もしくは 親族がいても関係が悪く関わりを拒否されるケ方 です


転院をするにも施設を探すにも住む住居を探すにも 身寄りや保証人がいないと拒否されるケース が非常に多いです


MSWは保証人がいなくてもうけてくれる施設や病院とのパイプを作っておくことや、転院・退院した後のアフターフォローも行うことで、何とか次の行先を探します


身寄りがない人は今後絶対増えていきます

・一人っ子
・独身
・親戚付き合いが少ない
・家族と離れて遠方で暮らしている
・家族とほとんど連絡を取っていない
・近所付き合いもほとんどしない


これらに該当すれば将来身寄り無しになる可能性ありですが、


今の時代該当する人いくらでもいますよね


なので絶対これから身寄り無い人増えていくので、いなくても大丈夫なようになる保証人サービスとか出てきそうです


______________________
*結論*

MSWの業務として

退院支援、経済的な相談、制度説明、心理的な相談、権利擁護


の5つを取り上げて説明しました。



他にも就労支援、家族関係調整、住居に関する相談等ありますが、


大まかにはこれらの相談がメインになります。



MSWのやっている仕事のイメージを持ってもらうことが出来たでしょうか?


明日はMSWを目指すうえで最低限持っていてほしい心構え(100%私の私見です)を説明します。





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最終更新日  2023年06月30日 06時53分53秒
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