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2022年04月26日
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カテゴリ: 病院
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​おはようございます



今日は世界の中で見る日本の臓器提供についての話をさせてもらおうと思います



このシリーズは移植医療についてや臓器提供の院内コーディネーターとしての役割を紹介するために行っています



少しでも移植について興味を持っていただければと思うのと、移植医療には様々な人たちが関わるのでそのどこか一つにあなた自身も関わってみたいと思ってくれるような内容にしていけたらなと思っています



1.海外移植


最近はあまり見かけることも少なくなってきましたが、私の中では移植と言われると海外移植のイメージが強かったです




よく小さい子供の写真を持って両親が必死に募金を呼びかける映像がニュースで流れている場面や、「○○ちゃんのために3億円集まりました」という記事を以前は見かけていたと思います




海外では健康保険が使えないので、医療費+家族の滞在費等込みで3億円は必要だと言われていました




「自分の子供が移植でしか救えないが、日本では移植の順番がいつ来るかもわからない」そんな状況になれば親としてはいくらかかってでも子供の命を救いたいと思うのは当然のことのように感じます





移植について学ぶまでは、「こんなに小さい子が助かったなら良かった」とか「子供を助けるためにこれほど大きなお金が集まるなんて、日本も良い国だ」とかなんとなくニュースを見ながら思っていました










その移植医の先生がアメリカで留学していた時に、アメリカの医師からこのように聞かれたようです




「なぜ日本人は毎年大金を持ってアメリカへ来るんだ。あれほど礼儀正しく、親切な日本人が自分の国内で助け合わないんだ?」





「移植を受けるために海外へ行く、そのために大金が集まる」一見美談のようにも思えますが、本当にそうなのか?




なぜそもそも 移植を受けるのに海外へ行かなくてはいけないのか?




色々と考えさせられる内容でした





最近は海外移植のための募金活動のニュースもそれほど見かけなくなってきましたが、それにもちゃんと理由があります





2008年に国際移植学会が出した 「イスタンブール宣言」 の中で海外移植を原則禁止する内容が盛り込まれました




これを受けて2010年にはWHOも移植のための海外渡航(移植ツーリズム)を原則禁止しています





なぜ海外移植がダメなのか





理由は単純で、 海外移植のために国内で移植を待つ人たちに順番が回ってくるのが遅れるから です










このように海外移植には様々な悪い側面もあるのです





やはり自国の移植は自国で賄っていくのが本来あるべき姿だと思います





本当に移植を待つ子供や病気の人たちのことを考える優しい国民性があるのであれば、ニュースやSNSで流れてくる海外移植を待つ人のために3億寄付を募るのではなく(これも素敵なことだとは思いますが)




移植について学び、家族や友人と話し合って免許書や保険証の裏に意思表示を行うことが当たり前の世の中にしていく方が より多くの人たちを救う ことになると思います





​2.​世界の中でみる日本の移植事情



日本は世界的に見て移植が進んでいる国だと思うでしょうか?




サッカーのW杯などでは、毎回試合後に日本人サポーターがスタジアムのゴミ拾いをする様子が話題になって、海外のメディアから称賛されたり




選手たちもロッカールームをきれいにしてから出て行ってスタジアム関係者がSNSで取り上げて話題になったりとCOOL JAPANなイメージが少なからず私の中にはありました





「親切で相手のことを思いやる国民性」 そんな日本なので、病気の人を助けるための移植もそれなりに世界の中でもトップの方なんではないかと思っていました






しかし私としては結構衝撃的な事実だったのですが、 日本は世界の中で移植の後進国 も良いところで、それを表すデータ下の表になります





こちらは日本臓器移植ネットワークのホームページより引用していますが、2019年の人口100万人当たりの臓器提供者数です



日本臓器移植ネットワーク 世界の臓器提供数




アメリカやヨーロッパの国と比較しても圧倒的に差がついているのと、同じアジアでお隣の国、韓国と比較しても圧倒的に移植の数は少ないことがわかります




また同じアジアの国々と比較してもタイ4.34 中国4.07 香港3.86 サウジアラビア3.77 カタール2.96と突出して低い数字を出しておりデータの乗っている71か国中63番目の低水準です
(国際的な臓器提供の数値を比較している
IRODaT ニュースレター2020





表にある右側3つの青色になっている国に関しては「臓器提供に関する意思表示をしていない場合は基本的に移植を行う」としている国なので件数も多いです





このデータだけ見ると日本人のどこが相手のことを思いやるんだと思ってしまいます





中国や韓国、中東の国々よりも日本人は移植に関して消極的です





何も「日本人は本当は相手のことなんて思いやらずに、世間体だけ気にして海外からの目が向けられる時だけかっこつけているだけだ」とネガティブな事を言いたいわけではなく




移植に関してしっかりと学べばこの世界の中での日本の立ち位置の悪さに関しても改善していけるのではないかと思います




前回も言いましたが移植医療と臓器提供はセットで考えるものです





臓器提供の件数が増えれば、それだけ移植を待つ人が多く救われると言う事です





移植を待つ人は現在の医療では治らない病気を抱えて、病気の恐怖と戦いながら、今苦しんでいる人達です




他人のために3億円が集まる国で、なぜ日本人はわざわざ海外移植へ行くのか?




その問いに私ならこう答えたい




「ただ知らないだけで、臓器提供で救える命があることを日本人が正しく理解したらきっと国内で助け合える国になるだろう」と



*まとめ*


海外で移植をするためには健康保険が使えないのと、現地での滞在費等も含めて3億円はかかると言われている




また2008年に国際移植学会で出されたイスタンブール宣言によって、原則移植のために海外へ渡航することを原則禁止している




2010年にはWHO(世界保健機関)も海外移植を原則禁止とする声明を出している




現在日本人の移植を受けれているのはアメリカとカナダの2か国のみで、海外からの移植の件数を制限している





海外移植は海外で移植を待っている人の移植の機会を奪う行為になる





移植のための寄付は本当に善なのか?






国内での移植件数を増やすために移植について学び、意思表示をすることで国内で移植を行える環境を作っていく方が本質的





世界的にみると日本は移植の後進国



アメリカやスペイン、イギリス、オーストリア、ドイツ等のヨーロッパの国々はもとよりお隣の韓国と比較しても臓器提供の件数で8倍近くの差を付けられている




世界的に見ても日本は移植の後進国と言わざるを得ない




ただ、移植についてしっかりと理解する人が増えればきっともっと国内で助かる命は増えるだろうと思う



移植するのが良い事では無く「提供をしたい、したくない」、「移植を受けたい、受けたくない」の4つの権利を理解して、意思を表明できているか、自分の身の回りの人と共有できているかが重要





少しでも移植医療についての興味関心を持ってくれることに繋がればと思っています​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​





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最終更新日  2022年04月26日 06時08分34秒
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