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2023年05月31日
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カテゴリ: 病院
今がんの終末期で余命が数週間から長くて1カ月と言われている患者さんの転院調整をしています



家族さんからは自宅に帰らないかと話があったのですが、患者さん本人の意志は固く、最後まで病院で入院させてほしいと希望があり転院調整となりました



転院と決まるまでも本人と家族の意向をすり合わせるのに何度かやりとりが必要で




家族さんからは自宅に帰ることも諦められ無いから何とか家に帰ってみないかと提案されていましたが、奥さんから言っても本人は帰らないの一点張り



同居の長女夫婦にも気を遣っているようだと奥さんから話があり、長女夫婦も本人が「体力的につらいなら短い時間でも良いから家に帰ってきてほしい」と言ってくれましたがそれでも本人の意思は変わらず最終的に転院となりました




転院先にもMSWより確認したところ最後の家族との思いで作りのために転院後でも2泊3日くらいまでなら外泊も可能と言ってくれたり、面会も15分以内で予約制にはなるが可能と返答をもらったのでその旨は患者さんと家族へも伝えました





患者さんと妻、長女で直接面会して家族だけで話し合う機会も作ることが出来、「家族としても今の時点で本人へ気持ちを伝えることは出来た」と最低限の納得感は得た上で転院の方向へ進むことが出来ました






今回この一連のやりとりの中で患者さん自身とやり取りをする機会も多かったのですが、患者さんとしては 「MSWさん考えてもみて下さい。自宅に帰っても孫たち(3才、5才、7才)もまだ小さくて家にいてもなかなか休まらないから、病院にいた方が気が楽なんです。やり残したことも無いし、後は家族に負担もかけずに気楽に過ごしたいんです」 と自分の想いを伝えてくれました









そのため元々函館に住んでいたんですねと話しかけると、函館の街の住みやすさや水や魚の美味しさの話をしてくれました




私も出身が釧路なので港町の良さや、私たちが現在住んでいる内陸地方と港町の気温や降雪量の違いなどでお話をさせて頂くと





そこから話題が広がって患者さん自身が野球の監督をしていた話や、当時の指導していた学生から未だに年賀状でやりとりをしていること、自分の父が亡くなった時の話、お坊さんに言われた話なども教えてくれました





患者さんの中では自分の父親が亡くなった時にお坊さんから「あなたはこれまでにどれだけ腹を割ってお父さんと話をしたことがありましたか?」と問われれ、ほとんど本気で話し合ったことが無かったことに気付いてドキッとしたようです



そこで私にも 「SWさんもがんの終末期の人と関わる大変な仕事だと思うけど、ご両親とちゃんと会っているかい?私はもう会うことも出来ないし、私自身も長くないと思うからせめて若い世代の人たちに自分の体験を伝えるくらいしかもう出来ないんだ」 と話してくれました





30分ほどの時間でしたが 最後の自分の人生を振り返って人に恵まれて悔いのない良い人生だったと言えるところ、残された時間の中でも自分に出来ることを見つけようとする姿勢 には本当に見習うことが多かったと思います




「こんな年寄りの話に付き合わせちゃってごめんね」と言われましたが、本当に患者さん、特に自分よりも倍以上長く生きている人からの話を聞かせてもらう事は勉強になりますと素直に伝えました




※記事を書いていた途中だったのですが、先週話をしたこの会話を最後に、昨日患者さんは様態が急変して最後は大切な奥さんと娘さんに見守られながら息を引き取りました




今回の支援として最後家族と患者さんとでそれぞれの思いをぶつけ合ってもらえたことで、少しでも最後の後悔を減らすことが出来たなら良いなと思います









そして本当に急変だったのであの会話が最後になるとは思っていませんでしたが、最後に患者さんからしてもらえた話を私の人生に置き換えて、私も両親と会って話したり、患者さんの残した後悔と教訓から学ぶことで患者さん自身の人生にまた一つ影響力と意味を持たせることも出来るだろうなと考えています





終末期の患者さんとこれまでも多く関わってきましたが、やはり言葉に重みがありますし学ぶことも多いです





その言葉を繋いでいくこともMSWとしての終末期をサポートさせていただく役割の一つだと思うので、今後もこうして患者さんが生きた証を残していけるように発信を続けていきたいと思います





この度は貴重なお話をしてくださった患者さんのご冥福をお祈りします






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最終更新日  2023年07月01日 08時21分28秒
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