2015.11.23
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カテゴリ: 読書
前売り券を買っているので、「久隅守景展」と「ニキ・ド・サンファル展」に行きたいと思っていたが、家庭の事情で終日家にいる。
録画した映画でも見ようかと思っていたが、結局それもせず、惰眠を貪ったりして、だらだらと過ごす。
起きた後、夕食をはさんで、小川恵の「銀色の月」を一気に読む。
戦中の少女時代から夫である小川国夫の死後までを断片的に書いたエッセイ。
私の父もそうだったが、何日も家に帰らず遊び呆けたり、友達を家に連れて夜っぴて飲んだりするのは戦前生まれの男たちの特徴だろうか。
今でも午前様の男たちはいるだろうが、当時のように妻が文句も言わずに黙って待ち続けるという封建主義的な光景は少ないにちがいない。
幼少時、母と父の帰りを寂しく待った記憶が蘇る。
作者が80歳近い年齢で書いたエッセイだが、若い頃の官能的な記憶を簡潔でありながら機微に満ちた表現で書いている。
例えば、坂の上で夫に無視して素通りされた時、昨夜の寝屋の記憶が蘇り、夫に抱かれたいと思い、汗を拭く仕種からそのまま着物の奥に手を伸ばして乳房に触れるのだが、その際の文章が何ともエロティックなのである。

その他、妊娠中に夫が親友の妻と浮気をしているのを見つけてしまったり、夫と夜っぴて飲んでいた編集者の一人に明け方寝込みに抱かれたりと、これもまた直截的ではなく、女性らしい婉曲的な言い回しで描いている。
そうしたことがあってもなお、深く結ばれているのが夫婦の情愛というものなのであろうか。






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最終更新日  2015.11.24 21:45:07
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