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2007年10月18日
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カテゴリ: 最近読んだ本
今年の初めから読み始めていた司馬遼太郎の『坂の上の雲』を、先日ようやく読み終えた。
まず今さらながら、地道かつ綿密な資料の調査と、
それをカタチにした氏の高い筆力に感服せざるを得なかった。

この物語は日露戦争を主な舞台に、陸軍・海軍のそれぞれで活躍した秋山好古・真之兄弟と、
真之の友人でもあった正岡子規の3人が主役であるが、
全編通して常にこの3人を軸に展開するかといえば、必ずしもそうではない
(特に正岡子規は、結構早い段階で他界してしまう)。
彼らは登場人物のほんの一部に過ぎず(ただ存在感はそれなりに大きいが)、
後はこの時代の陸海軍のトップクラスの人々やロシア側のトップたち、

淡々とした中にも、それぞれの人物のキャラクターの対比が織り込まれてあったりして、結構興味深い。

氏も文中で触れているが、日本は鎖国から開国に転換してわずか数十年の間に、
世界に比肩しうる海軍を作り上げた。
そのこと自体は非常に驚くべきことであるが、日露戦争の勝利によって、
「根拠の無い自信」を植え付けられてしまう。
それは多分に「精神論的な」ものだっただけに、太平洋戦争においてあらぬ方向に作用し、
日本を敗戦へと導いてしまうことになる。
そう考えると、日露戦争が日本の軍隊にとって、大きなターニングポイントだったといえるだろう。

おそらく開国から日露戦争までの数十年というのは、
日本の軍隊にとって最も“理論的に”戦況を考えられる時期だったことだろう。
そしてこの時期にはまだ「武士道」なるものが、各々の意識の中に根強く残っていた。

最も幸福だった時代なのかもしれない、と思える。

ロシア側の記述についても相当頁を費やしているが、それを読む限り、
やはりロシアは「負けるべくして負けた」ということがよく理解できる。
日本にとってラッキーだった面も無くはないが、帝政の末期症状を呈して、
指揮官は常に皇帝の顔色を窺い、兵士には共通する目的意識も無い状態では、


ただ、月並みな言い方になるが、戦場での情景描写はあまりにもむごたらしい。
なんだかんだ言いながらも、結局は「非戦」という考え方に落ち着くのだ。





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最終更新日  2007年10月18日 16時50分55秒
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