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2013年11月07日
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カテゴリ: スポーツの話
「キミの言っていることは確かに正論だ。しかし世の中、正論だけでは通らないよ」
こういうセリフはどこの世界でもよく聞かれることだろう。

正論は正論で、客観的な正しさがある。
だからそれは誰もが認めざるを得ない。
しかし正論が論理的に正しいと思っても、心情的に認めたくなかったり、
あるいはその運用の仕方において、異を唱えたくなることもある。

特に日本人って、そういう人種なのかもしれない。
正論を押し通せば角が立つ。
物事を円満に済ますことを優先させれば、一旦正論は脇に置いておかなければいけなくなる。

正論とはある意味、強くて、嫌われ者なのだ。

言い方を変えれば、正論を押し通せば「ドライ」な人とみられ、
情緒的な観点からそれを否定すれば、「人情的」な人と見られる。
もちろんどちらが正解、ということはない。
その置かれた状況によっても違ってくるし、
何年も後になってどちらが正解だったかの明確な答えが出てくることもある。






井端選手が中日ドラゴンズを退団した。
彼の今年の年棒は1億9000万円、来期年棒として提示された額はたったの3000万円。
今年の成績から見ればある程度は仕方ないが、あまりに低い提示に納得がいかず、
自ら交渉を決裂させた格好だ。
ファンは怒った。


で、今回の件について、交渉当事者の落合GMは、次のような説明をしている。
「ここ数年は故障がちで、体にメスも入れてる。
そんな選手に億以上の金を出して、球団がリスクを背負えるか?」
その上付け加えるなら、打撃も守備も往年のものには到底及ばないし、
何より若返りを図ろうとしているチームの方針にそぐわない存在でもある。




過去を振り返ってみれば、落合氏がドラゴンズの監督を務めていた8年間というもの、
彼の考え方は一貫して正論だった。

物議を醸した2007年の日本シリーズでの、完全試合を続ける山井の交代。
WBCの日本代表に自軍の選手を出すことへの拒絶。
選手のコンディションについて徹底して敷いた箝口令.....。

これらのことについては各方面から批判も続出したが、
彼はあくまでも正論をぶつけることで、批判を封じた。

そもそもいちばん基本的な理念――――

「勝つことが究極のファンサービス。俺は試合に勝つことだけに専念する」

この部分が8年間まったくブレなかったからこそ、我々は強いドラゴンズを十分に堪能できたし、
監督が代わって弱くなったチームに彼がGMとして戻ってきたことに対して、喝采した。
それは彼の正論を全面的に受け入れる、ということではないか。

確かに井端選手は私にとっても大好きなプレーヤーだが、
落合GMの正論に対して情緒的な反論をぶつけるつもりはない。
何より彼の「ブレない」ところが魅力だからだ。
正論が正しいか否か、ということを超えて、彼が正論を貫き通す姿勢には、
とかくご都合主義が罷り通る今のプロ野球界においては、清々しさすら覚えるのだ。

井端選手の一件が正しかったかどうかなんてのは、後年、歴史が判断することだろう。





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最終更新日  2013年11月07日 22時52分54秒
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