ちゃと・まっし~ぐ~ら~!
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うげ~~~(←一週間が終わった安堵とストレスの叫び声)終わったぞ、今週も。しかし、やはりと言うべきか、案に相違してと言うべきか、結局平和な金曜にはならなかった。出勤後30分で起こった大きな案件を一人で抱え込む始末になって(後2人の社員はそれぞれまたアホな客に振り回される羽目になっていたので)今日も今日とて定時には帰れず。現地のお客と日本の旅行会社との間で電話しまくりで、電話はもう見るのもいやっちゅうめに遭ったが、なんとか今日できるところまで形をつけてようやく帰宅できるところまで漕ぎつけた。実は昨日、会社の中で突然「オゲンキデスカー?」と、昔の井上陽水のCMみたいに誰かから声をかけられ、えっと思ったら最近はいってきたばかりのイタリア人の女の子だった。日本語であっても突然声をかけられるとびっくりするが、彼女が衒いもなく自己紹介してきたので私も「ちゃとデース」と言うと、彼女はつい最近ローマからイギリスに引っ越してきて会社にはいったと問わず語りを始める。「これでも日本人と一緒によく仕事してたのよー」と彼女が言い出し、そうなのかと思っていると「イタリアの●●(日系の旅行会社)で仕事してたんだけど、その後は××に移ってさ、それから今のここの会社から呼ばれてやってきたのよ」と言われてびっくり。彼女がいた2つめの××というのは、私が今年の1月までいた会社のイタリアの支部だったのだ。仕事の内容を聞いていると、どうやら過去に電話で話したことがあったんじゃないかというセクションだった上に、私も最初は旅行畑だったからえらく共通点があるねと言って少し話し込む。前の職場ではイタリア人がいたので、時々、ちょ~カンタンなイタリア語で相手をしてもらうこともあったが、今の職場に移ってからは近くにイタリア人はいなかったので、仕事上の必要にも迫られて最近はフランス語だけに眼が向いていたが、彼女から「これからなんでも聞いてね」と言われ(そんなになんでも教えてもらっても覚えられないけど)イタリア語も全部忘れないうちになんとかしないと、という気持ちにさせられた。すると、今日になってイタリアのある場所にどうしても連絡を取らないといけなくなってきた。内容自体はごく簡単なことだが大緊急だった。普通はこういう件は、今の系列のイタリア支部に仲立ちをお願いするのだが、その時はイタリア支部に依頼を出して結果を待っているだけの余裕がどうしてもない。意を決してそこに自分で連絡してみた。代表電話の交換台が出たので、やぶれかぶれで「○○さんをお願いします。」とイタリア語で言ってみた。そこでは問題なく、相手先の○○さんの内線につなげてもらったのだが、そこからが問題だ。「アンタ、ダレ?」と言われたので「私は△△のちゃとと言いますが、お客さんの☆☆さんの件で」と言ってから困った。案の定、相手の○○さんは私の所属先の名前から、私が電話した意味をすぐ理解してくれたのはよかったのだが、逆にそれが簡単に理解してもらえたばっかりに、○○さんはどわぁ~っと突っ込んだ内容をイタリア語でまくしたてる。固まる私…「今、言ったこと、わかる?」と聞かれたので「ワッカリマセ~ン」と堂々としたイタリア語で答え、相手の説明を無視しきって知ってる単語の羅列で聞きたいことだけ強引に聞く作戦に出た。功を奏して相手の答の文章の中から知りたい答が無事に見つかった。それがわかったことにほっとして「○○さん、ありがとう。後でまたかけるから」と、感謝と安堵の気持ちを込めて言って電話を切った。隣りでみつこさんが「ちゃとさん、スゴイ…イタリア語できるなんて言わなかったじゃん。これからイタリア支部に頼まなくたっていいんじゃないの?」と驚いていたので「違う違う、ほとんどわかってないよ。知りたかったことだけわかっただけで全部なんかぜんぜんわかってないんだから」と、自分としては正直な部分を答えたのだが、みつこさんは勝手にこれでもうイタリア語しか通じないところの電話も私に頼めば大丈夫と完璧に思い違いをしてしまったようだ。こういう感じ方というのは大きな落とし穴なのだ。私は自分で自分のイタリア語の出来がどんなレベルか(爆)わかっているから、近くにイタリア人やイタリア語話者がいるところでは、電話でイタリア語なんか今日まで絶対話さなかった。あまりにもぐちゃぐちゃなので、聞かれるとこっぱずかしいからだ。あんな片言のイタリア語で勝手にスゴイとありがたい勘違いをしてくれるのは、そちらの方面にはあいにく縁がない人だけだ。ずーっと前に添乗していた時の話でも書いたが、ピンチの時に知っている単語だけを順番に振り回して、さも自信ありげにその場をしのぐというのは、こんな仕事最大のハッタリだ。知っている人が聞いたら抱腹絶倒しそうな単語を堂々と羅列するという行為は、それを知らない人からすると「おぉ~」という美しく壮大な誤解のスイッチを自動的に入れてしまう。そこで「いえ、ぜんぜんそんなにできていないんですよ」と正直に言うと、今度はそれが謙遜と取られ「いや~、素晴らしいっ」とプラス評価がまた勝手に加わる。(爆)だから、ソレ違うんだってば。しかし、こういうハッタリは当然、限界もすぐソコに見えている。せっかくダイエット中で食べ物のことを考えがちになるが、この際だから無我の境地に立って、フランス語とイタリア語で隙間を埋め込むように努力する秋にしたいものだ。
2005年10月08日
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