成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2015.04.20
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カテゴリ: メディア掲載情報
お手伝い(監修)をさせていただいた、テレビ東京『土曜スペシャル』の「高速バス限定の旅3」が18日(土)夜、オンエアされた。特に今回は(番組ではさらっと触れられていただけだったが)いきなり九州内で事故渋滞に巻き込まれロケ現場は大変。突然のことにも関わらず色々ご対応いただいた各事業者さん達に感謝。フリーランスのディレクター兼放送作家さんから最初に企画のご相談をいただいたのはもう4年以上前。関越道事故が発生して企画が延期になったりと色々ありながら、無事に3回目。目指せ、太川さん、蛭子さん!

高速バス以外の移動は徒歩かレンタサイクルのみ、というルールがあるこのシリーズ。前回までに増して自転車の比重が大きくなった。特に、しまなみ海道(既に自転車愛好家たちの聖地となりつつある)は、本州から四国までいくつもの海峡を橋で越えていく自転車道が整備されている上に、沿線の多くの拠点でレンタサイクルを借り出してそして乗り捨てもできる、という環境は、高速バスを使った旅行にぴったりだと思う。さらに番組では高速バス車両の快適さや充実したネットワークについても要所ごとに触れていただいており、高速バスの魅力をうまく伝えられたはず(マニア的には言いたいことも色々あるだろうけど)。

話は変わり、以前ご紹介した楽天トラベルの「乗務員用外国語対訳集」は、『日刊自動車新聞』(17日付)、『観光経済新聞』(18日付)、『東京交通新聞』(20日付)でも報じていただき、バス事業者その他からの反響も大きかったそう。ところが、本日、その『東京交通新聞』の掲載をチェックしようとしたら、いきなり一面トップが「最先端『多言語音声翻訳機』 五輪向け都内タクシー全車に」。うーん、負けてるぞ。もちろん、高速バスとタクシーでは求められる接客の密度が異なるし、「最先端」なるものがどこまで使えるのかはわからない(記事にも「関西弁だとうまく翻訳されない」とある)が、少なくとも意気込みで負けてる。それどころか、別の面には、東京都個人タクシー協会が会員に対して実施したアンケートによると、3割が「最低でもあいさつ程度の英会話が可能」と答えたという。同協会は、待機時間を利用して英会話を学べるようにタクシー乗務員向けのCDを作成したとのこと。

一方で本日付『日本経済新聞』朝刊の新興・中小企業面トップは、「『通』の訪日客にひと味違う旅」として、日本を複数回訪れているリピータの訪日観光客は「定番では飽き足らなくなっ」ており、ベンチャー企業や光の当たらなかった観光地にとって大きな商機だと伝えている。記事中、冒頭で大きく紹介されているのが、「高速バス・マネジメント・フォーラム」で基調講演をお願いした上山康博社長率いる株式会社百戦錬磨。農家での「民泊」を扱う同社のサイトについて、「和菓子作りや農業などの体験型レジャーも紹介する」としている。

上に挙げた3つの話題は、それぞれのレイヤー(階層)で、高速バス業界が求められている変革について教えてくれる。まず、何度も申し上げている通り、旅行形態は団体から個人へシフトする(これは邦人客も訪日客も同様だ)。従来なら大型貸切バスに乗せられて、皆がそれなりに満足する有名観光地を訪れることが「旅行」として価値があった。これからは、自転車を借り「自分で走る」ことに象徴される、旅行者個人が興味関心を持ち、かつ旅先でしか味わえない体験こそが「旅行」として選ばれていく。それは残念ながら貸切バスの市場縮小を意味するが、高速バス業界にとっては個人へバラけていく旅行者を拾うチャンスだ。

そしてタクシー業界(失礼ながら「最先端」には見えない…)が、コストをかけ全車に翻訳機なるものを導入すると考える程度に、訪日外国人は普通の存在になろうとしている。

その二つを掛け算すると、つまり「旅行形態の個人化」×「訪日外国人の増加」が意味するものは、今後、バス業界にとってFIT(海外からの個人観光客)が特別な存在ではなくなる、という動きである。いろいろ複雑な流れの中で、インバウンド(訪日外国人)はバス業界にとって、貸切バス、それもかなり「一部の」事業者の貸切バスを使う存在であり、多くのバス事業者、特に高速バスを含む乗合系の事業者にとっては異なる世界の存在であった。だがこれからは、嫌でも向き合わねばならぬ市場である。

もっとも、一足飛びに外国人(というか外国語対応)の話に焦点を当てるのはリスキーな気がする。もちろん、上記「対訳集」のように現場で必要な最小限の対応は進めるより仕方がないが、各高速バス事業者がまずハラに落としこんで欲しいのは、マス・ツーリズムの終焉という旅行ニーズの大きな変化の方である。一方で我が国の旅行流通は、もはやレガシーと言ってもいい既存旅行会社が大きな存在を占めており、個人個人の旅行者の興味関心を実現するという役割を果たすには至っていない。

リピータ(特定の路線を出張や買い物などで繰り返し利用してくれる、主に地方側の地元客)に恵まれたゆえ、大都市側(その先にある海外も含む)在住の「一見」の観光客を後回しにしてきた高速バス業界。そして、旅行形態の個人化が進む中でなお、出来合いのパッケージ商品以外を売る仕組みを作り上げられない旅行業界。課題の見た目は違えど、「これまでうまく行っていた」という事実が、次なる挑戦、変革を妨げているという点は共通している。







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Last updated  2015.04.20 17:24:30
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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