Laub🍃

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2011.07.31
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カテゴリ: ◎2次裏漫
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僕がここに軟禁されてから5年が経った。

相変わらず僕の役目は変わらない。
それどころか、増えてさえいる。


「……どうした?考え事か」
「ううん、なんでもないよ」


鬼の大将、白い鬼を懐柔した。
騙したといったほうが近いかもしれない。
僕は鬼の死んだ弟に似ているらしい。

はじめはその弟と見間違え必死な顔で捕まえてくるが、毎回毎回、僕だと気付いた瞬間にその形相は氷のように冷たくなる。
……何度目かに逃げて捕まった時に僕はその弟を、こいつが求めるものを全力で模倣しようと決めた。


「また調子が悪いのか?お前は吐きやすいんだから無理するな」
「ううん、大丈夫だって」


この鬼のお陰で、多少は身の安全が保障されてる。
……周囲の視線はさらに殺伐としていくけど。

最近では、この鬼にあわせ、周囲まで僕を鬼の弟の名前で呼ぶ。

このまま何年かすれば、僕自身名前を忘れてしまいそうだ。



桃太郎だけではきっと鬼を退治できない。

もう、鬼になった方が楽かなあ。





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最終更新日  2017.11.09 03:51:48
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