Laub🍃

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2011.09.09
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カテゴリ: 💫復活裏
 全てを許す優しさが、全てを包む力が、俺に仕えたいと思わせた。
 この人さえいれば、他には何も要らないとさえ思えた。

 これまで生きてきた人生が、彼の役に立つのならそれもいいと。

「お前に会いたいだなんて思ってる人は居ないよ」

 悪夢が繰り返し囁きかけてくる。けれど、それに対し答える声は今はある!

「俺は十代目に会いたい!」
「その十代目は?お前に会いたいと思っているのか?迷惑だと思ってはいないのか?」

 図星。あの人を支えようと思って逆に困らせてしまったことは一度や二度ではない。
「……それでも、いつか必要として頂くために俺は」

「うっ……」

 答えに詰まりうずくまっていると、どこかから声が聞こえた。
 こちらはさきほどのものとはちがう、どこかあたたかい声。

「…あーもう、獄寺くんはしょうがないなぁ…」
「十代目……?」

 目を覚ますと、

「あ、起きちゃった」
「あ」

 十代目が、十代目のベッドに、俺を寝かせてくださっていた。

「よかったー、うちに来るなり倒れちゃうから…」
「うわわわわわすみません!!!」

「十代目のお手を煩わせたくはないので大丈夫です!!死ぬ気で起きます!!」
「いや、せっかくだしもう少し休んでなって」
「死ぬ気で休みますっ!!」
「そこは死ぬ気じゃまずいから!!」

 がばっと引き上げた布団にくるまれ十代目のお声を受けながら思った。



「とりあえず、早く元気になって。…せっかくの誕生日なんだから。」
「あなたがそうであってほしいと望むならっっ!!」

 人が幸せであることを望むこの人のためなら、

 俺は幸せであると、十代目のお蔭で幸せですと言える一生を送ることの方がはるかに重要であると。



*****


獄寺誕生日おめでとう!!





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最終更新日  2016.09.11 11:58:08
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