トドのつまりは・・・

トドのつまりは・・・

2010年12月16日
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カテゴリ: 電子書籍
電子書籍に語るとき、どうしても話題が、著名な小説家の意見が取り上げられやすいため、意見が偏りがちなのが気になる。
こちらのランキング を見ても分かるが、現状の書籍市場の中で、文芸作品の占める割合は、残念ながら僅かでしかない。
電子書籍に否定的な方は、本の表紙デザインや装丁、紙の手触り感へのこだわりを語る人が多いが、では、このランキングに現れた本の中で、そういう紙の本にこだわる価値がある本があるのだろうか?

世間で売れている大多数の本は、実用書であったり、タレント本であったりして、残念ながら年月が過ぎれば読み捨てられる可能性が高い本ばかりだ。
文芸書の電子書籍化に抵抗があるからと言って、それ以外の大多数の書籍にも、同じルールを強要するのは、どう考えても馬鹿げている。
文芸作品で、紙の本にこだわる人は、どうぞ電子書籍に背を向けて、紙の本だけで生きて行けばいいと思うのだ。
文芸作家や本好きの人は、自分たちが愛する書籍世界があたかも全てであるかのように思いがちだが、世の中の大多数の本は、消費され、数年で捨てられる本であることをもっと認識すべきだろう。
貴方たちがクズ本と揶揄する寿命の短い本たちが、電子書籍になってしまえば、伐採する熱帯雨林も減らせるし、地球環境にも優しい。こんないいことはないじゃないですか。

そもそも、デザインや装丁にこだわる作家さんは、文庫や、新書のような画一的なフォーマットの出版には反対しているのだろうか?

つまり、文庫や、新書のような画一的なフォーマットの中で、表紙や帯を変える程度の作りこみでも、よしとして本を出しているわけだ。
だったら、その本を電子書籍化して、電子書籍に適したブックデザインに変更して出すのを否定するとしたら、それは、単に新しいもの、自分が理解できないものを偏狭に拒絶しているに過ぎないといえるだろう。

新しいメディアが出てきたとき、それが、既存のメディアへの愛着から、否定的な立場をとる人は多い。それは、ある意味、自己保身でもあるのだろう。
しかし、アナログレコードからCDに、VHSからDVDに、メディアは時代と共に確実に移ってきた。
CDが出たときに、アナログレコードのジャケットデザインが活きないことに不満を漏らす人は多かった。しかし、しばらくすると、CDケースを、形状や素材から新たにデザインしなおしたり、CD盤面にデザインを施したりと、CDであることを最大限生かした新たな発想のデザインが生まれ始めた。

そう、新しいメディアが誕生すれば、その新しいメディアの特性を生かした新たなデザインを開発する人間はいくらでもいるのである。
電子書籍に否定的な人は、電子書籍というものは、完成された紙の書籍から、リアルな紙では得られないものが抜け落ちた欠陥品といった捉え方をしているのだろう。
しかし、実際、電子書籍の市場が拡大すれば、電子市場ならではの機能を生かした新たなブックデザインが、続々と現れるはずだ。そして、新しいデザインそのものが、その新メディアの普及をドライブしてゆくものである。
そのことに思い至らないとしたら、頭が硬直化していると言われても仕方ないだろう。


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最終更新日  2010年12月16日 10時43分16秒
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