なんでんかんでん。

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polo7831

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polo7831 @ purea24さん いやいやいや・・・ ヒール突っかけて転ぶ…
purea24 @ Re:おおーー 復活おめでとうございますぅ~!! コンサ…
polo7831 @ Re[1]:君子蘭(05/02) 楽天ssさん こんばんは。君子蘭の命…
September 2, 2010
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シューマンの指

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。
シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。
彼に焦がれる音大受験生の「私」。
卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。
現場に居合わせた修人はその後、指にピアニストとして致命的な怪我を負い、
事件は未解決のまま30年の年月が流れる。

そんなある日「私」の元に修人が外国でシューマンを弾いていたという
「ありえない」噂が伝わる。

野間文学賞受賞後初の鮮やかな手さばきで奏でる書き下ろし長編小説。

  ====♪===♪====


この本には、最初から最後までやられっぱなしでした。

まず、表紙。
「あっ、やばっ!カバーに血つけちゃった!」と焦る。何度見ても、焦る。
…違うんです。最初からそういう「絵」なんです。

音楽思想、哲学あり、シューマンの楽曲解説あり。

シューマンの偏執狂的粘着気質のイメージが
この小説の基礎を形作っているように感じます。


「『音楽』はすでにこの世界にあるのであり、
演奏されるされないなどは本質の問題ではないのだ」


私も精一杯『音楽』に近づき、その美しい裳裾にふれてみよう。
どのみち完璧な演奏など人間には出来ないのだから」

「完璧がありえないのはたしかだけど、
それへ一歩でも近づこうとしなかったら、
それは消えてしまう」


演奏はむしろ音楽を破壊し台無しにする」


事件は半分を過ぎた頃、やっと起きます。

冒頭に「謎」を与えられて、むずむずした気持ちを
ずっと引きずりながら読み続けなければなりません。

・・・その謎には、結末で「解答」が与えられます。
その展開には、力づくでねじ伏せられたような気持ちになり、
「わわっ、す、すげっ・・・」とぐぅの音もでませんでした。
映画「シックス・センス」の感じ?

「いない」「いない」と襖をいくつもいくつもいくつも・・・開いていったら
最後は断崖絶壁の海だった、みたいな。

主人公達が繰り広げる「哲学的音楽論」にうなずき、
オドロキの結末にミステリーを読む快感を感じる、
お薦めの一冊です。





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Last updated  September 3, 2010 09:42:41 PM
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