映画日記4

映画日記4



「過去のない男」
2004/01/06(火)
■監督/アキ・カウリスマキ
■cast/カティ・オウティネン、マルック・ベルトラ、アンニッキ・タハティ
■2002年、フィンランド・ドイツ・フランス
ただ一言、「ブラボー!」
アキ・カウリスマキの集大成と言ってもいいような映画で、うーん、なんてハートウォーミングな! この監督はものすごく特徴的な映画を作る人で、その際立った特徴を今ぱっと思いつくだけ挙げても、

(1)登場人物が全員ひじょうにぎこちない
   ⇒もちろん計算されているんだけどね、そのぎこちなさ。でもその味が抜群。
(2)カメラワークがすごくいい
   ⇒一点固定で登場人物が黙ってるシーンを平気で長回ししたりする。面白い。
(3)色彩感覚が抜群、画面が何しろきれい
   ⇒それほどキレイではない本当の「田舎」が舞台なんだけど、色彩はきれいだ!
(4)音楽がとても美しい
   ⇒「過去のない男」も音楽がノスタルジックでとても素晴らしい!
(5)リアリティがほとんどないのに、素晴らしくハートウォーミング
   ⇒物語は淡々と進行するんだけど、実に芝居がかってて面白い

「過去のない男」は、「レニングラードカウボーイ・ゴー・アメリカ」の世界と「浮き雲」の世界を融合させて、アキ・カウリスマキ監督がやりたかったことを全部97分間の中に凝縮させた感じの映画でした。
この映画を見て、もしかすると「退屈だなあ」と感じる人はいるかもしれませんが(笑)、「大嫌いだ」と思う人はほとんどいないんじゃないかな?
2002年のカンヌのグランプリ&主演女優賞を受賞した作品です。
映画の途中で、今は亡きマッティ・ペロンパーの写真がさりげなくバーに掲げられていたりして、アキ・カウリスマキ監督のファンにとってはちょっとぐっと来る感じでした。
素晴らしい映画で、ぜひもう一度見たい、サントラも買いたいな~!


「クッキー・フォーチュン」
2004/01/06(火)
■監督/ロバート・アルトマン
■cast/グレン・クローズ、ジュリアン・ムーア、リヴ・タイラー、クリス・オドネル
■1999年アメリカ
ロバート・アルトマン監督の撮った「ショートカッツ」っていう映画がけっこう好きで、「ゴスフォード・パーク」も案外面白かったし、この監督の群集劇は安心してみてられるだろうと思って借りてきたんですが・・・。
しかし「クッキー・フォーチュン」は僕にはよくわからなかったなー。
退屈ではないんだけど「引き込まれる」という感じは全然ないし、かと言って「早回ししようかな」とか「見るのやめるかな」というほどでもない。
で、なんとなく最後まで見て感想としては「面白くなかったなー」(笑)

ジュリアン・ムーアだけはキレててかなりよかったけど。 全体になんとなく脚本が「んーべつに」って感じだったのかな?今まで見た映画の「ベスト100」をつくってもおそらくランクインして来ないな、ワタクシ的には。 好きな人、スミマセン^^


「女はみんな生きている」
2004/01/??
・監督/コリーヌ・セロー
・cast/カトリーヌ・フロ、ランダ・ブラクニ、ヴァンサン・ランドンほか
・notes/2001年フランス
シアターキノで観た。今年最初の劇場映画。
ストーリーは、平凡な主婦エレーヌと謎の 娼婦のノエミの、アクシデントによる出会いが軸。それまでの人生でまったく接点の なかった二人がその「アクシデント」を機にどんどん近づいていって、「これまでに 見たことのない世界、生きたことのない世界」へと、一緒に、こわごわながら歩いていく。
テンポのいい展開、見た目カッコイイがダメな男たち、逆に見た目弱そうだけど実は 腹の据わった元気な女性たち、そして意外なストーリー。かなり引きずりこまれて、 飽きずに見てすごく面白かった。ラストは痛快だし、とてもいい匂いのする映画。
コメディなんだけど、もちろん「おフランス」なのでゲラゲラ笑う映画ではない。 エスプリが効いていて、くつろいでスリルを楽しめるドラマ。ちなみに、男たちが 徹底的に情けなく描かれてるんだけど、男の本質はあんなもんだよなあと思った。

「サロメ」
2004/01/??
・監督/カルロス・サウラ ・cast/アイーダ・ゴメス、ペレ・アルキリュエ、パコ・モラほか ・notes/2002年スペイン
これは札幌駅のシネマフロンティアで観た。平日の6時ごろだったとはいえ、観客が 6人! 驚いた。しかもやや寝不足気味だったので、前半戦で若干意識失いそうになりながら も、映画の持つ圧倒的なパワーに、途中からバキッと目が覚めた。
伝説の舞踏家と言われるアイーダ・ゴメスが演じる「サロメ」、そのメイキングのような ドキュメンタリーで、舞踏芸術の到達点だろうと思える大迫力の映画。
「さあ、通し稽古だ」という監督のセリフを最後に、一切セリフのない世界に入るんだ けど、なんて饒舌な表現の世界!もちろん映画はセリフがなくなってからの約1時間が クライマックスで、じっくり練られたカメラワークの良さも絶品、ぐいぐいと映像美と 肉体の表現の美しさに圧倒されっぱなし。人間にはこんなこともできるのか、と 最後はもうため息しか出ない素晴らしさだった。

「シービスケット」
2004/02/02(月)
・監督/ゲイリー・ロス
・cast/トビー・マグワイア、ジェフ・ブリッジズ、クリス・クーパー、 ウイリアム・H・メイシー、ゲイリー・スティーブンスほか
・notes/2003年アメリカ
久々にファクトリーのシネコンで観たけど、ちょっと狭いのでこれからはやはり 札幌駅のシネマファクトリーにけってい、と思った一日。
映画はレースのシーンが迫力満点、騎手目線で追った映像なんて観たことないから、 レース中、騎手にはこんな凄い光景が見えてるのか、と感心しきり。やはり凄い商売だ。
騎手のレッド・ポラート役のトビー・マグワイアが、なんとなくペリエにそっくりで ちょっとおかしかった(髪の豊富なペリエ)。その、偽ペリエが本物のトップジョッキー ゲイリー・スティーブンスにシービスケットの騎乗法をアドバイスするシーンは 競馬ファンにはちょっとブラックユーモアだった。
映画は良くできた映画だが、これは 原作のほうが面白いかな。ただ、競馬ファンならやはり見逃せない映画かも。 武豊が泣いたらしいがそれは多分リップサービスで、泣くところはないよ(笑)

「ラブ・アクチュアリー」
2004/02/09(月)
・監督/リチャード・カーティス
・cast/ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、コリン・ファース、 アラン・リックマン、マルティン・マカッチョンほか
・notes/2003年イギリス・アメリカ
月曜の夜(シネマフロンティア)にしては混んでて、さすがに人気作。
プロモーション が巧みで、たしかにプロモーションで使われてるシーンは全部「おいしいトコ取り」。 会場には女子高生もかなりいて、女子高生と一緒に映画観たのは初めてかも。外国人 さんも見に来ていて、ものすごくオーバーな反応を繰り返していた(笑いすぎとか)。
映画は幸せな気分になる映画で、これは恋人と二人で見に行く映画。ヒュー・グラント は、首相役をやっててもいつもどおり「優柔不断でちょっとダメな人」だった。でも ブリジット・ジョーンズよりはずっと「いい人」の役で、はまってたかもしれない。 映画はとても面白かったし楽しめたけど、うーん、これ、クリスマスの映画なんだよね~。 クリスマスに見せてほしかったなあ(笑)ブリジット・ジョーンズの日記よりは 明らかに「女子向き」で、オッサンにはところどころ少し 「うーん、こりゃ乙女向きだなー」的演出が目立ったかな(笑)
ヒュー・グラントの恋人役がマルティン・マカッチョンという名前だ!凄い名前!(笑) この人、女の人から見ると「なんかすごくかわいい」のだそうだけど、男から見ると 「うーん??????」って感じで、そのあたりが今ひとつ入り込めなかったかも(笑)


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