今日はいい日だ
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文化の日が雨だったのは、覚えている限り一度しかない。実際はもっとあるのだろうが、そのくらいこの日は晴れていることの方が多い。何かのクイズ番組で一年で一番晴れの確率が高い日は、という質問に対する答えで、「文化の日」という答えが圧倒的多数だった記憶がある。実際は別の日だったようだが。そして、今日もやはり晴天だ。眩しい日差しに、数週間前の暑さが皮膚によみがえる。とはいえ、さすがに11月、冬が砕けたガラスの破片のように大気の中で煌めいている。そんな季節の誘惑に誘われて、阪急電車で高槻に向かう。前々から食べろぐなどで気になっていた「きんせい」らーめんと、これまたgundayuuさんのブログで興味をひかれた高槻城址が目的だ(食い気の勝る私は、やはり前者が優位なのだが)。阪急高槻市駅を降り、まずは「きんせい」を目指す。時間は1時を少しまわったくらいだが、まだお昼どき、人気店だけに行列の並び具合が気になるところだ。幸い、並んでいたのは3人のみで、5分も待つと店に入れた。わたしが頼んだのは、ややこってり系の「かさね味」というやつで、白いスープに丸ストレート麺が浮かんだ姿はちゃんぽんを彷彿させるが、口いっぱいに広がる魚介類のだしがきいたとんこつ味のスープはやはりラーメンそのものであり、見事にわたしの好みにはまっていた。満足感と満腹感を抱えて、晴天の下、高槻城址を目指す。途中で野津神社に参拝すると鮮やかな緋色の毛氈が目に入り、丁度野点をやっていると知る。久しぶりにあの苦さを味わいたい、と300円で一服所望しようとしたら、お菓子が切れて終了とのこと。残念だが仕方がない。高山城址はまったくといっていいほど建造物がなく、その面影を一部の濠に残すのみである。それでも、さすがにただの公園とは違った趣がそこはかとなく漂うのは、長い歴史をくぐってきた土地の生命というものだろうか。高槻城主といえば、何と言っても有名なのは高山右近である。城址に建てられている右近の像を眺めながら、当時の大名たちがこぞってキリシタンとなった理由に思いを馳せるが、信長や秀吉のように貿易というはっきりした目標があるのならばともかく、封建制度の象徴ともいえる彼らが、何故に神のもとの平等をうたうキリスト教にひかれたのか。納得できる答えが見つからないまま、とりあえず城址公園内をひとまわりする。半分以上の敷地は、子供の広場といった呈で、色とりどりの遊具が配置されており、遠く戦国や江戸に思いを馳せるにはあまりにもかけ離れている。先ほどの満腹感に比べると、どうも今ひとつ物足りない思いがあって、往路で看板を見かけた城址歴史記念館に立ち寄った。正直、規模は小さいく展示物の少ないものの、時を経てきた本物だけが持つ無言の語りかけは、心に響くものがある。何といっても文化の日である。文化的素養がない私ではあるが、こんなプチ歴史紀行も悪くはない。
2010年11月03日
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