2003.09.13
XML
カテゴリ: 蹴球
今年はなぜか、やたらとトラ贔屓な京王線に揺られること、約20分。

露骨に隣り合うコンビニを左手に、味の素スタジアムを目指す。

そう、今日はJリーグを観戦してきたのである。

FC東京vs.ジェフ市原。
首位・鹿島を追う、2位と3位の直接対決である。
バックスタンド前列に構え、キックオフを待つ。
とりあえず、アウェイのジェフを応援することにした。

では、サクッと経過を書くことにしよう。


GK 土肥 洋一     GK 櫛野 亮
DF 加地 亮      DF 茶野 隆行
DF 茂庭 照幸     DF ミリノビッチ
DF ジャーン      DF 中西 永輔
DF 金沢 浄      MF 坂本 將貴
MF 三浦 文丈     MF 佐藤 勇人
MF 宮沢 正史     MF 阿部 勇樹
MF 石川 直宏     MF 村井 慎二
FW 戸田 光洋     MF 羽生 直剛
FW ケリー       FW 大柴 克友
FW 阿部 吉朗     FW サンドロ


前節、エースの崔龍珠が出場停止を食らってしまい、
なかなかリズムを作り出せなかったのだろう。
前半は、完全にペースを握られていた。

途中、中西がDF2人に挟まれながらも、
股抜きで左サイドを切り裂く場面もあったのだが、


逆に18分、東京・宮沢のミドルシュートがネットを揺らす。

コースに入った中西、ヘッドで軌道を変えるという、
まるでラテン人のようなプレーで相手の先制点をアシスト。
敵のスタンドからは「永輔コール」が沸き起こった(1-0)。

続く39分にも、失点。
決めたのは、先のレアル戦でゴール宣言をするも、
見事に完封された戸田。東京の勢いは止まらない(2-0)。

ペースは変わることなく、前半終了のホイッスル。

リーグ最少失点を誇る相手DF陣は堅牢だった。
特にゴール前にそびえ立つ、ジャーンという名の壁は厚く、
さらには日本代表GK・土肥もさすがのパフォーマンスを見せた。

ここで、市原のイビチャ・オシム監督は、小兵・羽生に代えて
長身の巻誠一郎を投入。ターゲットマンを置くことで、
従来のサッカーをさせようという意図だったのか。

後半開始からしばらくは、東京に押し込まれる時間が過ぎるも、
流れは次第に傾き始めていた。そして22分、オシムが切った
最後のカードがリズムを逆転させた。

独特の飛び出しを得意とする、林丈統がフィールドを撹拌する。

36分、相手ペナルティエリア右横であわやPKというファウルを
もらうと、その1分後にはエリア内でのファウルを獲得。
このPKをサンドロが決め、1点差へと詰めたのだった(2-1)。

風穴の開いた青い壁に、黄色い波が押し寄せる。
41分、長めのロブに反応したサンドロが、
途中出場の藤山竜仁に見事なハリケーンミキサーをかます。
ミートくんならば、一撃でバラバラになるような攻撃だ。

……イエローカード。

ま、まあ、それだけゴールへの執着心があったということで。
とりあえずは、これで笑いもとれた。

2分後、左サイドの深い位置で坂本が柔らかなボールタッチで
DFを外すと、マイナス方向にグラウンダーのパスを送る。
これを林が決めて、遂に同点(2-2)!

坂本、前半から何度も「くれ!」と叫べど使われず、
バリャドリードにおける城彰二のように、
切ない空走りを繰り返していたのだが、
ここに来てようやく願いを叶えた。

驚異的な粘りに、スタジアムは沸点を超えた。
試合はそのまま引き分けに終わるも、満足のいく観戦だった。

市原にとっては、エースを欠くアウェイのゲームで、
価値のある1分け。逆に東京は2戦連続で2点差を守れず、
苦々しい思いをしたのだった。

さて、この対戦を観て感じたのは、監督の采配力である。
オシムの的確な用兵は、劣勢の状況を覆すことに成功した。
見ていて、非常にやりくりの上手い監督だ。

皆さんは“パイサゴリアン勝率”という数値をご存知だろうか。
これは本来、MLBで計算される、監督の采配力を測る指標である。
チームの総得点と総失点から予想される勝率を割り出し、
それを実際の勝率と比較する。計算方法は次の通り。

(得点の1.83乗)÷(得点の1.83乗+失点の1.83乗)

1.83乗というのは面倒なので、今回は2乗で計算する。
で、オシムが指揮を執った市原の成績はというと、
11勝4分5敗、得点43に失点27。

実際の勝率.688に対してパイサゴリアン勝率は.717となる。
つまり、オシムは得失点から想定される勝率よりも.029分だけ、
采配による白星を積み上げているといえる。
因みに、他球団と比較してみると……。

【チーム:実際の勝率:パイサゴリアン勝率:ポイント差】

横 浜:.750:.721:+.029(岡田武史)
鹿 島:.625:.594:+.031(トニーニョ・セレーゾ)
磐 田:.714:.747:-.030(柳下正明)
F東京:.643:.640:-.007(原博実)
浦 和:.563:.533:+.030(ハンス・オフト)
名古屋:.636:.576:+.060(ベルデニック/ネルシーニョ)
 柏 :.533:.522:+.011(アウレリオ)
C大阪:.500:.487:+.013(西村昭宏)
東京V:.471:.500:-.029(ロリ/アルディレス)
清 水:.467:.579:-.112(大木武)
G大阪:.429:.469:-.040(西野朗)
大 分:.286:.434:-.148(小林伸二)
京 都:.278:.185:+.093(木村文治/ピム)
神 戸:.278:.178:+.100(副島博志)
仙 台:.214:.251:-.037(清水秀彦)

まあ、野球とは違い、勝ち点を争うわけだから、
単純にパイサゴリアン勝率が采配力を示すかというと、
必ずしもそうではないと思う。が、一応の指針にはなる。
こうして見ると、オシムが有能な指揮官であることが
わかるはずだ。

嗚呼、オリックスの監督になってくれないかなあ。

ここで、賢明なる読者諸君は、次のテーマが読めたことだろう。
では『機動戦士Zガンダム』をイメージして、次回予告スタート!

……BGMがないのは寂しいのだが。

今年もオリックスは最下位に終わった。
それは同時に新監督招聘へのキッカケでもあった。
はたして来季、このヘタレ球団の指揮を執るのは誰になるのか。
また、その候補たちの力量とは?

次回、ねっぴぃの『オレ様』日記「監督2」!
君は、刻の涙を見る……(声・大塚明夫)。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.07.21 04:15:34
[蹴球] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Calendar

Profile

ねっぴぃ

ねっぴぃ

Comments

わっきー@ Re:進撃(06/01) おめでとうございます!!
クロスリートまこ雄@ オリックスについて オリックスの長年の停滞原因は、投手陣の…
ねっぴぃ@ Re[1]:進撃(06/01) キジーさん 懐かしい。ウイリー・バンク…
キジー @ Re:進撃(06/01) むしろ今シーズンの展開で更新しないほう…
キジー @ Re:乱戦(06/09) 完全に油断していた。ご無沙汰である。 こ…

Category

無題

(2)

野球

(186)

青波

(241)

蹴球

(30)

一般

(30)

賭博

(10)

籠球

(8)

格闘

(16)

漫画

(14)

混合

(65)

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2025.03
2025.02

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: