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栞_shioriさんComments
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些細なことだが、ブログタイトルから「西」を取った。「西」アフリカの駐在から帰国して6年、このブログの記事もアフリカ全般について触れることが多くなり、現状に合わせることとした。また、マラソンについての日記も増えて今やアフリカを越えそうになっているので、それもタイトルに入れたいのだが、長くなって綺麗に収まらない。しばらく考えることとする。いずれにしろ、内容は変わらないので引き続きよろしくお願いします。
さて、今日は昨年末に 中国新華社通信が発表した国際10大ニュース を分析する。以前は日本でも新聞社が選んだ10大ニュースがあったと記憶しているが、最近、朝日や読売などは読者に選ばせて、「読者が選んだ10大ニュース」としている。
新華社通信は国内と国際に分けて発表している。僕は新華社通信の国際面をよく覗いている。特にアフリカ関係は際立った特徴があるわけではないのだが、網羅的に記事が掲載されており、重宝している。この10大ニュースも国際は非常にバランスが取れており、僕自身の感覚に非常に近い。並べてみると次のとおり。
1.西アジア北アフリカの激動
いわゆる「アラブの春」である。中国では慎重な扱いが要求されるテーマであり、「アラブの春」と云う言葉は使われていない。記事の中に「民主化」の文字もないが、堂々と一位としていることに少々驚いた。
2.中国の経済規模世界第2位に
今世紀に入った頃の国際金融機関、シンクタンクなどの推計では2020年がGDPで中国が日本を抜くターゲットイヤーになっていたが、10年早く逆転したことになる。この10年の新興国の台頭に伴い国際社会の勢力図は大きく変化した。国際的な課題に対応するためには先進国のみのG8体制では限界。新興国を含むG20体制に移行した。中国のGDPが2位になったと云うことは非常に象徴的であり、この順位は妥当である。
3.欧米債務危機
オンゴーイングの危機であり、どこまで拡大するのか、まだ先行きが見えない。中国にす取って見ると、中国を含む新興国の経済成長にどのような影響を与えるのかという点は注視が必要であるが、さらには国際政治・経済秩序の中で中国自身がこの危機にどのような役割を果たすのか、いわばデビュー戦的な意味合いもあると考える。
4.東日本大震災と原発事故
微妙なランクではある。ちなみにCNNではビン・ラディン殺害に次いで2位であった。特に原発についてはことなら大きく取り上げると国内の不安を煽り、原発建設推進に影響を与える可能性もあるので、扱いは慎重と云う印象。
5.ビン・ラディン殺害
6. 南スーダン独立
7.アフリカの角地域干ばつ
5位のビン・ラディンは特にコメントなし。6、7位にアフリカが取り上げられている。この国際感覚は残念ながら日本のメディアにはない。スーダンは、中国にとって非常に重要な石油供給先であり、南北の安定はエネルギーの安定的確保の観点から極めて重要と云う側面もある。アフリカの角地域の干ばつは数十年に一度の大干ばつであり、1300万人を越える人々が人道的な危機状況に陥ったと云う意味で新華社の認識は正しい。ちなみに南スーダン独立は日本のメディアでも多く取り上げられたが、読売新聞国際ニュースランキングで22位であった。
8.世界人口70億を突破
9.イラン核危機
10.金正日死去
7位の世界人口は読売でもベスト10にランク入り。8位のイラン核危機は日本ではどれだけの認識されているか。最後の金正日死去、金正恩後継体制については日本でも厚くカバレージされている通りだが、6ヶ国協議の枠組みが機能不全に陥り、韓国現政権が北朝鮮に厳しい態度を取っている間に中国がパトロンとして金正恩を支える体制が築かれつつある。北朝鮮にとって今や頼れるのは中国のみ。中国・北朝鮮関係は目が離せない。
実は同時に発表された 中国の国内10大ニュース は自画自賛の大本営発表であり、読んでいて恥ずかしくなるほどである(高速鉄道事故だけはさすがに6位に入っている)。国際については国内に何らかの問題を惹起しない程度の配慮で、中国政府エリート層の世界観をあらわしているように感じる。とすれば、このバランス感覚、中国恐るべしである。
セネガル民主主義の成熟 2012.03.26
セネガル民主主義の危機 2012.02.18 コメント(5)