にっくの日記

にっくの日記

2011/05/01
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『人間の建設』小林秀雄・岡潔(新潮文庫)より抜粋。



小林: 僕ら日本人は、何でも分かる様な気で居ますが、実は分からないと云う事を、この頃強く感じるのですよ。自分に分かるものは、実に少ないものではないかと思って居ます。

岡: 小林さんにお分かりになるのは、日本的なものだと思います。

小林: この頃そう感じて来ました。

岡: それでよいのだと思います。仕方がないと云う事ではなく、それでいいのだと思います。外国のものはあるところから先はどうしても分からないものがあります。

小林: 同感はするが、そう云う事がありますね。だいいちキリスト教と云うものが私には分からないのです。

(98-99)------------------







岡: 何か細胞の一つ一つが皆違って居るのだと云う気がしますね。

小林: そう云う事がこの頃ようやく分かって来た。僕らの受けた教育は一種西洋的なものだったし、若い頃の自分の好みもそう云う風でしたから、西洋を分かった積もりで居た事が多いのです。それが段々と反省されて来ました。分かる事が少ない、実に少ないと云う傾向に進むものですね。

(116)----------------------


本書は、昭和40年(1965年)10月の『新潮』に掲載された対談。この時、小林秀雄はおよそ63歳。

日本人には、西洋人も西洋の文化も本当の意味で理解する事が出来ない。この事を、最近になって私も感じ始めて来て居たのだが、小林秀雄も同じ感覚を持って居た様だ。

哲学にせよ、文学にせよ、その他芸術にせよ、およそ西洋のものを日本人が理解したり鑑賞したり味わったりする事には限界がある。この事はよくよく肝に銘じておいた方がよい。

この国際化の時代に、西洋のものを学ぶ事には意義がある。不可欠なものだとも云える。しかし、その学びは、日本と云う土壌に根っこを生やした自分にとって、真の滋養となる様な学びにはならない。





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Last updated  2011/05/01 09:07:11 PM
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