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2009.06.05
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カテゴリ: 映画-あ・か行
-1996年上演-

[作・演出]つかこうへい
[出演] (木村伝兵衛部長刑事) 阿部寛
(水野朋子婦人警官) 平栗あつみ
(速水健作刑事) 山本亨
(大山金太郎)


似顔絵:阿部寛



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今回も舞台『熱海殺人事件』ついて書いています。
この作品には『モンテカルロ・イリュージョン』という副題がついています。
伝兵衛 (阿部寛) は元オリンピック代表選手、そしてホモという過激な設定です。
その他のいつものメンバーでは、伝兵衛を慕う水野婦人警官 (平栗あつみ) も元オリンピック選手。
熱海で幼馴染を殺したという容疑者、大山金太郎 (山崎銀之丞) も元オリンピックの補欠選手。
そして田舎から出てきた刑事の速水 (山本亨) は、伝兵衛と同じ棒高跳び元オリンピック代表選手を兄に持ち、その兄を伝兵衛に殺されたという設定です。



【悲しみ】
この作品では、多くの悲しみでいっぱいです。

伝兵衛の愛した男速水の兄は、伝兵衛と同じ棒高跳びのオリンピック代表選手だった。
そして速水の兄は、伝兵衛の気持ちを知りながら、利用するだけ利用していた。
もちろん伝兵衛もそのことを分かりながらも、愛する男のためにつくしていたという悲しさ。

伝兵衛はライバル選手達がたった1ミリ高く跳ぶために、いかに過酷なトレーニングをしていたかを痛いほど知っていた。
その必死の努力をしているライバル達を妨害しろと愛する男に言われ、伝兵衛は胸を引き裂かれるような悲しい思いをする。


モンテカルロ・イリュージョン1


そして速水刑事。
彼が刑事になった理由は、伝兵衛に憧れていたからだった。
「容疑者と共に泣け、容疑者を決して追い詰めようとするな、歌を聞かしてやるのだ、子守歌を。」
伝兵衛のその言葉の深さに感動してだった。
けれど速水刑事は兄を殺した犯人として、尊敬する伝兵衛を逮捕しなければならない。
自分の兄がどんなに酷い奴かを知りながらも、逮捕しなければならない、その悲しさ。


モンテカルロ・イリュージョン2


そして大山金太郎。
彼は棒高跳びの補欠選手として、試合に出られる可能性はほとんど無くても、万が一試合に出る時のために必死に努力していた。
だが周りからは補欠として、見下げられている悲しさ。
けれど一番の悲しみは、伝兵衛がオリンピックを棄権したことだった。
それが自分ではなくても、一人の競技者として世界新記録の6m88cmを誰かが超えるシーンを、その目に焼き付けたいと願っていた大山。
伝兵衛だったらきっと越えてくれる、鳥となって飛んでくれる。
その望みを裏切られた悲しさ。


モンテカルロ・イリュージョン3


その他にも水野婦人警官の愛してもつくしても報われない愛の悲しさ。
コーチの言葉だけを信じて砲丸投げを続けていたアイ子の裏切られた悲しさ。
それぞれが悲しみを抱えています。


モンテカルロ・イリュージョン4


もちろん、この作品では他のつか作品と同じように、機関銃のように激しいセリフのやり取りや、アホっぽいギャクなどですごく楽しませてくれます。
けれどその底辺には、たくさんの悲しみが渦巻いている気がしました。


モンテカルロ・イリュージョン5





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Last updated  2010.05.18 12:39:22
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