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四ツ木の町は何を血迷ったのだか(って地元の方たちは本気で取り組んでいるらしいのでうっかりしたことを言うとひどいお叱りを受けそうですが),キャプテン翼で町おこしを企んでいるようです。ぼくも子供の頃,高林陽一描くところの「キャプテン翼」をテレビアニメなどで時々見ていましたが,さわやかな翼君やら岬君のさわやかな活躍っぷりが正直四ツ木という町の印象からは程遠く感じられます。漫画家の高林がこの界隈の出身だったようです。ここら辺の町なら滝田ゆうとかつげ義春なんかのほうが似合ってそうです。いや,殺伐とした町の景色はつげ忠男がよりふさわしそうです。 とはいえ,まずはお馴染みの「ゑびす」を目指すことにしました。何度か来ている店ですが来るたびにどうしてだかいつでも随分と久しぶりに訪れた気分になるのが不思議。実際年1回程度のペースでしか訪れていなかったようです。ところがけして見慣れているというほどではないですが,場所だけはしっかり覚えているはずの店舗が見つかりません。どうしたものかと思案して酒場放浪記で紹介されていたお店にお邪魔してみることにしました。 ところがこちらも探せどまるで見当たりません。住所をメモしていたので,すぐそばにあるはずなのですが歩けどそれらしき店はなし。諦めかけたところで自転車で脇をすり抜けられた方にお尋ねすると,実にうれしそうにお店のことを教えてくれました。地元の方に喜んで教えてもらえる店であれば悪い店ではなさそうです。やけにややこしい道案内をされて,本当にこんなところに酒場があるのであろうかという細い路地をくねくね進むとようやく「とりあへず」に到着。ここは辿り着くのがけっこう難しいお店です。四ツ木の酒場としてはかなり清潔感があってこぢんまりとした上品なお店です。主人は居酒屋の料理人らしいよい風貌の方でなかなかやり手っぽく映ります。お通しになんと鮪の赤身と中トロのお寿司が出されました。さて,肴の品書きをみると下町の酒場としては少々値が張ります。厳選して青柳と赤貝のぬたなどを注文。これまた新鮮な材料と丁寧な調理が相俟ってなかなかけっこうでした。お勘定後の金額も思いのほかお安くて,ああなるほど地元の方に人気なわけだと納得させられたのでした。 駅の向こう側はどうなっているのか、何度か歩いたことはありますが廃墟化した中華料理店があったなあといった程度の記憶しかなかったのでまるで初めて歩く町のようで少し興奮気味です。活気を失った商店街を歩いているととあるお店の前で警官数名と寝間着姿のオヤジが何やらやり取りしています。興味を引かれたのでそのお店に入ってみることにします。「居酒屋 力」というお店で、ことさら好奇心を満足させるためだったばかりでなく、店のただならぬ場末具合にそそられたのでした。店に入るとカウンターには店の方とも客ともつかぬ女性が3.4名、他に明らかに客のおばちゃん2名と男性2名と女性上位でありました。テーブル席に着きます。おっとここまで登場していませんが、A氏も一緒だったのです。チューハイやらをお願いしてしばし店の様子を観察します。店の人と客の区別は最後まではっきりしませんが、ちょっと風変わりな50代の女性が何かとわれわれの世話をしてくれます。正直ちょっと煩わしい。○○ちゃん、お酒入るとああなっちゃうのよねえと、どうやら若い(あくまでもこの店という狭い世界でのこと、世間的にはいいおっさん)のわれわれと親しく交流をしたいということらしいのでした。特に狙いが集中したのがA氏でありまして、ことあるごとにA氏に対しボディタッチをしてご満悦のご様子。さすがに辟易して店を辞することにしても一杯奢らせてとなかなか帰してもらえないのでした。ちなみに肴は壁にあれこれと品書きが貼り出されていますが、ほとんどないと思ったほうがよさそう。端からずっとこれはできる?と尋ねても結局終いまでできるものはなかったのでした。あんまり商売っ気がないのでしょう。ところで、店先のもめごとがなんだったかというと、オヤジは店で昼間から呑んでいたらしいのですが、酔っ払って金がないことを白状してからもしぶとく呑ませろと大暴れ、ようやく追い出しはしたものの、しばらくしてから再び姿を現したとのこと。しかもその時はフル○ン姿という豪快さ。店を出るときも1杯だけ呑ませてくれれば帰るからとなんとも執念深い酔っ払いなのでした。
2014/05/06
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いつもは常磐線各駅停車の駅から徒歩で向かう北綾瀬駅ですが,この日は横着してはじめて東京メトロ千代田線の支線に揺られてやって来ました。どん詰まりの終端駅であればもっと場末な印象があってしかるべきですが,残念ながら東京23区に限定しても最北端は日暮里・舎人ライナーの見沼親水公園駅がずっと北に位置しており,足立区のほぼ真ん中の場所にあるのですから場末感が希薄でもしょうがありません。しかも駅前は足立区の中央を横切る環七通りに面していて風情が湧きようもありません。環七を渡ると綾瀬警察署があります。警察署をはじめ役所のある場所には居酒屋や喫茶店はつきもののはずですが,ここはその原則から外れるようです。いっそのこと気に入っている「又兵衛」か「丸福」にでも行ってみる気にもなったのですが,せっかく電車で来たのに歩き回るのではもったいないということでなんとか酒を呑めそうな中華料理店に入ることにしたのでした。 そのお店は「中華 めんくい」です。改札を出て右方向に50歩程度の至近にあるのは確かに便利です。とは言ってもお店はまるで個性の感じられないお店であまり面白味はありません。駅前というのに空いている,というか空っぽなのにはちょっと不安も感じます。もとは大きなお店だったようですが,数年前に改築して規模も縮小されたようです。どうりできれいなわけです。それにしても昔は近隣には何もなかったでしょうから,きっと大いに繁盛したのでしょう。そうして想像を膨らませていると注文した餃子を待つ間もさほど退屈はせずに済みました。そうこうするうちに仕事帰りのご婦人や学生風の青年などが入ってこられ,たまたま客が切れたタイミングだったのかと思い直す余裕も出ます。さて,届けられた餃子は見るからに大粒でしかも焼き加減が絶妙,思わず熱いことを顧みず齧り付くとこれがなかなかのおいしさなのでした。これ位の量と味があればきっと警察署の人たちが宿直前なんか食べにやって来るんだろうなと自分以外が警官だらけの様子を思い浮かべてしまうのでした。 流れに乗って次も駅近のお店,でも2軒目はなんとしても居酒屋に入りたい。でお邪魔したのは駅とくっついた施設の2階にある「うまいもの処 ほまれ」にお邪魔しました。以前はなんか別の居酒屋だったような,調べてみるとつい最近までは「やるき茶屋」だったようです。多少は内装をいじっているようですが,基本的にはグループ客向けにパーテーションで区切られた造りとなっています。こちらも誰一人としてお客さんが入っていないですね。場所柄,警察署の人たちなどこの町で働く少数の人たちを除くと,都心に勤務する住民が仕事帰りによる程度なんだろうなと思うことにしたものの,先日訪れた「又兵衛」はもっと早い時間なのに入りがよかったことを考えるとどうもこのチェーン店の雰囲気をそのままに個人経営的なサービスを提供せんとするこのお店は苦戦しているようです。実際,独り虚しく呑んでいる間も客はなく,従業員たちも所在無げにこちらの注文が入るのをいまかいまかと待ち構えているように感じられます。どうにもいたたまれなくなり,これはたっぷりと盛り付けられた野菜不足対策用のサラダを急ぎ摂取して店を去ることにしたのでした。
2014/03/18
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お馴染みの綾瀬にやって来ました。すっかり「串のこたに」の安さをお気に召した上司T氏と他の部署ながらこの上司の一番のお気に入りの若者Iくんを伴っての綾瀬入りなのでした。Iくんは気のいいお調子者でぼくも嫌いではないのですが,もともと若い男は好きではないので仕事以外での付き合いをしたいというほどの間柄ではありません(とはいえ彼は以前ぼくの手下であった頃があり何度か呑みに行ってはいます)。その彼は最近結婚したばかり。なんもお祝をしていなかったので,急遽T氏が御馳走することになったのでした。ぼくは表向きのお祝を気持ちだけで示すつもりです。ところで綾瀬を選択したのにはちょっとした理由があって,彼の新居はここ綾瀬なのでした。なにしろ急なことだったので,まだ新婚さんでお嫁さんからの縛りがきつい彼はあまり遅くなれないのでした。 そういうわけで早速「串のこたに」に向かいます。ぼくはあまり気乗りがしませんでしたが,まあ大丈夫であろうと高を括っています。なんせここは夕方6時を回ったら待たずに入ることはできないでしょうから。まあ案の定の結果となり,Iくんがかねてから行きたがっていた(じゃあ行けばいいじゃないと散々言っている)「大松」に向かいますが,ここもやはり満席。路頭に迷いうろうろしているとうちは安いよとの呼び込みの人の誘いに乗せられ,そのお店に入ることになったのでした。「博多屋台串 山笠」のおっちゃんの誘いでしたが,誘うだけ誘っておいて,その後姿を目にすることはありませんでした。手前がコンパクトサイズのコの字カウンター,奥にはテーブル席がずらりと並んでいます。客の入りもまずまずよさそう。独りでカウンターも悪くない雰囲気です。値段は全般にお手頃ですが,綾瀬ならこの価格帯でなければ勝負にならないだけという考えもあります。肴は値段相応で店の売りになるはずの博多屋台串も盛合せを3名で持て余してしまうほどでした。店の造りや店員さんの応対などいくつかの好ましい要素をもっているにも関わらず多くの客にとって肝心のポイントとなるはずの肴がイマイチなのは残念です。 しっかり呑んで2人は帰途に着きましたが,まだまだ帰るわけにはいきません。といってもしたたか呑んでしまったので,行き先はお決まりの「駅前酒場」です。何軒もの良店がある綾瀬ですが,やはり一軒を選ぶということになるとここになってしまうようです。エンガワなどのちょっと気の利いた肴をドライな酎ハイで流し込みながら,ぼんやりと周囲の善男善女のうれしそうな表情を眺めているとああ,酒場はやはり独りがいいなあとしみじみ感じずにはおられないのでした。
2014/03/12
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これまでも北綾瀬での呑みについて2回程報告してきました。「まづいや」,「まねき鳥」,「葡萄(グレープ)」,そしてよく知られる「丸福」などを巡ってきましたが,まだこれぞという酒場には出逢えていません。これまで北綾瀬に向かい際は,亀有駅もしくは綾瀬駅からとぼとぼと20分以上を掛けて歩いて向かいました。そしてやはり今回も綾瀬駅から歩いて北綾瀬駅を目指すことにしたのでした。綾瀬駅―北綾瀬駅間では,これまでもネット情報では知りえないであろう何軒かの良店に遭遇できていて,今回もそうした出会いがあることを期待したのでした。 綾瀬駅を出発して10分,新たな酒場との出会いもなく夜道を独り思考停止の状態で黙々と歩いていると急速に空腹感を感じました。折よく渋い佇まいの「つくし亭」なる中華料理店があります。ここでちょっとお腹を膨らませておくことにします。店内は想像よりずっとくたびれた様子でカウンターのないテーブルが4卓ばかりの小さなお店です。1テーブルを除くと独り客で埋まっていて,いずれも足繁く通われているらしく,店の方とも親しげです。餃子とビールという王道の組合せを想定していましたが,品書きに水ハイというのがあります,おっと梅ハイも250円です。水ハイは容易に想像ができ,無難ではありますが思い切って梅ハイを注文。甘いシロップ入りなのではなかろうかという懸念もありましたが,幸いにも水ハイに立派な梅干しが入ったものです。お通しのサービスもうれしいです。餃子は大ぶりで具もみっちと入っています。本棚に並ぶ軽く「酒のほそ道」を眺めながらのんびりといただきました。食べるつもりが思いがけず,しっかりしとおいしくいただけて,北綾瀬まではちょうどいい腹ごなしになりそうです。 駅に近づくと居酒屋やスナックなど数軒が軒を連ねる呑み屋の集まる一画がありました。そんな中でもっとも大衆的な居酒屋らしい風情がある「又兵衛 北綾瀬店」の暖簾をくぐることにしました。まっすぐ奥に伸びるカウンターに小上りがあって,カウンターも小上りもすでに多くの客がおり,大いに盛り上がっています。カウンター席ではご近所の方がジャージ姿でくつろいでおられ,アットホームなムードです。お通しはお浸しなど3種が三連の小鉢に程よく盛り付けられています。こういうちょっぴりの肴がいくつも並んでいるとちょっと得をしたような贅沢な気分になれます。店は両親と息子さんでやっているようで,みなさんとても明るくて親切な方たちなのが他の客たちとのやり取りから伝わってきます。これはいい酒場だなあ。ところで,店先の看板に北綾瀬店とあります。寡聞にも近隣で「又兵衛」という酒場を知りませんが,どこかに系列のお店があるんでしょうか。あればそちらにも一度お邪魔してみたいものです。
2014/03/04
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金町は狭い町にも関わらずユニークな酒場が多くて時折このブログでも登場しますが,さすがに目ぼしい酒場はほぼ行きつくしてしまったようです。もちろんすべての酒場に行けているとは思っておらず,もうひと踏ん張り呑むのを堪えて歩き回ってみれば,思いがけない出逢いも期待できないことはないのでしょうが,そのためにはもうほとんどの店舗の並びは頭に入ってしまう程度には歩いてしまっているため,見たことのない風景に出会うためだけでも10分程度は歩くことは覚悟せねばなりません。そういうこともあって,うっかり金町に下車してしまってもら最早車窓から目に留まった1軒の酒場に向かうのは必然だったのかもしれません。 常磐線各駅停車の車窓から白い大きな真新しい看板がやけに目立っている「トリス酒Bar」です。京成金町駅方面,南口を出てロータリーを越えるとすぐに店があります。飲食ビルの2階に向かう細くて暗い階段を上ると思い扉が見えます。若干不安を感じながら店に入ると,ありゃこれはどう見ても居酒屋というよりはBARの内装です。腹を括ってカウンターだけの席に着きます。値段の安さから選んだのは当然トリハイ。店の雰囲気は十分にオーセンティックなバーの雰囲気ですが,マスターの動きはどこかしら緩慢でバーテンダーらしいきりっとしたところありません。肴もバーらしいお値段で,オーダーしたくなかったのですが,なんとなく1品も取らずに帰らせないよというような無言の圧力に屈してしまいました。これで他にお客さんがいればもう少しくつろげたんですけどね。かつて京成高砂に「トリス酒場」がありましたが,どうやらこちらは移転されてから業態を軌道修正したようです。酒場の方に伺ったのはもう4,5年前になってしまったはずですが,その時も空席が目立ってさびしかったのですが,店の雰囲気は清潔感のある居酒屋といった趣で,これならそのまま高砂に留まってもらいたかったものだと口に出しそうになるのでした。 沈鬱な緊張感から解放され,一息つこうと向かったのが,最近開店したのは知っていたもののたまたまいつも休みだった立呑み屋さん「立呑処 長門」です。飲食店やパチンコ屋が集まる並びにあり,派手なネオンや看板にまぎれているためうっかりすると見過ごしてしまいそうになります。ぎゅうぎゅうに詰め込めば十分100名は収容できそうな広さがあります。止まり木だけではなく,コの字のカウンターもあるのはいい感じ。ところがこれだけの広い店なのに客はただの一人もいません。なんという寂しさ。厨房には店主らしき中年男性,フロアー係は20歳前後の青年だけです。いわしフライに開店サービスの生ビールをもらいます。いわしフライを頼むと青年は,これはおいしいですよぉ,お勧めですなんてなかなか調子がいいです。その後もことあるごとにいろいろとお勧めしてくれるのですが,これが正直うっとおしい。頑張っていてしかも真面目なのはよく分かるんですけどね。ちょっと独りにしておいてほしいなとチラリ視線を上げるとこちらの方をじっと見つめて,視線を逸らそうともしません。悪気ないんだろうなあ。けどちょっと居辛いなあと,結局心安らぐまもなく店を出ることになったのでした。
2014/03/03
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全国の酒場好き垂涎の町,堀切菖蒲園にまたもややって来たのでした。これといった目当てがなくても目に付いた酒場に適当に飛び込めば,大外れも少なく最低限,この店以外にはないという個性的な呑みを堪能―とまではいかずとも十分味わえる―のがこの町の魅力です。さて,今晩はどんな酒場と出会えるのやら,いやがうえにも興奮で足取りは軽くなります。そこまでの興奮もなく後からはいつものS氏がじれったいほどにのんびりと付いてくるのでした。 最初の一軒は「染谷酒店」です。ご想像通りの角打ちであります。あららこれまでこの有名店に来たことなかったのと思われる方も多いかもしれません。時折,メディアなどでも紹介されているのでご存知だったでしょうか。ぼくも以前一度訪れていたはずですが,記憶は定かではありません。確か卓球台のある角打ちだったかと思いますが,それもはっきりしません。物珍しいはずの卓球台さえまるで記憶にないというのはなんとも解せないことです。ところで,この酒店の場所がどうも記憶と違って感じられます。車道に面した店だったと思いますし,店内も見通せないもっとボロッとした店だったように記憶しているのです。レジ台の並びにチューハイやらビールの並ぶ冷蔵庫があり,先客が並んでいます。商品を取ると一旦店を出てから再入店,大きなテーブルが店を分断しているのでした。このでかいテーブルが卓球台なのでしょうか,店内も狭苦しいのでここで卓球をするのはちょっと厳しそうです。S氏とは必然的に横並びになって常連たちを眺めながらの呑みとなります。女教師風に教壇ならぬレジ台に控えるご店主は柔和な笑顔で黙然と呑むわれわれを見つめていたのでした。 京成線の線路沿いの通りにまったく存在すら気づかずにいた「食堂 一八」を見出してしまいました。間口が一軒ほどで若干入口扉が道から下がっているのもありますが,普通であれば見逃すこともなさそうです。素通りしてしまった何よりの原因はガラス越しに漏れる光の暗さのせいであったようです。地元のくたびれた爺さん,婆さんばかりが狭い店内にびっしりと入っているのではなかろうか,その連中から一斉に視線の集中砲火を浴びるのではなかろうかという予感が去来して,いくらかの緊張感をもって店に入ったわけですが,案の定,予感どおりの洗礼を浴びる羽目になったのでした,10席ほどのカウンターにいる老人たちの遠慮会釈のない視線はすぐに引っ込んだのですが,2人掛け2卓のえらく腰高のある小上りに独り佇む爺さんの目線は鋭いままです。女将さんはこの面々にあってはとりわけ若く感じられます。こちらのボール(酎ハイ)は梅エキスの下町風ではなくてレモンの風味が利いたさっぱりとした酸味が利いていてなかなかのおいしさ。サービスのお通しであるシャケほぐしをいただきながら乾杯したのでした。ニラ玉や玉ネギ肉炒めといった素朴な肴もボールにぴったりでいい感じ。店を出る際には,婆さんたちがいい男ねえ,また来てねえと日頃言われたこともない台詞を投げかけられ,その視線には好色な気配が漂っていたのでした。 久しぶりに「哈爾濱餃子(ハルビン餃子)」をお土産に持ち帰ることを思い立ち,店に足を向けます。6席ばかりの客席は珍しく空っぽなのでせっかくなので1杯引っ掛けて帰ることにしました。ご夫婦はご健勝そうで何よりのこと。久しぶりに食べたハルピン風の餃子は,行ったことはないけれどまさに現地そのものの味であろうと思われるもので,以前食べた時に感じた卒倒しそうなほどの旨さという訳ではなかったものの,肉や野菜のジュースがほとばしるようないくつでも食べていたくなるような飽きのこない味だったのでした。もちろんお土産も3人前ほど買い込んでしまったのでした。そういえば10年ほど前に池袋の三業地の路地にもハルピン餃子のお店があり,ここはそれこそ絶品でかつ1人前100円程度で食べれたのですが,店主はいつの間にやら帰郷してしまわれたことをふと思い出したのでした。
2014/02/26
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先般,柴又を散歩した際,1軒の渋い酒場が店の再開に向けて準備を進めている現場に行きあいました。高齢の女性が独り散らかり放題になった店をのんべんだらりんと片付けていました。声を掛けてみるとしばらく病気やら怪我で店を閉めていたけれど,年明けから開けることにしたとのこと。このゆったりした様子だとそう簡単には開店しそうにはなさそうです。しからばとちょっと間をおいて出向いてきたのでした。 店の名は「大衆酒場 憩」と言います。ありふれてはいますが,堪らなくよい名前です。特に「憩」が平仮名の「いこい」ではなくて感じではない辺りが渋さを出しています。常磐線各駅停車で金町駅下車。ここまでくれば柴又駅はあと一息。京成金町線にて一駅分,寒い中歩くのはちょっとつらいのですが,もし営業していなかったら電車賃がもったいないので,約1.5kmを歩くことにします。暗い面白味のない柴又街道をしばしの間とぼとぼ歩いていると将棋を指せる居酒屋なるものもあって,ちょっとばっかし興味を引かれますが,もう駒の動かし方をおぼろげに覚えている程度の腕前なので見過ごすことにします。やがて辿り着くと店から明かりが漏れているもののシャッターは半開きのままです。とりあえず古ぼけた扉を開くと店内には誰一人おらず散らかり具合もさほど変わってないようです。しかも入り口をふさぐように灯油ストーブが置かれております。これはダメかなと思うと背後から例のおばちゃんが入ってきました。両者ともに仰天しつつも事態を理解していいですか,どうぞと言葉を交わします。席に着くと,今日は豚汁があるのよと矢継ぎ早に惣菜が並びます。ここは黙っていてもいろいろ出てくるタイプの店だな,気を付けねばと気を引き締めます。やがて買い物袋を持参した高齢のオッチャンがやって来ます。そういえばカウンターには大量の納豆が器に盛られていました。このオヤジさんは席に着くや,袋からさまざまな近所で買ってきた惣菜を取り出し,半分を店にあげて残りを皿にもってもらっています。どんぶり飯をもらうと大量の納豆をぶちまけて,惣菜も一緒にしてワシワシと猛烈な勢いで食べながらもお喋りは留まるところを知りません。なんとも柔軟な商売をされているようです。なんてことはないけれど不思議とくつろげるお店ではありました。 せっかくなのでもう1軒ばかり。「けんろく」というお店に立ち寄ってみることにしました。けして高級ではないもののちょっとした割烹風の構えのお店で,別に嫌いなタイプのお店ではありませんが,価格帯が読めないので普段であれば敬遠しがちなお店ですが,どういうことだかこの夜は強気になっていたため,なんのためらいもなく店内に直行です。カウンターに小上り,テーブル席と典型的な造りでなかなか落ち着いたいい店ですが,お客さんはあまり入っていません。お通しのひじきと里芋の煮付,うれしいですね。つい日本酒をお燗してもらうことにします。それにさつま揚があればもうこれで肴は十分。ゆったりとした気分でひとり酒を楽しむことができます。ただ,あまりにも静かで会話の声もないので,所在なくなってしまうのがまだまだ修行の足りないところ。こういう大人がそっと帰宅前に家族の目を盗んで通うような店に嵌るようになるにはまだまだ歳月が必要なようです。ざわめきが心地よいようなほどほどに賑々しい酒場がぼくには今のところちょうどよいようです。
2014/02/24
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仕事をしているとどうしても金銭だけではない貸し借りというものが生じるのはやむを得ないことです。僕の場合は,貸しは忘れないけれど,借りは簡単に失念するという生来の記憶回路を持ち合わせているので,利害関係者と酒を呑むときは常に貸しを意識してしまいます。さて,この夜は近頃呑む機会の多くなった職場の同期K氏と金町で呑むことにしました。以前は仕事で関わる機会はほとんどなかったのですが,最近になってちょこちょこと手助けをしてきたのでそのお礼を兼ねて呑みましょうと言う申し出です。この彼は懐具合がいいということもありますが,借りを過剰に高く評価してくれて,それを期待以上の形で返してくれるという稀有な心配りをしてくれる高潔な人物なのでありました。 そういうわけでさんざん迷った挙句に,大きく借りを返してもらうよりは小出しに返してもらうという方針としました。そのためにも安価で呑める町で合流するべきと考え金町としました。さらに酒場が密集してハシゴのしやすいという理由から京成金町線のガード踏切の先にある栄通りに店を絞り込むことにしました。後は行ってみてのお楽しみということでしたが,通りを歩くとすぐに先日行きそこなっていた「遊吉」がありますので,ここならお安かろうとお邪魔することにしました。カウンター4,5席に4畳半程度の小上り,ここではむしろカウンター席が珍重されるようで,小上りに通されます。むすりとした夫婦でやっているお店で,先客は1人だけ。お三方とも寡黙なタイプの方たちで時折一言三言の会話は交わされるものの基本はテレビもない静かなお店です。定番中の定番のおでんや焼鳥もありますが,揚げ物を食べたいというK氏を立てて幾品か注文します。値段も味もぼちぼちで悪くないのですが,残念なのはこの雰囲気はぜひ独りで楽しみたいところですが,カウンター席が少ないため,独り客は敬遠してしまいそうです。それでもK氏は大変なテンションの高さを見せて,主人と女将さんにしきりと一杯やってくださいというお大臣振り,次なる店ではそのお大臣振りがさらにエスカレートしていくのでした。 次なるお店は踏切方面に少し引き返した場所にあるこの界隈では小奇麗な一軒家の「食粋 まねき」です。独りだと悩むまでもなく見過ごすタイプの店ですが,この夜はスポンサー付なので日頃目につかない居酒屋がよく視界に飛び込んできます。先ほどの店が庶民派であるのに比べるとずっと落ち着いた高級そうなお店です。御馳走するならちゃんとした酒を呑ませたいらしきK氏は遠慮していると思ったらしく銘柄酒を注文。ひさびさのかわはぎの刺身(当然肝付)やらアンキモやらのうれしい肴が並びます。肴が旨いとついつい酒も進むもの,いつもの具合で肴1品で酒2杯というペースで呑んでいたらすっかり容量オーバーとなってしまい,しっかり軽い酩酊状態に。K氏のペースもますます上り,ここでもまた店の夫婦に酒を進めています。さらに興が乗ってしまったらしくカウンターで呑むOLの先輩後輩らしき方たちに絡んでしまい,迷惑そうな表情を浮かべる彼女たちの意中を察することもなくギョッとするようなセクハラ発言を連発。こちらは気が気でなくてこれまでのほろ酔い加減もすっかりすっ飛んでしまいました。 さて,これで引き上げたかというとそういうことはなく,若いのとアダルトなのとどちらがいいかとの問い掛けに若い方がいいと思慮なく答えてしまい,キャバクラに参上することになったのでした。ここでもまた彼氏の助兵衛っぷりは如何なく発揮され,店長も再三注意にやって来て,ぼくは隣に腰掛ける可愛い娘さんとの会話もままならないのでありました。店を出てようやくほっとした途端に急激に酔いが回ってしまい,どこかしら得体のしれない駅で目覚めたのを最後に記憶はすっかり失われてしまっているのでした。
2014/02/13
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とある土曜日の午後,たまたまフリーな時間ができたのでたまには柴又にでも行ってみようかなと思い立ち,S氏を誘ってみたところヒマであるとのこと。では柴又駅前待合せましょう。ぼくが近くにいたので,金町駅から歩くことにしました。それでも待合せには余裕があったので,柴又駅周辺を歩き回ってみることにしました。参道には土産物屋や食堂と言っては失礼なほどに立派な飲食店もずらりと並んでいて,昼呑みには事欠かないようです。ただ,こうした店で観光客と混じって呑むのはあまり楽しくないので,できれば地元密着の小さな店で呑みたいものです。そうこうしているうちにS氏が到着です。 ならば駅前広場の「春」がよいというのは知っていますが,気候も良く散歩日和であることもあって,すでに満席。しからば未訪のお隣の焼そば店にお邪魔することにします。「三河屋」というお店でテイクアウトがメインですが,店内での飲食も可能。ビールも置いています。わずかテーブル2卓だけの狭い店で各テーブルにはお一方づつ。相席させてもらえることを期待して入ると席を譲ってくれました。お二方は互いに相手の素性が気になっていたのか,相席することで急接近,すぐに打ち解けたようでうれしそうにお喋りに花が咲きます。われわれは昼食を兼ねて焼そばとフランクフルトをいただきます。ごくごくシンプルなフツーの焼そばで,たまにこういう代わり映えしないものが食べたくなるのでした。でもそれじゃあ,観光地の休憩所や祭りの屋台で食べるのとさほど違いはありませんね。さすがにここで長々と呑んでいるわけにはいきませんので適当に引き揚げることにしました。 参道方面は避けたいので,京成金町線の踏切を越えて逆側へ行ってみることにしました。さほど店舗もなくすぐに住宅街となってしまいますが,数軒気になる酒場がありました。その一軒は「大衆酒場 憩」というお店で店先でおばちゃんがゴソゴソと何やら作業をしているので,もしや開店を準備しているのかといそいそと近寄って声を掛けてみました。すると「しばらく体壊したりして休んでたんだけど,近いうちに再開しようと思っていて,今頑張って店の整理と掃除をしてるんだよ」とのお答えでした。やむを得ません,再開を待ってまた伺うことにします。 するとお向かいにガラス張りのアルミ框扉でとても飲食店の店舗とは見えず,土建屋の詰所とかのようです。しかも中で呑んでいるオヤジ4人組の雰囲気がやさぐれていて,しかも店外に漏れるほどの大声で喚き散らしているのでした。そんなヤバい雰囲気ですが,果敢にもお邪魔したのでした。中に入るとちゃんとカウンターまであって立派に酒場の体裁は整っています。飲物とコップは店の奥の冷蔵庫から客自ら取り出すセルフサービススタイルです。氷結を取り出して控えめに乾杯。この店の売りは焼鳥とうどんのようですが,1串110円の焼鳥を適当に注文。するとこれがすさまじくでっかくて,しかもそこいらの焼鳥店なんかよりおいしいのだから驚きです。ただし,この日の酔っ払い4人衆がいるときは落ち着いた気分で夕暮れを待つのは難しそう。彼らの会話に聞き耳を立てていると,こんな老人になっても,いじめ役,いじられ役,なだめ役,唯我独尊型にきっちり役割が分担されていて,当然ながらいじめ役は呑むごとにヒートアップして物騒な台詞の展覧会の様相です。ご主人もまた唯我独尊を決め込んで知らん顔を決め込んでいるのは立派なもの。今度はオヤジたちが沈没した頃にゆっくりと訪ねたいと思いました。あっ,中の左右の口の中にそれぞれ木が書き込まれているというロゴから推測できると思いますが,「中林」という屋号のお店でした。
2014/02/08
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この夜は上司T氏と同僚のI氏と呑むことになりました。上司の要望が冬らしく鍋物で呑みたいとのこと。T氏はI氏のことがとてもお気に入りで,直属の手下であるぼくのことなんかどーでもよくて,ホントはI氏と二人でしっぽりと呑みたいところのようです。ともあれI氏の家が綾瀬ということもあり,その近隣をセッティングせよとのお達しですが,あいにくぼくの酒場マップには鍋を出すような店はあまりインプットされておらず,悩んだ挙句に鍋物のことなどどうでもよくなってしまい,適当に金町をセレクトしたのでした。金町と鍋のキーワードで適当に1軒のお店を検索しました。まあ,外れならすぐに店を出ちゃえばいいという程度の考え。鍋さえ抜きにすればいくらでも行きたい酒場がありますしね。クーポン券も印刷して準備は万端です。 普段はわざわざ電車に乗ってまで呑みに行くことを嫌うT氏ですが,I氏と呑めるということなら多少の面倒など意に介さなくなるようです。ほとんど初めて下車したという金町にさほど興味を示すこともなく,ひたすらぼくの導くまま着いてくるばかりです。ああ後ろでは2人がおしゃべりに興じていましたね。そうこうするうち「鶏料理 みつ」なるお店に辿り着きました。小奇麗な独りであれば見過ごしているか,視線に写らなかったふりをしてしまうようなお店です。店内も黒を基調にしたちょっと気取ったお店です。奥の小上りに通されます。背後にはテーブルがずらっと並んでいて,どうやらしばらくしたら宴会が始まるようです。それまでには店を出なくては。早速クーポンを出すといきなり出鼻をくじかれます。このクーポンは使えません,どうして?,勝手に登録されてクーポンもうちで掲載したものではない,とのこと。そんなことがあるもんですかねえ。仕方なく鍋物と焼鳥を控えめに注文。味はそこそこですが,量がいかにも控えめです。いくら適当に選んだ店とはいえ,ちょっと残念な結果となったのでした。あれまあれまといううちに飲み食いを終え,早々にお勘定したのでした。外に出てしばらく歩くと店の女のコがぼくの忘れたハンカチを届けてくれました。この出来事ひとつでちょっとだけ気分が晴れたのでした。 続いては京成金町線の踏切先の栄通りにある「のっけ盛」に入りました。ホントはそのそばのちょっと気になる未訪問店(最近ご無沙汰していたうちに開店していたようです)の引き戸に手を掛けたばかりだったのですが,通りがかりのご機嫌なおばちゃんがそっちよりここがお勧めよ,おいしいよと「のっけ盛」をいたく気に入ったらしく,激しく推薦してくれたのでした。しからば気になったお店はいずれ出直せばよいと早々に心変わりしてそちらに向かうことにしました。手前にテーブル席,奥がカウンターという造りのお店です。金町はじめ葛飾区には,通常の酒場とは造りが逆になっている,こうした奥にカウンターのお店が多いようです。カウンター席を利用する地元常連さんは長っ尻になりがちなので奥にいてもらった方が都合がいいのでしょうか。お客さんはまずまずの入りです。店の方は女性ばかり3名だったでしょうか,なかなか感じのいい方たちばかりでした。この日の惣菜の盛合せ(六品盛)があって,これを頼むと6種もの惣菜がけっこうな量を盛り付けして出してくれて,なんと700円とはお得だなあ。刺身盛もトマトでさえもがこれでもかの大サービス。なんだかうれしくなってばんばん呑んでしまったのでした。案の定すっかりできあがってしまったぼくは,気分がよくなりすぎてしまい,T氏と大喧嘩。その後どうして帰宅したんだか,翌朝は事の顛末が不安で重い足取りで出勤したのでした。
2014/02/01
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お気に入りの町,綾瀬には良い酒場がたくさんあります。そんな町ですから他の町であればそれなりに喜べてしまうお店でさえもが,さほど取り柄のない店に感じられてしまうことがあります。もちろん現場でそう感じても,振り返ってみると,あの店はやはりなかなかよい酒場であったなあということになることもしばし。この夜訪れた2軒は,1軒がまた行ってみたいと思えたのですが,もう1軒はあまりにも印象が希薄でこれといった感想すら浮かばなくなってしまいました。 最初にお邪魔したのが「磯吉」というお店です。北綾瀬駅と堀切菖蒲園駅間をまっすぐつなぐ道に面しています。喫茶店好きの方で綾瀬を訪れた方であればご存じのとおり,綾瀬界隈は居酒屋は掃いて捨てるほどあるのに,こと喫茶店に関しては不毛地帯となっています。現在では,喫茶店というよりファミレス程に食事メニューが充実した「珈琲 蘭蝶」がある位となっています。この喫茶店の向かい側にあるのが「磯吉」で,食堂使いも居酒屋使いも両刀使いも可能な大衆食堂系のお店となります。以前は「九州チャンポン」という中華食堂兼居酒屋だったと記憶しますが定かではありません。「磯吉」が居抜で入ったのであれば,「九州チャンポン」の年季を感じさせるだだっ広くて閑散とした感じをそのままに受け継いでいるようです。そういえば綾瀬からもそう遠くはない五反野駅のそばにも「磯吉」があって,店の実利優先の装飾寡少な地味な雰囲気や価格の安さからも共通する要素があることから,系列店である可能性を疑ってみたくもなります。それにしてもこちらのハッピーアワー(17:00~19:00)は大変お得です。チューハイがジョッキに並々と注がれたのがなんと100円,さすが食堂だけあって,肴の品数もより取り見取りです。どうしてこの夜はこの店の良さに素直に感心できなかったのでしょうか。広い店内に独り客がぱらぱらしかいないという辛気臭さ(これも静かなだけということかも)が気分を高揚させてくれなかっただけかもしれません。ともあれこちらは特に19時までに訪れる価値のある店だと思います。 続いてお邪魔したのは「炭火もつ焼屋 来駕(RAIGA)」というお店。気のせいかもしれませんがこのお店,屋号がちょくちょく変わっているような印象です。ガラス張りで見通しもよく危なげな雰囲気はまるでない,きれいなお店なのですが,どうしてこうもお客の入りがよくないのでしょう。50人近く入れそうな広いお店ですが,先客1名がカウンターにいるだけです。店側の方も主人らしき方が独りだけなので,もとより大人数の客の入りを想定していないようです。シーンと静まり返っていてどうにも所在ない時間が過ぎていきます。値段も安いし,味もそこそこで特段悪いところはないわけですが,空いている酒場というのは何事か問題があるのではなかろうかと客の側も引き気味になってしまいますます客が入らなくなる悪循環となりがちなようです。もう一度行きたいと思わせられるような要素にやや欠けているため望んでいくことはないと思いますが,でもまたいずれ酔った勢いで迷い込んでしまいそうな予感があります。品書:サワー:290~,ビール中:450,酒1合:430,焼きもの:120~,にこみ:350,豚足/オニオンスライス:250
2014/01/29
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亀有の駅を中心に広がる商店街はごく狭く,そこを外れると住宅街が広がるばかり。そんな町外れにも何軒かの居酒屋さんがあります。今回お邪魔したのは,亀有駅とお花茶屋駅を曳舟川親水公園を挟んでまっすぐに結ぶ通りが六叉路に分かれるその分かれ目にあるお店からスタートです。 そのお店は「たこやき はてな」というお店。三角地にふさわしいプレハブ造り風の外観はなかなかよい感じ。二等辺三角形の等辺がガラス戸になっていて,店内も店の形状に合わせてV字型のカウンターがあります。平成24年にできたばかりという新しいたこ焼店で,テイクアウトはもちろんのこと,店内で飲食も可能となっており,肴もたこ焼以外にも焼鳥やおでん,刺身まで用意されているので,たこ焼屋さんが居酒屋をやっているというよりは,逆に居酒屋がたこ焼のテイクアウトを副業としているようです。とは言っても一応売りとしているたこ焼をいただくことにしました。トリハイをオーダーするとお通しはうれしいことに温奴(でもこうしたお店のお通しで280円はつらいなあ)でした。母娘連れのお子さんがはしゃぐ中,毎晩来ているらしき青年はテレビのアニメ番組に夢中,視線をそらすことなく店主に熱く思いを語っています。のどかな気分に浸れました。品書:ハイボール:380,トリスハイボール:350,サワー:400,たこ焼:300,やきそば:250,焼鳥:100,おでん:80 亀有駅方面にしばらく引き返すと「創作和食 酒菜や」というごく普通の居酒屋らしい佇まいのお店があったのでお邪魔します。外観とはちょっと違和感があって,店内はどことなくごちゃごちゃしている印象です。カウンターにテーブル席2,3卓ほどだったでしょうか。お客さんはまだおりませんでした。若店主にその母上らしき方がやっていて,しばらくは沈黙の時間が流れたものの,寒いですねの一言を引き金に母上の喋りが炸裂します。のべつまくなしのお喋りは正直ちょっと面倒だなあと思いはするものの,常連になって足繁く通うようになると心地よく感じられるものでした。母上の話によると年明け(今年)に駅前通りの喫茶店「モア」のあった場所に移転するとのこと。この喫茶店は何度か通ったものの結局入れずじまいとなってしまいました。ところで若い店主の作る肴は丁寧に調理されていて,ここは一度じっくりと腰を据えて呑んでみたいと思いました。
2014/01/13
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亀有からバスに乗ってA氏との合流地点を目指すことになり、慌てて亀有に降り立ったものの当のバスは発車してしまい次の乗車まで一時の空白時間が生じてしまいました。さて、時間も早いしどうしたものかとふらり町をぶらつくのですが、まだまだ酒場が目覚める時間には一刻の猶予が必要なようです。 そんなときに重宝なのが勤勉なるわれらが同胞、中国人の経営によるお店にお邪魔することです。「上海厨房」がはたして中国人の方が経営する店であるかはともかくとして、中華料理店は酒場難民たる者にとって極めて重宝、いやありがたい存在なのでした。店の方以外ひとりの客もいない店内でたった一皿の餃子を肴にのんびりウーロンハイ(だったか)をジョッキで呑むのはちょっとした優雅な気分です。この一時は世の中でみながあくせくとミツバチや働きアリのようにしゃにむに働いているのにもかかわらず自分だけは愉快な愉悦の時を過ごしているのかと思えるのはちょっとした優越感を感ぜずにはおられません。といっても早酒が当たり前になっている赤羽やら川崎などではこの優越感は味わえません。都心から遠くも近くもない公営ギャンブル場とも縁がないような町を選ばねばなりません。
2014/01/08
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とある暮れも差し迫った土曜日の夕暮れ時、柴又にひさしぶりに遊びに行きました。柴又って参道に立ち並ぶ土産物店や飲食店なんかはそこそこ観光地らしく充実しているものの、そうした店々はそれなりに風流なものを感じなくはないものの個々の店の個性は感じにくく、著名人をだしにするようなあざとさや殺伐とした客の奪い合いばかりが目についてうんざりさせられるのでした。参道から離れると地元に密着したそれなりに味わいのある店舗があったりするのが常なのですが、柴又の場合は駅から帝釈天にかけての参道を外れるとなんとも寒々とした住宅街が広がるばかり。何度訪れてもこれというお店が見つからないのでした―と、諦めかけた頃なんとも迂闊なことに駅のすぐそばにわが愛するチモトコーヒーのお店があることに今更のように気が付いたのでした。 その1軒は「セピア」という遠目にはなんとも渋い味わいのあるお店。ついふらふらとひきつけられてみるとそこにはお馴染みのチモトコーヒーの置き看板があります。喜び勇んで近づき店内を見るとなんたることかいかにもレディメイドな、ある種の人々には郷愁を掻き立てるのであろうグッズで埋め尽くされているではありませんか。こうした店があることをとやかく言うつもりはありませんが(本当はある)、本当の意味での懐かしさというものは単なる懐古的な物が並べられているだけでは、醸されないものです。調べてみるとこちらは平成25年の開店とのこと。そういう意図の透けて見えるような店をこれぞ下町というような捉え方のされる柴又で開業するというのはあまりにもあざといのではないでしょうか。あと30年は継続すると味が出てくるかもしれませんが。 本当の味とは「珈琲専門店 AOB(アオバ)」のいぶし銀のような佇まいにこそ感じられるはずです。やっているのだか外見には判然としがたい店の扉を開くときのときめきと何度となく経験してもどうしても感じずにはいられない緊張感はこうしたすばらしい店では常に感じることです。茶系統に誂えられた店にあって、窓際の一角だけは趣を明るめにしており、さり気なくも幅広いお客さんを迎え入れる準備に余念ありません。こうした喫茶店では必ずと言っていいほど寡黙で丁寧にコーヒーを入れてくれる店主がいるもので、同伴者がモカだかなんだかの銘柄を注文するとうちではブレンドがお勧めです、ぜひともブレンドを召し上がってくださいと不可解なまでのこだわりを主張するのもなんだか爽快にすら思われるほどです。「セピア」さんは。昭和50年創業というこのお店のすぐそばにあります。そのスタイルをこれ以上あれこれいうつもりはありませんが、近所のおばあちゃんが孫を連れてわずか5分ほどでもそのひと時を惜しむかのようにコーヒーを嗜んで帰られるようなお店にしてもらいたいものです。 おまけに他の柴又の喫茶店。 さらなるおまけ。ちなみに、年末年始に掛けて川崎大師方面を散策したのですが、その際チモトコーヒーのお店を見掛けたので、おまけというより備忘録として報告だけしておきます。「のん」というお店で、別な看板には酒処とあったのがちょっと気に掛かるところですが。
2014/01/05
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高砂に集中的に通った頃からもう数年は経過しているんではないでしょうか。随分あちらこちらの酒場にハシゴして、結局は「高砂家」辺りに落ち着いてしまうという繰り返しにうんざりしているうちに、もっとも愛着をもった線路沿いの一軒がこのところ店を開いていないことを京成小岩やら京成中山、本八幡なんかに通う際に見掛けていると、まだまだ見落としている酒場もあるのに高砂を見限るなんてまずいのではないだろうかと焦燥に駆られてしまいひさびさに訪れることにしたのでした。その線路際の店はやはりこの夜も営業はしていなかったのでした。 と感傷に暮れていても仕方がありません、早速京成高砂駅ではあまり歩いたことのない駅南側,イトーヨーカドーを越えて南に伸びる商店街を歩いてみることにします。よく知らないとは言っても以前スーパー裏手の建物2階にあるちょっと味わいのある「純喫茶 アイドル」にはお邪魔したことがあってまったくの未知の商店街ではありませんが,酒場目当てで歩くのははじめてです。商店が密集してるとか,人が多く活気があるとかいうことは全然ありませんが,それでもちょっと気になる居酒屋が数軒見つかる程度の通りです。そんな一軒にテイクアウトの焼鳥店があって,店の奥にはテーブルや椅子もあります。店の方に断ってお邪魔することにしました。「鳥笑」というのがそのお店,テイクアウトのついでにやってるお店の割にはちょっと強気な商売をしています。焼物の一覧にあったのですが,そのネーミングから串ものではない一皿であると思い込んで注文した干し肉のレバーペースト添えは,パサパサした固いお肉にレバーペーストが薄く塗られたという品。他の串はさほど時間が掛からなかったのにこれは15分近く待たされてしまったので,辛抱たまらず席を立とうかと思ったところに差し出されました。これがなんと1串320円とは,いくらちょっと手が混んでいるとはいえ高すぎやしないかな。ご夫婦は愛想は悪くないというかむしろ丁寧なのですが,この価格帯では常連を付けるにはちょっと厳しいかと思いました。 駅の北側に移動しました。場末のあか抜けないカフェバーのような消えかかったネオンサインで飾られたお店があって,普段なら見向きもしないことでしょうが,どういう気まぐれか入ってみようとお邪魔してしまったのが「焼鳥 うなぎ 鳥久」です。外観こそ何ともいわく言い難い微妙な店構えであるものの,店に入ると至ってオーソドックスな焼鳥屋さんになり一安心。そこそこの入りでカウンターの奥に通されました。壁には地元出身という内山くんのお勧めだという貼り紙があって,なんとこちらは1963年の創業ということなのでざっと50年の歴史があるお店のようです。ポテトチーズや皮からし合えがお勧めとのこと。当然焼鳥もいただきたいので,お腹に溜まるポテトチーズは我慢して皮からし合えをもらうことにします。これがちょっと濃いめの味付けが独特の風味で,ついつい癖になって酒がすいすい進みます。焼物も120円からと焼鳥店としてはごく平均的な値段ですが,これが想像以上にうまい。さすがに50年もの長きに亘って愛されてきたお店ということでしょうか。お客さんは地元で長く通われているらしきじいさん,ばあさんグループが多いのですが,もっと若い方たちに行ってもらいたいと思います。量も値段もチェーン店なんかでは太刀打ちできないことがわかってもらえるはずです。
2013/12/28
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すっかりお気に入りの町となったお花茶屋ですが,まだまだ未訪の店があるので,またもや呑み歩きにやって来たのでした。とは言っても今宵はのんびりしている時間がないので,さくっとはしごして引き上げる予定です。A氏が一緒です。これまでお花茶屋の京成本線に沿って西側,堀切菖蒲園駅方面に行ったことがなかったので,今回は西側を散策することにします。 と意気込んで歩き始めたもののこれといった酒場が見当たりません。やむを得ずどことなくチェーン店っぽい屋号のお店に入ることにしました。店頭にハッピーアワーの看板が掲げられていたのでした。グラス生ビール/酎ハイが210円,酒大が420円とそこそこお得,17時から19時までのサービスということで滑り込みで入店しました。カウンターがあって,小さめのテーブルがその後ろにあって,奥はテーブル席とかつては喫茶店だったような造りでなんだか居心地はいまいちですが,チェーン店っぽさは希薄です。ひとまずホッとして日本酒をお燗してもらうと箸袋にお馴染みの「鮒忠」なんかのロゴが描かれています。チェーン店っぽくは見えませんでしたがやはり系列店ではあるようです。「串道楽 ふなちゅう お花茶屋店」というお店です。それでも各地にある「鮒忠」とはちょっと違っていて,男女2名だけの店の方が作る料理は案外おいしくて,特にふっくらしたお姉さんの作る玉子焼きはふかふかしていて思いがけず満足したのでした。 さらに駅を背にして進むと脇道に「鳥広 お花茶屋店」がありました。こちらも系列店があることは知っていましたが,まあ京成沿線に青砥の本店と立石店がある程度なので問題なさそうです。くたびれた一軒家の佇まいはどこか住宅街にひっそりとある夜のオアシスといった風情でついふらふらと引き寄せられます。引き戸を開けるとカウンター席とテーブル席はほぼ目一杯に人が入っていて,これはダメかと思ったら奥の小上りに入れてもらうことができました。下町風の焼酎ハイボールとレモンスライスと炭酸の蓑ドライなチューハイの2種のチューハイがいずれも300円と安心価格で,串焼が100円程度なのもうれしい値段です。あまり愛想のないおばちゃんが持ってきたお通しはうれしいことにアンキモが3切れ。これでお通し代が300円程度ならまずは文句のないところです。カウンターでは毎晩立ち寄る常連がひたすらテレビを眺め,独り手酌でウーロン割を作っては口に運ぶを繰り返しています。お隣さんが話し掛けると束の間うっとおしそうな表情を見せ,即お勘定です。値段は千数百円と随分お安い,店主とは親しく会話しています。数杯お替りを繰り返しさてと腰を上げて精算。すると想定よりもあまりにも金額が違いすぎる。これはちょっとあまりにも乱暴な値付けだと,必死で計算するとお通しが900円であれば計算が合いそうです。そうか,あのアンキモは一切れ300円,3切れで900円なのかあ,その割にぱさぱさだったなあと急激に酔いも覚め,お花茶屋にさえ愛想を付かしてしまいました。あまりにも一見客を軽く見る酒場であったなあと悔しさもありますが,脱力感で文句も言う気にならなかったのでした。品書:チューハイ:300,串焼:100~,かきフライ/あさりバター:600,ホルモン炒め:580,コーンバター:380
2013/12/14
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昨日の興奮の余韻冷めやらぬうちにまたもやお花茶屋を再訪することにしたのでした。今回の目的は時間切れで見逃さざるを得なかった酒場を尋ねるのが第一ではありますが,昨日来の疑問を晴らすことも立て続けにお花茶屋を訪れる目的のひとつなのでした。 その目的のひとつとは,どうやら閉店してしまったらしき都立葛飾野高校前の大きな大衆食堂「かどや」とお花茶屋の駅前商店街・プロムナードお花茶屋の外れにある「かどや食堂」との関連を解明することにあります。今夜も亀有駅からお花茶屋方面を目指すことにしました。昨日同様六叉路まで黙々と歩き,先日は左前方に進んだのを右前方に舵を取ります。暗い住宅街を歩きながらホントにこんなさみしいところに食堂があるのかといくらか不安を感じますが,やがて点滅を繰り返す大きな白い袖看板が見えてきました。ほっとして店のそばに辿り着くとその向かいに「喫茶 ジュン(COFFEE JUN)」があります。緑のテントの庇にちょっとユニークなロゴで店名が書かれた置き看板に惹かれ目的の食堂そっちのけで入店。外観から期待させられるほどにはユニークな要素の少ない,というかごく平凡な店内でちょっとがっかり。しかも店の方の住居を兼ねているらしき茶の間の奥に声を掛けども一向に店の方が出ては来られず,まあそれなら仕方がなかろうと本来の目的に立ち返るのでした。 さて,ネットで見るよりは年季を感じさせるお店でぐっと期待が高まります。果たしてこの「かどや食堂」の正体は判明するのでしょうか。ひと息ついてひとまずは瓶ビールを注文。ゲソ揚げ,ソーセージ炒めをつまみつつ,無口そうな女将さんから店の由来を聞き出すチャンスを狙います。チャンスはあっさりと到来,「こちらのお店,移転とかされてますか?」と直接的に切り出すと「ええ,してますよ」,「どこから移転されて来たんですか?」,「そこに森不動産あったでしょ,そのすぐそばから」,「???―都立高校の向かい側じゃないんですか?」,「都立高校?そうじゃないですよ」。とあっさり関連を否定されてしまいました。では駅前商店街になかったかお尋ねすると,「ああ,昔やきそばとか出す店あったけど,違う店よ」とこれまた違ったようです。ということはお花茶屋にはかつて3軒の「かどや食堂」がちょうど三角形の頂点の位置に存在したことになりそうです。確かに「かどや」という屋号はありふれていますが,この狭い範囲に3軒あったとなるとさすがにこれは珍しいことです。古ぼけたテーブル10卓ほどもある食堂としてはやや広い店内には他にお客さんもなく,昔のことを知る人に話を聞ける気配もないので,釈然とせぬまま店を後にしたのでした。品書:ビール中:550,酒(大関):400,ウーロンハイ:350,ゲソ揚げ/そら豆:350,枝豆:250,らあめん:500,冷やっこ:200,かつ煮:550,アジフライ:450,肉じゃが:400 先日行きそびれていた「大衆酒場 多賀」に向かいます。お花茶屋駅から四ツ木斎場に向かう途中にあるお店です。白いセメント壁のシェルターのようなぶっきら棒で愛想のない建物のお店で,ガラスサッシ扉の前には縄のれんが掛かっていて,それが唯一酒場らしさを演出しています。この縄のれんや赤提灯といったギミックはあればあったで目立ちもしますし,何より気分が盛り上がるものですが,なければないで酒場らしさを損ねるものでは必ずしもなさそうです。喫茶店(とりわけ純喫茶)はこうしたギミックによる効果が客にもたらす影響が大ですが,酒場には酒と肴に主人と客,それらを包み込む空間さえあればそれだけでも十分によい酒場となることができるようです。この酒場も全面が土間,余計なものがあまりなく,空間は隙間だらけでカラーンとしており,どこかしら酒呑みを惹きつけるわびしさが漂っています。つくねをタレで頼んだところ,しばらくして塩でよかったんだよねとご主人に言われたので,まあ塩でもいいかと「じゃあ,塩で」とお願いすると,女将さんがこちらのお客さんはタレっておっしゃったでしょと注意するのでした。そうなると塩もいいかなって気になり,迷っていたらカウンターの先に座っていたおばちゃんが「お兄ちゃん,気が多いわねえ」だって。するとご主人,じゃあ塩とタレ1本づつにしとこうかとご親切にもそれぞれ別皿に取り分けてくれたのでした。やがてお決まりの出身地などの話から店主夫婦と常連のおばちゃんをはじめ,店のみんなが旧知の仲のように楽しく語らうようになりました。2杯のつもりが3杯,4杯,引き上げようとしたのですが,おばちゃんからお兄ちゃんにもう1杯ねと焼酎ハイボールを御馳走になってしまったのでした。本当に気分のいいひと時を過ごすことができました。
2013/12/06
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ひと月ほど前に久しぶりにお花茶屋に行った際,実は同僚の車で駅のそばに落っことしてもらったのですが,スッと通り過ぎた車窓からすばらしくいい雰囲気の大衆食堂を見掛けたのでした。店の灯りは見えなかったもののとにかくオンボロで飛び切り自分好みの店であるなあ,これは近いうちにぜひとも足を運ばなくてはなるまいなあと思いつつ早1か月,気力を振り絞って行ってみることにしたのでした。常磐線各駅停車に乗り込み,亀有駅で下車します。どうして手っ取り早く京成本線でお花茶屋駅に行かなかったかというとそれは単に職場からの都合がよかったというだけのことで目指すお店は両駅の中間くらいに位置するものの若干お花茶屋からが便利なはずです。 ともあれ亀有駅から曳船川親水公園沿いにお花茶屋駅までまっすぐ続く単調ではあるものの歩きやすい道をひたすら進みます。いつもであればこのまま通りに沿って進むのですが,この夜は六叉路を「く」の字に折れて葛飾野高校なる学校前を通過します。やがて見えてきた食堂はあら残念,明かりが付いていません。よくよく見るといくつかの窓が抜けていて,廃屋と成り果ててしまっているようです。「大衆食堂 かどや」の看板はまだまだ現役のように見えますが,残念です。 今,調べてみたら東京都葛飾区お花茶屋3-1-13にも「かどや食堂」があるようです。もしかしたらこちらに移転したのかもしれませんね。いずれ確認したいと思ったいます。それと気になるのがお花茶屋駅前の商店街・プロムナードお花茶屋のページ(http://www.ohanajaya.info/history-f.html)に「かどや」という食堂らしき店舗の昭和30年代前半という写真が掲載されています。このお店もなんらかの縁があるのかもしれません。 ともあれ店を畳んだらしき「かどや」を後にして駅方面に進路を変えることも考えられたのですが,どうしてだか同じ通りをやけ気味に歩き続けました。亀有駅を出てちょうど20分経った頃,中華料理店などが並ぶ長屋があって,その1軒が「天八」というお店でした。お食事処と記された白い暖簾がガラスサッシの安普請の店舗に見事に嵌っています。これは期待できるなあ。早速店内に入ると10席程度のカウンターにテーブル3卓,ほどよくくたびれていますが,手入れが行き届いているんでしょう,大変清潔でとても居心地がいいですね。先客はカウンターに一人とテーブル席に夫婦もの。ぼくがカウンターに着くと,立て続けにこおれまた常連のじいさんが1人,また1人とテーブル席へ。昼はA定食だったから夜はBにしておこうかな,マカロニサラダももらおうかなとこの食堂への依存度の高さがありありです。ぼくは贅沢して〆鯖とうにの刺身です。贅沢と言ってもこれがなんと450円で,〆鯖は酢が利いていて美味,うにもこの値段からは想像できないほどの風味が感じられます。値段で日本酒を選んだけどこれは大正解だったなあ。しかも赤カブのお新香とシナチクまでサービスしてもらって大満足です。ところでこのお店は初老のご夫婦でやられてるのですが,このおばちゃんが物知りというか時事ネタに大変通じていて,この夜はかつてのふるさと再生事業1億円の話題からホテル三日月の純金風呂盗難まで話題は尽きないのでした。品書:ビール大:550,酒大:500,ウーロンハイ:300,天ぷら盛合:600,野菜天:400,ポークステーク:550,コロッケ:350,冷やっこ:150 いい酒場に出逢えたと嬉々としてお花茶屋駅を目指しているとまたもやよさげな居酒屋に遭遇,もちろん迷わず入店します。「大衆酒蔵 三喜(みつよし)」というお店。和風の店内はいい意味で古びていて,壁紙が「いろはにほへと」がびっしりと描かれています。なんだか「耳なし芳一」を思い起こさせるようなユニークさです。しそハイに200円とお得な大根煮ともつ焼をオーダー。お通しはちくわの穴にキューリを突っ込んだのとニラのおひたし,これがうまい。しそハイはバイスのようなしそのエキスが入るだけかと思ったらなんとうれしいことに赤紫蘇の葉がこれでもかとたっぷり入っていて,これを箸でつまむだけでもいい肴になりました。ふと豊富な品書きを見上げるとなんたることか,吉田類のサインが飾られていました。10月28日と記されており,女将さんにお尋ねするとなんと次週の放映だとか。取材のときのお話をいろいろしてくれて,いかにも単なる一見客として現れたスタッフが勘定の際にいきなり御挨拶させてくださいと切り出して取材交渉となったそうです。うっかり失礼なことに,あの番組いつもガラガラな店でも放映時には大盛況なのはなんか裏があるのと伺うと,そうそう無理してお客さんに来てもらって,番組ではほぼ満席になってるのよ,今日はガラガラなのにね,ぜひご覧になってねとのこと。うちの人(ご主人)はあんまり宣伝するのって嫌いで,食べログなんかにも載せてないのよねえとおっしゃっておりました。このブログで宣伝してしまいますが,まあ弱小ブログなので店の迷惑になるようなことはないと思いますのでお許しください。あまりにもすばらしい酒場なので,テレビで放映される前に繰り上げて書くことにしました。酒場放浪記のHPを見ると確かに次週の予告として掲載されていますね。放映が楽しみです。 というわけでその後,まだお花茶屋散策を続けて負けじとすばらしい酒場に立て続けて遭遇してしまうという僥倖を味わったのですが,それはまたいずれ報告します。
2013/12/05
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京成線沿線の駅としては酒場の充実度の面ではぐっと落ちる町,お花茶屋に出向きました。普段であれば駅の北側,綾瀬方面から徘徊するのですが,この夜はいつもと違って車で送ってもらったため,駅の西側,水戸街道沿いで落としてもらったので見慣れぬ通りを歩くことができました。同じ町でも起点が違うと風景まで違ったものに思えるのが不思議です。黄色いテントの庇がべりべりと破れているその外観のボロさとそれが期待させる店内のボロさも期待通りだった「かみなりや」の姿が見当たらないようです。単に見逃しただけであればいいのですが。とまあ駅前まで来たので,踏切を渡ると,亀有に向かう道路にぶつかります。そのすぐ先に飲み屋の長屋が連なっています。2車線道路のある側は裏手のようなので店舗側の通りを引き返すとすぐによい雰囲気の酒場があります。 「やきとり 串平」です。これまでこんなよさそうなお店を見逃していたなんて随分自分の目は節穴だなあなんて思いながら2つある入口の空いていそうな方からお邪魔します。まさに庶民的な焼鳥店の模範のようなお店です。川の字の造りでまっすぐな2本のカウンターに挟まれるように店の方がいる厨房スペースがあります。いずれも10名程度は並べそうです。むっつりと不機嫌そうなオヤジに気さくなおばちゃん,優しそうな娘さんとこれまた理想的です。いやあ,今晩は仕事で遅くなったけどよい酒場に出逢えてよかったなあ,なんて呑気に喜んでしばし楽しいひと時を送ったのですが,帰宅後にメモをチェックするとやはりというべきか,3年前にちゃんと行っていたのでした。ところでその際のメモによるとどうもあまり気に入らなかったようです。オヤジさんの機嫌でも悪かったのでしょうか。これだから1回行ったっきりで店の良し悪しを判断するのは危ないんですね。 お隣の新しいお店「あっぱれすーさん」はどこかのブログで見たことがあったのでせっかくなので立ち寄ることにしました。ぼくの趣味とはちょっと違うタイプのお店なのですが,愛想の良いにこやかな主人が迎えてくれます。その奥さんと娘さんなのでしょうか,みなさんとても感じがいいです。肴の品書きはなかなか豊富で記載内容をちゃんと眺めるとどれも一工夫されているのが感じられ気が利いています。お通しひとつとってもかにみそ風味の豆腐みたいなもので手を抜いていない感じです。お客さんはいずれも常連さんらしく,女性客が半分近くを占めます。と言っても6名しか入っていないので3名だけですけど。こちらの主人も居酒屋がお好きなようで京成立石がとりわけ好きなようです。「宇ち多゛」やら「ミツワ」なんかのことをお喋りして楽しいひと時を過ごしました。楽しかったのはいいのですが,お勘定がどうも計算と合わない。何度計算してもちょっと高すぎるのでした。明朗会計と思ったのが肩透かしを食らわされたようでちょっと残念でした。品書:飲物:350(290[-19]),ちーずしそ巻き揚:400,新玉ねぎの納豆合/イカ刺身:350,白モツ塩炒:420 その数軒隣に「ひまわり」なる喫茶店がありますが,これはすーさんによるとすでに閉店して久しいそうです。なかなかよい雰囲気なのに残念です。
2013/10/28
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お気に入りの綾瀬ですが,さすがにかなりの酒場を巡っているので,もはや新規開拓は無理なのだろなと特に期待もせず,馴染みの酒場に向かうつもりでした。ところがまだまだあるんですね。って,実のところその酒場の存在はよく知っていたのですが,かなりハードルが高いお店のためこれまで無意識のうちに避けて通っていたようです。 「居酒屋 てんちゃん」は,綾瀬駅西口を出てガード下の「立ち呑みコーナー 江戸っ子」を横目に進み,右手に折れると「立ち呑み処 かあちゃん」がありますが,これも見ないふりをして少し進むとあるオンボロ酒場です。この酒場のどこが入りにくいかというと,どこかしらスナック風の風情が漂っているのです。飲食長屋の角っこにあって,両脇がスナックだからでしょうか。割れ岩もどきの壁の装飾も居酒屋と書かれてはいますが,どこかしらスナックみたく感じさせられるようです。思い切って入った店の中はいかにも居酒屋でほっとします。カウンターの造りやおばちゃんの雰囲気はスナックのそれとは違って見えます。ウーロンハイを頼んで,さて,何をつまもうかと考えているとお通しが出されます。なんだかえたいのしれないネバネバしたものです。これがどうにも喉を通らない。出されたものはとにかく何としても残すまいと思うのですが,こればかりはどうにもなりませんでした。肴を頼むのは早々に諦めてただただウーロンハイを啜るばかりとなったのでした。このちっちゃいお通し1品で判断するのは早計かもしれませんが,お通しひとつの手の掛けようで客に与える印象はおっきいのだなと感じる出来事です。 よせばいいのにはるばると歩き回ってようやく見つけたのが東京武道館の裏手にあるこれまた飲み屋長屋の一軒「ギャラリーとお料理とお酒 はくせん」です。こちらも周囲はスナックで過ちを繰り返す確率が高いことはわかっているにも関わらず,反省もなく危険に足を踏み入れることにしたのでした。大体,「ギャラリーとお料理とお酒」というのがいかにも胡散臭い。それでもこちらは店の中が見通せるのでさほどの危険はなさそうです。外から覗き込むとカウンターにテーブル席があるごくごくありふれた店に見えます。ギャラリーらしさはそれほど感じられません。品書:HH:生中:150[17-18],キリンサワー:150[18-],チューハイ:250,焼鳥2本:200~
2013/10/25
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どこに行っても似たようなことばかり言っていますが、綾瀬を訪れるのはひさびさな気がします。綾瀬は大のお気に入りの町ですが、さすがにかなり開拓してしまって目新しい酒場も少なくなっています。A氏と待合せたはいいものの目当ての酒場を決めかねて、やはりこのままだと「駅前酒場」に落ち着いてしまうのだろうなと改札を出ます。待ち合わせ場所は高架下の立飲み店「江戸っ子」ですが、つい今しがたA氏から店を出たとの連絡あり。ひさしぶりによりたかったのですがまたの機会にすることにしました。改札前で待つA氏とどこに行くか相談していると、つつつっと可愛い女の子が寄ってきます。綾瀬の高架下には風俗店もあるので、その筋のおねえさんかと警戒感をなんとか維持しつつも、いくらか脂下がりながらその口上を聞くと、すぐそばの焼鳥店の従業員とのことでサービスさせてもらいますよとのこと。まあ店を決めかねていたのでたまにはこういう展開もよいかなと頷き合い店に案内されます。 連れてこられた先は「釜焼鳥本舗 おやひなや 綾瀬店」です。どうでもない今どきのオープンな雰囲気の焼鳥店でまあこんなもんだろうと店に入ります。おねえさんは他の店員さんに事情を話すと次のカモを求めてすぐさま店を後にしました。さて、客の入りはぼちぼちで、われわれと似たようなサラリーマンが多いのは彼女の功績でしょうか。それにしても従業員はそろいもそろって若い人ばかりで、しかもどう考えても採算が合わないと思われるほどの頭数をそろえています。これほどまでに人を揃えて人件費もばかにならないでしょうに。まあその分われわれの飲食代に跳ね返っているはずなので注意深くメニューをチェックします。やはり全般に高めの設定です。これで果たして激戦区の綾瀬で勝負できるのでしょうか。キャッチ戦法もいいのですが、同じ客には通用しないので彼女以外にも売りを用意しておく必要があるように思うのでした。出された肴は別にどうってこともありませんが、ちょっとした工夫もあって悪くはありませんが、客を再訪させるにはもう一工夫、二工夫あってもよさそうではないかと老婆心ながら考えるのでした。 1軒目がやや不発に終わったので、確実に満足を味わえるはずの店に移動することにしました。A氏も初めてらしいので御誂え向きです。向かったのは「もつ焼 あらちゃん」。相変わらず「串松」(大松の表記もあり)の看板もそのままに営業しています。先日来た際は満席で入店を断られてしまったほどの人気店になったようです。昨年のオープンしたての頃は店の屋号さえ定まらず、店主に屋号を尋ねると「『あらちゃん』かなあ」などと曖昧なことをおっしゃっていましたが、今ではそれが定着したのでしょうか。確認をしそこなってしまいました。店内に入ると、そのあらちゃんがあと20分ほどで閉店です、となんとも寂しいことをおっしゃる。一向に構いませんとここで追い出されてなるものかととにかく入店します。お馴染みのボールをオーダー、焼物を数串頼むことも忘れません。この夜は前回と違ってお客さんは2名だけ、すでに常連さんたちは呑み終えて帰宅の途に着かれたのかもしれません。出されたもつ焼はやはりかなりのおいしさでやはりここは安くてうまくていい店だなあと改めて思うのでした。品書:ボール:250,サワー:300,ビール中:450,もつ焼2本:200,にこみ/ガツさし/シロさし/もつなっとう:300
2013/10/04
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先日の四つ木でのハシゴがなかなか愉快だったので、またもややって来てしまいました。今回は電車に乗って京成押上線の四ツ木駅が振り出しです。味もそっけもない実用一辺倒といった退屈な駅舎を背に住宅を縫うように伸びる小道を進み荒川の土手を背に方向を切り替えると2車線道路を挟むように商店街が伸びています。まいろーど四つ木というさびれた商店街には中華料理屋や不動産などいたってどこにでもありそうな店舗が並びます。 しばらく道なりに進むと全身にもつ焼と書かれた豚がこれまた律儀にも酒と書かれた徳利をぶら下げた絵が壁に描かれた店があります。3階建てのさほど古びているわけでもない店ですが、とにかく入ってみることにします。「もつ焼き 吉か」と看板に書かれています。カウンターに腰掛けて、早速ボールをもらいます。手前のカウンターも奥のテーブル席もけっこうな入りです。店内もやはり改装されたようで明るく清潔感があって、まあ面白くはないけれどもつ焼の店では一定の歳月を経れば改築やリフォームが行われるのは致し方ないことなのでしょう。ネットの情報によれば近頃改築されたばかりのようでもともとは昭和28年の創業というからかれこれ60年近い歴史のあるお店のようです。もつ焼は、値段がいくらか高めのように感じられましたが、身も大きくなにより味が良いのがうれしいことです。この夜は食べそびれてしまいましたが、テッポーニンニクなる独自の品があるようで、いつかまた訪れた際にはぜひ試してみたいです。 続いては、同じ通りをさらに進んで左手にある「やきとり 一六三」にお邪魔します。店に入ると奥に細長くカウンターが並びずらっと客が並んで座っていて、ようやく12席目位の席―というかカウンターの一番奥の席が空いていました。さらに奥には広くて、やはり細長い座敷がありますが、ここは空っぽで照明も消されています。スナック風のベルベットのスツールにようやく馴染んだところで注文。こちらのボールではなく、すっきりシュワシュワのシンプルなチューハイでした。お通しは蒸し鶏ともやしの和え物で、野菜がとれてしかも店の売りである鳥もちゃんと使っている、こういうお通しはちょっとうれしいです。ここら辺の店はどうやらどこも常連さんばかりでやっていけているようで、お客さん同士みな楽しそうに語って呑んで食べています。それは観光客も訪れることが多いであろう「ゑびす」でも同様のようです。中には90歳にはなっているだろうお婆さんもおられて、カウンターの入口すぐの席でこれほどの表情はないであろう笑顔を浮かべられていたのでした。
2013/08/01
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先日も登場した職場の同僚、ぼくにとってはそれ以上に酒場巡りに適任の自動車通勤者がこの夜も車に同乗させてくれることになったので、ほんとに数年ぶりに四つ木を訪れることにしました。四つ木は、荒川河川敷近くの北に堀切菖蒲園、北東に京成立石、荒川を渡ると八広とまさに東京の酒場のメッカが集中する場所でゴールデントライアングルのど真ん中にありながら、実際訪れると閑散としたこじんまりした商店街がささやかに軒を連ねる寂しい土地です。それでも当然ながら酒場好きなら誰もが知っている名店があるので、ひとまずはそちらに敬意を表しに伺うことにしました。 突如思い立ってやってきたため水戸街道を進む車をどこで止めてもらうか迷いますが、迷いに迷って荒川を渡ってしまうと八広―鐘ヶ淵で呑むことになってしまい、それも悪くないかと思いつつも気持ちはすでに名酒場に向かっていたので、適当に下ろしてもらうことにしました。折よく細く伸びる商店街があったので、いずれこの通りを進めば目的地に辿り着けるであろうとぶらぶら歩き始めると早速見覚えのあるY字路にぶつかったので、いそいそと歩きすすむと堂々たる内照式の袖看板が見えてきます。ご存じ、「ゑびす 四つ木店」です。金町―四つ木―西大島のほぼ一直線上に3軒、いずれも親類関係にあるという「ゑびす」のもっとも大きくて、知られたお店です。ぼくの好みは西大島、金町、四つ木という順になるのですが、肴の豊富さと活気、知名度という点からすると四つ木が「ゑびす」を代表していると言えるかもしれません。早速店に入るとすでにカウンターはほぼ満席状態。タイミングよくひとり呑みのお姉さんが勘定を済ませたようなので入れ替わりに入ることができました。昭和26年開店というこちらは、カウンターが20席、奥に細長い座敷があって、座敷も宴会でも入っているのか徐々に客が入っていくのが見えます。ここに来たら当然ボール、断るまでもなく焼酎ハイボールのことでこの界隈で呑みに行って、ボールと口に出すのははじめてのときは、いくらか照れ臭かったものですが、そこは慣れたもの、チョークで勘定も変わらぬスタイル。すぐそばに並ぶ3名は、若夫婦とそのいずれかの父親らしくなんとも豪快に天ぷらを4,5品も一気に頼まれていて、ここではやはり呑みよりも食い気なのだなあと感じたのでした。品書:ビール大:530,焼酎ハイボール:270,デンキブラン:200,酒:300~,穴子蒲焼/銀ダラ煮付:480,カワハギ刺身:380,柳川鍋:530,タンのにんにく炒/自家製サラダ:280 「ゑびす」を出てほどなくすると街灯も当たらぬ細い路地に赤提灯が見えてきました。引き寄せられるように店の前に進み、迷う間もなく店の中に入ります。カウンターは4,5席ほどで、空いている1席に腰掛けます。背後にはL字に畳が敷かれた小上がりがあって田舎の老人たちが軒先で漬物でもつまみながら茶を呑みながら雑談しているかのような具合に5名ほどが歓談しています。カウンターのお二人もいくらか控えめながらその会話に交じって時折言葉を掛けあいます。そのすべてがじいさん、ばあさんばかりで会話の内容も富士山に1合目から登ったことがあるとか、宝くじに当たったらどうするかという他愛ない話題ばかりではありますが、なんとなくぼんやりと聞き入ってしまいます。店の女主人も70歳にはなっているであろうけっこうなご高齢。えらく濃いウーロンハイを呑みながら袋菓子などの簡単なつまみをバリボリし、またまた話に聞き入ります。あまりののどかさにうとうとしてきたのでお勘定をお願いする際にこちらのお店はなんという店名かと尋ねると「みもと」であるとのこと。そんなことを気にするぼくを見やり寅さんの前田吟風に職工服を着たおじさんがいろいろ話しかけてくれて、俄然老人たちの話題の中心に引きずり込まれます。ついついウーロンハイを追加します。店を出るときには、こんな店だけどまた来なよと口々に声を掛けてくれて、日頃あまり気に掛けない人情にほだされたのでした。
2013/07/26
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自動車通勤の同僚の車に同乗し,途中で落っことしてもらうことにしました。その帰路には京成本線と京成押上線を通過することになるので酒場にはことかかないエリアだらけで,迷いに迷ってこのところ繰り返し通っている堀切菖蒲園前を通りかかったときに強い衝動に駆られてあわてて車を停車してもらいました。一言礼を述べて走り去るのを見送ると,大急ぎで店探しを開始します。 開始した途端,眼前にカウンターだけの渋そうな酒場があります。屋号がありませんが,気にせずお邪魔します。カウンターに腰掛けてはじめて気づいたのですが,ここはどうやらインド料理店のようです。ありゃりゃ,これは失敗だったかなと思いながらも,今さら店を出るわけにもいかず,品書きを眺めました。すると,あったあった堀切ハイボール:350円とあります。南アジア系の風貌の外国人マスターにその堀切ハイボールとチキンのタンドリー窯焼:450円というのを注文します。客はぼく一人だけ。堀切ハイボールをすすりながらタンドリーチキンの焼き上がりを待ちます。お通しにピーナッツをサービスしてくれるのはちょっとうれしいですね。琥珀色のハイボールは当然ながら梅エキス入り,調合がバランス悪くかなり焼酎濃いめでびっくり,うれしいのでした。ただちょっとぬるめなのは惜しい。チキンは味は悪くないのですが串に刺さっていたときより量が少なくなっていてちょっと物足りない量です。しばらくするとマスターからサラダをサービスしてもらえました。なかなか気のいい人のようです。やけに騒がしくて偉そうにマスターに指図するやはり南アジア系のおっさんが日本人の金回りの悪くなさそうなおっさんを接待しています。接待というよりカモにしているように感じられるのは偏見なのでしょうか。勘定の際,マスターに伺うとこのお店は以前は「王将カレー」だったのを「印将カレー」に変更したようです。この変更にどんな意味があるのでしょうか。 駅の東側の酒場が途切れ途切れに連なっている通りの中に「居酒屋 古や」というのを見つけました。何度もここは通っているのに気づきませんでした。ガラリと扉を開いて入るとほぼカウンターだけのお店。女主人とその息子さんでやっています。お客はやけに声の大きい中年女性がひとりだけ。店内を見回しますがかなりくたびれていてすごく気に入りました。やはりここでもボールをお願いします。中年女性は自らをやんちゃんと名乗り,ぼくの名を尋ねるのでとりあえずたっちゃんだよと答えます。この店は「こや」と読むのよ,で,お名前は「ふるや」ちゃんなの。郵便局員さんのように優しいのよ,やんちゃんはと語ります。確かにふるやちゃんもその息子さんもほんわかと優しい表情を絶やさずすごく気持ちいいお店です。酒も肴もお安くてここなら通ってみたいと思います。うっかり呑みすぎて,すっかりいい気分になったのでした。ところがどこでどういう話になったのか判然としませんが,近日中に京成立石の「宇ち多゛」にやんちゃんと同行することになってしまったようです。あれから早1カ月近く経ってしまったので,たっちゃんは嘘吐きになってしまったのでした。ところで「印将カレー」は近くにある昼からやってる「もつ焼き とん将」と同じオーナーのお店で,バングラデシュ人であるとのこと。「印将カレー」で日本人オヤジをカモっていたのはそのオーナーだったのですね。品書:ボール/チューハイ/酒1合:280,ビール中:500,もつ煮込/蒸豆腐/油揚ピザ風:280,揚出豆腐:320
2013/07/25
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亀有という町は、常磐線各駅停車の足立区内の駅としては魅力に欠ける駅であるとつい先だってまで思い込んでいたわけですが、先般ご紹介した二店にはちょくちょく顔を出したいとまでは思いこそしなかったものの、それでもこれまでの思い込みが必ずしも当たっていなかったことに気付かされることになり、またまたやってきたのでした。 それでも町を歩いているといずこも見慣れた酒場ばかりでこれといった目新しい店にはなかなか出会うことができません。それでも諦めずに歩いているとそれなりに気になる酒場に巡り合うこともあるのでした。そのお店は日中はお弁当屋さんで夜居酒屋営業となるお店らしいことが張り紙なんかを眺めているとわかります。「膳」というお店で屋号も昼夜兼用のようです。入り口入ってすぐにテーブル席が有り,若いママさんのママ友たちとその子供たちがにぎやかにお喋りしたり,駆け回ったりしています。非常に愛想のいいママさんはもともと昼間の弁当屋をやっているだけだったのが,女将さんの体調が悪くて,居酒屋稼業はピンチヒッターなんだそうです。それでこのところ昼夜休みなく営業していたため,最近は日曜日はお休みしているとのこと。お通しのミニミニ冷し中華をつまみながらチューハイを飲みます。ひとり呑みのぼくのことを気にかけてくれてあれこれと話しかけてくれます。気遣いはうれしいけれど,そう長居するつもりはないのですが,どうにも立ち去りがたくなります。焼酎ハイボールをつい2杯お替りします。こちらは下町風の梅シロップ入りでありました。品書:チューハイ/焼酎ハイボール/グラス生ビール:300,冷奴/なんこつ唐揚:280,唐揚/ポテトフライ/餃子:300 亀有ではもっともすさんだ雰囲気のある飲み屋通りが西口にあります。通りには居酒屋のほか,スナックやキャバクラなども立ち並び,ここではほとんど呑んだことがないので,未訪問店を訪ねてみることにしました。入り易そうな「ガチ屋」をセレクト。入り易いといっても黒壁に暗い照明,しかも客もまだおらず一瞬の躊躇は致し方ないです。意外なことに店を切り盛りするのは若い女性ひとりっきり。平成23年の創業からひとりで続けられているようです。肴は全品:300円と明朗価格。うちは量がすごいですよ,サラダなんて目分量でどんどん盛り付けちゃいますからとのこと。お腹いっぱいなので,刺身を控え目にとお願いしました。サッポロラガー中瓶でお通しはピーマンのお浸しを流します。こういうピーマンの食べ方もいいですね。やがて,刺身二点盛(マグロ2切,鯛3切)が登場,切り身も厚くて鮮度も良さそう。これで900円とはまさに驚きでした。その後,知人と合流し本格的に呑み始めとなったのですが,ほとんど食べられませんでした。
2013/07/04
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亀有は、地縁のない方にとってはここを舞台にした漫画なんかの影響もあって下町らしい情緒漂う町でそうであるからには当然気の利いた酒場も数多くあるのであろうなと思われることでしょう。尻限りにおいては、下町らしい雰囲気を感じられると言えばせいぜいが「お好焼・おでん のり倉」や「大衆酒場 だるまや」、「江戸っ子」、「常盤仙食堂」位のもので、ビールの大瓶の380円という安さが魅了の「一力」や、おでんのタネ1個が50円からというこれまた安さが魅力の「まづいや」、新興店としてはかなり善戦している「居酒屋 祭音」や「立ち呑み 第八たから丸」もあり、こう書いているとまんざらでもないんではないかという気にもなってきますが、やはりしょっちゅう顔を出すまでにはあと一歩至らないという酒場が多く正直この日も気乗りせずに出向いたものです。S氏がどうしてだかやけに亀有にこだわるのでやって来たまででした。そんなうんざり気分が帰宅時には思いがけないハイテンションへと変化しようとは合流した時点ではまるっきり思ってもみなかったのでした。 最初にお邪魔したのは、「こぶた」というお店です。駅の南側をしばし散策、かつてはもっとうらびれた商店街であったよのお、亀有名画座はここにあったんだっけなあなどと若干感傷的になりつつも視線は居酒屋を求めます。大型ショッピングストアーを横目にうんざりとした気分で歩いていると真新しいさほど心躍らぬ雰囲気の店が目に留まりあまりだらだらうろついても益はなしと考え、ようやく踏ん切って入ることにしたのでした。客の入りはそこそこで駅から若干は慣れている割にはまあ悪くないのであろうととりあえずは胸をなでおろします。カウンターにはひとり客もいて、どうやらひとりでも使いやすそうです。チューハイを呑みながらもつ焼きの到着を待ちます。先にレバに食べるラー油みたいなのをどかどかまぶしたものがやってきて、これが思いがけず量があって、しかもうまい。食べるラー油を小振りのレバに大量に乗っけて食べるには利き手ならざる左手ではやや困難であるなあなどと思うのでした。もつ焼きは、塩がちょっときつめではありましたが肉汁感がしっかり感じられるこれまた思いがけない旨さでありました。塩振りは今後の精進に期待します。店の方は初老の夫婦にその娘さんくらいの年代の女の子と敷居も低いので今後人気店となる可能性ありと見ました。品書:チューハイ:315,もつ焼:105~,ししゃもフライ:315,ポテトサラダ:420 続いては、北側に移動。駅前をまっすぐひたすら進み、左手にある風俗街に混ざりこんでいる居酒屋に行ってみようかといくらか躊躇するものの予感のようなものがあって途中で右手にそれることにしました。環七通りの向こう側には、悪くないけ無愛想な印象のある「まかや」が見え、駅前の通りまで斜めに切れ込んだ通りの右手には味はいいけど気取った雰囲気でもう一度入るには躊躇われる入りずらい「ひぐち」があります。その向かいには、なかなか縁のないすき焼き・しゃぶしゃぶ・ふぐ・すっぽん・天ぷらという普段なら見向きもしないであろう文字が赤いテントのひさしに掛かれる「むかさ」があります。何の気なしにべたべたと張り巡らされている張り紙に注意を向けてみたところ、1,000円の晩酌セットがあります。生ビールやひれ酒なら2杯,サワーなら3杯に肴が3品でこの値段はかなり破格であろうということで早速入店。カウンターもありますが,先客2名がカウンターで残りは,2,3席と窮屈なのでテーブル席へ。本当であればもっと客席を増やすことは容易に可能な広さがありますが,なんだか雑然と散らかっていてこのままでは増設も難しそうです。どことなくくたびれた人の良さそうな夫婦だけでやっているのでこの客席数で丁度よいのでしょう。さて,サワーを頼んだぼくの元には720mlの瓶に詰められた緑茶割と氷の入ったグラスが届けられます。4杯分位入ってますとのことでしたが,途中奥さんが氷を追加してくれたので5杯分取れてしまいました。三種の肴は筍なんかも入ったもつ煮込,ふぐの皮のにこごり(多分),おかひじきの酢味噌和と旨いというほどではないもののちゃんと手が掛かっています。土日祝は飲物1杯サービスでアルコールのダメなお子様にはアイスクリームの天ぷらがサービスされるらしいのです。肴も200円位からがメインで500円の肉炒め(6種類の肉からチョイス,味付けは4種から選択)などなど安くて品数も驚くばかり。雑然とした店内にあって,一際目を惹く2台の業務用冷蔵庫にはそれこそありとあらゆる食材が詰め込まれているのでしょう。ふぐやらすっぽんの含まれたコースも2,000円からありました(恐らく)。50周年(!)サービスで純だかの焼酎ボトルが1,200円で提供されていたり,これは安いんだかそうでもないんだかなんとも言いがたいところがあります。ちぐはぐな点もいろいろありますが,何はともあれサービス精神の凄さには,日頃あまり表情を表に出さないS氏をも笑顔にしたのでした。今度は500円の刺身定食にトライするとのことであります(定食メニューに併記された1,000円で500円定食と生ビール付きはこの店の価格設定の不可解さの最たるもの)。
2013/06/11
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まだまだ堀切菖蒲園には立ち寄らねばならないお店があります。こちらもあまりにも知られた店なので改めて書き込むことを躊躇いますが、後述するとある思い違いを訂正するためにも掻き込んでおくことにしました。 移転後の「きよし」にお邪魔して、随分とありふれた店の佇まいにがっかりした記憶がありますが、改めてやって来るとやはりこの佇まいはたまらなく気分んが高揚することを確認することができました。細長い店内の大部分を占めるのが当然コの字のカウンター。少しテーブル席もありますが、カウンターが一杯になるまでは基本的にはカウンター席に通されることになります。老人グループが目立って、グループといっても話を聞いている限りでは、あらかじめ示し合わせていたわけではなく、明るいうちから社交場として利用しているようで、客たちは入れ代わり立ち代わりいずこから現れてはひとしきり満足すると他店に流れていくようです。お仲間たちとは離れた席をあてがわれても気にする風もなく、カウンターの空いている席に腰を下ろしマイペースで呑まれています。これが他店だったら、常連以外の客は席を移動してほしいなんてことを店の人から指示されるなんていうことがしばしば見られますが、ここでは店と客との一体感がそうさせるのでしょうか、仲間から離れていてもさほど気に掛ける風もなくひとりで自然に呑めるというのは気分のいい酒場ならではです。配膳を担当している娘さんもその輪に溶け込むように時折自ら用意した焼酎ハイボールとお客さんからのお裾分けのちょっとしたおつまみを摘まみながら、ゆるりと背客しています。普通の酒場で呑みながら仕事してるとしたら、眉をしかめることもあるのでしょうが、ここでは極めて自然な行為のように感じられます。この娘さん、ところでこの娘さん、このところ随分スリムになられたようですが、ここで仕事をしながらゆっくりと呑んだり食べたりするのがうまくダイエットにつながったんじゃないかと想像してみたりします。品書:ビール大:500,焼酎ハイボール:270,納豆揚/ハムかつ/ちくわ天ぷら/砂肝炒:280,馬刺:350 最後は、どうした気の迷いかとりたてて変哲のないごくごく普通の居酒屋に入ってしまいました。最後くらいはごく当たり前の居酒屋に入ってみたくなったからかは今となっては定かではありません。「居酒屋 すらっがー」というお店です。焼酎ハイボールが250円という張り紙が決め手になったのかもしれません。お店に入るとカジュアルな雰囲気の居酒屋さんという感じでそれなりの広さがあるにもかかわらずお客さんは入っていません。焼酎ハイボールが250円、290円の肴が多数あって、価格面ではかなり頑張っているとは思いますが、堀切菖蒲園で居酒屋稼業を続けていくのは生半端なことではなさそうです。便所のガンダムのプラモデルをはじめとしたオタク趣味っぽいグッズが店内のあちらこちらに置かれていますが、こうした点も渋好みの店が多い堀切菖蒲園ではどんなものかと思ってしまいます。若い店主は飄々としていて、お客さんというよりは仲間といった人たちが出入りしているように思われます。というわけで今になって考えれば別に悪い居酒屋ではないのですが,また出かけてみたくなるような魅力はなさそうでした。
2013/05/08
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さて、日を改めてまたまた堀切菖蒲園にやって来ました。今回は定番のお店に久々にもう一軒ばかり新規の店に行っておくことにします。なかなか渋い雰囲気のお店があったのを先日見掛けていたのでした。「みずき」の常連さんも贔屓にしているらしい「ふっ子」のそばにあるお店です。 「ことぶき」にやって来ました。何度もとおっていたのになぜだか通過していたのが自分でも訝しく感じられるようなまさに好みの雰囲気のさびれた風情の酒場です。早速店内に入ってみることにします。店内もまた期待通り。カウンターだけの思った以上に広いお店です。ただ残念なのがお客さんはおひとりだけ、すでにけっこう呑まれているようで、かなりろれつが怪しくなっています。70代になっているであろう大柄のオヤジさんは女将さんと時折会話を交わされながらほとんど肴もとらずに呑み続けているようです。品書きを見るとレモンサワーは300円と御値頃ですが、界隈では一般的な焼酎ハイボールがないのがやや残念。まあこの後いくらでも飲めるのでよしとします。他の酒類は堀切菖蒲園の相場からするとちょっとお高め―と言っても50円程度の差―なのもあまりお客が入らない理由なのかもしれません。加えて肴は盛り付ける程度の簡単なものが主流なので酒場に旨いものを期待している人にとっては物足りないのかもしれません。が、ぼくにとってはこれで十分すぎるほど。うちのそばにあったら、気持ち良く呑んでから塩辛やラッキョウ程度の軽いつまみで2,3杯引っ掛けるのにちょうどよいお店になるのになあ。品書:レモンサワー:300,酒1合:380,ビール中:500,チーズクラッカー:450,エイヒレ:500,塩辛/塩ラッキョ:280 ここで知人のS氏と合流。堀切菖蒲園に来たら避けて通るわけにはいかない「喜楽」に立ち寄ることにします。往年怪優・伊藤雄之助に似たでかい顔のおっかない常連が以前語ったことを信じると、こちらの焼酎ハイボールは堀切でナンバー1とのこと。「小島屋」なんて問題ではないということでした。通い始めた頃からいつも早い時間に現れて(いるはず)、ぼくが店を出てもまだまだ呑み続けているおばさまが今宵もまたおられます。この女性は上品な見掛け(喋りは江戸っ子風でちゃきちゃきと歯切れよく、しかもかなり辛口の内容)とは裏腹に恐るべき呑兵衛らしくて、立ち去るときにはビール大瓶に焼酎ハイボール用の炭酸空き瓶が少なくとも5,6杯は並んでいるので大したもの。われわれが立ち去っても閉店までは呑み続けそうなので、しまいにはどれほどの瓶が並ぶのか気になるところ。しかも顔色一つ変わらないのだから、燃費が悪いことこの上なしです。ひさびさ訪れると配膳担当のおばちゃんが変わっていたようで、ここ数か月前にこの商売をはじめたばかりらしくて、はじめての水商売にいつも緊張しているとのこと。日本堤の「大林」のオヤジ程の強面ではないものの、かなり雰囲気は似通っていて、それでもはじめて訪れた頃と比べると随分穏和になったように感じられました。ところで生姜焼きやら数品をいただきましたが、相変わらずのボリューム。うれしいのはもちろんですが、これがひとりでふらふらやって来ることを躊躇わされる理由にもなっています。ハーフサイズがあればうれしいんだけどなあ。品書:焼酎ハイボール:270,ビール大:550,肉団子スープ:300,ぶつ切/ハムカツ/串カツ:400
2013/05/07
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さしたる確証があっていうわけではありませんが、堀切菖蒲園界隈というのはもしかすると都内ではもっとも酒場の充実した街ではなかろうかと密かに信じています。そんな大のお気に入りの街であるというのに生来の飽きっぽさからめっきり足が遠のいてしまっていました。先般からのお花茶屋の飲み歩きが再び京成線沿線の酒場巡りの情熱を呼び覚ましてしまったようです。堀切菖蒲園駅の西側には幾多の名店がひしめき合っていますが、まずはあまり呑み歩きしたことのない駅東側を進み、堀切橋から伸びる通りを通過した(「哈爾濱餃子(ハルビン餃子)」のある通りのことです)地域、花菖蒲の名所として知られる公園、堀切菖蒲園の周辺をまずは物色することにします。 この辺りは道も入り組んでまっすぐと伸びておらず、複雑な迷路に迷い込んだような町なのでどこにあるかと尋ねられてもうまく答えられるか自信ありませんし、それ以前に次にたどり着けるかどうかも不安になりそうな路地のそのまた脇道のようなところに「星の花 ほのか」がありました。民家の1階が店になっており、内職程度の生業として思い付きで簡易的にはじめたような酒場にありがちなガラス引き戸の粗末な造りととなんだか乙女チックな店名の看板の立派さとのギャップになんとなく心惹かれて店内へ。店はカウンターだけで、こういう民家を無理矢理に店舗にした酒場にときどき見かけるような、土間部分に無理矢理にカウンターを設けていて客同士がすれ違うことさえままならないといったことにはなっておらず、引き戸と並行して6名分ほどが並べるようになっており、L字に折れて奥に2,3名が入れるようになっています。大抵こうした店では茶の間が座敷変わりになっていて、自宅で呑んでいるような逆に落ち着かない気分になったりすることがありますが、こちらは茶の間は店として利用していないように思われます。お客さんはもちろん常連さんばかり、それもこうした店では当たり前ですが、筋金の通った常連たちばかりで最初は訝しげな視線を遠慮なく浴びせてきましたが、優しくて感じの良い女将さんとのお喋りを聞いているうちに警戒心を解いてくれたのか、すぐにいつもの調子を取り戻されたようです。女将さんによると店は開店してから5年目(とてもそんな雰囲気には思われませんけど),このところ体調を悪くされて休み勝ちとのことでした。ご主人も寡黙ですが、ふさぎ込んでいる常連に片言ながら時折声を掛けてあげています。穏やかな気持ちの良いお店でした。ちなみに便所のスペースを客席に割いたためか、便所は外にあります。品書:ビール中:500,酒1合/ハイボール:350,チーズ/コンバター:300,牛すじ煮込:500,ニラタマ:400 次の店を求めてうろうろしますが、どうやらこの日は休みのお店が多いようです。いかにもスナック風の見てくれですが、思い切って「みずき」というお店にお邪魔してみることにしました。店内はスナックの内装をほぼそのままに、いちぶちょっと手を入れて使用しているようで酒場の風景としてはやや興ざめな感じですが、品書きなどをさっと見渡すと普通に、いやいやかなりお安いように思われます。カウンターには距離を置いてふたりの男性。女性はママさんなのかな。よくこの店に入れましたねと、実は「ほのか」で言われたそのまんまをまたもや言われてしまいつい苦笑い。堀切菖蒲園の居酒屋が好きであちこち回っているんですよと答えると男性たちはにわかにうれしそうに話に入り込んできたのでした。そのお一人は実は店のマスターでこんなに他店のことをあれこれ褒めたりけなしたりして大丈夫なんだろうかと思ってしまうほど。いずれも知った店ばかりではありましたが、いい情報ありがとうございました。ハムカツは200円なのに驚くほどおっきくてサラダもたっぷりと添えられています。土日には大きなテーブルが常連さんでびっしりとなり、カウンターまで一杯になって入りきれないほどの客が出ることもあるそうです。昼間っから大盛り上がりでカラオケは鳴りっぱなし。ぜひ今度は土日に来てくださいということでしたがそのテンションはぼくにはやや厳しそうです。常連さんから「喜楽」、「のんき」、「きよし」だったらどのお店が好みなの?という質問をされ、「喜楽」と即答したら、妙に納得されてしまいました。隠し玉として出してきた、お通しいろいろ出してくれる店知ってる?という質問にカッパハイのあるお店でしょ、「ふっ子」と言ったっけ、と答えると満足げにうなずいてくれたのでした。「小島屋」はなぜかあまり話題に上らなかったのでした。
2013/05/05
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お花茶屋のつづきです。すでにはしごした二軒はこれといって特別な酒場ではありませんが,なぜか気分が高揚しています。どうしてこんなにうきうきするのか判然としませんが,これが京成線沿線の魅力なんだろうと思うことにします。そんなわけではしご酒はまだ続きます。 続いてお邪魔したのは,「喜八」です。なんだか即席に準備されたような飾り気のないお店で,居酒屋で酒を呑んでいるんだっていう気分はあまり盛り上がってきません。肴は豊富で味もまずまず,酒もそこそこ揃っていて,いずれも値段は安いのに店の雰囲気が損させています。もう少しなんとかならんのですかね。お店の方たちもどことなく無愛想な印象でこれまた減点。若い夫婦に小さい息子の3人だけがお客で,それぞれゲームなんかしてくつろいではいるのですが,これじゃ家で呑んでるのとそんな変わりません。はじめてのお店かと思っていたのですが,3年前にふらり寄り道しているようです。外から店内丸見えなのにどうしてまた入ってしまったんだろう。品書:焼酎ハイボール/ウーロンハイ:250,牛すじ煮込/豚もつ煮込/豚レバ・カシラ・タン・トロ焼:380,デミグラス肉団子:250,冷奴:150 駅を越えて向かうとなれば定番は「東邦酒場」ということになるのでしょうが,悪い店ではなかったとは思うのですが,実はあまり楽しめませんでした。「東邦酒場」のみ青い看板の怪しい灯りがあるのみで,それ以外は照明が落とされっぱなしになったどこまでも暗い飲み屋街がかつての繁栄を偲ばせてくれてそれはそれで情緒がありますが,駅のこちら側だと「かみなりや」という酒場のほうが入りは悪いのも含めて好みでした。 駅から2,3分の「居酒屋 麻美」は,外観はいかにも居酒屋らしい居酒屋です。ところが店内に入ると,おっかない顔をしたちょっと無愛想そうなおっさんがいて,この人が主人のようです。中年の男女がいるだけで,いささか不安を感じます。おっかない主人が女将の体調が悪いのでたいしたものはできないよとやはりドスの聞いた声で言うので,まあ飲ませてもらえればいいよと答えます。このところお邪魔する酒場ではたびたびこうした事態に行き当たります。こういう古くから女将さんがひとりでやってるようなお店も高齢化が進んでいるわりに世代交代はうまくいっていないようです。早速日本酒をお燗で注文。強面主人,案外慎重に付きっ切りでお燗番に徹します。もはや肴を注文する気持はみじんもなくなっていたので,ひたすら黙々と酒を呑みます。1杯にしとけばいいのについお替りしてしまいしたたかに酔ったのでした。
2013/04/25
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京成線沿線で呑んだことのことを書くと、いつも決まり文句のように通い詰めたのでもう飽きたなんてことを綴ってしまうわけですが、実際行ってみるとその魅力にはまってしまってついついはしごが伸びてしまうことになります。この夜も当初は亀有駅界隈で呑むつもりが、ぶらぶら歩いているうちにお花茶屋駅の近くまでやってきてしまい、またもや京成線沿線の奥深さにすっかり長居させられてしまったのでした。 随分歩いてちょっとくたびれたので目に留まった「ときわ食堂」でまずは軽く食堂呑みにしました。駅から離れているせいか、どことなく佇まいから寂しい感じ。ダメかもしれないという予感で店に入ると男女3人組がいて、すでにけっこう酔っ払っています。話の内容は身内でなければしかとは伝わりませんが、どうもあまり品の良い話ではなさそう。こういうところが京成線沿線のよいところでもあり、いやなところでもあります。食堂呑みはどうしても酒代が高くつくことが多いのですが、こちらはそこそこ種類もあって、値段もまずまず安めなのはうれしいですね。肴も都心部の「ときわ食堂」と比べるとぐっとお安め。これはいいです。食堂らしくテーブル席がメインですが、2人掛けのテーブルもあってひとり客でもさほど気を使わないで済みそうです。近所にあると重宝しそうです。品書:ビール大:580,ウーロンハイ:300,酒:350,なすと肉のみそいため/肉いため/肉入り野菜いため:350,あじフライ/イカフライ:330,冷奴:220,ポテトサラダ:200 お花茶屋駅まではあと少し。「雅」というお店があります。さほどそそられる外観でもありませんし、店内もぜんぜん見えないのでやや気後れしますが、思い切って入ることにします。お花茶屋駅の界隈にはさほどめぼしい酒場がないという記憶があります。店内は外観から予想したのと違って至ってきれいなお店。壁紙も真っ白でとてももつ焼店とは思えないほどです。お手伝いしているという近所にお住いのいとこのおねえさんが帰ると店内は50代位の女将さんと二人っきり。最初は警戒感丸出しでしたが、徐々にいろいろとお話しいただけました。2012年12月に開店したばかりで、自宅は勝どきと随分離れています。毎日自動車で通勤しているそうで、客の呑んでいるのを見ても我慢しないといけないのが残念だとか。ぼくにはとてもできない商売です。チューハイは京成線沿線では常識の黄金色。これこれとうれしくなりついつい酒も進んでしまいます。お通しはもつ煮込、開店したばかりというのにちゃんとおいしいですね。まだまだ常連さんも数えるほどということですが、雰囲気もとてもいいので頑張って店を続けてください。品書:生中:380,チューハイ/ハイボール:330,もつ焼:80,ハムエッグ/ウインナーいため:300,にら玉いため:250
2013/04/24
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急遽、引っ越しを決めたA氏と呑むことにしました。以前A氏と綾瀬のとあるお店で呑む約束をしていたのですが、そのお店に入り、名物のひとつであるドリンクをとりひとりくつろいで呑み始めたはいいものの、待てど暮らせど姿を見せず、やむを得ず二名で席を確保していたので、二名分を食べつくさなくならない羽目になり大層難儀したということがありました。なので彼にとってはこのお店も当分は呑み収めになってしまうはずなので、引っ越し記念を兼ねて立ち寄ることにしました。 綾瀬の住民や在勤の勤め人たちであれば知らぬ者のないであろうお店が「串のこたに」です。とにかく激安店の激戦地域である綾瀬にあっても不動の強さを誇るお店です。じゃんぼこたにサワーは5杯分で450円とコーヒーショップの安いコーヒーなんかと比較してもその半額でサワーが飲めるんだからその安さは推し量れるでしょう。ドリンクが安い店は往々にして肴の値が張るものですが、こちらはその点も抜かりなく、串揚が5種で350円から数セットあり他のメニューもいずれも安い。お通しは王道の枝豆で量もタップリ値段も100円程度なんでしょうか。最近都内各所に密かに(どこも店名が違っている、女性の名前を屋号とする場合が多いようです)チェーン展開している、ちょっと料亭風の構えのお店のようにまずいお通しで400円取るようなこともないのがうれしいです。その割にはあまり他地域の人には知られていないようで、雑誌などで組まれる激安酒場特集なんかでも寡聞ながら見掛けたことがありません。まあ知られていようがいまいが、いつも混んでいるのは確かでただし、2階と別館もあるかなりのオオバコなので、さほど待たされずに入店することができました。2階は座敷になっていますが、大広間ではなくちゃんこ屋さんのように間仕切りされていてこのフロアーは家族連れや学生連中が通されることが多いようです。オヤジたちが通されるのはもっぱら1階でちゃんとカウンター席もあるのがうれしいことです。お出かけになったことのない方であれば会計時に気恥ずかしい思いがするくらいに安いのです。 続いてもひさしぶりにお邪魔する「お父さんの店」です。今晩はけっこうな入りですね。奥の座敷もテーブル席もいっぱいです。幸いにもカウンター席に空きがありました。このお店も小料理屋風の構えながら驚くほどの低価格が第一の魅力です。こうした店では珍しく店の前の張り紙に品書がしっかりと明記されているのは懐具合が心もとない時にはやはりありがたいものです。年配の職人然としたご主人が厨房で調理に専念、おばちゃん二人が酒や料理を運んでくれます。肴は特に手の込んだものや変わり種なんかはありませんが、いずれも丁寧に仕上げられていて量もしっかりとあっておいしいのです。以前はお客さんもまばらでひとりゆっくりと呑めたのですが、今ではすっかり人気店となり、一部の客が異様に盛り上がるような雰囲気になってしまったのはいくらか残念ではありますが、こんないい店がいつまでも知られずにいるわけもないですね。品書:ビール大:430,酒大:400,チューハイ:230,ウイスキーハイボール(S:170,W:300),メンチカツ/イナダの刺身/イナダの煮付:400
2013/04/09
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とある日曜日,近くまで所要で来ていたので,金町在住のS氏を呼び出しました。金町は良店がいろいろありますが,そのいろいろな店を行き尽くしてしまうとこれといったお店が見つかりません。S氏によるといつの間にやら閉店してしまったらしい「金波食堂」(店の女将さんの娘さんがいつも出勤時に犬を預けていたはずですが,今はどうしているのでしょう)の方面に気になる店があるというので向かってみることにしました。 遠目に安っぽいトタン看板のいかにもぼく好みの渋いお店が見えてきました。迷わずお邪魔してみることにします。「関西風串揚げ とも家」です。コの字のカウンターが厨房をぐるりと囲み,若い店主は一身に注目を浴びる舞台のような造りになっています。ところが寂しいことに観客はわれわれ2名のみ。串揚げを数品お願いするとおっとりとした動作で串に材料を刺すところからスタートです。うずらの卵は巨大な業務用の缶を開けるところからスタートなので何か一品注文させるのが狙いなのかと疑心暗鬼になります。すでに開店しているのに最低限の下ごしらえをしていないということから察せられるものがあります。なので追加オーダーはなし。串カツの肉類はボリュームはありました。ひとしきり呑んでぼちぼち腰を上げかかったところにサービスですとキャベツを出されます。ずっとそこに置かれていたことをわれわれはしっかり見ていたので,虚しくキャベツだけをぱりぱりと速やかに平らげて店を後にしました。サービスのはずのキャベツの代金はきっちりと付いていました。 仕切りなおしに「地鶏居酒屋 若」を選択。こちらは客の入りがかなりよくて,ようやくカウンターにもぐりこめました。これは期待できるかも。メニューを見るとやや高い印象がありますが,さほど気になりません。おつまみセットといったようなものをオーダーしました。枝豆やポテトフライ,鳥の唐揚などがどっさり盛られていて二人では充分すぎるくらい。値段が値段だけに味のことでとやかく言うことはありません。比較的高齢の客たちが多く,それなりのキャパがあって広いテーブルもあるので集まりやすい店なのでしょう。店のおねえさんたちはけして愛想がいいわけではありませんが,てきぱきと店を駆けずり回っていて,好感が持てます。ともあれわざわざ金町まで出向くようなお店ではありませんが,チェーン店以外の居酒屋は,日曜日や祝日になるとぐっと客の入りが悪くてわびしいことが多い中で健闘していると思われました。
2013/03/08
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またもや亀有にて下車します。前回,金町に振られ,亀有を徘徊した際に見かけたお店に行ってみるつもりでいたお店,11月の15~17日まで一周年記念のサービスがあるということなので,この間に顔を出すつもりでいたのでした。ところが,諸事情によりそれが叶わず,それでもハッピーアワーが設けられているので忘れないうちに訪れることにしたのでした。 「居酒屋 祭音」です。亀有のスナック街は駅周辺に点在していますが,なかでもうらびれた一角が駅南口の西側にあり,その外れにこじんまりとちょこんといった風情であります。店内もテーブル席を中心に20名程度収容できる位です。若い主人が一人で奮闘されており,好感が持てます。ハイサワー(と言っても単なる焼酎の炭酸割)や焼酎水割,湯割が210円と大変お安く,しかも18時30分までは100円引きのようです。焼鳥の串もこの時間は80円とありました。お通しはロールキャベツです。しっかりとした味付けに酒が進みます。焼鳥3本,焼酎3杯でなんと会計は780円と立飲みよりも安いかも。これはいい店を見つけたなあ。頑張って続けてもらいたいものです。 ついでなので,もう少しぶらついてみることにします。駅舎を通過してぶらぶらしているとついこの前まで「しちりん」だったお店が新しいお店に変わっています。それでは早速入ってみることにします。 「うまいもん串酒場 ありがたや」というなんだかあまりありがたみのない店名のお店です。値段は高からず,特別安からず,味もうまからず,まずからずとあくまで標準的な基準には達しているように思われます。そうなると客が通うためには店になんらかの個性がないといけないということになるわけですが,他店との差別化を図る何ものもないというのは辛いところ。品書:ホッピー:399(中:189),サワー:294~,串もん:126~
2012/11/21
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ふらりと金町駅で下車したはいいもののとりたてて行きたい店も思いつかず,京成金町駅の踏切を越えて飲み屋街に向かいます。この通りには良店が多くあり,「山吹」,「大松」,「伍味酉」,「松ちゃん」なども通過しますが,この夜は乗り切れません。「大渕」さえも通過して,住宅街にもしや赤提灯はないかとひたすらに歩きます。いつの間にやら「Saint Marry Church(セントマリー チャーチ)」のあるJR線の沿線を歩いています。「ブウちゃん」,「深川酒場」,「デコチャン」もやはり通過,さすがに金町で飲むのは諦めることにしました。 このまま金町を歩いていても埒が空かないと踏ん切りをつけて,常磐線各駅停車に乗り亀有駅に向かうことにしました。亀有駅でもなかなかこれという店に出会えずガード沿いを歩いていると,そういえばまだ入ったことのない居酒屋があるのを見掛けたのでとにかく入ってしまうことにしました。 「下町酒場 白虎隊」というお店で,ビルの1階にある何の変哲もないごくごく普通の居酒屋さん,それもチェーン店風の小奇麗な居酒屋さんなので普段なら躊躇するところですが,張り紙に生中:190円,大は380円,やきとり:55円とあるのを見たのが後押ししてくれました。お店はかなり広いですが,閑散としていますね。この値段でこの空きっぷりというのはやや不安になります。ところがやきとりは3本からということですがけっこうなボリュームでこれで165円は安いですね。生中も店に入ったら1杯までということもなく何杯でも大丈夫なようです。お通しもないというのは良心的です。ただ空いているので店員さんがけっこう手持ち無沙汰なようでじっと見られているような気配を感じてちょっとくつろぎにくいのが難。 あららすぐそばにも似た系統のチェーン風の居酒屋があります。「亀有酒場 たまや」です。「白虎隊」が思ったよりよくて,安く上がったので迷わず入ります。こちらも張り紙があって,7周年記念のキャンペーン期間中のようです。現在は生中が290円,まぐろ大トロが490円とのこと。数日後からはトリハイが100円,やきとりが相当安くとなるようです。珍しくマッコリなんて頼んでみました。やはり甘かったので2杯目からはトリハイを。トリハイは普段でも250円とお徳です。ちなみにこちらはお通しがあって,ポテトサラダで300円だったでしょうか。ところでここまで触れていませんが,実は50人ほど入れそうなキャパがありながら客はぼくひとりだけ。よく7周年を迎えられたものです。けして悪いわけではないのですが,カウンターが少なくひとり客は使いにくそうですし,テーブルはやたらと大きいのが三の字に並んでいて居酒屋でもっともポピュラーな二名連れにもやや不向きなようです。やきとり:80円なんてものすごいでかくてけっこううまかったんですが。案外9時過ぎになったら都心からの帰宅客で混んでるのかもしれませんね。
2012/11/10
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「まづいや」は環七まですぐの場所でした。ぼちぼち北綾瀬駅も近くなっているようです。環七を歩いていてもつまらないので裏の道を進みます。すると「まねき鳥(まねきどり)」という焼鳥屋らしき店があるので入ってみることにしました。見た目はピカピカですが,以前の記憶だと駅周辺には目ぼしい店もなかったはずなので,なんでもいいから入ってみます。けっこう広いお店で50人以上は問題なく入れそうです。カウンターに落ち着いたところで品書きをチェックします。酎ハイを頼もうと思ったらなんとグラス,ジョッキに加えて,おばけなんてのもあります。こういうときはつい無難に真ん中を選んでしまうのでした。このジョッキというのもかなりのビッグサイズで500ml以上入っていたんでしょうか。ぼんやり読書しながら焼鳥つまみつつ酎ハイをいただいていると,店の若い主人でしょうか,話しかけてくれます。悪くはないものの長くいる理由もあまりないので,実はほどほどで引き揚げたいので,こうした場合の引き際にいつも頭を悩ませられてしまいます。よく使う手が急に携帯で呼び出しを受けた振りをするというやり方で,多少の演技力があればさほど不自然さを与えることもなく気分よく送り出してもらえます。携帯の数少ない便利な点と言えるでしょうか。若い男性2名と女性1名の元気なスタッフがやっているお店でめっきりジジむしてきたぼくには元気が良すぎますが,応援したくなるような店でした。品書:酎ハイ(グラス:300,ジョッキ:500,おばけ:600),焼鳥:130 さて,あまり遅くなると帰るのが大変になるので次で最後の一軒にしておきましょう。駅からも至近ということもあって,駅から道を隔てた2階にある「葡萄(グレープ)」というとても居酒屋とは思えないような店にお邪魔することにしました。店名からは洋風のしゃれたお店を想像させられますが,実際はちょっと渋めの和風居酒屋でした。テーブル席がメインですが,ちゃんとカウンター席もあります。店主らしい女性もおられましたが,メインは若い男性スタッフで占められていてここもちょっと気合の入ったタイプのお店でちょっと面倒な気分になります。はしごした最後の店はできればばあさんが一人でやってるようなしんみりと飲めるような店がいいです。とくさしてはいますが,居酒屋としてはなかなか良くて肴の豊富さと質は価格から考えると上等な部類に入ると思われますし,従業員たちの応対も丁寧(ちょっとやかましいけど)と満足させてもらえるお店でした。 せっかくなので近隣で見かけたお店を御覧ください。 ところで,以前アド街で北綾瀬を特集した際,あたかも一般の住宅でありながら実は居酒屋を営んでいるという店(店の2階に店主たちが住んでいるような住宅兼居酒屋ではなくて住宅の一部が営業時間帯も自宅と地続きになっているようなスタイルの店)がいくつか紹介されていて,これこそ北綾瀬らしい居酒屋かと期待して行ったのですがまだ営業されているのでしょうか。次回はそういうお店に行ってみたいと思っています。
2012/11/08
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東京メトロ千代田線の北綾瀬視線の終着で始発駅の綾瀬駅からたった一駅目の駅である北綾瀬駅は、東武伊勢崎線の大師前駅や京成電鉄の京成金町駅同様どん詰まりの盲腸線の終着駅でいずれの駅も1面1線とこじんまりとしています。これらの駅は電車を利用するのももったいない位の距離で大抵は最寄駅から歩いてしまうことにしています。大師前駅を利用するときは大抵西新井駅から歩いて向かいますし、京成金町駅から柴又駅も10数分で歩けてしまいます。北綾瀬駅も綾瀬駅からは20分程度で歩けてしまいます。以前、葛飾区では定番の食堂チェーンの「味安」や酒場放浪記でも取り上げられた「丸福」に行ったときには綾瀬駅から歩いて向かったのですが、ここは車がびゅんびゅん行きかう大通りを歩くことになって味気ないので、今回はちょっと遠回りになりますが亀有駅から歩いてみることにしました。亀有駅の西口からひたすらまっすぐ進み、飲み屋街などを横目にはるばると歩いていくとまだ北綾瀬駅よりは亀有駅に近いと思われる住宅街に渋いお店が見つかったので迷わず入ってしまいました。 「お好焼・おでん のり倉」というお店です。カウンターに小上がりと座敷の中間といった畳席におやおや地元のおばあちゃん3名が仲良く飲まれています。突然乱入したぼくを見てぎょっとされています。びっくりさせて申し訳なかったですねえ。カウンターに腰掛けてビール大瓶:500円をもらいます。お客さんたちと同世代と思われる女将さんがフライパンで何やら炒めています。できあがった料理を皿に盛ってぼくの前に置きました。どうやらお通しのようです。これがたっぷりのハム入り玉子炒め。こうした料理と呼べない程度のちょっとした肴はけっこううれしいですね。おばあちゃんたちと気候の話など当たり障りない会話をしていると次々とお客さんがやってきます。毎晩のように訪れているらしい40代後半と見受けられる男性や初老のご夫婦がやってきたので潮時と思い店を後にすることにしました。 さて、一息着いてエンジンが掛かってきました。北綾瀬方面を目指してまだまだ歩きます。ちらほらと居酒屋さんがありますが、それほど気を惹かれる店はありません。もうすぐ環七というところで商店街に行き着きました。すると「まづいや」と書かれた看板があるので引き寄せられるように暖簾をくぐりました。「まづいや」というと亀有駅の東口の商店街の外れのにおでんとお好み焼きのお店があってこちらはひなびた風情でなかなかいいお店ですが、その暖簾分けされたお店なのでしょうか。亀有のお店とはぐっと趣を変えて,こちらはちょっと気の利いた和風料理店のような佇まいで気後れしてしまいそうになります。入口付近にまっすぐに伸びた白木のカウンターは立派。奥には座敷席もあってOL3人組がすでに飲み始めています。オヤジさんがひとりてんてこ舞いになっているところになっているところに女性従業員が到着。ぼくも安心しておでん数種と酒をお願いします。値段は亀有店より若干高いかな? それでもおでん種の大きさは変わらずこのキャパの店をこの採算でやっていけるのだろうかと心配になりました。ちなみにこちらのお店ではお好み焼きの取り扱いはなさそうでした(完全に二軒が同系列だと決めて掛かっている)。
2012/11/07
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金町の酒場もずいぶんはしごしてしまったので,もはや行くべき酒場もほとんど残されていないのではと身の程知らずにも思っていたのですが,実際のところぶらぶら歩いているだけではなかなかこれといった店とは出会えません。 それでも先日は,ついふらふらと金町駅で下車しました。ひさしぶりなので,「とらやベーカリー」でパンでも買って帰ろうかなと,どちらかといえば馴染み深い京成金町駅とは反対の北側をぶらりぶらりと歩きます。「とらや」はもうおしまいのようです。どんどん歩いていくと数軒食堂だか居酒屋なんかがあってそういえばここら辺は入ったことのない店がちょこちょこありました。なので,この夜はこの辺りで2軒ほどお邪魔して軽めに飲んで帰ることにしました。 最初に入ったのは「アジアン本舗餃子」というお店です。このところよくあるのですが,この店でも口開けの客となります。やはり世の中不景気なんでしょうか。とか思ったりしますが,実際近所の居酒屋を通りがかりに見ているとそう安くもないようなお店でもけっこうな入りだったりするのでわからないものです。ここは店名のとおり餃子がメインの居酒屋で居酒屋らしい飾りつけもされています。とりあえずはビールと餃子をもらってみます。餃子は店の売り出し商品のはずですがあんまりおいしくはないですね。静かな男性一人の店内で押し黙って酒を飲むということにもすっかり慣れっこになったとは言うもののあまり気勢が上がらないことは確かです。品書:ホッピー:450(中:250),ビール中:550,チューハイ:380,ジンジャーハイボール:450,マヨ餃子:320,アジアン餃子5個:250,にんにく炒飯:650,竜田揚:580,とろけるチャーシュー:480 なので早々に店を移ることにします。すぐそばにある「田吾作」という店にお邪魔しました。こじんまりした食堂風のお店を想像していたのですが,店内は思いのほか広くてまっすぐのカウンターがずらりと伸びて,後ろには細長い座敷があって,けっこうな客数を受容できそうです。数名のお客さんがいて,ひとり客がメイン。この位の入りが落ち着けます。座敷には最近開催された同窓会だかで再会を果たして後の飲み会のようで,あまり気の入らない感じの男性とやたらにはしゃぐ女性との対比がなんだか物悲しくてついつい会話に聞き入ってしまいます。メニューは豊富で本日の肉料理セットみたいなのがあってつい注文してしまいそうになりますが,すごい量が出てきても困ったことになりそうなので今回は我慢。とりたててどうってことのない店ですが身近にあるとたまに立ち寄ってしまいそうなお店でした。品書:サワー:300~,酒小:350,ビール中:500,ポテトサラダ/ジャンボ餃子:350,肉ナス炒/メンチカツ/カキフライ/肉しょうが焼:500
2012/10/30
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「三楽亭」を後にして,そのお隣は立食いソバ屋風でありながらちゃんと椅子もある渋いお店です。立ち寄るべきか否か,店のおばちゃんの視線を浴びせられながら品書きやポスターなどをチェックしたのですが,酒を扱う気配が感じられなかったので素通り。と,さらにその隣に喫茶店があるではないですか。「喫茶店 嵯峨」というお店です。とりたてて代わり映えしないありふれた街場の喫茶店です。とはいってもそれなりの年季を感じさせてくれて居心地はけっこういいのでした。お客さんはひとりも入ってないですね。女主人にアイスコーヒーをお願いして,北千住にはどれ位掛かるのかなどなど取り留めなく会話します。最初はちょっととっつきにくい感じでしたが,いろいろお話を聞かせてくれました。カウンターの背後のバックバーの上方に数々の色紙が貼られています。東京拘置所で世話になった芸能人なんかや拘置された人と謁見した著名人なんかのものでしょうか。ものすごく気になったのですが,初めて訪れてあまり質問するのも憚られたのでここはぐっと我慢。 店を出るとすぐ目の前が小菅駅。辺りを見渡しても明かりはまったく灯っていません。荒川沿いの道を歩いていてもスナックが一軒あるだけです(ちなみにお店のママさんらしき女性が裏手の自販機で飲物を買って戻ってきたところを目撃,なかなかの色気のある別嬪さんでした)。あまり小菅から外れるのもつまらないので,適当な路地を曲がったら,先ほど行った喫茶店と同じ店名「嵯峨」というスナックがあります。なにかしら縁故関係にあるんでしょうか。 更に歩くと「そば新」というお蕎麦屋さんがありますが,そばの気分ではないので,これまた通過。魅力的なオンボロの外観の「満龍軒」はお休みのようです。 途中,そば屋や「ガスト」に焼肉屋,寿司屋などを目撃しますが,居酒屋らしきものにはぱったり出会えません。 綾瀬川を渡るとすぐの場所に「Shot Bar BEE」というお店があります。酒場恋しさについ飛び込んでしまいますが,行きたかったのはこういうお店じゃなかったのだ。ほどなく店を出て,ホントに行きたかった店を探します。 歩いて10歩。小菅方面に行きがけに気になっていたお店があります。気がつかないうちに綾瀬駅のガード下のすぐそばまで辿り着いていたのですね。ということでいそいそと入ったのが「居酒屋 かりの」です。カウンター6席に小上がりに小さなテーブルが3卓置かれています。カウンターがすぐ空くのでちょっと待っててねと,お団子頭の50代と思しき女将さん。カウンターは全席埋まっています。常連さんが片づけを手伝っています。こういうお店はいい店なんだよなあ。チューハイを頼み,お通しのポテトサラダをつまみます。奥の3名は北千住から綾瀬にタクシーでやってきたとのこと。常連っぽいけどはじめてのようです。仲良しのリタイヤオヤジたちです。そのお隣は片づけを手伝っていた職人風のおっちゃん。なかなか粋な感じです。そして隣席には最常連の酔っ払いサラリーマンオヤジで,まあよく喋ること。その話のいずれもいまひとつ乗り切れないのですが,けして悪いオヤジではない。女将さんは秋田出身のふくよかな感じの良い方で,とても孫がいるようには思えないほどお若い。団子頭なので孫からサザエさんと呼ばれているそうです。といったわけでようやく念願の居酒屋に入れて満足して帰宅したのでした。 ちなみにその日は,たまたま「「ガード下」の誕生―鉄道と都市の近代史」という本を読んでいて,綾瀬駅のガード下に著者がちょくちょく訪れることが書かれていたので,ほとんどの店にお邪魔していますが(「居食屋 炭旬 綾瀬店」「かぶら屋 綾瀬店」「函館食堂 ホルモンダービー」「酒処 ぽんた」「鳥勢」「綾瀬 加賀廣」などなど),ちょっと散策してみることにします。「もつ焼 りき」はガード下とは道を挟んである店で以前は「大松」という看板が出ており(「串松」という標記もあったような記憶があります),同じ綾瀬の「大松」の暖簾分けのお店だったようです。ここが最近リニューアルしてオープン。雰囲気のいいお店でした。もっとも風情のある「立ち呑みコーナー 江戸っ子」の写真も御覧ください。 というわけで小菅は残念でしたが,いい酒場の情報があればお知らせください。
2012/07/21
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小菅は、東京都葛飾区に属した町で、荒川の東岸に位置し、綾瀬川が南北に流れ、さらに旧水戸街道が東西に横切っています。このところ恒例になった綾瀬駅で下車。駅南側のうら寂しい商店街・綾瀬中央銀座という通りをひたすら南下します。10分ほど歩くとやはりお馴染みとなった綾瀬川が見えてきます。水戸橋という立派な名を持つ橋を渡ります。 ここには昭和57年に開通した首都高速中央環状線とその3年後に開通した首都高速6号三郷線の交差する小菅ジャンクションがあります。橋の南側には,昭和52年に操業を開始した東京都下水道局小菅水再生センターがあり,北側には東京拘置所が見えてきました。 1枚目の写真には綾瀬川とその上に首都高速6号三郷線が走っています。2枚目は水戸橋から眺めた小菅の風景で,奥に東京拘置所が見えています。 橋を渡ると住宅に混じって古びた「ラーメン餃子 亜都」やたたみ屋,金物屋,雑貨屋,薬局,ガス器具屋,電気店,路地裏には大きな魚屋なんかもありますが,ほとんど人影さえ見ることがまれな土地です。店もほとんどが閉じられていて近隣の方は買い物や食事には不便するんだろうなあなどと思わず考えてしまいました。 さて,そうこうするうちに東京拘置所前に到着しました。刑事被告人約3000名を収容できる日本最大の規模を持つ東京拘置所は,かつては小菅監獄(その後は小菅刑務所)と呼ばれていました。極東国際軍事裁判(東京裁判)で東條英機らA級戦犯が拘置され,その処刑が行われたことでも知られる巣鴨拘置所(スガモプリズン)がその前身です。 面会者入場口と張り紙された門の前には拘置所の門前らしく差し入れ屋もありますが,時間も遅いためか閉じているようです。今回楽しみにしていたそのお隣の喫茶店「アイアイ」も閉まっています。近くに界隈唯一かもしれないコンビニエンスストアのセブンイレブンがあります。 ようやく見掛けた飲食店の「光安軒食堂」も閉まっています。なかなかいい感じなのに残念。無念ですが,小菅駅方面に向かうことにします。 小菅駅が見えてきました。小菅という住所は,本来は葛飾区の地名ですが,東武鉄道伊勢崎線の小菅駅は,足立区足立2丁目にあります。さて,弁当屋の並びに中華料理店が見えてきました。駅から至近にあるのでここも足立区なんでしょうね。狭い三角地の頂点にある「三楽亭」というお店です。カウンター10卓に小さなテーブル1卓があります。初老の寡黙な夫婦でやっています。短冊の品書きには書かれていませんが飲物用冷蔵庫にビール瓶が入っていたのでビールをもらいます。大関の一合瓶も並べられていますね。酷暑の中,けっこうな距離を歩いたのでビールが染み渡ります。サービスできゅうり糠漬をだしてもらったのですが,なかなかいい味です。餃子はみっちりと具の詰まって大きくて,ビールが進むのでした。でも駅の周囲に他にもよい店があるかもしれないので,これだけでお勘定します。品書:ビール中:500,餃子:350,野菜炒/ラーメン:500,レバニラ炒/肉ニラ炒:700 さて,これで弾みがつけばいいのですが。まだまだ小菅散策は続きます。
2012/07/20
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飲食店紹介サイトの機能に,新規に開店したお店を絞り込んで検索できたら便利だろうなとかねてから思っていたのですが,食べログに「ニューオープン・レストラン」というのがあったのですね。http://r.tabelog.com/japan/0/0/new_open/ 使い方はまだあまり試していないのですが,先日早速「ニューオープン・レストラン」に掲載されているお店に行ってきました。その夜はなんとなく亀有に行ってみたかったので,地域を絞り込んでいきます。絞込みの方法があまりうまくできておらず,「東京都」->「千住・綾瀬・葛飾」->「葛飾・柴又」といった具合に遷移しなくてはならず,実は使い方が未熟なだけかもしれませんが,この辺りを改善してもらえるとさらに便利になると思います。 といったわけで亀有をチェックしたところ,これまで知らなかった店もけっこう含まれていました。立飲み店もできていたんですね。屋号となんとなく地図を眺めて位置を記憶して仕事を終えるとすぐさま亀有に向かうことにしました。亀有駅を下車して北口方面にまっすぐと進みます。どんどんどんどん進みます。こんなに遠いはずはないんだけどなあ。腹も減ったし辺りを見回すと餃子屋さんがあるのでお邪魔してみることにしました。 「餃子 はまなす」です。こちらも最近開店したばかりのお店のようですが,「ニューオープン・レストラン」では見掛けなかったような(今確認してみたらやはりありませんね)。カウンターに5卓とテーブル2卓の小さなお店で,若いご夫婦でやっています。このお二人が明るくて元気で大変感じがよかったです。瓶ビール中と餃子をいただきます。もやしのナムルのようなものをサービスしてくれました。餃子は大振りで皮がもちっ,ぱりっとしていて具はキャベツ多目のあっさりしたものでなかなかですね。自信作というだけのことはあります。他にも酒の肴が揃っているので,飲み屋として充分に使えそうです。ちなみにこのお店があるのは葛飾区ではなく足立区のようです。品書:ビール中:500,サワー:300~,餃子/枝豆/メンマ/冷奴:300,おつまみ三種盛:600 通りを間違えていたのだろうと考え,もう一本広めの通りを駅方面に引き返します。これまでも存在には気付いていた「炭火焼鳥 金たろう 亀有本店」に入ってみることにしました。引き戸を開けると12席ほどあるカウンターはほぼ埋まっていて,テーブル2卓も奥のテーブル席も予約やらでほぼ満席の大人気店だったのですね。なんとかカウンターに入れてもらいます。酒類はやや高目ですが,日本酒大:520円はお徳ですね。ぬる燗をいただきます。串ものも110円から豊富な品揃えで適当に焼いてもらいます。これまでは塩が定番だったのですがなんとなく最近はタレを重用しています(ちなみに先日放送されたタモリ倶楽部で100年来のタレとか謳っている店がありますが,最初に仕込んだタレは数十年使い続けると原子レベルでなくなっちゃうそうです)。ちょうどお通しで出された味付けされていない生キャベツにつけることもできますしね。ところで,外の置き看板には亀有店とありましたが,ここが本店のようです。店内にフランチャイズ募集と張り出されていましたので事業拡張を企てているのかもしれません。串も大きくてなかなかおいしいので,まずまず使い勝手のよい店に出会えました。品書:酒大:520,ビール大:630,チューハイ:350,串もの:110~,牛もつ煮込:530,金たろう鍋:840,冷やしトマト:210 店を出てこの夜はほろ酔い程度で引き揚げようと思ったら,ちょっと歩いたところに「立ち呑み 第八たから丸」が見えてきました。ここが「ニューオープン・レストラン」に登録されていた立飲み店です。さすがにきれいですね。チューハイと開店当初なので特別価格で提供しているというアラ汁・100円也をもらうことにします。大根や人参もたくさん入ってヘルシーそうだし味もけっこういいですね。L字型カウンターに丸テーブルなど島がいくつかある一般的な立飲みスタイルのお店ですが,居心地はいいです。ただ,店長のお兄さんや従業員たちが張り切りすぎて幾分うっとおしい面もありましたが,しばらくして慣れてくれば頃合というのがわかってくるでしょう。なんて苦言を呈しながらタコとワカメの酢の物をサービスしてもらって喜んだりして。既に少なくない常連さんもいらっしゃるようです。健闘を祈ります。品書:ビール大:550,ホッピー:400,チューハイ:250,自家製ポテトサラダ/ホタルイカの沖漬/アジ刺:280,ハムカツ:330,アラジル:100 となんだか遠回りしたものの無事目的のお店に到達することができました。通勤経路や通いやすい駅などはどうしても何度も飲み歩いているので,町にも飽きてしまってあまり歩き回ることもなくなってしまいがちなので,食べログの提供するこうした情報があるとそんな町に再び訪れてみようと思うきっかけになって助かります。
2012/06/26
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青砥は案外古い酒場が少ないようですが、高砂もまた多くの個性的な酒場が存在します。新小岩周辺も駅の付近は葛飾区なのですね。ここはまだまだ隠れた酒場がありそうで今後の課題スポットのひとつです。青砥 やきとり 石松 青砥駅界隈はけっこう広い範囲を散策していますが、古びた酒場というのがあまり見当たりません。駅そばの「石松」の周辺はなんだか閑散としていますが、そこそこに年季の入ったこちらはいつも繁盛していて熱気があります。ちょっと窮屈なのが難点と言えなくもないでしょうが、おいしいからしょうがないかな。青砥 鳥広 青戸店 立石、お花茶屋なんかにある「鳥広」の系列でしょうか。ぴかぴかのお店ですが、安くておいしいので便利に使えます。青砥 鳥新 昭和38年創業の老舗ですが、店舗は改装されてチェーン店のような姿になってしまいましたが、やはり伝統の味はさすがと思わせてくれます。青砥 コーナーアオト ここも青砥では少ない渋い酒場だったのに平成22年9月11日に閉店してしまいました。ところが、その後訪れるとなぜか再開していました。外から眺めると以前とは雰囲気が違って感じられたので躊躇った末、入店せず。以前のままだといいのですが。青砥 びんご 成弘湯という路地を入った銭湯の手前にあります。銭湯そばの酒場って魅力があります。って言いながら、熱い風呂が苦手なのです。若い店主が作る肴はおいしくてのんびりと風呂上がりの夕暮れを送れそうです。京成高砂 遠州屋 高砂支店 渋い一軒家の小さな食堂。食堂のはずですが、造りはしっかり居酒屋。高砂支店とありますが、どこの支店なのでしょう。南千住・田原町・後楽園に同じ屋号がありますが、これではなさそうですね。京成高砂 とんこ 駅からさほど離れているわけでもないのに、さいはての地のような飲み屋が集まる一角にあります。使い込まれた店内で過ごすと時の過つのを忘れそうになります。京成高砂 もつ焼 ひらの 駅前すぐのこちらは、ちょっとバラックぽく、黒々と煙を吸い込んだ木目の店内も気持ちいい。とりわけおいしいとか言うこともないですがこういうさり気ない酒場が残っているのはうれしいことです。京成高砂 はし家 線路沿いにあるこじんまりとした一軒。カウンター6席程度でおばあちゃん家に来たようなのどかな気分にさせてくれます。実際お孫さんがうろうろされていたりもします。店の造りもなかなかユニークなので要チェック。京成高砂 ぶすパンダ 駅前ビル1階の飲み屋横丁の一軒。どこも味がありますが、おかあさんの人柄のよさはピカイチ。ディープさでは「ばんだい」、一番人気は恐らく「ぽん太」、使い勝手は「大衆酒蔵 みこし」京成高砂 福一 外観からは窺えない、長~いまっすぐなカウンター、奥にもテーブル席があってかなり広い店内。その店内はいつもお客でびっしり。それでも不思議と憩えるのでした。オヤジさんも愛想がいい。京成高砂 高砂家 昭和22年創業、昭和40年頃改築したという一軒屋は1階は広いカウンター。カウンターの中には渋い店の雰囲気とは不釣り合いな若い女の子が数名、これを目当ての客も多そう。でもそれを除くと見事な大衆酒場です。2階はどうなってるかいずれ見てみたいものです。 新小岩 魚三酒場 新小岩店 門前仲町の超有名酒場の新小岩店。こちらも一軒屋の佇まいがなかなかで、居心地の良さもあり、こちらが好み。
2011/11/26
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今晩は、京成本線の各駅と新小岩駅から紹介します。個人的には立石以上に魅力的な堀切菖蒲園、ここで呑んでいると、移り住みたいとふと思ってしまいます。まだまだ未知の酒場がありそうなのでまたうろつきに行きたいと思っています。堀切菖蒲園 居酒屋 ふっ子 陽気な女将さんと常連さんが楽しい庶民的な居酒屋。レベルの高いお通しを出してくれるので、これとカッパハイ:300円に入るきゅうりをぽりぽりするだけで、充分呑めてしまう。堀切菖蒲園 哈爾濱餃子 水餃子がおいしい中華料理店。店内はせいぜい5名程度しか入れないので持帰りのお客さんがメインなのでしょう。でもやっぱり作りたてを食べたいので、しばらく待つことになるかも。堀切菖蒲園 喜楽 昭和33年創業の老舗酒場。オヤジさんが鋭い眼光で迎えてくれます。焼酎ハイボール:270円を呑みながらつまむ肴はどれもボリュームたっぷり。〆に食べる肉団子スープ:300円もおいしい。営業時間が短くて夜も早いのが難点でしょうか。堀切菖蒲園 富吉 焼肉店の1階は広いカウンターを持つまさしく大衆酒場でした。おいしい肉を食べたい時に大変重宝します。いずれがっつりと肉を食べに行きたいと思っています。堀切菖蒲園 のんき 前述の「喜楽」の常連さんによると「富吉」のシロは随分味が落ちたとのことですが、それでもやっぱりうまいのです。店の渋さにも関わらずスタッフは皆若い人。最近どこかに(赤羽?)支店ができたのかな。事業の拡大が質の低下につながらないことを祈ります。堀切菖蒲園 大衆酒場 水トク(大衆食堂 水トク) 「のんき」を越えてさらに進むと横道に明かりが見えます。ひっそりと営業を続けるこちらを見掛けたときはうれしさがこみあげました。くたびれた静まり返った店内でひっそりと酒を呑むと帰宅しないといけないことを忘れそうになります。堀切菖蒲園 きよし 平成22年の移転でかつてのどこかうら寂しい感じは失われたようですが、それでも昼間から飲める環境を残しているのはうれしいですね。しかも安くておいしいものをあれこれつまめるなんてこんな酒場が近くに欲しい。堀切菖蒲園 小島屋 昭和20年頃創業の元祖ハイボールで有名な「小島屋」のカウンターで呑む酒はなぜかよく進むのでした。定番の酢納豆:250円は、こういう場所でつまむからうまいんだろうなあと思いつつ、家で試したらそれはそれでうまかったのでした。
2011/11/26
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今晩は京成電鉄押上線の2駅から。実は四ツ木は数軒呑んだだけなのでまだまだありそうな予感。立石はもはや呑んべえならずとも知れ渡った観光地と化しており、それが立石の街にとって本当にいいことなのか判断に迷いますが、かく言うぼく自身が観光気分でこの街を訪れている以上、あまり他人のことを言えた義理ではないのでしょう。呑んべ横丁に立ち並ぶ多くの酒場については、まだ数軒しか回っておらず今回は対象店はありませんが、常連が一杯でいつも入れない酒場もあったりしてきっとそこは四ツ木 ゑびす 四つ木店 昭和26年創業の有名酒場。京成立石 さくらい 奥戸街道沿いにある、気の利いた肴を安価に出してもらえる大衆居酒屋。メインの酒場スポットからは若干外れた場所にあるため、ゆったりと落ち着いて呑むことができます。京成立石 ホルモン道場 「さくらい」をさらに中川に向かって歩くと「ホルモン道場」が見えてきます。べろんべろんの下ネタオヤジがいたりして、なかなか場末な空気が漂っています。ある意味では酒場らしい酒場で、気に入りました。京成立石 ゑびすや食堂 ボロっとはしていますが、こちらは大衆食堂として備えていて欲しい役割を充分に満たしています。とにかく便利に利用できるのが魅力です。京成立石 大衆酒場 ときわ 名店とかそういう酒場ではぜんぜんないのですが、すっと入ることができてしっかり酒場情緒を味わえて、人気居酒屋の多い立石にあってはそんなさり気ない酒場が案外貴重だったりするのかもしれません。京成立石 ミツワ 立石仲見世商店街の有名酒場の一店。もつ焼のお店でいつも混んでいて入店を断られることも多いようです。京成立石 栄寿司 立石仲見世商店街の有名酒場の一店。立食い寿司屋でひっきりなしに客が行き交いますがそこが立食いのいいところ、ちょっと待てば入れます。京成立石 宇ち多゛ 立石仲見世商店街の有名酒場の一店。もっとも知られた一店であえてここで名を挙げるまでもないでしょう。いつも混んでますがお客さんもわきまえているのかさっと呑んで食べてで長っ尻の人は少なそうです。混んでいてもじっと待てばいずれ入れます。京成立石 二毛作 立石仲見世商店街の有名酒場の一店。お隣の持帰りおでん屋さんのおでんをいただける酒場。同じ通りには「鳥勝」「多じ満」などもあり、アーケード下の路面店で人目はばからず呑むのはちょっとした優越感を感じることができます。京成立石 毘利軒 線路沿いにある串揚げの立飲み屋さん。安くて、うまくて、早いので立石のはしご酒の皮切りとして利用する人も多いのでは。ただし出遅れると常連さんで一杯になるので注意が必要。京成立石 ホルモン屋 線路沿いにあるホルモン屋、というかもつ焼のお店。ここはなぜか何度も空振りしてようやく先日入ることができました。こじんまりしたカウンターで初老の御夫婦の人柄に癒されます。京成立石 おおくぼ ここで踏切を渡り呑んべ横丁のある方面に移動します。ひときわ年季が入っている「おおくぼ」は、酒場というより大衆食堂の印象に近いかもしれません。京成立石 立飲み さくら 立飲みとありますが、訪問時には椅子有。駅から近くて、早くて、安くて、うまいと近所にあると非常に重宝しそう。チケット制というシステムは、良心的に商売さえすれば常連を引き留めるためにすごく有効です。京成立石 蘭州 こちらも有名中華料理店。老舗の庶民派中華料理店のそっけない内装ってなんだか憩ってしまうのですね。某店でとある客の会話をぼんやり聞いていたとき、「最近「蘭州」って味が落ちたんだよね」なんて語っていましたがそんなことない充分おいしいです。京成立石 江戸っ子 昭和48年創業の個性的な女将さんのいる大衆酒場。もと親分さんとその手下風の兄さんの会話に混ぜていただき楽しいひとときを送ったこともあります。読書禁止ってルールが楽しいですね。陽気な気分の時にはさらに陽気にしてくれるような酒場です。京成立石 秀 小奇麗な店でぼくの趣味からはやや外れますが、それでもこちらの肴のおいしさはやはり特筆すべきでしょう。
2011/11/24
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葛飾区は、東が江戸川を挟んで千葉県松戸市に、北は大場川を挟んで埼玉県の八潮市や三郷市に接しています。東京都の最末端にある土地になります。『男はつらいよ』で知られる柴又帝釈天、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主たる舞台の亀有、花菖蒲の名所である堀切菖蒲園などがあります。 葛飾区は、好きな酒場が密集する個人的なベスト地域です。金町、立石、堀切菖蒲園など名店が数多くある街が含まれており、まだまだその全貌は掴みきれていません。あまりに御紹介したい酒場が多いので3回に分けてお伝えしたいと思います。 1回目は常磐線各駅停車の3駅、綾瀬・亀有・金町から。綾瀬駅の南側は葛飾区でしたね。前回の足立区でも綾瀬駅から多くの酒場を紹介しましたが、南側はそれを上回るすばらしい酒場があります。『こち亀』で下町っくて活気ある商店街が広がっていそうな亀有駅は案外古い酒場の残っていないエリアです。駅前もすっかり様変わりしました。京成線の走る金町はやはり名酒場が多く残っています。それでも駅前には巨大なマンション・テナントビルが建ち、駅前の景観はどこにでもありそうな平凡な街となんら変わらなくなっていますが、亀有と違いしぶとく商売を続ける酒場がまだまだあります。綾瀬 駅前酒場 近頃めっきり見掛けなくなった「駅前酒場」の屋号がまずうれしい。広いコの字のカウンターに腰掛けて、チューハイをすすりながら、季節感あふれた珍しい肴をいただくことができるなんて、ここは素晴らしい酒場です。綾瀬 もつ焼 笑店 うなぎの寝床のような奥深く伸びる店内にわくわくさせられます。普通のもつ焼を安心価格でいただけます。綾瀬 お父さんの店 駅から少し歩くとこんな酒場もあるんですね。なんてことのない一軒屋の酒場ですが、低価格で魚の煮付けなどおいしい肴を出してもらえます。亀有 一力 ビール大瓶:380円など安さが魅力の酒場。プレハブ造りのチープな感じの店内で、あと20年位頑張ってくれると風格が出てくるかも。亀有 まづいや 安くてほどほどにおいしいおでんが売りの店。お好み焼も食べさせてもらえるようです。持帰りもやっていて、昭和48年創業という店内から買い物客を眺めながら呑む酒もまた良しです。亀有 大衆酒場 だるまや 店の前には自転車がびっしり、地元常連さんが好む良心的な酒場の典型的な光景です。狭いカウンターと常連さんが集う小上がり、いずれもくつろげます。肴の量が多いのもうれしいところ。亀有 江戸っ子 昭和41年創業の亀有の有名酒場。1階は焼場前での立飲みも悪くないし、カウンターではオヤジたちが眼光鋭く飲んでいます。2階に上るとこれまた広々としたカウンターが広がっていますが、こちらは幾分おとなしめな雰囲気。金町 ブウちゃん 昭和33年創業の金町の有名店。駅からは少し歩きますがいつも大盛況。名物のシークワサーハイ:300円ともつ焼き:80円をいただく幸福。でも次から次へお客さんが来るのでさっと引き揚げるのが粋かな。金町 大渕 京成金町駅脇の踏切を越えるとうれしい呑んべえ通りが続きます。5分ほど歩いたどん詰まりがここ。オンボロな外観ながら「ブウちゃん」を上回るおいしいもつが食べられます。ひとりだと5人ほどが座ると窮屈なカウンターに案内されるので、できれば2~3人でテーブル席が楽かな。金町 よっちゃん こちらは呑んべえ通りの一番手前。ガラス張りの扉には黒いフィルムが張られており一見さんを寄せ付けない雰囲気。何度か訪ねて入れなかったのはたった7席のカウンターのみの狭い酒場だったからでした。軽く一杯呑んだだけなのにちょっとおっかない御主人は愛想よく送り出してくれたのでした。金町 大松 呑んべえ通りの横道に入った小奇麗な居酒屋さん。上品な店内なのでお値段お高めかと思いきや良心的な価格で丁寧に調理された肴をいただくことができます。金町 ゑびす JR駅前のビルの谷間でがんばって商売している酒場の一軒。コの字カウンターに腰掛け、酒場の肴の定番が並ぶ短冊の品書きからあれこれ悩みながら一品を選ぶ楽しさ。金町 大力酒蔵 「ゑびす」のお隣のこちらも同じような店内。ただ各人の前に網の焼台が置かれ、自分で焼いて食べるスタイルです。焼物もいいけど牛スジ煮込:380円が濃厚デミグラスソース風味で絶品。金町 金波食堂 肴がうまいとか、酒が安いとか、そういった明らかなお勧めポイントはありません。ただこのオンボロ食堂でまったりとした時間を過ごすのも悪くないと思います。金町 みやご こちらもこじんまりしたもつ焼屋さん。殺風景な狭い店内で何も考えずのんびり過ごすのも悪くないと思います。柴又 酒場 春 寅さんの柴又はほんとにちっちゃな町なので、飲み屋もやはりあまりありません。駅前の広場に軒を並べた店舗の一店であるこちらは、とりわけすごい酒場ではありませんが、酒場気分は十分堪能できます。
2011/11/23
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