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最近テレビや雑誌で60代だけではなく70代や80代にフォーカスした「豊かで有意義なライフスタイル」特集をよく見かけるのだが、ひと昔前は定年を迎えたり子育てがひと段落したりすると「あとはのんびりゆっくりすごしたい」という将来像をもっている人が大半だったという。ですが100歳まで生きることが珍しくなくなったいまでは趣味に打ち込んだり、精力的に仕事を続けたりすることで人生を余すことなく楽しみたいとイメージする人が増えてきたという。しかしいくら理想的な老後のプランを練っても病気になった、寝たきり生活になってしまったりすると元も子もなく、どうしたら死ぬまで自力で立ったり歩いたりしながら自分らしい毎日を送れるのかを知るには、「介護が必要になった主な原因」の統計にあるというのだ。 データによると「骨折・転倒、高齢による衰弱、関節疾患」が原因の35パーセント以上を占めているように、「関節の痛みがなく、丈夫で、転ばないからだづくり」こそが、寝たきりを回避し、健康寿命を延ばすポイントだといえるのだという。死ぬまで自力で歩きアクティブに生活しつづけるためには「関節の痛みがなく、丈夫で転ばないからだづくり」が大切なのだが、コロナ禍以降に「足がもつれてうまく歩けなくなった」とか「よく立ちくらみを感じるようになった」という人が増えたそうなのだ。外出や運動の機会が減ってからだの活動量が減ると首や背中が正しく伸びたバランスのよい姿勢が保てなくなり、筋肉が衰えて重い頭を支えきれなくなると、頭の位置が前方に下がっていき、次第に猫背になりからだ全体が前のめりに崩れていくのだという。 バランスの悪い姿勢で歩くと上半身の重みがつねに前方にかかりつまずいたり転んだりしやすくなるそうで、足底には脳に正しい姿勢を伝えるための神経伝達物質があって、足底の筋膜が十分に発達していないと脳への伝達がうまくいかず、立ち上がった際に頭のポジションをどこに置いたらいいかからだが一瞬混乱してしまい、頭がグラグラと不安定になって立ちくらみが起こりやすくなるそうなのだ。整体師は「靴底のすり減り方をチェックしたほうがいい。すり減り方に癖がある人はかかとの骨が歪んでいるため気づかぬうちに足腰に負担をかけてしまっている。老後も健康でいるためには『姿勢よくのびのび歩く』ことを意識してほしい」というのだが、かかとの歪みが解消させしっかりとした足底の筋肉ができて効果的に歩くことが重要だという。 人のからだは年齢に比例して老けていくわけではないが筋肉も骨もジワジワと衰えていくことは避けられず、だからこそからだに感謝をしながら、操や生活習慣でしっかりメンテナンスをすることが重要なのだという。関節に痛みがあっ、立つことすらつらいという人が地道に体操を続けていると、1歩踏み出せるようになり3歩歩けるようになりついには杖をもたずに外出できるようになったという事例も多いという。必要なのは頭を支えられる正しい姿勢のキープ力だが、それにはかんたんな体操や生活習慣の見直しで十分だそうで、転ばないフラつかないからだつくりをするだけでよいのだという。立っているときや歩いているときに正しい姿勢をキープできることこそがいつまでも健康で歩き続けるコツなのだという。 特にかかとはわたしたちのからだを支えている土台で、この土台が歪んでしまうと骨や関節が次第にズレてしまい全身のバランスはみるみる崩れてしまうそうなのだが、するとからだを支えるためにつねに余計な筋力を使うことになり立っているだけでドッと疲れてしまうのだという。かかとを整え一生歩ける足をつくるために、体操だけでなく爪や角質の手入れもいっしょに行うことも大切だそうで、足の爪は切りすぎもよくないし伸ばしすぎもよくないそうで、こまめにチェックして適切な長さに整えるとよいそうなのだ。靴のサイズが合っていないと巻き爪になるので購入の際はきちんとフィッティングしてサイズを確認すべきだし、骨や関節だけでなく足底の筋肉や筋膜を強化することもポイントになるのだという。
2024年11月23日
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国際刑事裁判所はイスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相に対し戦争犯罪と人道に対する罪の容疑で逮捕状を発行したと発表したそうなのだが、国際刑事裁判所判事らはネタニヤフ首相とガラント前国防相が「パレスチナ地区ガザの民間人に対する広範かつ組織的な攻撃」において、殺人・迫害・飢餓について刑事責任を負っていると信じるに足る十分な根拠があると述べている。イスラエルはパレスチナ自治区ガザにおける戦争犯罪を否定し、これに関する国際刑事裁判所の管轄権を認めていないが、国際刑事裁判所はイスラエルが非加盟国であっても管轄権を受け入れる必要はないとして、戦争を優位に進めるためにガザ市民の「飢餓」を利用している疑いを指摘している。 国際刑事裁判所はある国の政府がある個人の戦争犯罪について捜査・訴追を行う能力や意思がない場合に、その国の政府に代わって国際刑事裁判所が捜査し裁判を行うなど個人の国際犯罪を裁く常設の国際裁判所で、国際連合全権外交使節会議において採択された「国際刑事裁判所ローマ規程」に基づき2002年7月1日に設置された国際裁判所で、国際関心事である重大な犯罪について責任ある「個人」を訴追・処罰することで、将来において同様の犯罪が繰り返されることを防止することを目的としているという。国際人道法に対する重大な違反のみを対象として侵略犯罪についてはその定義が明確に定められていなかったが、2010年の再検討会議にて協議が行われ改正条項が採択されている。 国際刑事裁判所は日本をはじめ世界124か国が締約している一方で、イスラエル等批准していない国も多く、特にアメリカ合衆国・中華人民共和国・ロシア連邦の三か国は未加盟で有効性を疑問視する見方もあるとされている。また国際司法裁判所と混同されることがあるが、国連の常設司法機関である国際司法裁判所は領土の範囲など「国家間の法的紛争」の解決を役割としているのに対し、国際刑事裁判所はあくまで「個人」の戦争犯罪などに関する刑事責任を明らかにして処罰を科し将来の同種犯罪抑止を目的としていて全く別の存在となっている。また国際刑事裁判所は国連からも独立しその協力関係は2004年7月に「国連と国際刑事裁判所の地位に関する合意」を締結したことによって成り立っているのだという。 パレスチナ自治区ガザ地区ではイスラエルとハマスの戦闘は昨年10月に勃発しており、ガザの保健当局によると今月でガザ側では4万人以上が死亡しているとされている。イスラエルは国際刑事裁判所非加盟のため捜査への協力義務はないが、ただ日本など国際刑事裁判所に加盟する120以上の国・地域を訪問すれば逮捕される可能性があり、外交活動が大きく制約される可能性があるといわれている。ネタニヤフ首相は声明で「反ユダヤ的」と非難し、「イスラエルは国際刑事裁判所がイスラエルに対して行った不条理かつ虚偽の行為を、嫌悪感を持って拒否する」とし、イスラエル国民を守るために「圧力に屈することはない」と言明している。6月に戦時内閣から離脱したガンツ前国防相も「道徳上の盲目さ」と呼び非難している。 一方のハマスは声明でネタニヤフ首相とガラント前国防相に対する逮捕状を歓迎した上で、責任追及をイスラエルの指導者全員に拡大するよう国際刑事裁判所に求めており、ハマス幹部は「イスラエル人に対する逮捕状は被害者に正義をもたらす重要な一歩としつつも、全ての国が実質的に支持しなければ、限定的な一歩にとどまる」という見方を示しているという。欧州連合の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は、今回の国際刑事裁判所の決定は政治的なものではないと強調したうえで、尊重され実行される必要があるとし「ガザでの悲劇を止めなければならない」と述べている。また「ガザで起こっているのはジェノサイドではない」と断言しているアメリカの対応にも関心が集まっているという。
2024年11月22日
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現在の公的年金制度では会社員や公務員など厚生年金の被保険者である「第2号被保険者」の配偶者で、被用者に扶養されている人は「第3号被保険者」とされているのだが、基礎年金の保険料を払わなくとも基礎年金を受けられることになっている。こうなっている理由として「第3号被保険者については、配偶者が納める厚生年金保険料の中に第3号被保険者の分の保険料も含まれているため、保険料を納めなくて良い」ということで、つまり「独身者も含めた厚生年金保険被保険者全体で第3号被保険者の基礎年金保険料を負担している」と説明されているというのだ。しかしこれはいくつかの面で不公平な制度だという批判があって長年にわたって検討がなされてきたのだが、これが「第3号被保険者問題」なのだ。 「専業主婦」というキーワードが話題に上がっていた今日このごろだが、話題の発端となっていたのは「第3号被保険者」を廃止すべきという主張で、第3号被保険者の廃止についてさまざまな意見が飛び交う中で専業主婦の是非が問われているのだという。専業主婦とは一般的に結婚後仕事を持たずに家庭を守ることに専念している女性を意味し、仕事をしていないため収入がなく第3号被保険者として保険料を支払わずに健康保険に加入しているケースがほとんどなのだが、それに対して「ずるい」とか「不公平だ」という不満が飛び交っているのだという。自身の収入がない・保険料や税金を納めていない専業主婦の多くは、第3号被保険者で、自身が保険料を支払っている人からすると同じ待遇を受けるのは不公平だと感じるのだという。 総務省統計局によると1980年ごろには専業主婦が共働き家庭の約2倍いたそうで、2000年ごろにほぼ同数となりそれ以降専業主婦は減少し、近年では共に働き生活を支える夫婦が主流になっているという。第3号被保険者が廃止になると専業主婦はどうなるのかだが、収入がないなかで自身の保険料を負担する必要が出てしまい、これは家計にとっては大きな負担となって妊活や子育てがしにくくなり、少子化を加速させる恐れもあると言われている。その一方で第3号被保険者制度は女性の就労を阻害する要因のひとつという考え方もあり、第3号被保険者という立場に甘んじでいるという考えや、第3号被保険者でいるための条件として定められている所得の上限が就労にブレーキをかける原因になると考えられているという。 減少の一途を辿る専業主婦だが、専業主婦を対象に「専業主婦でいる理由」を調査したところ「子育てに専念したい」と回答した人が36%という結果になっており、「働く気がない」と答えた人を加えると52%もの人が自身の意思で専業主婦を選んでいるのだという。また専業主婦に関する投稿では「専業主婦はずるい」という意見がある一方で、「地域の平和は専業主婦に支えられている」という肯定的な意見も見られているという。この制度が適用できるのは、婦の収入が一定額未満の場合なので女性の就業に抑制的な効果があるとの批判があり、年収106万円または130万円に達すると年額で約16万円または約27万円の負担が生じ手取りが減ってしまうため、労働時間を調整してしまうという「年収の壁」と言われる現象が問題となっている。 専業主婦の是非においては否定的に捉える人は一定数いるものの思った以上に肯定的にその存在を認める人がいるそうで、働き手不足の社会を支え働くママのロールモデルとして働き方を開拓するという役割を担うワーキングマザーがいる一方で、専業主婦は学校や地域に根付いて子どもたちの生活を見守り下支えしているともいえるのだという。子どもの日常に大人がいるという安心感を与えていると考える人も多くおり、もし第3号被保険者が廃止になったら専業主婦でいたい人や専業主婦でいるしかない人が苦労することは明白だという。それぞれの事情や判断があってのことなのだが、ワーキングマザーと専業主婦を優か劣かで判断せず、それぞれの役割があると受け入れられる社会になることが大切なのだという。
2024年11月21日
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ロシアとウクライナの戦争が長引くなか、ジョー・バイデン米大統領はウクライナに対し、米国製の長射程ミサイル「陸軍戦術ミサイルシステム」を使用してロシア領内深くに攻撃することを承認したと報じられたが、バイデン政権の今回の決定に詳しい3人の情報筋の話として「ウクライナに対し、アメリカが提供する兵器をロシア領内の攻撃に使用することを許可する予定であり、国境深くの最初の攻撃は数日中に行われる可能性が高い」と報じている。使用されるのは最大射程300キロの「陸軍戦術ミサイル」になる模様だとされ、ウクライナは何カ月も前からロシア領内への長距離攻撃の許可を求めてきたが戦争の拡大を恐れてこれを許可しなかったという。ロシアが北朝鮮兵をウクライナ戦線に派遣するということで政権の考えは一変したそうなのだ。 西側諸国ではバイデン米国大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対しウクライナでの戦争でプーチン露国大統領氏が軍事的に勝つことはないと伝えるものと受け止められているそうだが、これを受けロシア外務省はそうした攻撃があれば「適切かつ具体的な」対応を取ると表明したそうなのだ。そのうえで自国領土への米製ミサイルによる攻撃は「アメリカとその衛星国がロシアへの敵対行為に直接関与することを意味する」としたのだという。ウクライナによる西側ミサイルを使ったロシア領土への攻撃をめぐっては、そうしたことがあればウクライナでの戦争への北大西洋条約機構加盟国の「直接参加」を意味すると述べており、今回の事項に関しては「アメリカが、火に油を注いでいる」と批判したそうなのだ。 ロシアは2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始しており、侵攻開始から1000日がたつわけなのだが、現在戦場では双方が膠着状態に陥っているとみられ、ロシアはこのところウクライナのインフラへの攻撃を強めているという。こうしたなかアメリカ政府はこれまで「陸軍戦術ミサイルシステム」を使用してロシア領内深くに攻撃する措置は戦争の激化につながると懸念して、ウクライナに認めてこなかった。アメリカ政府の方針転換はウクライナが8月から占領してきたロシア西部クルスク州の状況が理由だと言われており、ロシアに協力する北朝鮮兵がこのクルスク州に派兵されたためアメリカは今回の決定に踏み切ったものとみられ、米国務省のパテル報道官は占領地のクルスクの動向について「非常に懸念している」と述べている。 ウクライナのゼレンスキー大統領は「ミサイル攻撃とは言葉でするものではない。ミサイルそのものが雄弁に語る」と述べているが、提供されたミサイルを使うだけではおそらくこの戦争の潮目を変えることにはならないという。これはロシア軍がすでに今回のような決定を見越して戦闘機などの装備をクルスク州より国境から遠い国内奥深くに移動させているかれで、しかしウクライナ東部でロシア軍が前進を続けウクライナ軍の士気も落ちているだけに、今回の決定はウクライナ軍にとって朗報となるかもしれないという。アメリカ政府による決定は他の西側諸国に波及効果をもたらすものとみられ、イギリスやフランスはそれぞれがウクライナに提供している長距離巡航ミサイルについてもロシア領内での使用を許可できるようになるという。 ブリンケン米国務長官は「われわれは、ウクライナがロシアの侵略から効果的に自国を防衛できるよう、ウクライナのために行っているすべてのことを強化し続ける」としているが、今回の決定に直接かかわらないものの今後大きな影響力をもつのがトランプ次期大統領で、次期大統領の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏は「軍産複合体はどうやら、うちの父が平和を実現し人命を救えるようになる前に、第3次世界大戦を確実に始めておきたいようだ」と今回の決定を非難している。ウクライナ侵攻をめぐって欧米の制裁を受けているロシアにとって重要なパートナー国家となっている中国の習近平国家主席は「ウクライナ危機の熱を冷まして、政治的解決を模索するよう世界のリーダーらに訴えた」という。
2024年11月20日
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兵庫県知事選挙で再選を果たした斎藤元彦前知事に対しパワハラなどの疑惑を調査する県議会の百条委員会が開かれ、予定されている証人尋問に出頭を求めることが決まったという。斎藤前知事の再選を受けて疑惑を調査する百条委員会は今後のスケジュールなどが話し合われたのだが、証人尋問には元幹部職員の告発文に記載された7つの疑惑や、公益通報者保護などについて尋問が行うため斎藤前知事に出頭を求める方針が示され委員会で了承されたという。委員からは「年内をめど」としていた調査報告のとりまとめについて「もう少し時間をかけるべき」との意見も上がったというが、奥谷委員長は「調査を最後までやり遂げることで粛々と調査を進めることが大事。これまで通り調査を進めることに徹したい」と述べている。 前知事の失職に伴う兵庫県知事選の投開票が行われ、斎藤前知事への逆風が吹き荒れる中で対抗馬として出馬した元尼崎市長の稲村和美氏が圧倒的な優位と言われてきたが、 ふたを開けてみれば、斎藤氏が110万票あまりを獲得して再選し、稲村氏も97万票と迫るも及ばず新人6人を破って2回目の当選を果たしている。知事選の投票率は55.65%と前回を14.55ポイント上回る注目を集めた選挙となったそうなのだ。当確の連絡に斎藤前知事は「多くの方に応援していただいた。本当に嬉しく思います。 県職員の皆さんとの関係ももう一度スタート、県議会の皆さんとも政策を前に進めていく。あらゆる県民のみなさんとオール兵庫で、県政を前に進めていくことが大事」と答えたという。 斎藤前知事はこれまでの取材で「再選ならば大きな負託を新たにいただいたことになる」と強調してはいるが、告発文書問題を招いた責任の「みそぎ」になるとの考えを示していたそうで、再選を受け1期目に取り組んだ改革をさらに強力に進めると見られている。今回の選挙戦は臆測に基づく主張が飛び交ったり街頭演説の会場で小競り合いが起こったりするなど異常な事態が発生しており、その中でも竹内英明県議が家族から「政治の道から退いてほしい」として議会事務局に辞職願を届け出たことが明らかになっているが、斎藤前知事に反対する県議会議員は、選挙期間中に「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が街頭演説を行い「引きこもってないで家から出てこい」と言われたことを明かしている。 この結果に最も衝撃を受けているのは県職員かもしれないといわれていて、「兵庫県職員はみんな転職した方が良いし、今兵庫県に就職を考えている人は絶対やめたほうがいい。危険すぎる」とか、「県庁職員何人辞めるんだろうな」などと心配の声があがっているそうなのだ。斎藤前知事が県議会解散ではなく出直し選挙を選択して再選を果たしても「知事選に当選しただけでは不信任決議をひっくり返すことはできません。それほど不信任決議は重たいものなのです」との意見もあり、今回の選挙が禊にはならないともいわれている。また選挙期間中にパワハラ疑惑告発文書について「捏造だったのでは」という説だけでなく、「既得権益に歯向かっていった斎藤氏が陥れられた」というような陰謀説までが広まっていたという。 県議会調査特別委員会や第三者委員会で告発文書問題の追及は終わっておらず、近く議論が再開される予定となっているが、昨年に行われたプロ野球優勝パレードへの協賛金集めでは金融機関への補助金を増額した疑惑もくすぶっており、新たな事実が明らかになれば県議会や県民からの批判が高まり斎藤前知事の県政運営に影響が出るのは必至だという。全会一致で斎藤氏の不信任を決議した県議会では全面対決から一転して協調路線を取る動きが出始めていて、再度不信任決議案を提出することは制度上できるが斎藤前知事が勝利したことで慎重意見が広がっており、県議会第2会派の維新の会の岸口実団長は「選挙で民意を得て再選された結果は 真摯に受け止めないといけない」と述べている。
2024年11月19日
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「手取りを増やす」と訴えて総選挙で躍進した玉木雄一郎国民民主党代表の主張がサラリーマン層の共感と支持を呼んだのは、われわれの「手取り」が自民党政権で大きく減らされてきた現実があるからだが、玉木代表が自民党に突きつけた「手取り」を増やす具体的な策が「年収の壁」といわれる課税最低水準を現在の103万円から178万円に引き上げることだという。サラリーマンの所得税・住民税は年収か基礎控除や給与所得控除などを差し引いた金額に対して課税されるが、この基礎控除を増やして「年収の壁」を178万円に引き上げれば年収178万円以下の人が税金ゼロになるだけでなく、年収300万円なら税金の減少で手取りが11.3万円増えなどすべての年収で手取りがアップするのだという。 これに対して政府は玉木代表の要求を実施すれば所得税・住民税合わせて7.6兆円も税収が減るという試算を発表し、与党内には「そんな財源はない」と反対論が強いという。この「103万円の壁」の見直しについて地方自体は、「かなり大きな規模の減収が想定され、財源の手当てを講じることなしには地方としてとても受け入れられない」と述べ危機感を示している。そして国に対し「政策の目的を明確化してどの程度の規模で、どのような人を対象にするのか絞っていく議論が必要ではないか。それでもかなりの規模の減収が想定されるのであれば、地方財政に恒久的な財源を構えてもらいたい」と求めているが、これまでにサラリーマンが手取りをどれだけ減らされてきたかを見ると玉木代表の主張は当然だという。 消費税率の引き上げや所得税の増税は国民には負担増がはっきりわかるため激しい反対が起きるが、控除の廃止・縮小は負担増が見えにくいため反対の声は大きくなりにくいという。こうした「隠れ増税」で手取りがじわじわと減らされていったのだが、社会保険料引き上げと各種控除の廃止・縮小による税負担の増加を合わせると年収600万円のサラリーマンの手取りは20年前の503万円から10年前は約482万円で現在は474万円と20年間でなんと約29万円も減っているそうなのだ。企業負担分も含めれば政府に抜き取られる税・保険料の増加分は実に約48万円で、「年収の壁」が178万円に引き上げられて、年収600万円のサラリーマンの手取り増は15.2万円でサラリーマンの手取り減を穴埋めするには全然足りないという。 特にサラリーマン以上に手取りが減らされてきたのは年金生活者で、とくにこの10年間は凄まじい勢いで年金が減額されているそうで、まず第2次安倍政権下に年金水準を一律2.5%引き下げられている。さらに10年前からそれまで行なわれてこなかった物価上昇時に年金額を実質減額する「マクロ経済スライド」を5回実施して単純な合計で2.2%引き下げられている。 さらに今年4月には毎年なされる年金改定の際に物価と賃金がともに上昇した場合は支給額を伸びの低いほうに合わせて改定するという年金を目減りさせる新ルールが実施され、その結果物価は現在までに約12%も上昇しているのに、年金支給額の伸びは3%程度に抑えられ実質1割近い減額を受けて高齢者の生活は急激に苦しくなっているという。 これまで財源について明言していなかった国民民主の玉木代表は「去年は使い残しの予算が7兆円で、一昨年は11兆円ある。税収も去年は見込みより2.5兆円上振れしている」とか、「精査すれば7兆円くらいの減税は十分できる」というように、要するに余った税金を財源にすればいいという考えらしいが、この「財源論」には批判が噴出しているという。実際に毎年約8兆円も剰余金が出てくる保証はどこにもなく、昨年に税収が上振れしたのも物価高の影響が大きく「恒久減税」の財源にならないのは明らかだという。「手取りを増やす」と訴えて総選挙で躍進したが財源がネックとなって減税が実現しなかったり、小規模に終わったちしたら納税者からの批判は自民党だけでなく国民民主党にも向かうのではないかといわれている。
2024年11月18日
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知事の失職に伴う兵庫県知事選挙が10月31日に告示され過去最多となる7人が立候補しているのだが、期日前投票を終えた有権者が77万人以上だったそうで、過去最高だった前回選挙を上回っていて大きな関心を集めているためとみられている。候補者による舌戦が熱を帯びていて世論調査では新人で前同県尼崎市長の稲村和美氏を前知事の斎藤元彦氏が追う展開となっているそうで、候補者はそれぞれの戦略で投票日まで支持の拡大を目指しているのだという。稲村氏は県内の首長との連携を深める戦略を取っていて街頭演説し「現場の首長と信頼関係が築けていない県政を、このままにしておけない」と力を込めているが、県市長会は斎藤前知事に対して内部告発問題による県政の混乱を早期に収拾するよう求めている。 稲村氏の陣営には市長会の首長が応援に駆けつけるケースが目立ち川西市内での街頭演説では越田謙治郎市長が「稲村氏は新しい県政をつくってくれる」とエールを送ったという。元尼崎市長の稲村氏も立候補表明後に知名度不足が課題だった県北部や西部の自治体に出向き地元市長らと面会して支持を求めるなどしてきているが、首長以外にも自民の一部県議や立憲民主党に国民民主党の議員らが自主的に支援しているという。稲村氏は選挙戦後半に大票田の神戸市や阪神地域などの都市部を中心に活動し、当初は1日数回だった街頭演説を倍に増やしたそうで、陣営幹部は「斎藤氏にここまで迫られるとは思わなかった。支持基盤を固めた上で、無党派層も取り込みたい」と話しているという。 斎藤氏は自身のパワハラ疑惑などの内部告発問題で県議会から全会一致で不信任決議を受けて知事を失職しているが、陣営では無党派層を取り込むためソーシャル・ネットワーキング・サービスを積極的に活用して街頭での活動を地道に投稿しており、その数は知事を失職した直後の9月末約7万人から倍以上の約16万人となったそうなのだ。街頭演説を行うたびに大勢の人が集まり写真や動画を自身のソーシャル・ネットワーキング・サービスに投稿する人も多いというが、陣営関係者は「最後まで力を抜かず、さらに支援の輪を広げたい」と話しているそうなのだが、斎藤氏の支援に乗り出す多くの市の市議らは選挙戦が進むにつれて増えており、ある議員は「『次世代への投資』を訴える斎藤氏が政策的に最も近い」と話している。 自民県議団は知事選で斎藤氏の応援を禁止した上で自主投票の方針を決定しているが、明石市議らから「自主投票なのに支援を禁じるのは問題」などと異論が出て、県連が斎藤氏の支援を容認しており、自民は稲村氏・斎藤氏・新人で前参院議員の清水貴之氏の3人に支援先が分かれる事態となっているという。清水氏は幅広い支援を得るために日本維新の会を離党して無所属で臨んでいて自民の神戸市議団から応援を取り付ており、神戸市内の商店街を自民市議や維新の国会議員らと練り歩き「みんなで力を合わせ、県をなんとかしなくてはいけない」と支持を求めているという。選挙には過去最多となった5人を上回る7人が立候補しており、知事の資質や県政の再建などを主な争点に激しい選挙戦を繰り広げている。 共産党が推薦する医師の大沢芳清氏は朝から神戸市内などを回って、JR兵庫駅近くの演説では「県政の混乱の正常化を図る。私を知事に押し上げていただければ、職員の力を引き出すようリーダーシップを発揮する」と力強くアピールしたそうなのだが、陣営は反政権票を狙い自民の支援を受ける3候補を批判し、神戸市で共産の小池晃書記局長が「県政の病を正すことができるのは大沢ドクターだけ」と訴えているという。いわゆる保守票が斎藤氏に集中しているともいわれており、事の発端は県職員の知事告発をめぐる問題なのだから、選挙の結果がどうあれその真偽を含めた決着は必ず迫られることになるはずで、前知事の「おねだり疑惑」と「パワハラ疑惑」は解明してもらいたいと思っている。
2024年11月17日
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総務省統計局の「家計調査年報」によると昨年の2人以上の世帯における世帯主の平均年齢は60.2歳だとされ、消費支出は1世帯当たり1ヵ月が平均293,997円で前年と比較すると実質2.6%減少している。総世帯の平均世帯人員2.20人で世帯主の平均年齢59.5歳だが、の消費支出は1世帯当たり1ヵ月で平均247,322円となり、前年に比較し実質2.4%の減少となっているという。2人以上の世帯の消費支出の内訳は食費が86,554円なのだが、内訳は穀物が6,725円・魚介類が6,248円・肉類が8,205円・野菜・海藻が8,979円・乳卵類が4,341円・果物が3,448円・脂・調味料が3,970円・菓子類が8,293円・調理食品が12,657円・飲料が5,411円・酒類が3,808円・外食が14,470円となっているという。 核家族化が進む現在では世帯当たりの人数が減少傾向にあるなか、高齢でも親が元気な場合が多く子ども世帯が「親のお金」に頼るケースも少なくないが、日々の消費支出もさることながら「住宅ローンや教育資金といった大きなお金を工面してあげたい」という親側の気持ちが反映さえているのだという。多額の資金援助は贈与税の対象になってしまう場合があるため、住宅ローン返済を親からの援助に頼っている世帯は注意が必要だという。親が健在なうちは問題ないが病気をしたり介護が必要になったりした場合には支援が途切れる恐れもあるという。そして正社員として就職・結婚してマイホームを購入することが平均的な幸福とされていたが、手取りが減少傾向にある現在は一種の「ぜいたくだ」といわれているそうなのだ。 厚生労働省は会社員に扶養されるパートなどの短時間労働者が厚生年金に加入する年収要件である106万円以上を撤廃する方向で最終調整に入ったそうで、いわゆる「106万円の壁」は撤廃される見込みだが「週20時間以上の労働時間」の加入要件は残る。最低賃金の引き上げに伴い、賃金要件を上回る地域が増えており実態に合わせた形になるという。短時間労働者でも厚生年金に加入できる人を増やし老後の年金給付を手厚くしたい考えで、最低賃金の上昇に伴い週20時間以上の労働時間があれば年収106万円を上回り、賃金要件は自動的に満たしている地域が増えていることもあって、賃金要件のほか企業規模要件の撤廃なども含めると新たな対象者は約200万人を見込んでいるという。 週の労働時間が20時間以上あれば年収を問わず加入することになるわけだが、老後の給付を手厚くする狙いで保険料負担が生じるのだという。厚生年金の年収要件は「106万円の壁」と呼ばれ保険料負担を避けるため働く時間を抑制する要因ともされてきたが、雇う企業側も厚生年金保険料の負担は企業と従業員の折半となるので中小企業にとっては大きなコストとなるといわれている。厚生年金に入ることで非正規労働者であっても老齢厚生年金の受給資格が得られるメリットがあるが、そもそも低所得者層では年金を当てにしている人自体が少ないとされている。労働時間数による要件は存続するため就業調整する人は一定程度残るというが、厚生労働省は来年の通常国会での関連法案提出に向けて撤廃の時期などを詰めるという。一方で政府・与党は国民民主党の主張を踏まえ年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」を見直し非課税枠の引き上げを検討中なのだが、これに対し厚生年金の年収要件をなくせば手取り収入が減ることになり曲折も予想されている。インターネット上でも「106万の壁を撤廃するという『大増税』がさらっと最終調整に入っている。もっと世間は大騒ぎした方が良いよこれ。103万の壁の引上げ効果も全部吹っ飛ぶレベルで最悪だ」などという意見も多く出されていて、「壁の撤廃」といえば聞こえはいいが実質的には国民を苦しめる「壁」どんどん分厚くなっているのではないかという指摘もあり、扶養内で働き続けたいパートは収入や労働時間の管理を確実に行っていく必要が高まったというのだ。
2024年11月16日
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アメリカのトランプ次期大統領が司法長官に指名すると発表した、自らを強く支持する保守強硬派のマット・ゲーツ氏が指名直後に下院議員を辞職したそうで、ゲーツ下院議員は超党派の下院倫理委員会で17歳の少女に金銭を支払ってわいせつな行為をした疑いや、薬物使用の疑いなどについて調査を受けていたそうなのだ。ゲーツ議員はトランプ氏を強く支持する保守強硬派の議員として知られていてトランプ次期大統領は声明で「司法制度の党派的な武器化を終わらせることほど重要な問題はほとんどない」としたうえで、「ゲーツ氏が司法省に対するアメリカ国民の信頼を回復する」と強調したそうなのだ。 法務部に対する不信が大きかったトランプ次期大統領が法務部改革を実行に移す「執刀医」を選択したのだという。 「議会乱入事件」や「機密文書流出」等の疑惑でジャック·スミス特別検事の捜査を受ける過程でトランプ次期大統領は法務部に対する不信を育ててきたといわれるが、民主党のバイデン政権による「司法の武器化だ」と繰り返し批判していて、新政権の司法長官人事が注目されていたのだという。トランプ次期大統領は選挙運動の過程でも法務部と連邦捜査局)を改革するという意志を何度も示してきたそうで、ゲーツ下院議員の司法長官指名はアメリカメディアで驚きをもって受け止められているという。ニューヨーク・タイムズは「驚くべき、そして挑発的な動きだ。トランプ氏を起訴した司法省の職員に報復するというトランプ氏の公約を実行する立場、荒々しい人物を置くことになる」と伝えているそうなのだ。 ゲーツ氏は1982年のフロリダ州ハリウッドで生まれフロリダ北西部地域で育ったそうで、ウィリアム·アンド·メアリー法学部を卒業し法律事務所の弁護士として活動し法律事務所で勤務していたが2016年に下院議員に初当選したそうで、トランプ次期大統領に対する弾劾調査と「ロシアスキャンダル」の過程でトランプ次期大統領を積極的に弁護した人物に挙げられている。また司法省での勤務経験やいかなるレベルの政府でも検察官としての経験はなくマッカーシー下院議長の解任を主導したとされる人物で、ジョンソン下院議長はゲーツ氏が早速下院議員を辞職したと記者団に明らかにしており、共和党が僅差で多数派を維持するとみられる次期議会下院での自身の後任を探す作業を迅速に進められるようにしたという。 この人事にはワシントンの街の人からも驚きの声が上がっており、「マット・ゲーツは憎悪に満ちていて憎悪に満ちた話し方をする。この国の将来が怖い。子どもや孫のことを考えると」 というだけでなく、「ゲーツ氏がアメリカを偉大にすることはありません。アメリカの破滅を招くと思います。笑ってしまうけど、笑えない事態です。彼に資格はありません」といった意見が多いという。司法長官など閣僚の人事は議会上院での承認が必要だが、アメリカメディアによると同じ共和党の中からもゲーツ下院議員の司法長官への起用は承認できないと表明する議員も出ていて上院で承認されるかも焦点になりそうだという。また未成年の女性に金銭を支払って性的な関係を持った事件では現在も議会下院の倫理委員会での調査が続いているという。 司法長官は連邦捜査局を所管し特別検察官の任命権限も持つ高い政治的中立性が求められるポストなのだが、忠実なトランプ派のゲーツ下院議員が実際に就任すればトランプ次期大統領の司法への影響力が強まりそうだという。トランプ次期大統領は選挙戦で自身が起訴されたことへの報復としてバイデン大統領ら民主党要人を「訴追する」と宣言しており、マット・ゲーツ下院議員に関しても超党派の下院倫理委員会で17歳の少女に金銭を支払ってわいせつ行為をした疑いや、薬物使用の疑いなどについて調査を受けているのだが、アメリカメディアは議員辞職によって調査が打ち切られ、これまでに行われた調査の報告書も公表されなくなる可能性があると伝えているそうなのだ。
2024年11月15日
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多くの人が銀行等を利用していて預金額も様々なのだが、銀行によっては取引状況に応じていくつかの特典を受けられることがあって、銀行から特典に関する案内を受けるための条件とはどのようなタイミングなのかというと、国内の一般的な都市銀行や地方銀行などと海外の銀行では取り扱っている商品はもちろんのことサービスそのものが違っているのだが、国内の一般的な銀行では以前は銀行からの特典は取引の状況によって提供されることがほとんどだったそうなのだ。具体的にはボーナスキャンペーンや新規口座開設キャンペーンなどがあり、預け入れた金額などに応じてノベルティグッズをプレゼントするという特典提供が多く見受けられ、銀行によって決められたタイミングで特典が提供されることになっていたという。 私も定期の書き換え時などに洗剤やテッシュをもらったことがあるのだが、銀行や証券会社および保険会社等の金融機関が行うことができる業務は、それぞれ銀行法だけでなく金融商品取引法および保険業法等といった各種業法によって規制されているそうで、金融庁が作成した監督指針や全国銀行公正取引協議会に日本証券業協会および生命保険協会とか、日本損害保険協会等の自主規制団体が作成した自主規制ガイドラインがより詳細な行為規範を定めているそうなのだ。ただし預金や融資等の銀行商品に関する景品提供・割引サービスについては銀行法や監督指針による直接の規制はないそうで、銀行商品に関する景品提供等は基本的には景品表示法の景品規制の問題のみを検討することになるという。 銀行商品に関する景品規制の適用については全国銀行公正取引協議会が「銀行業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」を作成しており、銀行はこの公正競争規約をベースに銀行商品に関する景品提供キャンペーンの是非を検討しているのだという。銀行が景品類の提供や金融商品・サービスの表示を不当に行うと適正な金融商品やサービスを選択できなくなるとともに銀行間の公正な競争が行われなくなってしまうため、一般消費者による適正な金融商品・サービスの選択を可能にするとともに、銀行における不当な顧客の誘引を防止し公正な競争を確保することを目的として、いわゆる景品表示法の規定にもとづいて、業界の自主ルールである景品規約と表示規約を制定し運営しているのだという。 それもあってノベルティグッズの提供が縮小傾向にあるためキャンペーン金利などが以前のノベルティグッズに相当するといわれているが、一部の銀行ではポイントなどのプログラムシステムを導入しているところもあって、これらの銀行の場合取引の内容に応じて預金金利をアップさせた、住宅ローン金利を低くしたりするなどの特典をうたっているという。ポイント付与の例としては、預金残高や公共料金の口座振替・給与振込口座の設定・年金振込口座の設定に、住宅ローンどの各種ローンの利用の有無などでポイントプログラムを導入している銀行の場合はポイントが貯まったタイミングが特典を受けられるタイミングとなるという。また定金額以上の預貯金があるお客さまに対しても金利を上乗せする打診をすることもあるという。 銀行商品購入者への景品提供、割引キャンペーンを検討するにあたって是非ともおさえておきたい内容なのだが、金利上乗せの目安は預金金額1000万円だといわれているが、銀行によってはそれ以下の金額であっても金利を上乗せしてくれることもあるという。またお客さまの取引状況に応じてATM利用手数料を優遇する特典を適用している銀行も多いそうで、特典のお知らせ方法としては来店時や個別訪問だけでなく、電話など双方の意思疎通ができるような状態で打診してくるのだという。銀行からの特典を受けたいなら、のようなシステムが導入されているのか、ランク別の特典の有無等だけでなく、預金金利の上乗せはできるのかなどあらかじめ担当行員に質問してみるのがベストだという。
2024年11月14日
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倒産件数が増加しているそうで、上半期は前年同期比で18/6%増の4990件に達しており、経済誌の元編集長は「景気交代局面にある」と指摘している。今年度度上半期の日本経済は倒産の波に押し流され企業の存続がさらに厳しさを増していることが明らかになっているが、倒産件数は前年同期比で18.6%増の4990件に達しており、まるで不況の足音が徐々に大きくなっているかのように感じられるという。この倒産件数の増加は6期連続で続いていて景気回復への期待は裏切られ数字が冷酷な現実を突きつけているという。倒産件数だけでなくその原因も見逃せないポイントとなっていて、最も多い倒産の原因は「販売不振」で全体の82.2%を占めており、経済の停滞と消費者需要の減少が多くの企業に打撃を与えているという。 さらに倒産が特定の業界に集中している点も見過ごせないそうで、特にサービス業や小売業に建設業などの業界が大きな打撃を受けているのだという。サービス業に関しては倒産件数が前年同期比で28.4%も増加し倒産件数が最も多い業種となっており、中でも飲食店や宿泊業などが多く含まれていてこれらの業界は新型コロナウイルスによる打撃からいまだに完全には回復しておらず苦境が続いていることが浮き彫りになっているそうなのだ。企業規模別に見ると中小企業の倒産が特に増加していて、負債総額5000万円未満の中小企業が全体の約60%を占めており、特に小規模な企業が経済的に厳しい状況に置かれていることが明らかなのだという。一方で連鎖倒産の増加も深刻な問題として浮上しているそうなのだ。 私の所属していた建設業界でも、発生した「建設業」の倒産10月までに1566件となっているそうで、8年ぶりの高水準を記録した前年をさらに上回る急増ペースで推移し、通年では過去10年で最多を更新する見込みとなっているという。木材をはじめとした建築資材価格の高止まりに加え建設現場での「職人不足」と求人難に伴う人件費の高騰が中小建設業者の経営を圧迫しているそうなのだ。帝国データバンクの調査では人手不足感を抱える建設業の割合は今年の9月時点で69.8%に上り、水準での推移が続いているという。都市部を中心に再開発事業が活発なほか災害復旧工事などで工事需要が旺盛な一方、今年4月から残業時間の上限規制が導入され建築作業を担う職人や現場監督の求人難が鮮明となっているのだという。 深刻な人手不足は建設現場における人件費の高騰にも影響し、今年7月の現金給与総額は前年同月比で約10%上昇し全産業を大幅に上回る高い伸びが続いている。業務遂行に不可欠な資格を持つ従業員が転退職するなどして事業運営が困難になった「人手不足倒産」も前年を上回るペースで推移しており、「人がいない」ことで工期の延長や後ろ倒しといった悪循環が発生しやすい環境が中小建設業の倒産件数を押し上げる大きな要因だという。足元では戸建て住宅などの価格高騰や金利上昇を背景に「住宅着工が振るわない」といった企業もあって業界環境は混沌としており、内外からの賃上げ圧力に晒されるなかで賃金引き上げ余力に乏しい中小零細規模の建設業で倒産増が続く可能性が高まっているという。 倒産が増加する中でいわゆる「ゾンビ企業」の淘汰が進むことは経済の健全化につながるという見方もあるが、これらの企業は利益を生み出せずに延命を図る存在であり、結果として資源の非効率な使用を招いていることから、市場から競争力のない企業が退出することで資源の再配分が進み、生産性の高い企業が成長する機会を得るため理論上は歓迎されるべきプロセスであるといわれてきた。しかし景気後退期にこれが進行するとなると状況は一変するとされていて、ゾンビ企業が消えることで雇用が失われるだけでなく供給能力も失われ経済回復に必要なリソースすらも奪われるリスクが高まるのだという。特に景気が停滞しているときはその吸収力が不足し、結果として経済全体に大きな悪影響を及ぼすのだという。
2024年11月13日
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海上自衛隊は米国で訓練中の護衛艦「かが」で戦闘機の艦上運用試験が順調に進んでいると発表したそうだが、F-35B戦闘機がエレベーターで甲板から格納庫へ移送される様子を初めて公開したという。護衛艦「かが」はヘリコプターを複数同時運用できる「いずも型護衛艦」の2番艦として8年前に就役しており、基準排水量1万9500トンで全長248mと海上自衛隊では最大の戦闘艦艇として、広島県の呉基地を拠点とする第4護衛隊群第4護衛隊に配備されていた。今後はF-35B戦闘機も運用可能な軽空母となるというで「第1回特別改造工事」が今年の3月に完了しており、米カリフォルニア州サンディエゴ沖でF-35Bの艦上運用試験を行うべく9月に海上自衛隊呉基地を出港していたのだという。 米本土沖へと派遣されたのは改造によって所要の能力が計画通り付与されているか確認するためで、アメリカ海軍・海兵隊の協力のもと短距離離陸・垂直着陸が可能なF-35B戦闘機を使ってさまざまな試験が実施されていた。なお護衛艦「かが」には研修のためパイロットや整備員など約20人の航空自衛官が乗艦しており、海上自衛隊が公開した画像でも航空自衛官がアメリカ海軍の原子力空母と同様役割ごとに色分けされたベストを着て任務に就いている様子が確認できたという。空母の飛行甲板で作業する航空要員はアメリカ海軍では「フライトデッキ・クルー」と呼ばれ、各種作業を安全かつ効率的に実施するために役割分担しており、その役割が一目でわかるようにするため「レインボーギャング」と呼ばれるという。 護衛艦「かが」に搭載されるF-35 ライトニングはアメリカ空軍の統合打撃戦闘機計画に基づく開発された第5世代ジェット戦闘機に分類される単発単座のステルス多用途戦闘機で、ほぼ同一の機体構造を用いながら基本型の通常離着陸機であるF-35Aだけでなく、短距離離陸垂直着陸機のF-35Bに艦上機型のF-35Cという3つの派生型を製造する戦闘機で、日本でも三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場で、アメリカ国防総省からアジア地域の北半球を担当する拠点をここに設置することが発表されている。この小牧南工場では組立と試運転が可能で防衛省はF-35を年に6機程導入する計画のため、これに合わせて年間6基前後の生産能力を持っているとされている。 3年前の10月にF35Bの発着艦試験に成功した護衛艦「いずも」に続き「いずも型護衛艦」2隻の軽空母化に向けた歴史的な大きな一歩を踏んだことになるわけなのだが、防衛省によるとF35Bはアメリカ海軍とアメリカ海兵隊の支援を得て大規模な改造工事で既に艦首が矩形となった護衛艦「かが」の飛行甲板への着艦に初成功したが、発着したF-35Bの垂直尾翼には護衛艦「かが」のエンブレムが描かれているという。F35ライトニングII統合試験部隊の広報担当官であるマイケル・ランド氏は「この試験は、同盟国同士の連携作戦能力向上にも道を開く」と強調したそうだ、護衛艦「かが」艦長の竹内周作1等海佐は「今回の試験は日本の防衛力強化に不可欠で、極めて重要です。良い試験結果が出るよう全力を尽くします」と述べたという。 戦闘機の発着艦により生じた飛行甲板上のゴミを洗い流す車両「機動洗浄・回収・リサイクルシステム」を搭載したアメリカ海兵隊の大型輸送ヘリコプター「CH-53E」も着艦するなど、試験は着々と進められているという。「いずも型」は飛行甲板の中央部と右舷側後部の2か所に格納庫と飛行甲板を結ぶエレベーターを設けており、エレベーターはいずれも最大搭載重量が30tとなっていて27.2tのF-35Bは搭載可能となっている。護衛艦「かが」は11月中旬に一連の試験を終えて12月に呉基地へと帰還する予定となっているそうで、航空自衛隊では来年よりF-35B戦闘機の導入が始まるため、それに合わせて各軍用機のメンテナンスの実施や、安全監視とサポートを自衛官の「レインボーギャング」も実任務に就き始めるという。
2024年11月12日
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米大統領選で勝利した共和党のトランプ前大統領はバイデン政権が進めた気候変動対策を真っ向から否定する方針で、1期目と同様に地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱する可能性が高いという。トランプ前大統領は「どの国よりもエネルギーコストが低い国にする」ことを公約に掲げ石油や天然ガスの生産拡大を主張しており、大統領選中の演説で「ドリル、ベイビー、ドリル」と繰り返し叫んでいる。石油や天然ガス開発に対する制限やバイデン政権が強化した自動車の排ガス規制などを撤廃しパリ協定から再脱退することを公約に掲げていたそうなのだが、大統領選の結果を受けバイデン大統領はアゼルバイジャンで開かれる国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議の首脳級会合を欠席する見通しだという。 米大統領選で勝利した共和党のトランプ前大統領が脱炭素に反発するのは米国経済の足かせになると考えているからなのだが、トランプ前大統領は環境・社会・企業統治分野に積極的な企業を支援する投資手法を「パフォーマンスの悪い詐欺まがいの金融商品」と酷評しているのだと語り、選挙期間中は化石燃料生産の拡大と環境規制の撤廃やクリーンエネルギーに対する連邦政府による支援の廃止を掲げていたという。それでもトランプ前大統領はビジネスマンとして「パフォーマンスがよければ」態度を変えることもあり得るということだが、これまでは東京電力福島第一原発事故を例に挙げ原子力発電に否定的だったが、今回の公約ではエネルギーコストの低減策として原子力の推進を主張しているという。 気候変動対策の推進を中心に据えたバイデン現大統領はトランプ前大統領が覆した政策の多くを復活させたのだが、トランプ前大統領は第二次政権でまたひっくり返すと公言しており、その影響は甚大なものになる恐れがあるという。カーボン・ブリーフの気候アナリストはトランプ次期大統領とハリス現副大統領のそれぞれが政権を取った場合の4年間を比較すると、二酸化炭素排出量はトランプ前大統領の方が40億トン多くなると推定しており、この数値はヨーロッパ連合と日本の年間排出量の合計に匹敵するそうなのだ。トランプ前大統領は化石燃料の生産拡大にも前向きで、化石燃料産業の幹部に対して選挙運動への10億ドルの寄付と引き換えに税制面や規制面での優遇措置を持ちかけて話題になっていたという。 また脱炭素の有効手段として原子力エネルギーの活用が議論されており、2050年までに世界の原子力発電設備容量を20年比で3倍とする宣言が発表され、日本を含む米英仏など22カ国が賛同するなど原子力発電に対する風向きも変わっている。鍵を握るのが電気自動車メーカーのテスラを率いるイーロン・マスク氏で、かつては原子力やEV規制を巡りトランプ前大統領と対立したが今回の大統領選では急接近しており、トランプ前大統領は選挙期間中に自らが当選すればマスク氏を要職に起用し産業の規制緩和や政府の財政削減を担わせると話していたそうなのだ。しかもIT産業では世界的な電力不足への対策が至上命題となっており、経済の浮沈を左右するほど深刻化しているとの指摘もなされている。 米IT大手各社のトップもトランプ前大統領との距離を縮めているが、アメリカ企業を保護し国内の製造業を復活させるために関税を課すというトランプ前大統領の威嚇は、エネルギー市場の根底を揺るがすかもしれないという。アメリカは太陽光パネルや電気自動車のバッテリーの大部分を輸入に依存しており、関税によってクリーンエネルギー技術関連製品の価格高騰が予想されており、そうなると恩恵を受けるはずの液化天然ガス生産者は報復関税によって自社の事業が妨げられるのではないかと懸念しているという。またマスク氏は核融合発電などの次世代発電にも関心を示しているといわれ、商機を見いだして米国企業を支援すれば結果的に脱炭素が進むこともありうるという。
2024年11月11日
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かつて日本人はバブル期等もあってほとんどリスクを負うことなく資産を銀行に預けるだけで高金利の恩恵を受けていたそうだが、日本人がノーリスクな銀行預金に慣らされた結果「投資は怖い」と腰が引けてしまう人も少なくないといわれているが、しかしそもそも完全に「ノーリスク」でお金を殖やすことなどできないのだという。そこでリスクが現実のものになれば暮らしが危うくなりますからできるだけそれを低くする工夫をしなければならず、大事なのがリスクを「分散」させることなのだという。銀行預金や労働も含めてあらゆる投資にはリスクがあるので投資先をひとつだけに絞るのはよくないといわれ続けているととおり、「これは絶対に安全だ」と信じていてもどんな不運に見舞われてダメになるかは誰にもわからないのだという。 我々の世代はやりたいことも我慢しつつお金をコツコツと貯めてきた人が多いと聞くが、このところの物価上昇やら普通貯金にお金を入れておくだけではどんどん目減りすることもあり、いろいろ見聞きすると不安で仕方がないという人が特に一人老後の女性を中心に多いという。今まで「やりたいことも我慢しつつ」としていたものは旅行が多く、今後は外出が難しくなっても楽しめる趣味や習い事をしたいと考えているそうなのだ。特に相談できる親しい友人等は数人しかおらず、ともに高齢者であることから、いつまでも相談をし続けられるかは分からない思いもあって行動範囲を広げて新しい友人を作りたいと考えている人も多いが、今後も働くことが資金的に不安だからという理由だけなら無理をしてまで働かなくていいのではないかという。 私の場合は65歳以降から公的年金の受給となっていて受給額は年額280万円で、今年から妻も公的年金の受給が始まり年額90万円受け取っている。つまり所帯収入は手取りで月額20万円以上くらいにはなるのだが、対して生活費は物価高もあってか月26万円ほどとなってしまっている。つまりは年金の不足分として年間で70万円を老後資金から取り崩すことになっているが、このペースは老後資金が底をつくまで135年かかるということになるとファイナンシャル・プランナーからアドバイスをうけている。老後の予備費として考えられる医療・老後費だけでなく、住宅のリフォームやクルマの買い替えに家電などの買い替え等を考慮しても、一般的な金額であれば老後資金では困らないということだった。 親の残した古い家屋の守をしながらマンション暮らしをしているのだが、実家の上物はお金にならないにせよ土地を売って夫婦でマンション型の老人ホームに入るのがいいのか、このまま暮らせるうちは今のマンションをリフォームしつつ最後まで暮らしていきたい気もしている。確かに不確定要素はあって物価高はまだ続く可能性もあるし、毎月手持ち資金が減っていく生活に不安を感じるとしてもそれは自然のことかもしれないと思ってはいる。家内がけがをして先日まで40日ほど入院していたのだが、長生きをしても元気に行動できるかどうかはまた別の話なのだが、無理をせず我慢もせず自分のために楽しい生活を過ごすことを優先してもいいのではないかと、妻が退院してから思うようになってきている。 資産を遺す必要がないなら資産は使ってこそ生きるモノだと理解はしており、それが終活の基本で家内のことはいざ知らず私の性格ならむちゃな使い方はしないと思っており、豊かな日々を過ごすために自分のペースでなおかつ積極的に使うべきだと考えるようになってきた。もちろん元気なうちは自宅で暮らしながら趣味などから人との交流を増やしていけたら最高なのだと思っている。高度経済成長期の日本は「労働」と「貯蓄」だけでお金のことはなんとかなる社会だったようで、それは決して当たり前のものではなくむしろめったにない恵まれた時代だったと思ったほうがいいことはわかっているつもりなのだが、どうやら長生きすればするほど生活が苦しくなるということはないようなので、今の暮らしを満喫したいと思っている。
2024年11月10日
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日本における米の需給バランスは複数の要因が絡み合っているそうで、需要側では人口減少や食生活の多様化により一人当たりの米消費量が減少傾向にあり、一方で供給側では減反政策の影響や農家の高齢化により生産量が減少しているという。さらに気候変動による異常気象や自然災害により収穫量が不安定になることも少なくないそうなのだが、農林水産省はコメの需給見通しを公表したそうで、今年の主食用米の生産量が683万トンとなり、来年6月まで1年間の需要量の674万トンを上回っているそうなのだ。民間在庫量も回復の見込みとなっている模様で、これは猛暑に見舞われた昨年産の流通量の低下を踏まえ農家が作付けを増やすなど需給バランスの調整が進んだとみられているのだという。 今夏は店頭からお米がなくなり「令和の米騒動」とも言われたそうなのだが、全国のスーパーなどで相次いだコメの品薄への懸念は緩和されそうで、農林水産省は需要に応じた生産を農家に促しているが、直近は麺類やパンと比べて価格上昇が遅かったことや外国からの訪日客の急増で一時的に需要が伸びたが、長期的な減少傾向は変わらないとしている。農林水産省は今年の生産量は横ばいの683万トンとなる見通しとなっており、1年間の需要量は11万トン減って663万トンと予測しているという。民間在庫量は今年6月末に153万トンで過去最低だったが来年の6月末には162万トンに戻るという。さらに再来年の6月末にはさらに20万トン増えるというが、秋になって品薄は解消したものの価格の高騰に直面しているという。 家庭向けや飲食店などに米の販売を行う米穀店では各地の銘柄米を取り揃え量り売りで注文が入ってから精米して提供しているが、お米が倉庫で山積みになっているが、9月はほとんど在庫がなかったという。米穀店の社長は当時の取材に「ほとんど今ストックがないような状況です。いつもだと天井の張り紙ぐらいの所まであるのですけど、今年はどんどん出ていく方が多くて」としていたが、10月半ば過ぎから新米が潤沢に入ってくるようになったという。地場の新米に加え翌週には東北の新米の入荷も予定されているが価格は高騰しているそうで、社長は 「原料米が1俵当たりの価格が、今年は例えばこの1銘柄に対して1.66倍と出ていますよね。これぐらい高くなっているという現状です。価格がもう高い、本当に高いです」と語っている。 出荷業者と卸売業者などとの相対価格は玄米60kgあたり2万2700円と、昨年の同じ月と比べ7409円48%高くなっていて調査を開始して以来最も高くなっているそうなのだ。経済連米穀部の課長は「昨年のコメ不足の教訓を踏まえて、各流通業者の皆さまが、お米の十分な原料確保に動いているということから、相場的にも上昇している」 としているが、今年の夏の米の品薄で新米の集荷競争が起き依然価格が跳ね上がったままなのだという。しかも生産者の肥料や燃料代などの資材費の高騰が前年からおよそ6%増加していることなども価格の上昇に繋がっているという。このお米の高騰はいつまで続くのかということでは「年明けてこれが下がるとも思えないんですけど、正直なところ、今はね」ということのようなのだ。 米の価格が高騰している理由として今年の夏の品薄を受け企業などが農協に入荷する前に直接農家から仕入れるケースが増えていて市場の流通量が減っていることもあり、さらに農協などが懸念しているのは価格の高騰で米の消費量が減るのではないかということだという。消費者も「一時的に米が品薄になった時に米が高くなったのは仕方がないと思っていたのですが 今米はスーパーなどの食品店でたくさん置いてあります なのに米の値段が全然下がらないのには違和感を覚えます」とか、「我が家でも三食コメはやめてパンやめん類を食べることにした コメの価格がこのまま高値安定ではコメ離れにより需要が減り、品薄の懸念緩和どころかコメ余り状態になるのではないかと思う」と答えているそうなのだ。
2024年11月09日
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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は大統領選挙におけるドナルド・トランプ候補の勝利をいち早く祝福したそうで、「トランプ大統領が世界情勢における『力による平和』のアプローチにコミットしていることを高く評価する。これこそが、ウクライナの公正な平和を現実的に近づける原則だ。この原則をともに行動に移せることを願っている」としたうえで、ウクライナはアメリカの「強力な超党派の支持」の継続を頼りにしており、「両国に利益をもたらす互恵的な政治的・経済的協力を発展させることに関心を持っている」としている。トランプ候補は大統領選期間中にウクライナ戦争を速やかに終結させるとして「「もし私が大統領なら、あの戦争を24時間で終わらせる。簡単なことだし、簡単な取引になるだろう」と語っている。 軍事専門家やマイク・ペンス前副大統領はこの発言を批判しており、「ウクライナの戦争を24時間で終わらせる唯一の方法は、ウラジーミル・プーチンが望むものを与えることだろう。そして、それは、アメリカがウクライナに絶対に求めてはならないことだ」と語り、ロシアが侵略したウクライナの領土をすべて渡すことになりかねないという。トランプ支持者もウクライナへの支援継続にはトランプ候補と同じく消極的で、戦略コンサルタントのレッドフィールド&ウィルトン社に委託して行った世論調査では、トランプ支持者の26%がウクライナへの支援を停止したいと答え40%が支援の程度を「再考」すべきだと答えたそうなのだ。さらにウクライナの防衛がアメリカの国益に不可欠だと考えているのはトランプ支持者ではわずか34%だという。 ウクライナの首都キーウでは戦死者遺族や兵士がロシアとの戦争の先行きに不安を吐露しているそうで、ウクライナ支援に消極的で交渉による戦争終結を訴えてきたトランプ候補に「奪われた領土の放棄を迫られるだろう」と悲観しており、「犠牲になった兵士の思いが無駄になる」と悲痛な声も漏らしているという。キーウ中心部の広場では戦死者を追悼する無数の小旗が寒風にたなびき、ロシアの侵攻で犠牲になった兵士を悼む象徴的な場所になっている。オレナ・ドラトフさんはいとこのアルベルタさんのために小旗を立てたのだが、兵士だったアルベルタさんはロシア軍の攻勢が続く東部ドネツク州で今年8月に犠牲になっており、トランプ候補はウクライナに大幅な譲歩を迫る形で終結交渉を始めるのではないかと苦悩しているという。 ロシアのショイグ安全保障会議書記はウクライナ戦争について、西側諸国はロシアが勝利している現実を受け入れた上で紛争の終結を交渉すべきだと述べ、西側諸国がウクライナを利用してロシアに戦略的敗北をもたらそうとしたが計画は失敗したと発言したという。またロシア大統領府のペスコフ報道官も「軍事作戦地域の状況はウクライナ政権に有利ではない。西側諸国は、ウクライナへの資金提供を続けて人口を崩壊させるのか、それとも現実を認識して交渉を開始するのかという選択に直面している」と述べ、ロシアがウクライナ指導部を外部勢力に支配された「テロリスト」と見ているとも発言したそうなのだ。旧ソ連諸国で構成する地域協力機構「独立国家共同体」の安全保障当局者の会合で述べたそうなのだ。 ロシア当局は米大統領選で勝利宣言したトランプ前大統領について、ウクライナ戦争を終わらせたいという重要な発言を選挙期間中にしていたが、それが行動につながるかは時間が経てばわかると指摘したうえで、米国は非友好的な国でウクライナ戦争に「直接・間接的に関与していることを忘れてはならない」と述べている。もっともホワイトハウスは大統領選で勝利を確実にしたトランプ前大統領の就任式までに、使用されずに残っているウクライナ向け軍事支援60億ドル超を迅速に支出する計画を策定しているとしているが、トランプ候補は「これ以上の融資は打ち切りと」いう、ウクライナが戦闘を継続できないような形で戦闘を終結させようとしているのではないかとみられているそうなのだ。
2024年11月08日
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高齢化が進むにつれ日本国内でがんにかかる人やがんが原因で死亡する人の数は増加しているそうだが、中でも増加傾向にあるのが大腸がんで、厚生労働省の3年前のデータではあるががんで死亡した人は37万8385人で、男性の大腸がんでの死亡順位は第3位だが女性は1位となっていて、日本では年間5万人以上が大腸がんで亡くなっているそうなのだ。またこの20年くらいの間に罹患率も死亡率も世界のトップを走るようになってきており、アジアの中でもダントツに高いという状況となっているという。大腸がんが増える理由は高齢化が進んでいることや食の欧米化などいくつか理由が考えられるというが、死亡率が上がっていることを考えると日本の大腸がん検診制度が十分でないという側面もあるそうなのだ。 日本消化器がん検診学会で推奨されている大腸がんリスクを調べる検査は、人間ドック等で用いられる便中の血液の有無を調べる「便潜血検査」となっているが、ヒトの赤血球のヘモグロビンタンパク質を検出する検査で、動物の血液とは反応せず胃や口腔で出血した血液とも反応しないけんさだといわれている。この検査で陽性と出たら大腸で何らかの原因で出血していることを意味しており、大腸内鏡検査やコロノスコピーという機器を用いた大腸CT検査などの精密検査を勧められている。ところが実は大腸がんの早期発見には「便潜血検査」では十分ではないということが近年世界的コンセンサスとなっていて、これはがんが原因で便に血が混じるということは進行度が進んでいる状態だからだという。 もっとも大腸がんの場合はがんの発生から深刻な状況になるまでに通常5〜10年ほどかかるためある程度進行しても命が助かることは多いとされていて、「便潜血検査」でも死亡率を約6割も減らせるという報告もあるそうなのだ。何より「さぁ、みんなで内視鏡検査をしましょう」といえるほど大量の検査を行う施設もないのが現実だし、ですからまずは年に1度の「便潜血検査」でファーストスクリーニングをしていこうというのが日本の現状なのだという。また便秘が大腸がんのリスクになるという明確なデータはないと紹介されてはいるのだが、なにが大腸がんのリスクとなるのかといったヒトを対象とした研究では、これまでに食べ物と腸内細菌が大腸がんのリスク因子になることがほぼ明らかになっているそうなのだ。 大腸がんは食生活によって大きく影響される病気だとされていて、特に特定の食べ物はリスクを高めることが知られているそうなのだ。世界がん研究基金と米国がん研究協会による疫学研究の報告書によると、レッドミートと呼ばれる牛や豚・羊などのいわゆる4本足の肉や、ソーセージやベーコン・サラミなどの加工肉の摂取は大腸がんのリスクを上げることが確実と判定されており、健康を維持するためにはこれらの食べ物を避けることが重要だといわれている。それと高カロリー摂取だけでなく赤肉・加工肉の摂取に多量の飲酒は特に注意が必要だという。これらの要因が大腸がんのリスクを高める理由については腸内で硫化水素が増えるからではないかといわれているが、健康的な食生活を心がけることが病気予防の第一歩だという。 日本人の場合は欧米ほどレッドミートや加工肉の摂取量が多くないこともあり、それらの摂取量がそこまで大腸がんの発症に関係するかどうかの明確なデーはないというが、国立がん研究センターによる日本人を対象とした調査解析では、赤肉や加工肉は「女性でリスクを上げる可能性あり」にとどめているそうなのだ。だからといって安心して加工肉等を食べすぎるのはよくないのだという。ほかには食事では食物繊維とカルシウムに魚由来の不飽和脂肪酸が「大腸がん発症のリスクを下げる可能性あり」とされており、毎日の食事に野菜や果物を取り入れることも予防策として有効だといわれている。それと大腸がんリスクをほぼ確実に下げるとされるのが運動なのだという研究結果も発表されている。
2024年11月07日
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米大統領選を間近に控え米国では政治的背景を伴う暴力増加への懸念が高まっているそうなのだが、民主党・共和党のどちらの候補が勝つにせよ選挙結果の受け入れを巡って社会の分断がさらに加速する可能性があるのだという。新聞社が激戦州の有権者を対象に実施した世論調査によると共和党のトランプ前大統領が負けた場合の支持者の暴力が「心配」だとする回答は57%に達しており、民主党のハリス副大統領の敗北を想定した場合でも31%が暴力への懸念を示しているのだという。前回の大統領選の結果に不満を持つトランプ候補の支持者が暴徒化し連邦議会を襲撃した事件は記憶に新しいが、今回も「選挙が不正でなければ、われわれが勝つ」と語り敗北を受け入れない可能性を示唆しているという。 NPO団体の「憎悪と過激主義に反対するグローバルプロジェクト」が言葉遣いなどを調べたところによると、今年10月に入ってから暴力的な表現が急増し議会襲撃事件前と同様の傾向を示しているそうなのだ。特に極右のトランプ候補支持者が「不法な有権者を射殺せよ」とか、「民主党が不正に勝利すれば、内戦が起こる」といった過激な投稿を行っていたという。特に悪意のある勢力がトランプ候補を出し抜いて確実な勝利を奪うとする根拠のない主張は、この数週間でその数を増していて背景には「MAGA運動」の主要なメンバーたちからの発信があるといわれている。特に右派のジャーナリストであるエメラルド・ロビンソン氏は先月に「票が盗まれる事態が再び起きている」と宣言しているのだという。 前回の大統領選の後に浮上した虚偽の発想の中には投票機が民主党に有利な集計結果を出すというものがあって、激戦州の当局者が広範な選挙不正に加担しているという言説も取り沙汰されているという。しかもそのような陰謀論を広めるウェブサイトには、今年の大統領選について「前回と同じシステムを使用し同じ人物を数多く配置している」としたうえで、「手続きに信用が置けない。破綻している」と答えており、トランプ候補自身も支持者が提唱する陰謀論に一部同調し今年も選挙不正が横行しているとの見解を示唆している。特に州によっては票の集計に数日かかる現状を批判していて「数日かけて選挙結果を出しているのではなく、数日かけて不正を働いている」というのが彼らの見方だという。 米大統領選の投開票日を待たずに「盗みを止めろ」と銘打たれた運動が行われており、既に暴力の兆候も表れていて西部ワシントン州やオレゴン州では期日前投票の投票箱が発火装置で燃やされており、南部テキサス州でも選挙運動用の身なりで入場することを禁じられている期日前投票所でトランプ候補支持を示す帽子をかぶっていた男が、注意した係員を殴る事件が起きているという。国土安全保障省は今回の大統領選挙では来年1月6日に連邦議会で行われる次期大統領の承認手続きを初めて「国家特別警備事案」に指定しており、議会襲撃事件のような混乱を阻止するために承認日当日は、米ナショナル・フットボールリーグの王座決定戦スーパーボウル並みの厳戒態勢が敷かれるという。 前回の大統領選でトランプ候補が敗れた結果の転覆を図った同じ活動家らが、再度トランプ候補が落選する場合を想定し選挙結果を無効化するための手順を逐一策定していて、過去数カ月にわたりこれらの活動家はハリス副大統領の選挙戦勝利を阻止する方策を提示し、彼らはトランプ候補の支持者たちに対し今回の大統領選で敗れるとすればその結果は不正によるものでしかあり得ないとの見方を浸透させているそうなのだ。連邦の法執行機関はこうした状況に警鐘を鳴らしていて、国土安全保障省と連邦捜査局は先月初めに「大統領選を巡る過激な言説が人々を刺激し、前回の大統領選で起きたような暴力へと向かわせる恐れがある」との懸念を表明しているが、場合によってはさらに過激化しているようだとしている。
2024年11月06日
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大統領選挙も最終盤になって米共和党のトランプ前大統領が同じ共和党だが「反トランプ派」の代表格リズ・チェイニー元下院議員に「銃口を向けてみよう」と述べ波紋を広げているそうで、過激な物言いは大統領選を来週に控え無党派離れにつながりかねずトランプ候補自身や陣営は火消しに走っているという。トランプ候補はアリゾナ州グレンデールでの選挙イベントで元司会者タッカー・カールソン氏と登壇した際にチェイニー元下院議員について「彼女は戦争好きの過激なタカ派だ。彼女にライフルを持たせてあそこに立たせ、9本の銃で銃撃してみよう」と発言し、「自分の顔に銃が向けられた時に彼女がどう思うか、見てみようじゃないか」と述べたそうで、中傷の言葉も浴びせ「大ばかもの」・「おろかな人間」・「まぬけ」と酷評したという。 チェイニー元下院議員はかつて下院共和党のナンバー3だった人物だが、最も重要なことはドナルド・トランプから国を守ることだ」とか、「ドナルド・トランプは危険な人物だ。2度と大統領にすべきではない」と公言しており、「反トランプ」の象徴とされた共和党の有力議員だったがアメリカの中間選挙に向けた予備選挙で敗れている。チェイニー元下院議員は「影の大統領」とも呼ばれたディック・チェイニー元副大統領を父親に持ち、知名度やその保守的な政治姿勢が評価され過去の選挙でも圧勝してきた有力議員だったが、前回の大統領選挙の結果に不満を持つトランプ候補の支持者らが議会に乱入し、選挙という民主主義の根幹を暴力で揺るがそうとした連邦議会乱入事件から反対派になったという。 リズ・チェイニー元下院議員は連邦議会議事堂襲撃事件へのトランプ候補の関与を最も声高に批判している共和党関係者で、議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会で主導的な役割を果たしていたそうなのだ。今回の大統領選挙でも共和党員ながら民主党のハリス副大統領への支持を表明しトランプ候補の落選を各地で呼び掛けていたそうで、「チェイニー元下院議員は銃口を向けられるべきだ」と示唆するトランプ候補の発言は、政敵に対する暴力的な言葉遣いが一段と過激化したことを示しており、大統領選を数日後に控え前回の選挙での敗北を認めていないトランプ候補は早くも国民の信頼感を損なう動きに出ているみたいで、数週間前には「内なる敵」と評する政敵に軍事行動を取ることも示唆している。 チェイニー元下院議員は夜になってトランプ候補の発言に「これは独裁者が自由な国を破壊するやり方だ」と述べ、さらに「独裁者は抗議の声を上げる者に死の脅迫を与える。狭量で執念深く、冷酷で不安定な独裁者志望の男に我々の国や自由を委ねるわけにはいかない」と表明したそうなのだ。トランプ候補の発言があった米アリゾナ州のメイズ司法長官はこのトランプ候補の発言が殺害の脅迫を禁止する州法に違反した可能性があるとの見方を表明し、「脅迫に該当するかどうかを分析するよう指示した」と述べている。一般的には政敵を小銃の前に立たせるのは独裁者であり、公の場で口にした内容は少なくとも脅迫だとさら、何かあれば暗殺教唆と評価される事案だと認定されるという。 この件に関してハリス副大統領は行記者団の取材に、トランプ候補の発言後にチェイニー元下院議員と会話していないことを認めつつも、こうした言葉を使う人物は「暴力的発言をする人物は大統領になる資格がない」と糾弾したうえで、「明らかに大統領に失格、不適格だ」と指摘したという。ハリス副大統領の反応も示すように政治家が暴力を暗示する発言をすることは倫理的にも問題視されるべきで、何処の国の首脳であっても同国の女性に銃口を向けるような事を言葉にする事は許されないことなのだが、当のトランプ候補は「彼女自らが最前線に行って、標的になったらそんなこと言えないだろという趣旨の発言をしただけで。彼女はタカ派なのに、自分自身が戦う勇気はないということを私は言っている」と弁明しているそうなのだ。
2024年11月05日
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衆院選での「自公過半数割れ、立憲躍進」を受けて次の政権の枠組みがいまだに見えてこないとされているが、特別国会における首相指名選挙で石破首相と野田立憲民主党代表の決選投票になることが想定されているが、その場合でも「玉木雄一郎代表の名前を書く」方針を確認したという。役員会では異論が出なかったというから玉木代表が一人で暴走したわけではないらしいが、衆院選後に予定される特別国会では衆参両院の国会議員による選挙で首相が指名され、指名選挙では所属政党や連立政権を組む党の党首らに投票し与党が過半数を確保していれば1回目の投票で首相が決まるのだが、衆院規則は1回目の投票で投票総数の過半数に達する議員がいない場合は上位2人による決選投票を行うと定めている。 決選投票の候補者は、くまで最初の投票で誰も過半数に達しなかった場合の上位2人だけなのだが、「石破vs野田」の構図になった場合に「玉木」と書いた票は全て無効票になるのだ。首相を選ぶことは国会議員にとって極めて重要な仕事の一つで、なぜならその1票は個々の議員だけのものではなく首相指名選挙での1票とは「一人ひとりの国民に代わって、首相を選ぶ権限と責任を与えられた」1票なのだといわれている。そのような場で無効票になるとわかっている投票をあえて行うのはその議員に票を投じた国民の意思を無視する行為であり、国会議員としての職務放棄となる行為なのだ。にもかかわらず国民民主党は首相指名選挙という極めて重要な政治的選択を避けて逃げようとしているというのだ。 連合は立憲民主党と国民民主党が連携して自民党に代わる政権の選択肢となることを求めているのだが、今の国民民主党は所属していた議員の多くが立憲民主党に合流しそれを拒んだ議員によって作られた政党で、いまだに立憲と同規模の政党のように扱う向きがあるが今回の衆院選で立憲民主党と国民民主党の議席差は120議席に達している。そんな国民民主党が今さら立憲と協力するのは特に玉木代表にとっては過去の経緯を考えても難しいという。さらにややこしいのは国民民主党には「アンチ立憲」のネット右派に近いスタンスを持つ支持者が玉木代表個人のファンという形で増えつつあるらしいそうで、国民民主党が首相指名選挙で野田民主党代表に投票すれば新たな支持層が一斉に離れる可能性もあるのだという。 国民民主党の方針は「ステルス石破支持」なのだが、国民民主党の玉木雄一郎代表は国民民主から維新に合流した前原誠司衆院議員について、「もう維新の方なので、コメントは差し控えますが、まあ頑張って頂きたいですね」と言葉少なで、ストレートには取り合わずしこりを覗かせていたという。それだけでなく政治には政治が緊急に厳しい選択を迫られる場面が起こるとされるのだが、その中でも首相指名選挙という比較的簡単な政治判断さえもまともにできないのに、もっと厳しい局面が訪れた時に国民民主党が立ち往生して何も判断できないのなら、そんな政党が国民の生命と暮らしを守ることなどに全幅の信頼を置くことなどできないし、衆院選のさなかの「国民民主党に騙されるな」という言葉が真実味を帯びてくるのだという。 国民民主党の榛葉賀津也幹事長が定例会見でフリー記者から「なんで選挙中に『石破政権を延命させる』と言わないのか。石破首相の不信任案に賛成して『自公過半数割れを目指す』と言って連立入りしないとすれば、普通の有権者は、政権交代を目指すと思うじゃないですか、それは国民をだましたことになるんじゃないですか」と質問を受けると、榛葉賀津也幹事長は「我々はずっと『各党と等距離で政策実現』と言ってきた。政治を混乱させて、それが目的じゃない。政策実現です。早く国民の手取りを上げるのが目的で、選挙では国民民主党の議席数を伸ばすよう訴えたまでだ。『野田さんを総理にします』とは1回も言ってません」と反論したが、国民民主党の議員は保身のために首班指名という大事な選択肢を雑に扱っているのだという。
2024年11月04日
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前回の米国大統領選挙では新型コロナウイルス禍を受け郵便投票が奨励され、ドライブスルー形式の投票なども導入されたのだが、これらは結果的にマイノリティの投票権を守ることにつながったと同時に、民主党のバイデン大統領の勝利を後押ししたとみられた。ジョージア州では州の法律により高齢者やマイノリティなど一部の有権者が投票する権利を事実上制限されてしまう事態となっていまっている。前回の大統領選でジョージア州では1万1779票の僅差で敗れたトランプ候補の選挙直後の発言が問題を引き起こしたそうで、当時のトランプ大統領は「我々はジョージア州で勝っているはずで、得票差の1万1779票よりも1票多い1万1780票を見つけたいだけだ」としてジョージア州の幹部に選挙の敗北を覆すよう要求したのだ。こうした大統領選挙後には共和党の勢力が強い州を中心に投票権を制限する効果を持つ法案が可決されたわけだが、この動きに民主党は反発を強めていたとはいえ、対抗策を打ち出すのが難しい状況だったという。共和党員だが当時は州の副知事だったダンカン氏はトランプ前大統領から圧力を受けたが「不正はなかった」と断言している。結局はトランプ候補の要求は受け入れられなかったのだが、ダンカン前副知事は「彼も周囲も負けたことを知っています」としたうえで、「トランプ氏の嘘や陰謀論が次々と明らかになりましたが、ジョージア州議会の共和党議員は、本当にひどい法案を準備したのです」という。共和党はその後に数の力を使ってジョージア州の選挙制度を変更したのだという。 3年前に成立した州の法律についてダンカン氏は「共和党がトランプ氏に都合のよいものにした」と批判しています。この法律では、投票しやすくするために作ったはずのバスの移動型投票所や期日前投票の屋外投票箱を取りやめたほか、郵便投票を申し込む際に免許証などでの確認を義務付けています。民主党支持者が多いマイノリティの中には、免許証や車を持てない人も少なくありません。この法律にはこうした人たちを投票から遠ざける狙いがある」と指摘されているという。投票所ボランティアのジェフ・ルーサー氏は「大きな困難に感じる人もいます。徒歩など、さまざまな移動手段の人や高齢者もいますから」と話しており、法律の施行後に行われた2年前の中間選挙の際に、権者を車で送り、投票を手伝ったという。 ニューヨーク大学法学部ブレナン司法センターは「各州における投票権制限の動き」という報告書を取りまとめたのだが、19州で33の投票制限法が制定されたという。中で、共和党の勢力が強い州でそうした動きが活発だそうで、各州で多く採用された投票制限としては郵便投票の受付窓口の制限や投票者の身分証明要件の厳格化など、投票の列に並んで待っている有権者に水を提供することを禁止する条項が盛り込まれており、その結果有権者名簿からの除外などがあるというのだ。ペンシルベニア州でも投票権を広範に制限する法案が州議会で一度は可決されたそうなのだが、しかし州知事が拒否権を発動して成立は防止できたが、現在でも30の法案審議が現在に持ち越されているそうなのだ。 それら法案の中には州知事の審査なしに州議会が制限的な投票法を成立できるようにする憲法改正案が含まれているというのだが、このような選挙制度改悪立法が目立つようになった背景には司法判断があって、連邦最高裁判所はアリゾナ州の投票制限強化について合法とする判決を下しており、これが各州の投票規制導入の追い風になったとみられている。このように投票の機会が制限される中でアメリカ自由人権協会のヤング氏は「若者や貧困層、有色人種などが投票しにくくなるルールが作られました。多くの国、例えばドイツでは投票権を失うことはありえません。日本も同じでしょう。でもアメリカでは誰が投票できるかが、問題になっているのです」として、一票を投じることの大切さを学生たちに伝えているという。
2024年11月03日
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米起業家のイーロン・マスク氏は11月の大統領選に向けて「言論の自由と銃所持の権利」を支持する請願書に署名した激戦州の有権者1人に毎日100万ドルを配ると発表しており、これは共和党候補のトランプ前大統領の支援を広げる狙いがあるのだという。合衆国の法律は投票や有権者登録の見返りに金銭などを支払う行為を禁止し、違反した場合は最高で1万ドルの罰金と5年の懲役刑が科されるという。報奨金はトランプ候補の政策に共鳴する人たちを投票に誘導する狙いとの見方が根強いがあくまでも請願書の署名者を対象としており、「違法性はない」とみる専門家がいる一方で、一部の法学者には「請願書の署名は口実で違法だ」との意見もあって、司法省もマスク氏側に連邦法違反の可能性を指摘していたという。 企画のルールでは当選者は激戦7州の有権者だけだとされていて、有権者登録をしていることが条件となっているが、当のマスク氏は「報奨金はどの政党に属していても、あるいは無党派であってもよく、投票する必要すらない。違法性を裁判で立証するのは難しい」と合法性を主張し、共和党の有権者登録者数が増えていることへの称賛をつづるなど批判を気にするそぶりはなかったという。大統領に返り咲けばマスク氏を行政改革の要職に起用する方針を示すトランプ候補は「私は関知していない」と語り、マスク氏の個人的な活動であることを強調している。一方でペンシルベニア州のシャピロ知事は「法執行機関の調査が必要。捜査される可能性がある」と訴えるなど、民主陣営は選挙違反との批判を強めていたという。 ところが米実業家イーロン・マスク氏の政治活動特別委員会が激戦州の有権者に1日あたり100万ドルを贈呈していることについて、ペンシルベニア州フィラデルフィア地区検察はマスク氏を相手取、「不法な懸賞」の差し止めを求める民事訴訟を州裁判所に提起したという。訴状によると政治活動特別委員会は懸賞を開始して以来9人に100万ドルの小切手を贈っており、このうち4人はペンシルベニア州に住んでいるという。クラズナー検事は「100万ドルの当選チャンスと引き換えに、フィラデルフィア市民に個人情報の提供と政治的な誓約を促す」ものだとしており、検察側は訴状で、宝くじは州が運営・管理することが法律で決まっていると指摘し、マスク氏の行為について「認可を受けておらず、違法だ」とした。 マスク氏が無作為に当選者を選んでいると説明していることについても「誤りだ。当選者はトランプ前大統領の集会の参加者だ」とし州の消費者保護法にも違反していると指摘している。マスク氏がこの懸賞に関して正式な法的措置に直面するのはこれが初めてで、マスク氏がこの懸賞を発表した当初から法律の専門家らは合法性を疑問視されていたという。ペンシルベニア州フィラデルフィアの司法当局はイーロン・マスク氏が有権者に報奨金を配布していることは「宝くじにあたる」とした上で、認可を受けておらず「違法だ」として、州の裁判所に対し差し止めを求める訴えを起こしたそうで、「人を欺き、あいまいで、あるいは誤解を招く」種類の混乱を引き起こしかねない声明を用いることで、マスク氏が消費者保護法に違反しているとしている。 また米司法省もこの抽選は「司法省によって民事または刑事裁判の対象となる可能性がある」と指摘したうえで、先週に連邦法に違反する可能性があるとしてマスク氏の政治活動特別委員会に警告文を送っているという。司法省の資料によると投票者を誘導するために金銭や酒のほか「宝くじ」を与えることも選挙犯罪と定義されている。選挙法に詳しいカリフォルニア大学ロサンゼルス校のリック・ヘイゼン教授はこの点を挙げ、「明らかに違法な票の買収」と指摘しているという。提訴を受けマスク氏の政治活動特別委員会の広報担当者は懸賞が継続中であることを指摘しただけだというが、それぞれ100万ドルを受け取った男女は共和党の支持者でトランプ候補への投票を済ませたとしている。
2024年11月02日
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東西の名門同士による米大リーグのワールドシリーズは、熱狂的な野球ファンたちが2大都市のチームによる米ワールドシリーズをめぐって盛り上がっていたが、ドジャースが3連勝してヤンキースに王手をかけたがヤンキースも一勝していた。そしてドジャースは敵地で行われたヤンキースとのワールドシリーズ第5戦で逆転勝利し4年ぶりのワールドシリーズ制覇を飾ったという結果になった。一方で米国民の大きな関心事となっているのは大統領選挙で、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領が激しい競り合いを展開していて、残り1週間を切って激戦州での熾烈なアピール合戦が行われている。そしてドジャースはロサンゼルスだしヤンキースはニューヨークと東西の大都市に本拠地を構えているのだ。 またカリフォルニア州出身のハリス副大統領は先日にメディアで「夫とドジャースを応援している」と公言している。一方のニューヨーク州出身のトランプ候補は先代オーナーのジョージ・スタインブレー氏と仲が良く長年のヤンキースファンでもあり、財界の大物でもある両者は互いを尊敬しトランプ候補は何度もスタジアムを訪れてともに観戦していて、「次期オーナーになるのでは」との噂も流れていたが、スタインブレナー氏の死去後は距離を置くようになったという。過激な発言が目立つことでスタンドに反トランプの横断幕が出され、大統領時代にはスタジアムでの始球式を発表しながら数日後に撤回するほか、北朝鮮最高指導者の金正恩氏の「ヤンキース戦招待計画」などをぶち上げるなど波紋を広げていたという。マーケットの違いもあって球団運営ではヤンキースのスタインブレナー氏に軍配が上がるとされているが、全米の野球ファンの人気を二分する両球団のオーナーは対照的だという。観客動員数は毎年ドジャースが1位でヤンキースは4位だがブランド力ではヤンキースの方が分はあるといわれてきた。ヤンキースはワールドシリーズ出場40回の優勝27回だが、ドジャースは出場21回の優勝7回と大きく水をあけられている。ドジャースのマーク・ウォルターオーナーは運営会社である「グッゲンハイム・ベースボール」の筆頭オーナーを務めていて、12年前に球団を買収するとア・リーグのお荷物球団だったレイズを強豪に押し上げたアンドリュー・フリードマン氏を編成トップに招き常勝球団の礎を築いたとされている。 マーク・ウォルターオーナーは本業の投資顧問会社をニューヨークやシカゴで経営していることもあって球団運営にはほとんど口を挟まず、昨オフに大谷選手との契約時に同席したようにスター選手と大型契約を交わす際にも顔を出す程度だという。一方のヤヤンキースのハル・スタインブレナー氏は何かと表に出てくるタイプで、運営企業「ヤンキー・グローバル・エンタープライズ」のトップとして自前のケーブルテレビ局を運営し、プロサッカーチームにも出資するなどビジネスを拡大している。業績は右肩上がりで経営者としては一定の成功を収めており、名物オーナーとして知られた父・ジョージ氏同様にカネは出すが口も出すタイプだという。主砲ジャッジとの交渉に自ら出馬し直々に主将に任命したといわれている。 また大統領選では「ドジャースとヤンキースのファン層は大部分が民主党を支持している」という調査結果もあるそうだが、「野球ファンは投票率が高い。前回のバイデンはロサンゼルス群で71%を獲得した」という。大統領自身の人物は関係ないが、2000年のヤンキース優勝後は共和党のブッシュ氏が大統領になったが、なぜか大統領選の年はナ・リーグチャンピオンがワールドチャンピオンになっていることが多いそうなのだ。米大統領選を控えるハリス副大統領がファンであるドジャースを「今シーズンの皆さんの圧倒的なプレーは世界中の何百万人ものファンを喜ばせました」と祝福したそうなのだが、前回のドジャース優勝の後は民主党のバイデン大統領となっていて、今回のドジャースの制覇もハリス副大統領にとっては良い展開になってきているのだという。
2024年11月01日
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選挙になると若者の「政治離れ」とか「投票率の低さ」がしばしば指摘されるが、なぜ若い世代の投票率が低いのか考えるサイトを見てみると、3年前に行われた前回の衆院選の年齢別の投票率では、20歳から24歳が最も低く26%台となっているそうなのだ。就職や結婚だけでなく子育てなどが待ち受ける世代で暮らしやすい社会を私たちの一票でつくることができるとされるが、国勢調査によると18歳以上の人口を見ると18歳から29歳の若い世代はおよそ11%しかおらず、世代の人口が少ないことは若い世代の投票行動とどう関係しているのかを聞いてみると、「どうやって投票すればいいかも、どういう人に投票すればいいかもわからない」といった、投票所への行き方や投票の仕方がわからないから投票しないという声が多いという。 大手新聞社の元政治部長で政治記者を長く務めてきた専門家は世代によって違う問題意識に注目しており、「若い世代は気候変動やジェンダー平等、アニマルライツなどに関しての関心が高い。ところが日本の選挙がその部分を争点にできているかというと、必ずしもそうではない。政治家や候補者の問題設定が若い世代の問題意識とずれてきているのではないか」 としたうえで、若者が選挙に行かない理由として「住んでいる地域で投票できない」・「面倒」・「忙しい」といった声が多く見られることから、20代前半は勉強や友人との時間が楽しい時期なので「選挙は大事なもの」とまだ思えていないようで、そこで投票に行くきっかけがなにかあるといいのではないかとしているそうなのだ。 誰もが政治の話になるとあまり幸福な顔をしないそうで、政治に関するニュースはあまり愉快ではない問題を常に眼前に突きつけてくるものばかりだからなのだが、税金の使い方の誤りや深刻な問題の放置に積年の社会課題の未解決だけでなく、大切な原則やルールのねじ曲げや未来に投影される不安の種など、こうしたものすべてに関するものが政治ですからそんなことに新鮮な意欲をもって向かい合おうとする人はあまりいないというのだ。そうなると政治はもっぱら「政治で生きている」人たちや「政治に依存している」人たちによってこね回され、公共的で大切なものが私物化されるゲームのように思われてきて、音のない諦めの入り混じった無関心かより強い反対バネを利かせてドロップアウトした人たちだらけとなってしまうという。 それではそうした政治への否定的な態度の人が残らず政治的に無関心であるかと言えば決してそんなことはなく、諦めの境地に至る人も何かきっかけが与えられると割と簡単に政治的にアクティブになる場合もあるのだという。例えば税金や物価など銭金の話になると政治への感度は上がり支持率などに即反映されたりもするし、ある特定問題に強い利益関心をもっている人々はもちろんそれに応じた投票行動を取りますし他者への呼びかけなどにも熱心なのだという。気になるのは投票や発言等政治的意思表明をする気持ちはあるのに、不満や怒りのあまり「あえて」行動することを止めて、「私はもう抜けます。この棄権や白票は、私の政治への強い抗議の意思表明です」と前のめりに後退する人たちなのだという。 政治という人間の営みにおいては思い詰めた気持ちや感情とは裏腹に、冷徹かつ当たり前の帰結が待っているものだともいわれており、それは政治的意思の中に含まれる重要な要素である「決める、選択する」というものがルールの中でどう判断されるのかということなのだが、政治の位相空間では明確にノーと示さなければ、すべて自動的に「私は今のままの世界でよいです」という意思なのだとしてカウントされてしまい、つまり「沈黙・棄権・白票」=「現状に不満なし」になってしまうのだという。棄権や白票投票に内心どのような気持ちを込めようと日本の政治家選びはこのように大半は「黙認」によってなされているのだという。投票されない声はそのまま今の世界を黙認しているものとして扱えるありがたい信任投票になっているのだという。
2024年10月31日
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東京電力の福島第1原子力発電所事故からも13年の歳月が経過し、震災の記憶は時間の経過とともに少しずつ薄れてきているといわれるが、13年経っても変わらないのは日本の原子力政策だそうで、岸田前首相は原発の新増設に言及し「原子力政策を転換した」と言われてきたとされるが、依然として原発のすべては民間企業である電力会社任せで国がリーダーシップを発揮するような変化は見られないという。その証に13年経っても東日本では原発は1基も再稼働していなかったのだ。東日本では西日本に比べて電力供給面の不安定さや電気料金の高さが指摘されてきたが、宮城県の東北電力の女川原発2号機が再稼働したそうで、東京電力福島第1原発事故以降で原発の停止が続く東日本で初の再稼働となったという。 武藤容治経済産業相は閣議後記者会見で女川原発再稼働に期待を示し、「東日本の原子力発電所としても福島第1原子力発電所と同じ国内の沸騰水型軽水炉としても震災後初めての起動であり、大きな節目となる」としたうえで、「今後、電力需要の増加が見込まれる中で、東日本における電力供給構造の脆弱性や電気料金の東西格差などの観点から、原発の再稼働は極めて重要である」と意義を強調したそうなのだ。「電気料金の東西格差」とは既に原発12基が再稼働している西日本に比べ燃料費のかさむ火力発電への依存度が高い東日本では電気料金水準が相対的に高くなっている現状をいうそうで、例えば標準家庭の電気料金は原発7基が再稼働した関西電力に対し東北電力は2割近く高いのだという。 女川原発が再稼働することで値下げにつながるかというとそう単純ではなく、東北電力は昨年の6月に多くの家庭が契約し国の認可が必要な規制料金を平均25%値上げしているが、今回の再稼働による一般家庭の負担減を月約150円と算定していて、その際に既に再稼働を織り込んでいるためだという。東北電の収支への影響はどうかというと、試算によれば電力供給を主に担ってきた火力発電の稼働が減ることで燃料費を約260億円削減できるとされてはいるが、これまでの安全対策工事にかかった費用約5700億円の減価償却も始まるため収支改善効果は差し引き130億円にとどまるという。また東北電力は2基の原発を保有しているが、いずれも原子力規制委員会の審査を通過しておらず再稼働の時期は未定となっている。 この2基が稼働すれば燃料費は抑制できるが再稼働には規制基準に応じた安全対策工事が必要で工費は上振れする可能性があるし、仮に再稼働が進んだ場合も電気料金や経営への影響は見通せないとして試算は出していないという。女川原発は西日本で再稼働が進む加圧水型軽水炉とは違い福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉で、この炉の再稼働も原発事故以降では初めてとなるというのだ。沸騰水型軽水炉の再稼働は12月に中国電力の島根原発2号機が続く予定となっているが、その後は原発事故を起こした東京電力の原発再稼働が実現するかどうかに注目が集まっており、柏崎刈羽原発は規制委の審査を通過しているが女川や島根とは異なり地元の同意を得ておらず再稼働時期は未定となっているという。 再稼働した東北電力女川原発2号機の立地自治体や福島県の住民からは「やむを得ない」とか「複雑な気持ちだ」などとさまざまな声が聞かれているそうなのだが、石巻市の老婦人は「できれば動かしてほしくないけれど、今の電力状況を考えると原発は必要だと思う」と話し、東京電力福島第1原発事故を念頭に「同じようなことが起きないことを祈るだけだ」と付け加えている。福島県双葉町の会社役員は「リスクがある以上やめてほしいが、やむを得ないと感じる部分もある」としているが、政府は女川原発の再稼働が「脆弱」とされる東日本の電力供給の安定につながると期待していて、柏崎刈羽原発についても東日本にある原発として「再稼働が極めて重要」との立場を示しているそうなのだ。
2024年10月30日
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共和党のドナルド・トランプ候補は最近の演説で話し始めてから1時間ほどがたった頃、民主党のカマラ・ハリス副大統領が大統領に当選すれば「われわれの国全体がデトロイトのようになってしまうだろう」と述べたそうだが、ハリス陣営の副代表を務めるロブ・フラハティー氏は陣営内部のテキストメッセージのスレッドについて「誰かがメッセージを送っているのを見た。何のことかと調べてみると、そのことだった」と話している。そして「トランプがデトロイトでデトロイトを侮辱したなんて信じられないという感じだった」としたうえで、ハリス陣営はそれを政治的な贈り物と受け止めたそうなのだ。その翌日にはハリス副大統領の陣営は地元で人気のあるスローガン「デトロイト対世界」を「デトロイト対トランプ氏」に変えた広告を発表したという。 大統領選の投票日まで2週間余りとなった時期で激戦州ミシガンでのほとんどの世論調査でトランプ候補とハリス副大統領の支持率はほぼ互角だといわれており、両候補はミシガン州最大の都市デトロイトとその周辺を含む州内各地を駆け回ったという。ハリス副大統領はジャケットの下に「デトロイト対世界」のロゴが入ったシャツを着ていたおり、民主党支持を象徴する「青い壁」を守るための戦略の一環としてデトロイトで民主党支持者の投票率を上げようとしているそうなのだ。ハリス陣営はトランプ氏の「われわれの国全体がデトロイトのようになってしまうだろう」という発言について、何十年にもわたる都市部の衰退を経て復興を続けていることを誇りにしている地域で有権者の心を逆なでするものだと考えているそうなのだ。 ミシガン州でトランプ陣営の選挙運動に携わる人々はトランプ候補がデトロイトを開発途上国になぞらえたことについて無遠慮だが正直だと話しており、トランプ候補の発言は黒人が80%近くを占める都市部の支持獲得にはマイナスだとしても、トランプ候補の支持者とりわけミシガン州の農村部や郊外に住む労働者階級の白人有権者の心には響く可能性があるというが、トランプ候補の発言は選挙期間中に行ってきた多くの演説とほぼ違いはなかったという。トランプ候補が不安定な振る舞いを見せた集会は通常より観客の数は少なくエネルギーに欠けていた。この集会の直前には想定外の状況が続いていたそうで、予約した会場が満員にならず演説はマイクの技術的な問題で中断されてしまったという。 トランプ候補は演壇のそばで所在なげに修理が終わるのを待ち音響システムを納入した業者への支払いを拒否したそうで、トランプ候補の発言はデトロイトの産業界で話題になっており、市民団体や企業のリーダーが怒ったり困惑したりしているという。それでも共和党員の中にはデトロイトにはまだ改善の余地があるというトランプ候補氏の指摘は正しいと言う人も多く、デトロイトの一部住民も犯罪は依然として懸念材料だと話している。ハリス陣営はミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー氏など州および地元のリーダーの発言を活用しスポット広告を編集・制作しており、そこでは「ここは勝者の都市であり、有望な人材、創造者の都市だ。このモーター・シティは、より大きく、より良い街になっていく」としている。 この広告は大リーグのデトロイト・タイガースのプレーオフとナショナル・フットボールリーグデトロイト・ライオンズの試合中継中に流されたそうなのだが、ハリス陣営は「彼は今回の大統領選に決定的な影響を与え得る都市についてコメントしている」と述べたという。トランプ候補は「彼女が大統領になったら、国全体がデトロイトのようになってしまうだろう」としたうえで、「めちゃくちゃになるだろう。彼女はサンフランシスコを破壊した。この国に対して同じことはさせない」と語っている。州務長官室によるとミシガン州では既に94万4000票を超える期日前票が投じられているが、これは同州の有効な登録有権者の13%に当たり、両陣営が狙いを定めるのはミシガン州で投票する見込みの特定の有権者層だという。
2024年10月29日
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自民党が派閥裏金事件を受けて衆院選で非公認となった候補側に対し2000万円を提供したことが判明したのだが、「政治とカネ」の問題が最大の争点となった選挙戦で政治資金がつじつまの合わない使われ方をしたことになっていたという。石破茂首相は当選後の追加公認を示唆しており、身内の論理優先で裏金事件の「けじめ」を付けられない党の体質が改めて浮き彫りとなったといわれていた。森山裕幹事長は非公認候補が代表を務める政党支部への支出について「候補者に支給したものではない。組織として党勢拡大してもらいたいとの趣旨だ」などと釈明する短いコメントを発表したのだが、政党支部を巡ってはかねて政治家の「財布」との指摘があることから「けじめ」には程遠いという指摘がなされていた。 今回の資金提供は公認候補と同額とされていて、党関係者は「非公認となった不利益をカバーする『見舞金』の位置付けだ」と認めている。石破首相らは裏金事件に関係した前議員らへの対応で一時「原則公認」に傾斜しており、臨時国会の党首討論でも非公認候補が当選した場合の追加公認の検討を明言していて、いわゆる衆院選での「みそぎ」を済ませたいとの本音が透けてみえるという。森山幹事長は選挙期間中に講演で裏金事件に触れ「それだけが選挙で議論されるのは間違っている」といら立ちをあらわにしたが、党勢拡大が目的だと説明しただけで記者団が求めた取材対応には応じておらず、自民党の中堅幹部も「仲間を支えて文句を言われる筋合いは一切ない」と開き直って反省などしていない態度だったという。 自民党の規約では公認候補には公認料分500万円で活動費分1500万円の合計で2000万円と明記されており、支部への支給とはいえそれと同額では説明が付くわけがないという。「偽装非公認」や「裏公認料」などといわれても仕方ないところなのだが、野党各党は一斉に反発したそうなのだ。立憲民主党の野田佳彦代表は「非公認と言いつつ事実上の公認だ。たちが悪い」と批判していたし、日本維新の会の藤田文武幹事長も「国民をだませると思っているならあり得ない」と強調していたという。共産党の田村智子委員長は街頭演説で「どこまで国民をばかにしているのか」と厳しく指弾し、国民民主党の玉木雄一郎代表も福岡県新宮町で「『ステルス公認』だ」と断じていたそうなのだ。 裏金事件を巡り石破茂首相が「ルールを守る自民党を確立する」としており、「政治とカネ」の問題が問われた今回の衆院選では裏金問題に関与した候補の当落が焦点だったが、自民党から重い処分を受けた萩生田氏ら9人は非公認として厳しい戦いを強いられ、一部は公明党との選挙協力が成り立たない事態になったという。自民党公認を得た34候補も政治資金収支報告書に不記載があったことを理由に比例代表の重複立候補が認められず、選挙戦終盤には党本部から非公認候補側に2千万円の「活動費」が支給されていたことが明らかになり、自民党執行部も非公認候補も批判を浴びただけでなく、2千万円は公認候補への支給と同額だったことから野党は「裏公認料だ」と攻勢を強めていたという。 投開票された衆院選で自民党派閥の裏金問題に関与した候補者46人のうち、萩生田光一元政調会長ら18人が当選し下村博文元文部科学相ら28人が落選したわけだが、そんな中で和歌山2区では自民党の参議院幹事長などを務め、今回は無所属で立候補した世耕弘成氏の初めての当選が確実になったという。和歌山2区には二階・元幹事長の政界引退を受けて三男の二階伸康氏が自民党の公認を得て立候補し、世耕氏との間で保守分裂の激しい争いとなっていたが実績のある世耕氏が選ばれたという。今後は裏金問題で非公認となり当選した候補の追加公認に注目が集まっており、石破首相は「有権者の判断は重い」と追加公認に前向きだが厳しい選挙結果を受けて手続きの難航も予想されているそうなのだ。
2024年10月28日
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石破茂首相は広島市での街頭演説で裏金事件を受けて衆院選で非公認となった候補が代表を務める政党支部に自民党本部が公認候補と同額の2000万円の活動費を支出したことについて初めて言及したそうなのだが、自民党は公認候補の支部に公認料500万円と活動費1500万円の2000万円を振り込んでいるが、非公認とした8人の候補が代表を務める支部にも党勢拡大のための活動費として選挙の公示直後に同額の2000万円を支給したという。この2000万円という大金は政党交付金から支給されており、石破首相は支給された2000万円について「自由民主党の公約、自由民主党の政策を分かってもらいたい。その思いで、政党支部に出しているのであって、非公認候補に出しているのではありません」と弁明している。 この「党勢拡大のための活動費の2000万円」は政党交付金から支給されていてその原資は国民の税金なのだが、「選挙には使わない」と断言する石破首相の説明をそのまま受け取る国民がどれほどいるかは疑問で、政党支部はかねて政治家の財布とも指摘されていて野党からは「事実上の公認料」とか「もはや国民を騙しているに等しい」などと批判が強まっているという。そのうえ「報道に誠に憤りを覚える」などと語気を強めた行為に関しても、「石破首相のこの逆ギレはタチが悪いですね。非公認は自民党の支援が受けられないという話だったのに、このタイミングで2000万円を、非公認候補が代表の支部に出すのは事実上の支援と考えるのが普通でしょう。だから石破首相は信用できません」といった批判も強いという。 さらに石破首相愛知県で行った演説で「悪夢のような民主党政権と言うが、あのころのことを覚えている人はずいぶん減った」としたうえで、「『あんな人たち』にこの国を任せるわけにはいかない」といった発言をしたそうなのだ。「悪夢のような民主党政権」は7年前の都議選の応援演説で自らに批判的な聴衆に向けて故安倍晋三元首相が放った言葉なのだが、安倍元首相がかつて使用したフレーズで野党批判を展開した石破首相だが、かつて安倍元首相が使った「悪夢のような民主党政権」という言葉について石破首相は「過去に終わった政権のことを引き合いに出して『自分たちが正しいんだ』というやり方は危ない。国民が求めているのは民主党に対する批判ではない」と批判的に語っていたというのだ。 危機感の表れから一転したと受け取れる石破首相の今回の発言には反発も大きく、「民主党政権を悪夢と言うのであれば自民党政権は惨劇」とか、「悪夢の民主党政権は3年間。極悪の自民党政権は30年」などの声が挙がっているという。発表されている世論調査では内閣支持率は28.0%と発足時では2000年以降の歴代内閣で最低を更新しており、裏金事件での議員の処遇や衆院選の解散時期など総裁選での発言を数々後退させていて、就任後の「変節」への批判も大きく響いているそうなのだ。国民民主党の玉木雄一郎代表は「『悪夢の民主党』などという批判は石破総理らしくない。かつては、ご自身も批判されていたではないか。また変わってしまったのか」と疑問を呈しているという。 立憲民主党の小沢一郎衆院議員は「権力という魔物に取りつかれると、人間はここまで駄目になるという典型例。正直ここまで絶望的な総理とは思わなかった。石破内閣は始まる前にすでに終わっている」と厳しい言葉で非難している。タレントの松尾貴史も「まるで人が変わったように『そんな人たち』『悪夢の民主党政権』と、何かが憑依したかのような醜態」と皮肉を込めてつづっているそうで、政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「非公認のおわび行脚をしながら、資金を出していたとすれば国民に対して嘘をついていたことになる。党執行部全体の問題であり、石破総裁も知らなかったでは済まされない。選挙戦後半に発覚したことで、有権者の投票行動に変化を与えるのではないか」と語っているそうなのだ。
2024年10月27日
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米実業家のイーロン・マスク氏が米大統領選の激戦州で有権者への報奨金配りを加速させているそうで、民主党陣営と共和党陣営が最重視する東部ペンシルベニア州などでは来月5日の投開票日まで、保守的な主張を盛り込んだ文書に署名した人の中から毎日1人に100万ドルを贈与すると発表している。イーロン・マスク氏自身が支持する共和党候補のトランプ前大統領を側面支援する狙いがあるが、ただトランプ候補への投票を直接的に呼び掛けてはいないものの「違法行為」と指摘する声も上がっている。マスク氏は激戦の7州で「憲法が定めた言論の自由と武器所持の自由を支持する」との文書に署名する有権者を紹介した人に47ドルを支払うと発表しており、ペンシルベニア州では先週から100ドルに増額しているという。 ペンシルベニア州で集会を開き最初の「当選者」の男性に100万ドルの小切手を手渡したそうなのだが、マスク氏によると激戦州の署名者が対象で嘆願書は言論の自由と銃所持の権利を支持すると誓約する内容だが、署名活動でつながった有権者をトランプ候補支援に動員する狙いが明白で、お抱えの最強弁護士のお墨付きがあっての戦略だという指摘もあるが、違法性を指摘する声が出ている。経済誌フォーブスの世界長者番付で首位に立つマスク氏は自身が立ち上げたアメリカPACにこれまで7500万ドル以上を献金しており、接戦とみられる大統領選に財力を使って影響を及ぼそうとしているといわれている。またマスク氏は「アメリカPAC」のイベントで参加者に期日前投票を行うよう促しているそうなのだ。 有権者は「この件当然選挙違反にならない、誰々に投票したらというと問題だが、有権者登録したらって事なので法には触れない筈だ。イメージを落としたい民主党とすればことさら問題にしたいんだ」とか、「マスクらしいやり方で賢いね。有権登録で共和・民主どちらでもいいし、実際行くかもわからない。話題なって宣伝効果もあるしな。訴えられるよりもメリットの方が上回ると判断しただろう」といった肯定的な意見も多いが、「マスクが取った行為は選挙法違反、大統領選後に捜査のメスが入るのは間違い無い。アメリカ史上最悪の政治とカネ問題に発展する可能性もある」といった反対の意見も多いという。ペンシルベニア州のシャピロ知事は違法性の有無について明言を避けたが「法執行機関の捜査対象になり得る」と指摘している。 ペンシルベニア州のシャピロ知事は「マスク氏には彼の意見を表明する権利はあるが、今回のような資金を政治に使うことは合法性について深刻な疑問を生じさせる」と指摘し、有権者に金銭を配る考えなのは「深く憂慮すべき」ことであるとしているが、マスク氏が設立した政治活動委員会は11月の大統領選で共和党のトランプ前大統領を支持するために新たなキャンペーンを開始しており、ペンシルベニア州10月22日から11月5日の投票日まではペンシルベニア州を含む激戦7州の登録有権者が対象になるとしている。連邦法では投票や有権者登録と引き換えに金銭を授受することは禁止されており、米メディアによるとマスク氏の活動の合法性については専門家の意見も割れているという。 これとは別にジャーナリストのナターシャ・ストイノフと年金暮らしのジェシカ・リーズが出演する動画広告が話題を呼んでいて、2本の動画広告は「サイコパスに対抗する政治活動団体」を自認する「Psycho PAC」が公開したものだが、なにしろ米大統領への返り咲きを狙って現在選挙運動真っ最中のドナルド・トランプから受けた性的暴行を告発する内容なのだという。アメリカのメディアによるとこの2つの動画広告はアメリカの複数のチャンネルでも流れる予定で、そのなかには全米規模の「フォックス・ニュース」だけでなく、スポーツ専門チャンネル等も含まれているそうなのだ。そしてトランプ候補は現在までに少なくとも26人の女性から程度の差こそあれなんらかの性的暴行で訴えられているそうなのだ。
2024年10月26日
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選挙報道期間真っただ中だがここのところニュース・情報番組の誤報が相次いでいてとても不安になっているそうで、ある報道番組でも三原じゅん子大臣に関するインタビューとして、村上誠一郎大臣に対する論評を誤って放送したのは話題になったが、そのあとも候補者の写真を取り違えたり情報を間違えたりと細かいものも含めればいろいろと間違えまくっているという。 選挙報道に限らずそもそも誤報はダメですから気を引き締めなければならないのだが、そうは言っても「たぶん防ぎようがないよなあ」というのが番組の現場を知る人間としてつくづく思い当たっていると関係者は嘆いている。というのもスタッフの人材不足でレベルが本当に低下してしまっているそうで、それでびっくりするような凡ミスが多発して頭を悩ませているというのだ。 各局ゴールデンタイムを除けば朝から晩までニュースと情報番組ばかり放送しているが、優秀なスタッフはそもそも取り合いになっていて経験値と能力の高いベテランはそもそもそんなにおらず高齢化してどんどん業界を去っていっているという。そもそもTV業界なんて不人気でそんなに優秀な若手が入ってこないそうで、最近よく「働き方改革の影響で職人が育たないから」という理由で洋菓子店や高級レストランの廃業が増えているというが、TV業界もそれと似たような感じなのだという。もちろん労働環境の改善は必要なのだが、あまり働かせることができないから業務経験をなかなか積ませることもできず、ミスをしても「パワハラが怖くて」叱ることもできないうえに、注意すればすぐ辞められてしまうという悩みが業界では話されているという。 「情報発信側」として「伝統メディア(放送・新聞など)」に対しては「信頼できるコンテンツの発信」が求められ、この10年ほどの間に政党からの選挙報道へのクレームが強くなったとの噂があるそうで、元々選挙報道で各政党をどれだけ伝えたか秒単位で測って自党が少ないと政党がクレームをつけることはあったという。そのためNHKでは秒を超えてフレーム単位で計測して揃えていたとの話もあるが、そして10年前には自民党が各テレビ局に選挙期間中の報道の公正中立を求める文書を出したことが明るみになり、それ以降TV局は萎縮し選挙報道を控えるようになったと言う人もいるという。「信頼」とは確かな情報を届けることもあるが、頼りにされるか当てにしてくれるかもあり、正しければ信頼されるかといえばそうでもないのだという。 また都知事選挙はテレビよりYouTubeを信頼する層が選挙結果に大きな影響を及ぼした最初の選挙だったのだといわれているが、都知事選後に行われた世論調査でもインターネットを通じた候補者の選挙運動を「大いに参考にする」が13.9%の、「ある程度参考にする」が46.4%と約6割に上ったそうで、「あまり参考にしない」は20.7%の「全く参考にしない」18.1%だったという。都知事選で「台風の目」となった石丸伸二氏は公式YouTubeで公約の説明や街頭演説の様子を積極的にアップしていたが、TVの選挙報道がこのまま委縮し特定の候補者に集中していくのであれば、候補者たちが自ら発信できるYouTube等を活用しようと思うのは当然で、今後の選挙ではネットが「主戦場」になっていく可能性があるのだという。 選挙権は18歳以上なので選挙への影響で言うともちろん17歳以下を削らねばならないが、これまで少数派だったネット世代が日本社会ではっきり力を持ちつつあるそうで、ネット世代にはテレビよりYouTubeが信頼されていて、YouTubeは毎日使うし自分に適した映像の探し方も知っているというのだ。選挙では誰が自分にとって好ましい候補者か自分で見出すことができるとされ、TVは正しい情報を伝えるのかもしれないがそもそも見ないため、アテにするのはYouTubeとなってしまい、見ないメディアは信頼の対象にさえならないのだという。少数派だったネット世代がどんどん数を増し多数派になっていくことから、選挙では有権者にとってそして候補者にとっても役に立つのはYouTubeだという時代がもう始まっているという。
2024年10月25日
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アメリカ大統領選の共和党候補のドナルド・トランプ前大統領は、タウンホール・イベントに出演した中で自分の支持者たちが連邦議会を襲撃した2021年1月6日のことを、「愛の日」と呼んだそうなのだが、フロリダ州マイアミで開かれたイベントでトランプ候補はこの日に大勢が首都ワシントンに集まったのは「選挙が不正選挙だと思っていたから」だと述べたという。この集会の会場から多くの支持者が議事堂へ行進し議員たちがジョー・バイデン氏の当選を認定している最中に暴徒と化して議事堂を襲撃したわけだが、 トランプ候補はこの時の選挙には大規模な不正があったせいで自分は負けたのだと虚偽の主張を何年も続けていて、アメリカ世論は今も議会襲撃をめぐって分断しているといわれている。 トランプ支持者などによるこの行動は反乱・騒乱罪・自国産テロリズムであるとされており、議事堂とその敷地の保護を担当する議会警察は約2000人いたはずだが、ソーシャルメディア上の複数の動画には、群衆に向かって1列に並んでいた少人数の警官がほどなくして圧倒される様子が映されており、群衆の中には武装したり、武器やスプレー剤を振り回したりする者もいたといわれている。警察の準備不足と手際の悪さが目立ち当時の様子をとらえた複数の写真や映像からは、市民が議事堂内を自由に歩き回れる状況になっていたことが分かるという。侵入したトランプ支持者たちが米民主主義のシンボルを荒らしたり、破壊する様子を写真に収めたりライブストリーミングする姿が映像に映されている。 トランプ候補は「問題のあることは、何もなかった」としたうえで、「あそこに銃はなかった。我々は銃を持っていなかった。他の連中は銃を持っていたが、我々は持っていなかった」と語り、議事堂に向かった人たちに自分を含めて「we(我々)」と発言したという。そうして「私が言う『我々』とは議事堂へ歩いて行った人たちのことだ。全体のごくごく少数で、誰も見ていないし、誰も、誰も見せない。でもあれは、愛の日だった」とトランプ候補は続けたそうなのだ。さらに議会襲撃の直前に自分がホワイトハウスの外で行った演説について「何十万人もの人々」に向かって話していたのだとしたと詭弁を弄して、「あの人たちは、私のために来たのではなく、選挙のために来た。選挙が不正選挙だと思ったから来たのだ」と述べたそうなのだ。 トランプ候補は前回の大統領選挙結果を覆そうとした複数の罪で起訴されているが、罪状の詳細は司法省の特別検察官が提出した書類で公表されている。担当のジャック・スミス特別検察官は裁判所に提出した申立書の中で、前回の大統領選挙の結果がどうなろうとトランプ候補が勝利を宣言するつもりで計画していたことや、投票日に先駆けて投票結果を争う準備を固めていたことを詳細に説明しているという。スミス検察官はまた申立書でトランプ候補が2021年1月6日にワシントンに集まった支持者たちと一緒になってバイデン氏の勝利を否定しようとした際に、それに協力しないマイク・ペンス副大統領と決裂したことにも触れている。ただし前回選挙を覆そうとした罪状で被告人として法廷に立つことはないという。 また米共和党の副大統領候補であるバンス上院議員は、前回の大統領選でトランプ前大統領は敗北していないと思うと明言したそうなのだ。これまでこの問題について何週間にもわたり回答を避けてきたが、東部ペンシルベニア州で開いたイベントで記者団に改めて見解を問われるとバンス氏は、「20年の選挙については何度も直接答えてきた。ノーだ。20年の選挙を巡っては深刻な問題がある」としたうえで、「トランプ氏は20年の選挙で敗北したのか。私が使う言葉ではそうではない」と述べたという。トランプ候補は20年大統領選で自身が敗北したのは大規模な不正投票が原因だという虚偽の主張を続けているといるのだが、バンス氏も選挙結果についてはテクノロジー大手によるオンライン検閲が原因だと非難している。
2024年10月24日
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終盤には選挙後の各党の対応がテーマとなっているが、石破首相率いる自民党は15年ぶりに単独過半数)を割り込む可能性が指摘され、ある討論番組で司会者が石破首相に「今回の目標は自公で過半数ということですが、当然、過半数を獲れない場合は何らかの責任を取るということでしょうか」と質問したところ、厳しい表情で聞いていた石破首相は「自公で過半数を目指して、明日から本当に死にものぐるいで、全身全霊で戦う時に、もしこうなったらなぞということは、考えません」と強い口調で答えたそうなのだ。そのうえで「有権者の、主権者の厳粛な審判に従うのは当然のことですが、明日から選挙という時に、そのような事は申しません。有権者の審判にはきちんと謙虚に向かい合わなければならないのも当然です」と述べたという。 自民党に逆風が吹くなか連立政権を支える公明党も正念場を迎えていて「なかなかシビアな数字が出ている。もともと厳しい戦いになるとは思っていたが、これほどとは」と、公明党関係者は言葉を失った。埼玉14区では石井啓一代表が比例に重複立候補をせずに小選挙区に勝負を賭けているが、「落ちたら終わり」の背水の陣でまさかの接戦を強いられている。今回が小選挙区としては初陣となる石井代表は初当選以来比例代表東京ブロックや北関東ブロックで当選を重ねているが、連立を組む自民側としては選挙区を譲った格好となっている。その合意に至るまでには両党での激しい駆け引きがあったそうで、公明党関係者の脳裏に浮かぶのは当時の代表が「討ち死に」をした15年前の悪夢だという。 公明党や支持母体である創価学会の関係者らの脳裏に浮かぶのは民主党旋風が吹き荒れた15年前の衆院選での波乱で「当時の太田昭宏代表が選挙区で、民主党の新人の青木愛氏に敗れた。当時は政権交代の機運が盛り上がり『小沢チルドレン』と呼ばれた青木氏のような新人候補が大量に当選しており、太田さんは重複立候補を辞退し東京12区のみでの出馬だったため比例復活もできず、国交相も務め党内での人気が高かったため選挙区での敗北は党の内外に波紋を広げたが、何より現役の代表が落選するという衝撃は大きかったという。今回は石井代表も重複立候補をせずに小選挙区で勝負をかけているが、池田大作創価学会名誉会長が亡くなってから初めての衆院選でもあって真価が問われているという。 このような情勢下で自民党は衆院選で逆風が強まっているとみて危機感を高めていて、情勢が厳しくなる中「重点区」を設定し自民・公明両党での過半数獲得に向けて組織をフル稼働させる構えだという。石破首相ら自民幹部は党本部で約1時間協議し、小選挙区の「重点区」を絞り込んだそうなのだが、関係者によると20都道府県の40選挙区と大阪府の「全選挙区」が選ばれたという。終盤戦に向けて党幹部が集中的に応援に入る予定を組んでいるが、報道各社の情勢調査では自民・公明両党で過半数割れする可能性も取りざたされており、石破首相は陣営向けの党の緊急通達で「死にもの狂いで全国を駆け回る」と切迫感を示し、特に大阪等の関西地区では選挙区を駆けずり回りながら街頭で訴え続けているという。 演説内容も野党批判が色濃くなっていて石破首相は愛知県豊田市での演説で「悪夢のような民主党政権と言うが、あの頃のことを覚えている人は随分減った」と指摘し、続いて行った愛知県小牧市での街頭演説では「あんな人たちにこの国を任せるわけにはいかん」とボルテージを上げていたという。「悪夢のような民主党政権」のフレーズは安倍晋三元首相が多用したことで知られているが、小泉進次郎選挙対策委員長も栃木県小山市で「無責任な野党に政権を渡すわけにはいかない」と強調している。また自民内では選挙後を見据えた発言も数多く出ているそうで、森山幹事長はTVの報道番組で自公連立の枠組みを広げる可能性を問われ、「協議は前向きにしていくべきだ」と否定しなかったという。
2024年10月23日
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接戦が伝えられる米国の大統領選挙に比べて盛り上がりの欠く我が国の衆議院選挙だが、東京は永田町の自民党本部前に火炎瓶が投げ込まれた事件を受け、警察当局や陣営が衆院選の街頭演説時の警備に神経をとがらせているそうで、石破首相らの演説会場には金属探知機が投入され、安全確保が優先されているのだという。青木一彦官房副長官は記者会見で「選挙は民主主義の根幹。暴力に屈することがあってはならない」と事件を非難し、要人警護などに万全を期すよう全国の都道府県警に指示したことを明らかにしており、石破首相は安倍元首相が襲われたのと同じ奈良市のJR奈良駅前の演説の冒頭に「離れたところから話をするがお許しください」と断り、自民候補への支持を呼びかけたそうなのだ。 石破首相が乗った選挙カーはロータリーの壁側に止め背後と足元には防弾用の壁が設置されており、聴衆には金属探知機による手荷物検査があっただけでなく車から約30メートル離れた場所で演説を聴かされていたという。立憲民主党の野田代表も札幌市で街頭演説したというのだが、同じように建物の壁を背に立ち側面には防弾用の黒いスクリーンが設けられていたそうなのだ。9月の代表就任後は警視庁の警護員が配置されており、この日は聴衆とフェンス越しに握手したそうなのだ。その後に野田代表は訪問先の秋田市で記者団に「有権者との距離が遠くなり、残念」と述べたというが、衆院選でこのような厳重な警備が敷かれるのは国内外で要人の襲撃事件が相次いでいるためだという。 報道各社が実施した電話やインターネットによる調査結果などによると、自民・公明両党を合わせて「与党で過半数」の議席を獲得できるかどうかが焦点となっており、衆院の解散時勢力は自民256の公明32で計280議席を超している。石破政権発足直後となった今回の解散・総選挙は自民党派閥による政治資金収支報告書の不記載問題の影響で、与党は「大逆風」にさらされているとされている。「一から出直すつもりで臨む選挙」は議席減をどこまで食い止めるかの勝負となっている模様で、与党で過半数を占めるかどうかが一般的な勝敗ラインと目されている。衆院選での与党の獲得議席数を指す数字のそれぞれが意味するのは、その議席数になったときの選挙後の「政権の安定度の違い」であるからだという。 石破政権は発足時から不記載問題を引き継ぐことを余儀なくされいわば「マイナス」の状態からスタートしたといわれるが、自民党議席の「減り幅」が大きければ党内で政権批判を招きかねず獲得議席数は「石破おろし」が起きる確率を左右するという。一方で党内からは「本当にお金をかけない政治を実現する機会としてほしい」との声も聞かれており、石破首相は北海道岩見沢市内で演説し「反省と謝罪」を訴えたそうなのだ。与党にとって情勢は厳しく前半戦の段階では自公で過半数獲得がやっとの状況のようだともいわれるが、選挙を戦う自民党前職の一人は「前職議員であっても、既に野党候補に大差をつけられて、応援しようにも救いようがなくなったような人がいる」などと政治資金問題の影響の大きさを語っている。 与野党幹部は全国各地で政策立案や実現能力を巡って舌戦を繰り広げているが、石破茂首相は自民・公明両党が伸び悩んでいるとの報道各社の情勢報道に危機感を示し、野党の政策への批判を強めているそうなのだ。石破首相が遊説で入るのはどこも接戦区で特にここ数日はやや相手候補に離されているような選挙区に入っているといわれるが、石破首相は日本維新の会が強い関西地方で街頭演説しており、大阪府寝屋川市で維新の社会保障制度改革案では高齢者の負担が増すと指摘し「そんな政治を許してはならない。われわれは高齢者が安心して生きられる制度を守る」と訴えたという。無役の時も全国を行脚してきた石破首相らしいのだが地方重視の姿勢とは裏腹に自民党は都市部で苦戦しているという。
2024年10月22日
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光熱費をはじめ身近な食料品にまで値上げの波が押し寄せる中で家計のやりくりに苦慮するご家庭は多いが、さまざまな物の価格が上昇せざるを得ない中で住居に関わるコスト「マンション管理費」もやむを得ないといわれている。マンションの管理費は管理組合の「管理費会計(一般会計)」に組み込まれ、これは一般家庭でいうところの家計として日常の出費にあたる部分となっており、毎月の光熱費・通信費・食費や教育費などの支出を担う部分となる。この管理費会計とは別に積立金会計(特別会計)があって、これはマンションの劣化に伴う修繕・メンテナンスの費用支出を行う会計区分で、一般家庭にたとえると自宅の修繕リフォームや老後資金に備えた蓄えなど比較的大きな支出が必要な場合に備える部分にあたるとされている。 日常の出費にあたる管理費会計では管理費以外にも収入源があって、駐車場やバイク・駐輪場などの使用料だけでなく、専用庭・ルーフバルコニーの専用使用料に集会スペースの使用料などの収入が得られることが多いという。支出項目については管理会社に支払う管理委託費共用部分の電気水道料に、それから火災保険料と管理委託費に含まれない保守メンテナンス費に小修繕費などの項目が挙げられる。小修繕費は大規模修繕とは別の比較的小規模な故障修理や修繕に関する支出のことで、例えば共用部の電球交換や給水ポンプなどの不具合対応が当てはまるという。比較的低コストで収まる場合が多く予算範囲内で行うケースが多いため、管理費会計は原則「値上げはない」という前提で運営されている。 ところが東京カンテイが新築・中古のマンションでそれぞれ毎月発生する管理費や修繕積立金の合計額であるランニング・コストを分析したところ、ランニング・コストは70平方メートル換算で首都圏では新築・中古ともに合わせておおむね月額3万円を超えているという。一般的に20階以上のタワーマンションの方が通常のマンションよりも管理費や修繕積立金が高いといわれているが、タワーマンションには多様な共用施設が備えられ24時間常勤管理など充実した管理サービスが提供されることが多く、タワーマンションの施工方法が一般のマンションと違い特殊になっていることで日常の管理費が高くなるそうなのだが、多くのマンションで10年間のうちに管理費や修繕積立金を値上げしているという。 管理費の値上げや管理組合の理事長や管理会社への不満などに関する相談はここ5年で増えているといい、公益財団法人のマンション管理センターによると分譲マンションの住民、管理組合等から寄せられた相談数は昨年度が過去最多となったそうで、相談の多くは「管理費の値上げについて臨時総会が開かれるが、通知書に具体的な値上げに関する金額の説明がない」とか、「管理費の値上げを理事会が検討しているが、節約を考えないで管理会社の言いなりだ」 や「管理費会計が赤字となり、管理費の値上げを考えているが、マンションの管理費の平均額などを調査した資料はないか」に「管理費の値上げを理事会決議で決めてしまった」などトラブルの背景にあるのがマンション管理費の値上がりだという。 不動産コンサルティング企業が過去7年間で新築マンション管理費の平均値が3割以上値上がりしているという。物価高に伴い警備や清掃など様々なメンテナンスにかかる人件費が高騰しているためだが、マンション管理コンサルタントの土屋輝之氏は「管理会社が清掃・警備などを業者に発注する時には手数料を上乗せするので費用が割高になり、住民らが理解を示さず、トラブルになるケースが最近、多い」と話している。そうして管理会社は管理委託費の内訳などを明朗会計にする努力も必要とアドバイスしたうえで、「管理委託費を少しでも安くしたいのであれば、管理組合が自主管理するという手もある。マンションの質を保つには相応の管理コストがかかる。住民側と管理会社がよく話し合い互いに歩み寄るしかありません」という。
2024年10月21日
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アメリカ大統領選挙で共和党候補のトランプ前大統領がロシアによるウクライナ侵攻について「この戦争は負け戦だ」と発言しているそうで、トランプ前大統領はポッドキャスト番組のインタビューで「ゼレンスキー大統領はロシアとの戦争を始めさせるべきではなかった。この戦争は負け戦だ」と述べ戦争の責任がウクライナのゼレンスキー大統領にあるとも受け取れる発言をしたそうなのだ。また「ゼレンスキー氏は今まで見た中で最も偉大なセールスマンだ。彼がアメリカに来るたびに我々は1000億ドルを与えている」と非難し、「自分が大統領だったらあの戦争は決して起こらなかった」と従来の主張を繰り返し、批判の矛先を民主党のジョー・バイデン大統領に転じウクライナ紛争を「扇動」のは杯ダン大統領だと非難したという。 共和党のトランプ候補はインタビューの中でゼレンスキー大統領を助けたくないという意味ではないと強調しつつ「戦争を始めるべきではなかった。負け戦だ」と発言しており、ロシアが侵攻を始めたことを否定する発言とも受け取れることから物議を醸しているそうで、トランプ候補はこれまでもウクライナへの巨額の軍事支援を批判し、ウクライナ領土を一部割譲した和平案などを示唆している。トランプ候補が当選したらアメリカはウクライナにこの案を確実に提示するとされていて、そもそも戦争を始めたのはロシアだという大前提すらすり変わっていて、必然的に大幅譲与してロシア大勝利の結果で戦争は終結するという。こうなると中国も「弱い国は攻めたもの勝ち」だと捉えて台湾への軍事作戦を始める可能性が一気に高まるという。ロシアによる侵攻開始から2年以上が経過する中でウクライナ側は、国民の士気低下を懸念して戦死者数をほとんど公表していないが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが先月報じたところによればウクライナ紛争の死傷者数は両国合わせて100万人を超えているという。米国はウクライナの主要支援国の一つで侵攻開始以来641億ドル以上の軍事支援を行っているそうなのだが、トランプ陣営はトランプ候補がウクライナ紛争の責任について非難したのはゼレンスキー大統領ではなく「明らかにバイデン氏だ」と釈明している。トランプ候補はロシアのプーチン大統領を高く評価していてウクライナへの軍事支援に消極的で、大統領選挙で勝利すればアメリカのウクライナ政策が大きく変わる可能性があるといわれている。 トランプ候補はカマラ・ハリス副大統領とのTV討論で「ウクライナがロシアとの戦争で勝利しなければなければならないと考えるか」と司会者から繰り返し受けた質問に、即答を避けながら「私は戦争が止むことを望む」と答えているが、出版された著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏の本『戦争(War)』では、トランプ候補が大統領在任当時に新型コロナウイルスの検査キットを秘密裏にロシアのプーチン大統領に送り、ロシア指導者との「プライベートな電話」のために側近に部屋から出るよう命じたそうで、大統領退任以降も少なくとも7回電話をしたという内容が暴露されるのど、ウクライナ戦争侵略者であるロシアのウラジーミル・プーチン大統領を擁護する修辞パターンがますます高まっていると報じられている。 今回の暴露はトランプ候補が「米国民が連邦政府の許可なく外国の高官と通信したり、アメリカと対立する外国政府の措置や行動に影響を与える行為を禁じたりする法」であるローガン法に違反していたとの疑惑を示している。この疑惑はトランプ候補が前々回の大統領就任以前から側近を通じてロシアと接触していたという指摘にも通じるもので、米大統領選の投票日まで1カ月を切るなかでトランプ候補とプーチン大統領の関係だけでなく、ビジネスや財政面でのトランプ候補とロシアとのつながりをめぐる不穏な疑惑を再燃させているという。ちなみにトランプ候補が大統領選に出馬するよりもっと前から、経営する企業が経営不振に陥ると、資金面でロシアや旧ソ連圏の国々への依存の度を深めていたといわれている。
2024年10月20日
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労働組合の中央組織である連合は中央執行委員会で、年末にまとまる公的年金制度改革に関連し「第3号被保険者制度(3号)」の廃止を提起する方針を確認したそうで、3号は会社員らに扶養される専業主婦らが年金保険料を納付しなくても老後の基礎年金を受給できる仕組みとされ、連合として正式に廃止を求める考えを打ち出したのは初めてだという。3号は厚生年金に加入する会社員や公務員らの配偶者で年収130万円未満の人が対象なのだが、約700万人の3号のうち98%は女性でもともとはサラリーマン世帯の専業主婦も自分名義の年金権を確保できるよう導入されたという。ところが家族の形態や働き方が多様化し人手不足が加速する中、近年は働き控えを招く「年収の壁」の温床になっているとの批判もあったという。 これまではパートやアルバイトなどの短時間労働者では、週の労働時間が20時間以上などの条件を満たした人の社会保険の適用として、従業員数が101人以上の企業で適用されていたのだが、これがこの10月からは従業員数51人以上の企業にも拡大されることになったそうなのだ。厚生労働省の試算によると今回の見直しによる社会保険の新規加入者は約20万人になると見込まれているそうで、社会保険に加入すると病気やケガをした時に手厚い保障を受けられ、後にもらえる年金額も増えることになる等のメリットは大きいのだが、制度改正を手放しで喜ぶ人ばかりではないといわれていて、社会保険の適用対象になると給与から保険料が天引きされるので目先の手取りは減ってしまうからだという。 労働者の保険料を折半する企業側の負担も増えるため、社会保険が適用される「年収の壁」を超えないように労働時間を調整してあえて「適用逃れ」をするケースもあるという。企業や団体に雇用されている賃金労働者は勤務先の健康保険や共済組合などに加入することになっているが、賃金労働者のすべてが、被用者保険に加入するわけではないのだ。正規雇用の場合は就職すると同時に勤務先の被用者保険に加入するが、パートタイマーやアルバイトなどの非正規雇用、原則的に労働時間などの条件を満たした場合に被用者保険に加入することになっており、一連の制度改正が行われる前までは短時間労働者で強制加入の対象になるのは1週間の労働時間と1カ月の勤務日数が正規雇用の人の4分の3以上となっていた。 連合の廃止案はまずは将来的な廃止を明示し、扶養の基準を年収130万円から縮小し完全に廃止するまで段階を踏むという案で、10年程度の経過期間を設け第1段階として新たな3号にはできない制度にし、既存の3号のうち「配偶者の年収が850万円未満」や「子を養育する親」などの受給要件を満たす人を3号に、それ以外は国民年金に加入する「第1号被保険者」とするにだという。同時にパートら短時間労働者の厚生年金への適用拡大を進めた上で第1段階のプロセスでも3号に残った人を1号に区分して廃止するが、3号の期間があった受給者の年金は減額せず過去の3号の加入期間に基づく基礎年金も減額せず、自営業者ら1号の所得補塡の仕組みや基礎年金の国庫負担割合の引き上げを検討していくという。 連合の芳野友子会長は記者会見で「女性がどんな生き方を選択しても、社会保障制度は公正平等であるべきだ。共働き世帯が主流となり、超少子高齢化でもある。負担と給付の公平性を考えれば、もうバランスは崩れている」と廃止提起の意義を強調したそうなのだ。本来は社会保険料に関してはその人の経済的な負担能力に応じて決められるもので、本当に労働者を守る制度にするためには「収入の壁」をなくさなければならないが、そのためには少しでも収入のある配偶者は「被扶養者」制度から除外し、所得に応じた保険料を本人が負担するといった大胆な見直しも検討する必要があるといわれている。ただ厚生労働省が今回の公的年金制度改革で3号の廃止について具体案をまとめるのは難しい状況だという。
2024年10月19日
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「選挙戦最終盤の10月には魔物がいる」といわれ、たった一発で流れを変えてしまうようなサプライズが起きるというが、もう何十年も前からアメリカの大統領選に挑む人たちはそう思い腹をくくっていたのだが、共和党のトランプ候補と民主党のカマラ・ハリス副大統領の対決となった今回は暑い夏からサプライズ続きで、米国では「これ以上に劇的な出来事など、あり得るのだろうか」といわれているという。今年6月までの選挙戦は退屈で、前職トランプ候補と現職ジョー・バイデン大統領の再戦に新味はなくどちらの支持率も低迷していた。世論調査をやれば有権者の多くは「2期目を狙う高齢の男2人以外なら誰でもいい」と答えていた。流れが変わったのは6月で早々と開かれた恒例のテレビ討論会だったという。 わずか90分で81歳の現職バイデン大統領は醜態をさらし半世紀に及ぶ政治生命に事実上の終止符が打たれ、これでは次の4年間は任せられないと与党内からも厳しい声が上がったが本人はまだ続投の強い意欲を示していた。その2週間ほど後にトランプ候補はペンシルベニア州での選挙集会で銃撃されたが無事だった。銃弾は耳をかすめただけで彼はすぐに立ち上がり、ぶしを振り上げてみせた。そのシンボリックな写真は世界中に流れ民主党内にも「トランプの勝ちだ」という悲観論が広まったという。だがその1週間後にまだ包帯姿のトランプ候補が共和党大会で正式に指名されてから、今度はバイデン大統領が流れをひっくり返し、自ら撤退を表明し代わりにハリス副大統領を推薦し前代未聞の候補交代を行ったという。 アメリカ大統領選挙の共和党候補トランプ候補が10月にペンシルベニア州で開いたタウンホールミーティングで40分近く音楽を流し続けたとされているが、タウンホールミーティングは候補者が参加者からの質問に答えるイベントで、その日のイベントでは参加者2人が倒れる事態が発生してその度に中断したという。 トランプ候補は会場が暑すぎるせいだと不満を口にしたものの「個人的にはこの暑さが好きなんですけれどね、痩せるから」と発言し、 「これで4~5ポンドは痩せられるかもしれない」と会場の暑さを冗談にした後、「もう質問はやめて音楽を聴きましょう。もう質問を聞きたい人なんていないでしょう」 と語ったという。トランプ候補は頭を揺らしたり手を動かしたりして踊り音楽を楽しむ様子を見せ質疑応答をやめると宣言したという。 最終的に音楽を流し始めて40分近く経った頃にトランプ候補は、参加者に手を振、拳を築き上げてステージを後にしたそうで、このタウンホールミーティングの内容に満足したようで「通常とは違うが、素晴らしい夜になった」と語たてという。ところがトランプ候補氏の行動は「言葉がない」とか「オクトーバーサプライズか」などと突っ込まれ、民主党の大統領候補のハリス副大統領氏も「彼が大丈夫だといいのですが」とコメントしている。 アメリカ大統領選挙では民主党候補だったバイデン大統領は名前の言い間違いなどを何度もメディアや共和党に追及されていたのだが、しかし11月の党開票日が迫るにつれトランプ候補不明瞭な発音や、名前や場所の言い間違い、まとまりがない冗長なスピーチなどが指摘されるようになっているという。 多くの民主党員が敵対的な報道姿勢や解説からFOXニュースへの番組出演を避けるなか、民主党の大統領候補ハリス副大統領がFOXニュースの番組に初めて出演して正式なインタビューを受けたそうで、ハリス陣営によれば二つの狙いがあるという。FOXニュースの高い視聴率を挙げて一部の民主党員や無党派の有権者などまだ投票先を決めていない有権者がたくさん視聴していると指摘されてはいるがハリス陣営の報道官は「率直に言って、たわごとを聞かされていることが多い」と述べ、ハリス副大統領がそうした人々に対して自分自身から直接話を聞いてほしいと考えているとも語っている。最近は報道番組「60ミニッツ」への出演を撤回したほか再討論も拒否しているトランプ候補を批判したという。
2024年10月18日
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米共和党大統領候補のトランプ前大統領はコロラド州デンバー近郊で開いた集会で、不法移民が米国を占拠していると訴え民主党の移民対策が不十分だと批判した。トランプ候補はベネズエラ人のギャング集団が関与した殺人事件が集会会場のある町で今夏に起きたことに触れ、「不法移民は第三世界の刑務所などから来ている」と主張し、危機感をあおった上で自身が大統領に返り咲けば、人残らず強制送還し、米国人を殺害した場合は「死刑にする」と言い放ったそうなのだ。州都デンバーは移民に寛容な措置を取る「聖域都市」として知られ毎月、4万人超が流入したといわれているが、移民に寛容とされたバイデン政権は事実上の「国境閉鎖」を可能とする大統領令を出して方針を転換しているという。 メキシコ国境沿いで唯一の激戦州となっているのがアリゾナ州で、これまでは共和党の牙城として知られていたそうなのだが、前回はわずか1万票差で民主党が制しているというが、勝因は有権者の4分の1を占めるヒスパニック系からの支持だったと言われていて、メキシコ国境付近で拘束された不法移民は30万人を超えたが、今年8月には約10万人まで減少しているそうで、トランプ候補はこうした点から有権者の目をそらすため極端な主張をしているとみられている。そして11月5日の投開票日を「解放の日」にすると宣言し自身への支持を呼びかけといえるそうなのだ。ヒスパニック系の人々は従来なら民主党寄りと言われていて、多くの人も前回は民主党員として選挙を支えていたそうなのだ。 米大統領選共和党候補のトランプ前大統領は西部コロラド州オーロラ市で集会を開き、ベネズエラから来た不法移民に乗っ取られていると主張した。米政府が長年にわたり南部のメキシコ国境の管理対応を迫られる中でトランプ候補は移民による「侵略」が進み、米国人が殺害されると主張して懸念を煽っていて、「彼らは第三世界の刑務所や精神科病院から来た」と根拠を示さず訴え、大統領に返り咲けば来年1月の就任と同時に強制送還すると約束している。主要争点になっている中南米からの不法移民対策を巡り、民主党候補ハリス副大統領の責任を追及する狙いで「ハリス氏は不法移民の暴徒や犯罪者を大量に入国させ、巧みに地域に定住させて罪のない米国民を食い物にしている」と話すと聴衆は大歓声で応えたという。 デンバー郊外にあるオーロラ氏は武装した中南米系移民がアパートで暴れ回る場面を捉えた動画の舞台となっており、動画は右派メディアで繰り返し報じられ拡散しているが、この出来事によりオーロラ市は中南米系移民に脅かされているという虚偽の話が広まり、トランプ候補が大統領選で掲げる米国が「野蛮人」や「動物」に侵略されているという主張に拍車を掛けている。トランプ候補は民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を「犯罪者」と中傷し、コロラド州ではベネズエラ系ギャングが警官に発砲する許可を受けていると虚偽の主張を展開しただけでなく、さらに「内部の敵」に言及し「米国を憎むくずどもに対処しなければならない」と訴え、ハリス副大統領が大統領選で勝利すれば「2億人が流入し、この国は終わる」とも主張したという。 米国が「野蛮人」や「動物」に侵略されているとの主張を繰り返しているトランプ候補だが、も共和党候補に選出されたドナルド・トランプ前大統領が集会を終えた直後の会場の写真に批判が上がっているそうで、演説後の会場で撮影された1枚の写真を見るとひとけがなくなった会場には無数のゴミが散乱しており、写真は「集会後に撮影されたもの」とつづられているそうなのだが、集会があったこの日は会場には約2万4000人の観衆が集まったとみられているそうなのだが、集会に参加した人に対して「トランプ氏の集会はだいたいこうだ」とか、「環境への配慮がまったくない」といった声のほか、「これでどうやって『アメリカを再び偉大な国に』するというんだ」という指摘も寄せられているそうなのだ。
2024年10月17日
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今年の8月初めに米がスーパーや小売店から消え、わたし自身スーパー等に米を買いに行ったが棚は空っぽ近くになっており、「コシヒカリ」や「あきたこまち」といった品種の精米された米はまったく置いてなかったし、スマホで米を売っているサイトを見ても当時は「入荷待ち」の表示ばかりとなっていた。どうやら全国のスーパーやドラッグストアでも同じように白米は品薄だった模様で、その頃からマスコミは「令和の米騒動」と決めつけて報道を始めだしていた。しかし米騒動とはいくらなんでも大げさだったわけなのだが、今夏に起こった米の品薄の原因で最も大きいのは、全国的な高温障害と水不足によって昨年度産米の品質が悪かったことで、玄米30キロを精米すると例年27キロになるが全国的に25~26キロしかない状態だったという。 そしてインバウンド客の増加により米の消費量が増えたことだけではなく、パン・パスタといった小麦を使った食品の価格が高騰し割安感のある米に消費がシフトしたことに、夏は前年に収穫された米と新米の端境期となるため需給が逼迫したこともあるのだという。日本農業新聞は「産地や卸を含め民間が抱える米の在庫量の適正水準を検証すべきだ。6月末の民間在庫量は、産地の適正生産量を設定する上での指標となり、近年の適正水準は180万~200万トンだった。ところが今年や来年はともに150万トン台になる見通しで、農林水産省は『米の需給は逼迫していない』との考えを示してきたが、民間在庫が少ない中で今夏のような需要増が重なれば、今後も市場に混乱が生じる」とし、これがもっとも真髄をついている理由だという。 今月になって新米の流通が進みスーパーの店頭から消えていたコメが棚を埋め始め、スーパーでもやっと購入制限を終了するなど「令和のコメ騒動」は収束に向かっているが、ただ店頭価格は5キロ入り1袋が3000円を超え前年より1000円以上高くなっているという。今春以降の品薄に苦しんだ流通事業者らによるコメ争奪戦が価格を押し上げているわけだが、今年の民間在庫量は例年よりもかなり少なかったのだが、そこにインバウンド客の需要などが増えたから逼迫したのだという。そして来年もまた民間在庫量は少ないとわかっていることから、来年もまた夏になれば米は品薄になるだろうといわれている。コメ価格の上昇を受け外食チェーンはライスのメニューを値上げし、パックご飯各社も相次いで商品の値上げを公表している。 コメ産地でも異変が起きていて「異常な状況だ。これまで取引のなかった業者まで次々にやってくる」と驚くのは新潟県のある生産者で、集荷業者がコメを確保しようと高値を示して各地を奔走しているのだという。日本ではコメの需要が減り続けており、減反とそれに続く政策によって生産量を抑えてきたが、価格を維持するためだがそれが一転して「消えたコメ」に「高いコメ」がクローズアップされ政策の行き詰まりが浮き彫りとなっているもだという。日本一のブランド米の産地である新潟県の魚沼でも「今年は魚沼のスーパーでも7月末から8月は米が品薄でした。魚沼で米がないなんていうのは僕が米作りしてから初めてのことです。去年までは日本中、米が余っていたのですからね」と農家に人が語っている。 減反政策は2018年に廃止され現在は主食米以外を作付けすると補助金がでる政策に切り替わっているが、魚沼の米農家に「政策はこのまま続くのか、生産農家にとってはいいことなのか」を聞いたところ、「今後、どうなるのかそれはわかりません。でも、生産調整は続くのではないですか」と答えたという。米が高くなったというが1本の稲には80粒から200粒の米粒が生れそして15本から20本の稲が集まったものが一株の稲束となるが、6株の稲束の米を集めるとご飯茶わん一杯分になるそうで、魚沼産コシヒカリは白米5キロで4000円だが茶わん1杯(150グラム)当たり120円で、米はプロ中のプロが作ったとしても1年に一度しか作れないし、それが茶わん1杯で120円というと「決して高くはない」ということのようなのだ。
2024年10月16日
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防衛省が取得を進める新艦種「イージス・システム搭載艦」の新たなイメージ画像が公開されているのだが、イージス・システム搭載艦は配備が中止された陸上配備型イージス・システム「イージス・アショア」の代わりとなるもので、従来のイージス艦は対空レーダーとしてSPY-1を搭載するのに対し、イージス・システム搭載艦は「イージス・アショア」用だった「SPY-7」レーダーを搭載することが特徴だという。従来のイージス艦は弾道ミサイル防衛だけでなく警戒監視や海上交通の防衛などほかの護衛艦などと同様に様々な任務を担当しているが、「イージス・システム搭載艦」の任務は弾道ミサイル防衛がメインとなり、発表された内容を鑑みると艦首にソナーを備えるなどこれまでの計画よりも既存のイージス艦に寄ったものになるという。 防衛省が明らかにしたイージス・システム搭載艦の概要は基準排水量が1万トン台前半で、速力は約30ノットの乗組員は約200人以上になるという。荒天時の運用も想定した耐洋性や居住性を向上させた艦として設計するとされており、主要装備は弾道ミサイルや極超音速滑空兵器への対処能力を持つ「SM-6」対空ミサイルだけでなく、将来的にはアメリカのミサイル防衛庁が開発中の対HGV新型迎撃ミサイルなども運用できるよう拡張性が確保されるという。対潜能力や対水上戦闘能力も付与されるため国産の「12式地対艦誘導弾能力向上型」の艦対艦ミサイル仕様や機関砲などの近接武器やソナーなども備える予定で、防衛省は予算にイージス・システム搭載艦の整備費用として2208億円を計上するという。 1番艦は三菱重工業の2番艦はジャパン・マリンユナイテッドと建造契約を締結しており、乗組員は約240人となる見込みでこれまでのイージス艦より20%以上の省力化が図られており、イージス・システム搭載艦が2隻そろうと、これらが主に日本近海でBMDを担当することで、イージス・システム搭載艦の導入に伴う体制整備として陸上自衛隊の定員の269人分を海上自衛隊に振り替えることで必要な人員を確保する方針が示されているという。就役後は西側で最大の水上戦闘艦となる見込みなのだが、ドローンによる飽和攻撃に対処する高出力レーザーなども装備する見込みだという。既存のイージス艦8隻は南西諸島方面の洋上侵攻阻止に振り向けることが可能になると防衛省は説明している。 防衛省が取得を進める新艦種「イージス・システム搭載艦」の主要装備は「SM-3ブロックIIA」弾道ミサイル迎撃誘導弾や、極超音速滑空兵器への対処能力を持つ「SM-6」対空ミサイルなどを想定しており、各種能力が向上するため垂直発射装置は現時点で最新となり、「あたご型」の設計を基本としている「まや型護衛艦」の96セルから128セルに増強されている。船体が大型のため拡張性にも優れており、特に本型は長期間の洋上任務を前提とすることから乗員の居住性向上が図られることになっており、ベッドの上下にパーテーションを設けて擬似的に個室化することになっているそうなのだ。また敵の脅威圏外から攻撃が可能な「12式SSM能力向上型」や「トマホーク」巡航ミサイルなどを搭載する予定となっているという。 また自艦防衛を優先して砲艦は従来の「イージスDDG」が搭載している5インチ砲にかえて中口径もしくは小口径の速射砲を搭載する予定となっており、将来的には無人航空機対処能力強化の一環として開発中の高出力マイクロ波照射装置や艦艇用レーザーCIWSも実用化されれば搭載される予定となっている。日本政府は「新たなミサイル防衛システムの整備等及びスタンド・オフ防衛能力の強化について」と題する閣議決定を行なっており、イージス・システム搭載艦を2隻建造しそれらを海上自衛隊が運用すると決定している。来年度予算の概算要求では「イージス・システム搭載艦の整備に伴う関連経費」として808億円が計上されており、今後は装備の実射試験を含む各種試験の準備を進める方針が示されている。
2024年10月15日
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レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師が暗殺されイスラエルはレバノンへの地上侵攻を開始しているが、イスラエルのネタニヤフ首相はレバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラの次期指導者と目されていたサフィエディン師を殺害したと明らかにした。イスラエル軍はレバノンの首都ベイルートを空爆しており、サフィエディン師を標的にしたと報じられていた。ネタニヤフ首相はレバノン国民に向けたビデオ声明で「ヒズボラはレバノンを武器の貯蔵庫とヒズボラを支援しているイランの前線基地に変えた」と批判したうえで「ヒズボラは弱体化している。ガザ地区のような破壊と苦しみにつながる長い戦争に陥る前に、レバノンを救う機会が来ている」と呼びかけたという。 ロイター通信などによると、ヒズボラの副指導者カセム師TV演説を行い、後継者について「間もなく選出する」と語っているが、イスラエルが殺害したというサフィエディン師の安否については触れなかったという。また「我々の戦闘能力は問題ない。イスラエル軍の苦痛は増している」と主張し、パレスチナ自治区ガザ地区での停戦を条件にすることなく公に休戦を支持するとしており、政治的な動きを「支持する」とも述べ停戦交渉があれば応じる姿勢を示唆しているという。ただしレバノンやパレスチナ自治区ガザ地区では激しい戦闘が続いており、イスラエル軍はベイルートを空爆しヒズボラの幹部を殺害したと発表しているし、ガザ地区では北部ジャバリアで子供や女性を含む少なくとも15人が戦闘により死亡したとされている。 ヒズボラの戦闘への関与から1年を記念した演説で レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラのナイム・カセム副政治局長は「我々は停戦合意の旗印のもと、ベッリ国会議長が主導する政治的取り組みを支持する。停戦が堅固に確立され、外交がそれを実現できれば、他のすべての詳細は協力的に議論され、決定が下されるだろう」と述べ、演説はイスラエルが先月末にヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ師を暗殺して以降で2度目だが、イスラエルはその後にレバノン南部への限定的な地上侵攻を行っており、ヒズボラはイスラエル北部へのロケット弾攻撃を続けている。またヒズボラと友好関係にあるシーア派有力政党アマルの党首ベッリ氏は西側諸国が仲介する停戦交渉における重要人物だといわれている。 今年の春以降にイスラエルはイラン革命防衛隊の幹部らを殺害しており、さらにイランの首都テヘランではハマスの政治局長をパレスチナ自治区ガザではハマス軍事部門の司令官を暗殺しただけでなく、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対しては今月になって驚くほど手際のいい攻撃を行っている。イランがイスラエルへの大規模な報復攻撃に踏み切ったがイスラエルの軍事的な優位が再確認される結果に終わっていることもあって、イスラエルのネタニヤフ首相が言うように「今後の中東地域のパワーバランス」を有利に展開させつつあるとされている。イスラエルはガザのハマス掃討とレバノン国内のヒズボラの無力化に力を入れており、イランの指導層や核開発計画の阻止まで含めてイランの政権打倒を狙っているという。 イスラエルのタカ派であるナフタリ・ベネット元首相は「イスラエルは今、中東情勢を変える50年に1度の大きなチャンスを手にしている」として、「わが国には正当な理由があり、手段もある。ヒズボラとハマスの機能は麻痺し、いまイランは無防備だ」として、イスラエルにとってイランの核開発計画への攻撃は戦略的に不可欠だという考えも示している。しかもネタニヤフ首相は以前から公然とバイデン大統領を軽視し、アメリカからの自制の要請を繰り返し無視したりアメリカが提案するガザ停戦案に同意すると見せかけて結局は拒否したりしている。今後はイスラエルが何をするにせよ「かなり大規模なものになる」と予測されており、より大規模な戦争が勃発するのかの答えは今後数週間のうちに明らかになるという。
2024年10月14日
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アメリカのトランプ前大統領が大統領を退任した後もロシアのプーチン大統領と7回にわたって電話で会談した可能性があると報道されたそうで、ワシントン・ポストによると著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏は発売する書籍の中で「トランプ氏がプーチン氏と今年、2024年の初頭に電話で会談していた」と伝えているそうなのだ。会談の内容はわかっていないということのようなのだが、共和党のトランプ大統領候補はフロリダの邸宅マール・ア・ラーゴで電話していて、側近の話によるとトランプ候補は大統領を退任した後にこのほかにも6回合計で7回もロシアのプーチン大統領氏と電話で会談した可能性があるということのようなのだ。トランプ候補とプーチン大統領の関係は大統領選の遊説や集会で注目を集めているという。 ウクライナとロシアの間で現在も行われている戦争について、トランプ候補はウクライナの勝利を望んでいるとは決して言わず、今度の選挙で勝って大統領に就任する前にウクライナでの戦争を終わらせるという主張を繰り返しているが、驚くべきことにトランプ候補は先月にロシアのプーチン大統領の当面の敵であるウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領の隣に立ちながらプーチン大統領との「非常に良好」な関係を自慢したそうなのだ。また米情報機関によるとプーチン大統領が戦術核の使用を真剣に検討しており、ロシアはウクライナが放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」を使用する準備を進めていると主張し、戦略核戦力の演習を実施するなど核兵器使用を辞さない姿勢を示し緊張が高まっているとしている。 トランプ前大統領の対露外交は以前から融和的だと指摘されてきたが、書籍の中で大統領在任中にロシアのプーチン大統領に当時は世界的に不足していた新型コロナの検査機器を個人用としてひそかに送るなど、親密な関係を築いていたと明らかにしたそうなのだ。プーチン大統領は検査機器を受け取ったうえで「誰にも言わないでほしい。人々があなたに怒るからだ」とトランプ候補に検査機器を送ったことを明らかにしないよう求めたとしている。こうした中トランプ候補の陣営は声明でウッドワード氏の新著に書かれた疑惑を否定しており、トランプ陣営の広報担当者スティーブン・チャン氏は「ウッドワード氏によるこれらの作り話はどれも真実ではない」とし、ウッドワード氏は偏見を持っていると批判している。 ところがロシア大統領府のペスコフ報道官はこのことに関する質問に対する書面の回答で、トランプ候補が大統領在任中にプーチン大統領に検査機器を送ったことを認めている。またトランプ候補が南部フロリダ州の自邸からプーチン大統領と私的な電話をするために側近に席を外させたこともあったそうなのだ。これに対してバイデン大統領はペンシルベニア州選出のボブ・ケーシー上院議員の資金集め集会で新著の内容について新型コロナに感染しているかどうかを調べる検査キットが不足していたため、トランプ氏は親しい友人であるプーチン氏に電話をかけた。冗談ではなく、プーチン氏が検査キットを手にすることを確実にするためだ」とし、「この男は一体どうしたのか」と述べたそうなのだ。 ハリス副大統領も「当時、どれだけ多くの人が検査を受けられず、何とか検査機器を手に入れようとしていたか覚えていると思う。入院者は家族にも会えなかった。トランプ氏はアメリカ国民が毎日、何百人も亡くなっていて、助けを必要としている時に、敵対国に密かに手を貸していた。彼はすべてのことに間違った対応をした」と厳しく批判している。ウッドワード氏は1972年に民主党本部に侵入して盗聴器を仕掛けようとした容疑者らが逮捕された「ウォーターゲート事件」を粘り強く取材し、当時のニクソン大統領の再選委員会の関与をあぶり出したジャーナリストで、その後も歴代米政権の内幕を描く著書の出版をライフワークにしていて、米政治の内幕を描くことに定評があるだけに大統領選への影響に神経をとがらせているという。
2024年10月13日
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暮らしを直撃する物価高が収まらない模様で、8月の全国消費者物価指数は天候による変動が大きい生鮮食品を除いて前年同月比2・8%上昇しており、円安ドル高で海外から輸入する原材料の価格が高騰しているほか、今年の春闘での大幅な賃上げを受けて人件費の上昇分を商品の値段に転嫁する動きが強まっているため値上げの秋が避けられないという。円安ドル高が急速に進んだ上にコメの価格高騰や電気・ガス代の値上げも重なり、消費者物価の上昇率は5月から再び拡大局面に入っており、10月は企業にとって半年に1度の価格改定の時期に当たり食料品を中心に値上げの動きが出ていて、約50品目の納品価格を上げる日本ハムは原材料価格の高騰で「コスト上昇分を吸収することが極めて困難な状況」としている。 厚生労働省は8月分の毎月勤労統計調査を公表したが、物価変動を加味した実質賃金は前年同月より0・6%減っており、6月分で27カ月ぶりにプラスとなっていたがわずか2カ月で下落に転じ3カ月ぶりのマイナスとなったという。実質賃金は5月分まで26カ月連続のマイナスで比較可能な1991年以降過去最長を記録しており、賃金の伸びが物価の上昇に追いつかない状況が続いていたが、ボーナスの影響でプラスに転じたものの長くは続かなかったという。名目賃金にあたる8月分の現金給与総額は前年同月比3・0%増と32カ月連続で前年を上回ったが、原材料費の高騰や円安の影響で食料品や日用品の価格が高止まりする状況に変化はなく、消費者物価指数は同3・5%上昇していて実質は減少しているという。 6月と7時に実質賃金がプラスに転じたのはボーナスを支払う企業が増えるなど「特別に支払われた給与」が大きく伸びたためで一時的な要因によるものなのだが、パートタイム労働者は実質賃金もプラスになっているとはいえ、基本給である所定内賃金の伸びは物価の伸びを下回っていて実質賃金は依然としてマイナス基調で推移しているという。岸田政権のもとでは「賃金と物価の好循環」は実現せず国民の実質的な購買力を引き上げることはできなかったということなのだが、今後は実質賃金が徐々にブラス基調になるとみられるが、2年以上の長い期間にわたって実質賃金のマイナスが続いたことで実質賃金の水準は大きく落ち込んでおり、国民の購買力が高まって消費が増えてくるまでには相当の時間を要するとみられている。 毎月勤労統計調査では「1人あたりの現金給与総額」と「実質賃金」が注目され、6月と7時に実質賃金がプラスに転じたのはボーナスが反映していて急速に改善しているのだが、ようやくプラスに転じた実質賃金が来月以降もプラスを維持できるかについては課題が残されているように思われていたのだ。賃金と物価の好循環が安定的に実現するにはボーナスなど変動の大きい要因を除いた基調的な給与がインフレ率を上回る姿が望まれているのだ。しかも6月についてみると所定内給与の伸びは前年同月比で2.3%増だったというが、インフレ率は消費者物価指数に生鮮食品等の値上げ率や帰属家賃等を加味すると3.3%上昇であったことから、実質ベースではマイナスとみられ庶民の生活は楽になっていないのだという。 赤澤経済再生担当大臣は「明らかによい知らせではない。実質賃金はプラスが続かないと間違いなく国民生活は苦しくなると認識している。各都道府県で実施される最低賃金の改定で非正規雇用の労働者や中小企業に賃上げの波及が期待されるので引き続き注視し、将来の経済のパイを拡大する施策を集中的に強化することで物価上昇を上回る賃金の増加を実現していきたい」と述べたそうなのだ。厚生労働省の担当者も今後の見通しについて「物価の上昇も高水準が続いており、見通せない」としているが、その中でもパートタイム労働者は実質賃金もプラスになっているとは言われているのだが、ハローワークで提供される求人情報と実際の待遇が異なり、トラブルになるケースが相次いでいるそうなのだ。
2024年10月12日
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米大統領選の民主党候補であるハリス副大統領はメディア露出を強化しているそうで、TVやスマホや、パソコンなどのデバイスで音声コンテンツが楽しめるサービスであるポッドキャストなどに出演し11月5日の大統領選を前に重要な有権者の取り込みを目指しているという。ハリス副大統領は人気ポッドキャスト「コール・ハー・ダディ」にも出演し、人工妊娠中絶の権利を支持すると強調するとともに「学生ローン救済のために闘い続ける」と約束したそうで、今回の出演は選挙結果の鍵を握る若年層の有権者とのつながりを重視していることを反映していると選挙陣営は説明している。「コール・ハー・ダディ」は女性視聴者が多く、女性有権者層はトランプ候補よりハリス副大統領に好意的であることが世論調査で示されている。 民主党のハリス副大統領はこれまで消極的だった主要局のインタビューに加え政治に関心の薄い有権者を意識しポッドキャストやテレビのバラエティー番組にも出演しており、投票まで1カ月を切った最終盤に入ってあの手この手で票の掘り起こしを狙っているが、人気ポッドキャスト番組「コール・ハー・ダディ」では人工妊娠中絶の権利や女性の経済的自立に関しより自由に信念を語っているが、「コール・ハー・ダディ」の視聴者は女性が70%で35歳未満が76%を占めハリス副大統領が獲得を目指す若い女性有権者を意識したもようだという。民主党のマーサ・マッケナ氏はポッドキャストについて、「より自分らしさを表現できる機会であり、投票する可能性は高いが政治的な情報を求めていない人々」に訴えかけられると述べている。 また視聴率が米国の報道番組で最高の部類に入る報道番組「60ミニッツ」で、大統領候補へのインタビューを放映し民主党のハリス副大統領が中東情勢や経済について語っており、ハリス副大統領の「60ミニッツ」のインタビューは放映されていて、自身の経済政策や民主党の国境安全対策だけでなくロシアとウクライナの戦争などについて長時間にわたり厳しい質問を受けたという。報道番組「60ミニッツ」は大統領選前の恒例となっている放送だが、当初両候補が同局とのインタビューに同意した後にトランプ陣営が出演を取りやめたと明らかにしており、共和党のトランプ前大統領は出演を取りやめ対応が分かれているが、ハリス副大統領はインタビュー出演を撤回したトランプ候補のことを批判したそうなのだ。 報道番組「60ミニッツ」のインタビューで驚いたのはハリス副大統領が拳銃を所持していると明かしたことなのだが、記者に銃の種類について問われ「グロックを持っている。ずっと以前から」と語ったそうなのだ。グロックはオーストリアの銃器メーカーで、米国では最も売れている拳銃の一つとされ警察で広く使用されているという。ハリス副大統領は「私は法執行機関出身だということだ」とし、実際に撃ったことがあるかとの質問に対しては「もちろんある。射撃場で。イエス。もちろんある」と笑いながら答えたそうなのだ。またハリス副大統領はハリケーン「ヘリーン」による被害を受けた南部フロリダ州の被災地対応を話し合おうと共和党のデサンティス州知事に電話したが、会話を拒否されたとして「全く無責任だ」と不満をあらわにしたという。 両候補の間で今後の討論会が予定されていないため「60ミニッツ」のインタビューは、大統領選前に有権者が主要なテレビ番組で両候補を目にする最後の機会の一つとなっていた。共和党の大統領候補のトランプ前大統領や副大統領候補のバンス上院議員らは、ハリス副大統領がインタビューを敬遠していると批判していたが、今回はトランプ陣営が当初フロリダ州にあるトランプ候補の自宅でのインタビューを予定に組み込みながらそれを撤回したという。それでも共和党のトランプ前大統領も保守系のTVやポッドキャストで頻繁にインタビューに応じているという。形式は多様ながらトランプ候補は自身に友好的なメディアへの出演が中心となっており、両極化時代を反映したPR戦略と言えそうだといわれている。
2024年10月11日
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「カテゴリー5」となったハリケーン「ミルトン」は勢力をさらに強める見通しで、現在はメキシコのユカタン半島を北上していて米フロリダ州に上陸するとみられている。フロリダ州は死者200人以上を出したハリケーン「ヘリーン」の被害を受けたばかりなのだが、米国立ハリケーンセンターは「ミルトン」がフロリダ州西部のタンパベイ地域付近を直撃する可能性が高いと予測しており、フロリダ州を西から東へ横切って大西洋に抜ける見通しだという。勢力が5段階のうち最強の「カテゴリー5」から「カテゴリー4」に弱まったとはいえ、極めて危険なハリケーンとしてフロリダ州に上陸すると、数日間に及ぶ停電など甚大な被害が発生する恐れがあることから、フロリダ州ではミルトン上陸に備えて100万人以上に避難命令が出されているという。 米大統領選が11月5日に迫る中でこれらのハリケーン災害の政府対応を巡り、共和党候補のトランプ前大統領と民主党候補のハリス副大統領が激しい批判合戦を繰り広げていて、トランプ候補は災害対応が遅いと政権側のハリス副大統領を攻撃し、ハリス副大統領はトランプ候補の主張は「偽情報だ」と反論しているという。トランプ候補はバイデン・ハリス政権が災害対策資金を不法移民への支援に使用したため、南部を直撃したハリケーン「ヘリーン」への連邦緊急事態管理庁の対応が遅れたなどと主張し批判してきたのだが、それに対してハリス副大統領は連邦緊急事態管理庁のハリケーン対応に関するトランプ候補の批判について「多くの誤った情報や偽情報が流布されている」と指摘しているそうなのだ。 共和党候補のトランプ前大統領が南部一帯に大きな被害をもたらしたハリケーン「ヘリーン」を巡るバイデン政権の対応について不正確な情報発信や主張を連発させ批判を受けており、トランプ候補には民主党のハリス副大統領と争う大統領選に向けて民主党への悪印象を有権者に植え付ける狙いがあるとみられるが、自然災害をも「政争の具」とすることへの懸念が噴出した形となっている。トランプ候補はペンシルベニア州での支持者集会において、ハリケーンで住む場所を失った人に連邦政府が「750ドルしか支給しない」と主張し、「それなのに外国には何百億ドルも支援している」と政府による他国への軍事支援などを批判しているが、主張を信じた人が「受給資格がないと思い込んで補助金を申請しない恐れがある」と指摘されている。 ハリケーン「ヘリーン」による死者は230人に達し大統領選の勝敗を左右する接戦州である南部のノースカロライナ州やジョージア州などでは多くの家で停電が続いているが、これに対し災害対応を主導する連邦緊急事態管理庁は「750ドルというのは被災直後の当座資金を融通するためで、被災者は今後の生活再建のためにさまざまな補助金制度を利用できる」と説明しており、ハリス副大統領も「連邦緊急事態管理庁には利用できる多くの資金がある」と説明しトランプ候補の「偽情報」による主張は「非常に無責任だ」と非難している。この件では共和党選出のティリス上院議員が「予算は十分にあるので、今はどうやって届けるかを考えるべきときだ」とし災害を選挙戦に利用すべきではないとの考えを示している。 ほかにもトランプ候補はハリス副大統領が連邦緊急事態管理庁の予算を「盗んで」不法移民に支出していると主張しているだけでなく、被災地である南部ノースカロライナ州のクーパー知事と連邦政府が共和党支持者の多い地域を意図的に救援対象から外したとの情報があるとも投稿しているという。トランプ候補はこうした主張の真偽についての記者団からの質問には「自分で確かめろ」などと述べ明確な回答を避けているという。災害対応への不満が高まれば接戦州で大きく票を失う恐れがあるためハリス陣営はトランプ候補の批判にも神経をとがらせており、ハリス副大統領も女性や若者に人気の番組をはじめ安全運転を重視し控えてきたメディア露出を強化して、政治への関心が薄い無党派層の取り込みに奔走しているという。
2024年10月10日
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米国は人口密度の高い大都市で権力を有する高学歴のエリート層と、地方で生活し製造業などで働く労働者階級に二分されているそうで、前者の新自由主義的な政策が後者を抑圧し労働者の政治的な発言権は確保されていないというが、前回の大統領選で勝利したバイデン大統領が獲得した郡の数は520でトランプ候補の2564を大きく下回っているが、それぞれ獲得した郡が国内総生産に占める割合は、バイデン大統領が全体の71%を占めトランプ候補はわずか29%だったそうなのだ。つまり投資家や専門技術者といったエリート層は富を独占し、政治資金で民主党だけでなく共和党をも支配しており、彼らは過去四半世紀にわたり経済のグローバル化等を推し進め地方の中堅労働者がその犠牲になってきたのだという。 米大統領選挙まで残り1か月になったが選挙の展開は依然として霧の中だとされ、「マジックナンバー270名」を確保するための最後の戦いがアメリカ全土で勃発しており、マスコミ各社の最新分析では現在ハリス副大統領は538名中最低225名の選挙人を確保しているといわれ、一方でトランプ前大統領が確保した選挙人は218名となっている。TVの各種世論調査を総合分析した結果を見ても、ハリス副大統領は225名でトランプ前大統領は219名の選挙人を確保しているとされている。7つの激戦州の選挙人が93名あることを考えると今回の大選の流れを決定づけるのは結局また激戦州の行方であることは間違いがないが、全国支持率ではハリス候補の支持率が49.9%でトランプ前大統領を4.6%ポイント上回っているという。 選挙が接戦となる中で双方の陣営はスイング・ステートの無党派層有権者を獲得するために総力戦を展開しており、サンフランシスコ中心街に位置する民主党サンフランシスコ大選本部臨時事務所も同様で、ここにいる数人のボランティアは有線電話を使って有権者にハリス副大統領の政策を紹介し続けているという。そのボランティアの一人であるアンジェリーナ氏は「ハリス候補がこのカリフォルニア州の法務省長官を経て上院議員として多くの仕事をしてきたと伝えた」と述べ、さらに別のボランティアたちは接戦州の無党派層に送る手紙を書き「遠く離れた接戦州には行けないが、手紙を書くことは自分がハリスのためにできる最高のことだ」と説明し、ハリス副大統領が生まれ幼少期を過ごしたオークランドでも非常に強く支持しているのだという。 全国支持率ではハリス副大統領の支持率が49.9%でトランプ前大統領を4.6%ポイント上回っているが、米政治専門誌は「8月4日以降、ハリス候補が全国単位の支持率でトランプ候補を上回って以来、一度も逆転を許していない」と伝えている。米大統領選の共和党候補トランプ前大統領の陣営は激戦州の1つである中西部ミシガン州のある工場で選挙集会を企画したそうなのだが、側近が事前に通知していた演説の議題はこの地域が物価高騰に打ちのめされた点を踏まえた地元経済に関するものだったというが、いざトランプ候補の演説が始まると冒頭から25分間にわたって聴衆は国境の安全と移民流入の問題を耳にすることになり、しかも終盤に突入する中でトランプ候補の言い回しが次第に過激さを増しているのだという。 トランプ候補は何年も前から移民を侵略者で犯罪者のように描写し、大統領任期中は合法・違法を問わず世界各地からの移民受け入れを厳しく制限しており、今回の選挙戦でも当選すれば米国史上で最大規模の強制送還を行うと公約している。実際にはバイデン政権が移民の新規流入を厳しく制限する措置を実施しているし、そもそもトランプ候補は議会における超党派の国境警備強化法案の成立阻止に加担した経緯があるにもかかわらず、何百万人もの移民が流入してくるのではないかという共和党員の恐怖につけ込もうとしているのだという。そして支持率が低いとされているトランプ候補は、選挙権を持たない不法移民による大量の投票で、自身が敗北しかねないとの「予防線」も張り始めているという。
2024年10月09日
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大統領選挙の投票日が近づく中でソーシャルメディア上にはあらゆる立場の政治的コンテンツが溢れかえっているそうなのだが、自身が左寄りであろうと右寄りであろうとユーザーは膨大な量のニュースや意見・主張にさらされ、残念ながら誤情報に遭遇する可能性も高いという。 そこで見過ごせない疑問は政治的事実と虚構を見分ける能力はリベラル派も保守派も変わらないのかということになるのだが、実験心理学の専門誌に先ごろ発表された研究論文では米共和党員と民主党員の「メタ認知の非効率性」を測定することで、この疑問に答えようと試みているそうなのだ。この「メタ認知能力」とは基本的に「思考について考える」能力のことで、自分がどれだけ正しいかを客観的に評価する精神的なプロセスだというのだ。 いくら自信があってもその自信が判断の正しさを正確に反映していない場合には、自信満々で判断を誤ったり正しくないことを信じてしまったりするそうで、要するに私たちの自信のほどは本当に自分の判断の正誤を示しているのかということのようなのだ。これを「メタ認知感度」というのだが「メタ認知バイアス」と「メタ認知感度」の相互作用により心理学者が「メタ認知の非効率性」と呼ぶ状態が生じ、そしてこの非効率的な「思考についての思考」は日常生活において思いのほか頻繁に起こるとされている。メタ認知能力はとりわけ政治的な文脈において事実に基づく情報と誤った情報を区別するのに極めて重要な役割を果しており、情報が現実と一致しているかどう自信を持って評価する能力も含まれているそうなのだ。 さまざまな政治的志向を持つ米国人を対象に広く流布している政治情報について事実に即した内容か誤解を招く内容かを参加者に評価させ、虚実を見分ける能力を測定したところ、右派も左派も正確な情報と誤った情報を区別する能力についてはおおむね自覚していることがわかったが、共和党員や保守派の人々は民主党員やリベラル派に比べて「メタ認知的洞察力」が著しく低く、問題となっている情報が自分のイデオロギー的信念に反するものである場合かこの傾向は顕著だったという。この研究結果では平均的にみて保守派の人々が自身の判断に対して持っている自信は、対象となる情報が本人の政治的見解と対立する場合に真実性の評価の点で正確さに欠ける可能性があることが示唆されているというのだ。 保守派のほうが自分の信念を過信する傾向が強いとするとその信念が間違っていたとしても誤った情報を信じて共有しやすい可能性がある。そんなこともあってか共和党では虚偽情報が溢れているようで、米国極右活動家ローラ・ルーマー氏は「テレビ討論当時、ハリスが着用したイヤリングは無線イヤホンに似ている」と主張しているそうで、今回の討論会では一切の資料も持参が禁止されていたためルーマー氏のパールのイヤリングに見えるようにデザインされたイヤホンを利用していたという主張が広がっているそうなのだ。トランプ支持者は関連記事をリツイートしハリス副大統領が着用したイヤリングとイヤホンを比較した写真をシェアするなど該当の疑惑を拡散しているが、このイヤリングはティファニーのパールイヤリングだという。 ハリス副大統領はミシガン州ウェインで行われた集会や今年の6月ホワイトハウスで開催されたコンサートでも、同じイヤリングを着用したことが確認されていて全くの虚偽情報だという。トランプ候補はインタビューでハリス大統領が討論会の質問を事前に入手していたと非難し、討論会を主催したABCニュースが「不正なショーを行った」と根拠を示さずに主張しており、今回のルーマー氏の虚偽報道に対して「自由な魂」と言って肩を持っているそうなのだ。そしてトランプ氏は「多くの人がそうであるように、ルーマーは私の支持者」とし「私はルーマーを統制しない。ルーマーは自身が言いたいことを言うべきだ。彼女は自由な魂」と話してうえで、あわせて「私はルーマーに何かをしろとは言わない」と付け加えているという。
2024年10月08日
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石破茂首相は自民党派閥裏金事件を受けた議員の衆院選挙対応を表明したそうで、衆院選公示に向け森山裕幹事長や小泉進次郎選対委員長と前日に続き党本部で協議したという。政治資金収支報告書に不記載があった裏金議員を原則公認した上で、比例代表への重複立候補は認めない方針となっていて、影響のある候補者は40人程度に上る見通しだという。非公認の対象は4月の党処分で「選挙での非公認」より軽い処分の一部議員にも広げており、非公認は旧安倍派幹部だった下村博文氏や西村康稔氏・高木毅氏だけでなく、国会の政治倫理審査会に出席していない旧安倍派の萩生田光一氏に三ツ林裕巳氏・旧二階派の平沢勝栄氏が含まれていて世論の逆風を踏まえて厳しい基準としたという。 石破首相は記者団に「国民の不信や怒りにきちんと対応することが必要だ。有権者に説明を尽くし、一票一票を積み重ねていく努力を求める」と強調しており、党選挙対策本部を開いて正式決定するそうなのだ。「選挙非公認」より軽い戒告処分の議員についても、説明責任が十分果たされず地元理解が進んでいないと判断した場合は非公認とする予定だが、都道府県連の意向や選挙情勢を考慮するとみられている。裏金問題に対する世論の反発が収まらない中で石破首相は、全ての裏金議員の公認も検討していたそうなのだが選挙への悪影響を考慮し、厳しい対応を打ち出しましたという。さらに説明責任を果たさず地元の理解が進んでいないと判断された議員についても今後、非公認となるという。 次期衆院選で東京24区に立候補を予定する自民党の萩生田光一・元政調会長の地元となっている東京都八王子市で萩生田氏と長く活動を共にしてきた自民関係者は、党本部の方針転換に驚きを見せつつ「八王子にとって必要な人。いずれにしてもちゃんと支えていく」と強調し引き続き応援すると語っている。旧安倍派で「5人衆」と呼ばれる実力者の一人だった萩生田氏は政治資金収支報告書への不記載額が2728万円もあり、萩生田氏は次期衆院選に備えこの日も八王子市で各種行事に出席しており、市出身の医師を顕彰するイベントではマイクを握る場面もあったが裏金問題には触れないまま退席しているが、不記載額は現職で3番目に多かったものの衆院の政治倫理審査会には出席していないという。不 記載額が1817万円で萩生田氏と同様に「役職停止1年」の処分を受け非公認となる平沢勝栄氏の事務所がある東京都葛飾区では地元の人の反応はさまざまで、無職の高齢女性は「今回も応援するけど、裏金のことはしっかり説明し、返金するなり対応してほしい」と注文を付けていたそうなのだ。商店を営む男性は「裏金自体は昔からあったことなのだろう」としつつ「平沢さんはもう年だし、引退してよいのではないか」と冷めた様子だったという。自営業の高齢男性も「平沢さんは面倒見が良く人気がある。公認がなくても勝てるだろう」とみており、そのうえで「野党は裏金問題で自民が追い込まれているのに、対抗する政策もなくバラバラのまま。この状況が続けば、自民に票を入れることになる」と話している。 また石破首相は自身を含めた党四役も重複立候補しない考えも示しているが、自民党神奈川県連では次期衆院選に立候補を予定している神奈川4区の山本朋広元防衛副大臣と9区の中山展宏元国交副大臣について、比例南関東ブロックの重複候補から外して党本部に公認申請することを決めたという。これまで重複立候補をしてこなかった県連会長の小泉進次郎・選対委員長のほか、自民党の「73歳定年制」の対象になる1区の松本純元国家公安委員長と2区の菅義偉副総裁だけでなく、10区の田中和徳元復興相や20区の甘利明元幹事長も重複の申請をしないという。閣僚経験者は「郵政解散で党内が割れたときは刺客を立てたので減った議員数を補充できたが、今回はかなりの議席を減らすのではないか」と語っている。
2024年10月07日
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衆院選に向けて自民党最大の懸案事項になっているのが「派閥裏金議員の公認問題」であることは言うまでもないのだが、自民党内で裏金が判明した現職議員は82人でそのうち衆院議員は51人もいてさらにその中で処分を受けた議員は25人となっている。石破茂自民党総裁は派閥裏金事件で政治資金収支報告書に不記載があった議員らの公認問題について、森山裕幹事長ら党幹部と党本部で協議したが結論を持ち越したという。協議後に「何も決まっていない」と述べ衆院選公示に向け再協議するそうなのだ。自民は都道府県連の意向に沿って原則公認する案を検討しているそうだが、石破茂自民党総裁は旧安倍派議員への聴取も調整していて、その結果次第で一部を公認から除外する余地も残しているという。 石破首相は総裁選への立候補表明時に「自民候補として公認するにふさわしいかどうか、議論は選対委員会で徹底的に行われるべきだ」と厳しい姿勢を示していたが、党内からの反発にあって総裁選挙の翌日には「新体制になって決めること」とトーンダウンしてしまい、さらにその後の記者会見では「選挙区でどれくらいの支持を得ているかを把握しながら、公認するか否かを決定する」と語るなど二転三転してしまっている。公認問題は岸田政権の積み残しでその時の処分が甘かっただけでなく調査もずさんだったってことの負の遺産なのだが、機関として自民党という組織が処分を下した以上は公認しないとかいう選択肢はあり得ず、基本全員公認が自民党としては当たり前で審判を受けたらいいというのが党の方針だという。 新しい総理大臣として所信表明演説に臨んだ石破茂首相の国会演説では裏金問題に対する「深い反省」が言及されたが一方で対応は不十分なままで、次の選挙では裏金議員にも原則として公認を出し比例代表との重複立候補も認める方針だとされているのだが、それどころかまさかの石破首相自身にも裏金問題が降りかかる事態となっていて、石破首相は総裁選では裏金問題について厳しい姿勢を打ち出していただけにその変節ぶりには批判の声が挙がっている。自民党関係者は 「裏金議員を非公認にすると、そもそも選挙における自民党の候補者が大きく減ってしまい、代わりの候補者を立てる時間的猶予もないため、公認しないという選択肢は初めからなかった」と語っている。 石破茂総理大臣は「本当に自民党というのは、国民の不信・不満・怒り・憤り、これにきちんと対応していることを、まずお示しをしなければならない」 としたうえで、自ら裏金議員にヒアリングを行うことに意欲を見せ、再発防止策を書いた誓約書を出してもらうことで幕引きを図りたい考えだといわれている。自民党としてもすでに裏金議員に対しては党の役職停止などの処分をしているのも公認する根拠だという。それでも「処分はすでにしているという理論的なつじつまが合っていても、『みんな公認します』となると、国民の感情は収まらないだろう。国民の納得を取るか、党内に配慮するかの板挟みだろう」という意見もあり、比例代表との重複立候補を認めない案や認めた場合でも比例代表の順位に差をつけるなどの案も取り沙汰されていた。 重複立候補ができなければ小選挙区で落ちた場合に比例復活することができず、国民の審判はより厳正に行なわれることになるからなのだが、しかし裏金議員が続出した旧安倍派などの保守系議員からの反発が大きく最後は比例復活を認める従来通りの対応を取ることで落ち着いてしまったというのが実際のところだという。 石破政権では保守系議員が閣僚・党役員人事で冷遇されていることからすでに党内には亀裂が走っており、これから総選挙に臨んでいくうえでこれ以上の対立の激化は避けるべきと判断されたのだろうという。裏金議員に対して厳しい対応を取るどころか自身の裏金疑惑まで浮上してしまった石破首相では、裏金問題への対応を見ている限り残念ながら勇気も真心も感じることができないといわれ始めているといしじりつのかいふくは
2024年10月06日
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米大統領選挙まで1カ月以内となって1年近く続いているガザの衝突は米大統領選挙に影響されていて休戦と人質の解放は難しくなっているという。イスラエルだけでなくイラン等の当事者達、米大統領選挙へのそれぞれの思惑から時間稼ぎに終始しているが、その分中東情勢は危険な状況となっているというのだ。少し前まではイスラエル・レバノン国境での衝突は低下していて、これはヒズボラが明らかに現実的で報復も抑制的だったとされているが、イスラエルが空爆や暗殺でイラン側のレッド・ラインを犯してもイラン側は抑制的な報復しているので、イスラエル側はより大胆になっていつかはやり過ぎてしまうということは危惧されていたのだが、どうやらそれが現実のようになってきているというのだ。 バイデン政権はその任期が満了する前に中東外交の成功としてガザの停戦を実現しようと努力を集中しているとされていて、バイデン大統領は大統領再選から降り色々な政治的な配慮をしなくても良くなったが、大統領選挙で僅かにリードしているハリス副大統領に悪影響があることを恐れて依然としてネタニヤフ首相に本気で圧力を掛けることをためらっているという。トランプ前大統領は中東の混乱した状況を引き継ぎたく無いのでイスラエルに対して戦争をさっさと片付ける様求めている一方で、トランプ前大統領とイスラエル首相府は否定しているが、ネタニヤフ首相に対して大統領選挙で民主党を有利にするので休戦協定に合意しないよう求めたとも伝えられ、大統領選挙前には休戦や人質問題を解決させないようにしているという。 米大統領選挙が近づくにつれて当事者達がそれぞれの思惑から、少なくとも米大統領選挙が決着するまで様子見をしているという指摘なのだが、その間もガザや南部レバノンで人道的危機が続いていることは残念ながら概ね正しいように思われている。つまりガザの衝突の関係当事者全員が時間稼ぎをしているわけなのだが、現実には彼らは結果をコントロール出来ると信じて危険な賭をしているのに過ぎないとされていて、2カ月間という期間は米大統領選挙では問題ではないが、ガザや南部レバノンの一般市民やイスラエル人の人質にとっては生死を分ける問題なのだということを忘れてはならないという。ネタニヤフ首相はガザの休戦についてはバイデン政権が本気で自分に圧力を掛けることは出来ないだろうと読んでいるのだという。 イスラエル軍は7月にナスララ師の側近の司令官を空爆で殺害し緊張が高まっていた中で、ヒズボラ戦闘員らが使用しているポケベルなど通信機器を一斉に爆発させ、37人を殺害、約3000人に失明などのけがを負わせている。しかもイスラエル軍はその後も攻撃の手を緩めずヒズボラの拠点などレバノン全域の2000カ所以上を大規模爆撃しており、これまでに戦闘員だけでなく市民ら約1000人を殺害しているという。要人排除を仕掛けて敵対勢力の壊滅を図るのはイスラエルの常とう手段だというが、イスラエル軍はレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師を首都ベイルート南郊で実施した空爆で殺害しており、ネタニヤフ首相は国連総会の一般討論演説で「イスラエルに選択肢はない」と熱弁を振るっている。 米国は今回のベイルート空爆を事前に知らされていなかったとされ、メタニヤフ首相は米国の停戦提案を事実上無視したのだという。ネタニヤフ首相がバイデン大統領を軽んじているのは大統領の任期が4カ月を切りすでにレームダック状態にあることが大きいが、その背景には米国がイスラエルへの武器支援を止めることができないと高をくくっているからだという。メタニヤフ首相はガザ戦争が終わればガザの武装組織ハマスの越境攻撃を防げなかった責任を追及されて辞任せざるを得ない状況だとされていて、ガザ戦争に終わりが見えたのでヒズボラを新たな敵対勢力として戦闘を続けようというのだ。もっとも戦争の拡大と長期化はイスラエルの国力を衰退させず、ネタニヤフ首相の思惑は大きく外れる公算が強いといわれている。
2024年10月05日
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