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サンガンピュールの物語(女科学者)1話



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 Kが謎の女科学者を怖がって警察に通報した翌日の夕方のこと。中学校から帰ってきたサンガンピュールはすぐに警察署に向かった。市長も秘書を警察に派遣していた。その日は、2人は警察にその女科学者の身分照会を依頼した程度だった。大方判明したら市長に折り返し連絡する、という署長の一言であった。
 それから3日後のこと。この日は土曜日であったためにサンガンピュールは勿論、Kも自宅にいた。その間にサンガンピュールは恐ろしい魔女や、殺人ウィルスのことについて頭がいっぱいになっていた。そして午前中に市長から電話が来た。サンガンピュールが電話を取った。

 市長「あっ、サンガンピュールさんですか。土浦市の市長です。Kさんの言っていた女科学者についての詳細が判明したので、すぐに警察署に来てくれ、という警察からの連絡がありました」
 サンガンピュール「そうですか、分かりました。すぐ行きます。…あっ、Kおじさんも行きたいと言っています」

 Kも行きたいようである。自分が言い出しっぺなのだから仕方がない。そしてこれは町、そして日本全体の安全を左右する重大なことであるから。
 しばらくしてサンガンピュール、K、市長とその秘書の4人は警察署に到着した。そして職員の案内で署長室に招かれた。そして4人は署長の口から女科学者について衝撃的な情報を手にすることになった。

 署長「この度、茨城県警察と警察庁が全面的に調査した結果、Kさんが指摘した女科学者の素顔を暴くことができました。彼女の本名は、久米奈緒美。ここからは…特に男性の皆さんは心して聞いて下さい。」

 この場にいる全員がかたずを飲む。

 署長「彼女は超過激なフェミニストです。彼女の主張はこうです。『戦争や飢餓、差別といった悪の現象を生み出す根本的な原因は、男社会にある。この現状を打破するには男から権力を奪取するだけでは足りない。地球上の全ての男たちを抹殺することによって、初めて地球上に真の平和が訪れる』」

 この恐ろしい主張に4人は愕然とした。その直後、サンガンピュールは、
 「『地球上の全ての男たちを抹殺することで、真の平和が訪れる』!?何、変なこと言ってんの!?平和どころか、世界が荒廃しちゃうよ!」
 と声を荒げた。さらに署長はこう付け加えた。
 署長「さらに彼女は、過去に国会議員の暗殺未遂事件を起こしています。そして傷害罪で15年の懲役刑を経て、去年出所したばかりです。釈放された現在でも、警察庁からテロリストとして徹底的にマークされています」
 市長「何と恐ろしいことだ!そのテロリストが土浦の町に堂々と住み着いていたとは…!」
 秘書「どうやら県公安委員会、いや場合によっては国家公安委員会との調整も必要だと思います」
 市長「うん、そうだな。どんな理由であれ、テロリズムは許すことができない!そうしなければ誰一人として、自分の意見を言うのを怖がる世の中になってしまう」

 みんなは女科学者への対処法を話し合ったが、いかんせん結論が見えてこなかった。すると、今まで口を閉ざしてたKが、誰もが驚く提案をした。

 K「無理かとは思いますが、サンガンピュールを偵察に派遣してみませんか」

 ( 第2話 に続く)


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